IS  復讐のデウス・マキナ   作:ぷらもん

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原作と違ってあのキャラが早くも登場です。


売り子は意外と楽しい

どうもこんにちは。志波真季奈です。

 

あれから二日経ちまして、今日はクラス対抗戦当日です。

 

昨日わたしは部屋に戻るなり織斑一夏と箒ちゃんに先日の騒ぎのことを謝って許してもらいました。その後二組へ授業が始まる前に行ったんですが凰鈴音がなかなか捕まらず結局その日は彼女に謝ることができませんでした。織斑一夏いわく、一度怒った鈴の機嫌を治すのは天の岩戸を開けるが如し、だそうです。難しいことです。

 

そうこうしているうちに一日が終わってしまい、クラス対抗戦の当日になってしまいました。

 

クラス対抗戦は金曜日開催ということで、通常授業も全てなくなり、参加者以外の生徒は課外授業として全員アリーナにて試合観戦となっています。試合は一年生の全クラス参加のトーナメント制で、なんと一回戦は一組対二組。つまり織斑一夏と凰鈴音の対決なのです。……このせいで余計に謝りにくくなりました。

 

ちなみに黛先輩は昨日織斑先生以下、生徒指導の教員に不正規の観戦席チケットを売りさばいていたことが発覚して収容所送りになりました。懲役三日らしいです。惜しい先輩をなくしました。まぁわたしは別件で稼がせてもらうつもりですが。

 

さて、それではそろそろわたしもアリーナに向かいましょうか。織斑一夏の試合は一試合めですから急がないといけません。上手くいけば試合前に凰鈴音に会うことができるかもしれませんし、そのまま謝ることもできると思います。

 

「ねぇそこの貴方。ちょっといいかしら?」

 

アリーナに移動するために渡り廊下を歩いているときです。後ろから知らない声の持ち主に呼び止められました。おや、あなたは?

 

「頼みたいことがあるのだけれど、いいかしら? 志波真季奈さん」

 

それはお願いではなく命令ですね? わかりますよ生徒会長殿。

 

『決定』とかかれた扇子で口元を隠しながらニコニコ笑うこの学園の生徒会長。更識楯無がそこいました。

 

……嫌な予感しかしませんね。

 

 

 

 

 

「さて、今日は対抗戦だな。頑張れよ、一夏」

 

「そうですわ一夏さん。特訓の成果を見せてやってください!」

 

「あぁ。サンキュ。箒、セシリア」

 

第二アリーナのピットで俺は試合の準備をしていた。箒とセシリアも一緒だ。二人とも今日まで特訓に付き合ってくれたことに感謝しないとな。

 

「あれ? そういや志波さんは? まだ来てないのか?」

 

確か俺よりも先に部屋を出たと思ったんだけど? 

 

「真季奈なら先に用事を済ませてから来ると言っていたぞ? だが試合前には激励に必ず来ると行っていたのにな」

 

「あら? 真季奈さんが遅刻するとはおかしいですわね。あのかたなら試合前の一夏さんにもっとプレッシャーを掛けに来ると思っていたのですが…」

 

「うむ。体調でも悪いのかもしれんな。ちょっと心配だな」

 

「うん、二人ともちょっと待とうか。おかしいだろその理屈」

 

なんで激励で相手を追い詰めるような話に……有りうるから怖い。志波さんなら笑顔で俺に毒吐いてきそうだ。

 

『おやおや織斑一夏。どうしました? 緊張しているのですか? ゴキブリから進化したような存在である貴方でもそんな人間の真似事ができたのですね。意外です。てっきり今頃台所にある自宅(Gホイホイ)で粘着シートにくるまって引きこもっているかと思いましたよ。せいぜいクラスの期待を裏切らないようにしてくださいね。ほんと』

 

なんてセリフが一瞬で脳内再生されてしまった。彼女なら今の以上の罵倒を浴びせてくるに違いない。そう自信をもって思える俺はもう末期かもしれない。

 

「一夏。もうすぐに試合なのか?」

 

「いや、なんか試合前に全部のアリーナに開催前の挨拶がスクリーン中継されるんだって。試合はそのあとらしい」

 

「プログラム表によりますと、もうすぐ始まりますわね」

 

セシリアが対抗戦のプログラムを確認して言う。もうすぐなのか、と思ったら突然アリーナの観客席に設置されているスクリーンに何か映し出された。

 

『みんなおはよう! 生徒会長の更識楯無よ! 生徒会からのお知らせを言うわ。これから本日午前九時を持ちまして、クラス対抗戦を開催いたします。そしてわたし更識楯無以下生徒会メンバーと『特別ゲスト』による開催前の特別エキシビジョンを行いたいと思います』

 

お、何か始まった。へぇあの人が生徒会長なのか。あれ?? なんか後ろの方にのほほんさんが居るぞ? 彼女も生徒会だったのか? 意外だ。

 

スクリーンには学園のどこかはわからないが大掛かりな鉄骨の骨組みで作られた舞台が映し出されており、その中心に生徒会のメンバーらしき三人の女生徒が立っていた。

 

ゴゴゴゴ!!! 

 

突然、舞台の中央より何かがスモークに包まれながらせり上がってくる。金かかってるなぁおい。

 

『それでは紹介しましょう! 本日のゲスト! 一年一組所属の日本代表候補生、志波真季奈ちゃん! それでは私たちの歌を聞けーーーーーーーーーーーー!!!!』

 

なにぃ!?

 

スモークが晴れると、そこにはドラム、ギター、ベースそして中央にはマイクスタンドとそれを握る志波さんの姿があった。何があったんだおい?

 

『それでは! ギターは生徒会長の更識楯無! ベースは書記の布仏 本音! ドラムは会計の布仏 虚! そしてマイクはゲストの志波真季奈ちゃんダーーーーーー!!!!』

 

『ど、どうも』

 

あ、すっげぇ緊張してるのがモニター越しでも分かる。あんな余裕のない志波さんは初めて見たかもしれない。

 

『それでは歌って貰いましょう! 歌ってもらうのは、キ●肉マ●です!』

 

あ、嫌な予感がする! 凄くする!!

 

『そしてバックムービーは<額に肉と書かれた男>! それではどうぞ!』

 

『(※あの歌です。皆さん脳内でお楽しみください)』

 

ヤメテーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

 

それから曲が終わるまでの間、大画面スクリーンにはクラス代表戦の時の俺のビデオ映像が流れていましたとさ。オウチカエリタイ。

 

 

 

 

はい。なんというか地獄でした。

 

いきなり生徒会長に拉致られたと思ったらいつの間にか舞台でコンサートですよ。わざわざあんなものまで用意して。恥ずかしい。

 

貴方のアルバイトには目をつぶってあげるから! なんて言われて断れるか! 何故バレた!?

 

でも織斑一夏がずっと悶え苦しんでいたのが盗聴器から聞こえてきたので結果オーライです。しかしあの映像、いつの間に生徒会の手に渡っていたんでしょう?

 

わたしは今、第二アリーナの観戦席におります。もちろん試合の応援もありますが、ちょっとしたバイトが目的です。

 

さて、マスクとサングラス、野球帽を被って準備OK!

 

「え~、おせんにキャラメル~、織斑ブロマイドはいかがっすか~? 今なら大特価五百円だよ~。お菓子とセットに買うとレア物もあるよ~」

 

「セットで三つ!」

 

「わたしもちょうだい!」

 

「こっちは二十個買ったァ!!!!」

 

いやー大盛況! 大盛況! 懐が潤うわぁ!!!!

 

『真季奈…、試合は見なくてもいいのか?』

 

え? もう始まってるの? 正直目の前の札束のほうが魅力的ですなぁぐへへへ。

 

『真季奈、真季奈! キャラがおっさん化してるぞ!?』

 

うるさいなぁデウスは。今いいとこなんだから! もうすぐ完売するから! 

 

「すいませ~ん! 売り切れました! また次回ご来店くださーい!!」

 

『『『えーーーーーーーーーーーーーー!!?』』』

 

予想外の完売の速さに自分でもびっくりです。販売開始十五分ですよ? 自分でもびっくりです。

 

む!?

 

『敵だ!! 逃げろ真季奈!』

 

「こらー!! そこの生徒!! なにをしとるかーーーーーーー!!!」

 

やばい! 見つかった!! ア~バヨとっつぁん!!

 

 

ズドォオオオオンっ!!!!

 

突然大きな衝撃がアリーナ全体を襲いました。きゃふ!? あぁ! わたしのお金が!? 待ってー!!

 

なんということでしょう。アリーナを襲った衝撃のせいで今日の稼ぎをばら蒔いてしまいました。急いで回収しなくては!!

 

『そんなことをしている場合か!!! 敵襲だ真季奈!!』

 

え? 教員の接近を許したのですかデウス!!?

 

『違うわこの守銭奴!!! フィールドを見ろ!』

 

おや? よく見ると見慣れない機体がフィールドの中心にいますね? 織斑一夏と凰鈴音がびっくりして固まってます。試合は中止ですかね?

 

「なんですあれは? まさかアリーナの遮断シールドを突破してきたんですか?」

 

『そのようだ。どうする? 他の生徒はもう避難を初めているぞ?』

 

…ふむ。あの機体、仮に見知のISとして、装着者の肌が一切露出しない灰色の『全身装甲』《フル・スキン》。それに加え、中に人間が入っているとは思えない、手が異常に長くて首がない異形のの姿。

 

仮にそんなコンセプトの機体を作ったとして装着者の行動は自由に行えるのかと考えると……。

 

「デウス。あの灰色から生体反応は?」

 

『検出されていないな』

 

「あの機体、さっきから動かないけど何してると思う?」

 

『敵勢力の観察、もしくは行動の学習だと思われるな』

 

ふうん。あ、ビーム撃った。凄い轟音。

 

凰鈴音の『甲龍』《シェンロン》のちょっとした動きに反応して行動したように見えた。つまり……。

 

「学習型AI。それも戦闘経験のデータ収集を目的としているタイプですか。今も学習データをどこかに送信しているんじゃないですか?」

 

『あの未確認のISからISコア・ネットワークを介したデータの送信を確認した。送り先はわからんが間違いないだろう』

 

無人ISの性能実験と戦闘データの向上が目的ですか!

 

しかもあのビームの威力。軍事用ISと遜色ありませんね。フィールドの二人には少し手に余りますか。

 

「仕方ありません。行くよ、デウス!」

 

『了解だ! 真季奈!』

 

本気で行かせてもらいます。出力全開、リミッター解除!

 

 

そしてわたし達はフィールドへと飛び立ちました。

 

織斑一夏を苛めていいのはわたしだけの特権ですので!

 

 

 

復讐⑧ : 織斑一夏の嬉し恥ずかしブロマイド販売

 

結果  : 大盛況のうちに完売。学園中に広まりわたしの懐もウッハウハ。

 

備考  : この戦闘が終わったら落としたお金を拾わなくては!!

 

 

 

 

 




お前試合見ろよ! とツッコミながら書いてました(笑)

さて、次話は苦手な戦闘回です。

次次回でまた日常(?)回が戻ってくるので頑張って書きますか。
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