IS  復讐のデウス・マキナ   作:ぷらもん

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お久しぶりです。

今回は前話の後始末的なお話です。

それでは。




処罰と請求書

アリーナの惨劇(笑)から三時間。

 

主犯たる志波真季奈、以下二名は揃って生徒指導室に連行されていた。

 

三人の少女達は長机に並べられたパイプ椅子に座らされており、自分たちがしでかしたことへの反省を……、

 

『あー楽しかった!!!』

 

……まったくしていなかった。

 

「やかましいわ! このクソガキ共!!!」

 

織斑千冬、苦労ここに極まれり……。

 

「いやー、にしてもキョーダイ。なんだよあの羽? あんな装備初めて見たぜ?」

 

アリーナのおよそ六割をミサイルで吹き飛ばしたレベッカ・パープルトンが言う。

 

「それにあの『単一能力』。あんなものいつの間に覚えていたんですか?」

 

『衝撃砲』の連発でアリーナの三割を粉砕した劉蓮花(リュウ レンファ)が尋ねる。

 

「シールド・エネルギーを使用した高機動ウイングです。それ以上は教えません。それと、『天下騒乱』はあなたに会う前から発現していました。言わなかっただけですよ」

 

『天墜』でアリーナの支柱を切断しまくった志波真季奈が答える。

 

織斑一夏がアリーナのフィールド・バリアーを『雪片二型』で消滅させた後、この三人の戦闘はその規模を拡大させて施設の全てにまで及んだ。観客席に通路、ピットからISの整備室に機材搬入用の裏方まで。アリーナのありとあらゆる場所で暴れまくっていった。

 

その結果が第二アリーナの完全崩壊である。……いやホントに反省しろお前ら。

 

「おいこらガキ共。お前らには自重というものはないのか? あぁ? 死人や怪我人が出なかったのが奇跡としか思えない状況なんだぞ? それに被害総額500億円だ。どうするつもりなんだ、えぇ?」

 

ドスをきかせて三人を睨む。織斑千冬の堪忍袋は尾が切れるどころか爆発四散しているようだ。……ついでに胃薬の数も限界突破していたりする。

 

まぁ厳密にいえば負傷者は全く居ないわけではない。迅速な避難のおかげで一般生徒の被害者はいなかったが、二名の負傷者は存在した。

 

織斑一夏とラウラ・ボーデヴィッヒだ。この二人は戦闘の流れ弾をモロに食らっていたのだが、ISの絶対防御が発動したおかげで命に別状もなければ大きな怪我もない。

 

「負傷者がいないのはなによりです。それにアリーナの件でしたらわたしが全額弁償しましょう。夏休みが終わるまでには新しいアリーナを再建させますよ」

 

「………どうするつもりだ?」

 

「最近、金払いのいいパトロンができましたので」

 

「タチが悪いわこの悪女が!!!」

 

『おー』

 

パチパチと手を叩くアメリカと中国の代表候補生。もはや完全に人ごとである。そして哀れ、今回完全にとばっちりな日本政府の高官たち。アリーナ再建費用など一体どこから捻出できるものなのか、実に無理難題である。

 

「とにかく! 今回の件はアメリカと中国の両政府にも報告しておくからな! そして真季奈! お前も処分が決まるまでの間自室で謹慎だ!! ISの展開も一切認めん!!」

 

『ちぇー』

 

「反省せんかおのれらあああああああ!!!!!」

 

説教はまだまだ続きそうだ。

 

 

 

 

 

一方、被害者組らはというと。

 

「あーもう! だから蓮花と一緒にいたくないのよ!! あの疫病神!!」

 

「怖かった……あれが本当の戦場か……。私もまだまだだな。よし、ギアナ高地に修行に向かおう」

 

「生きているって素晴らしいですわ……。あぁお父様、お母様、そちらに行くのはもう少しお待ちになってくださいな…」

 

「あ、はは、あはははは、あ! あれって彗星かな? 違うか、彗星はもっとビューって飛ぶものねー」

 

「しっかりしろシャルル!! 傷は浅いぞ! てか彗星ってなんだよ!? 箒も刀持ってどこい行く気だ!? セシリア! 帰ってこい!!」

 

織斑一夏と凰鈴音以外は全滅だった。主に精神面で。

 

ここは保健室。あの模擬戦の後に織斑一夏らの面々は診察を受けていた。特に目立った怪我はなく問診のみだったのだが、意外と精神的な外傷があったようだ。

 

「おい鈴! お前も手伝えって!」

 

「え? なによ? こんなのビンタ一発でもかましてやれば治るわよ! ほら!」

 

パン! パン! パン!

 

「ひでぶ!」 「はびで!」 「ぶーー!!」

 

鈴の見事な三連打が彼女らを襲う。

 

『痛いわ!!』

 

「ね?」

 

「な、慣れてるな、鈴」

 

「こんなの中国で蓮花と訓練してるときはしょっちゅうだったわよ」

 

な、なんと恐ろしい……。今なら留学初日の二組の阿鼻叫喚の悲鳴の訳がわかる気がする。ハミルトンさんのアメリカもそうだったんだろうか?

 

「にしてもすごかったなあの三人」

 

「ほんとよねー。まさか蓮花とタメをはれる奴が二人もいるとは思わなかったわよー。……イカれ具合でも」

 

「あの三人、笑ってたね。すごく楽しそうに。……怖いぐらいに」

 

それなんだよなー。鈴やシャルルが言うように、あの三人の戦いはすごいと言うよりも怖い。試合に勝ちたいって感じよりも相手を叩きのめしたいっていう気持ちが肌に突き刺さるって感じで息が詰まりそうになった。

 

「あいつ等のことが気になるか織斑?」

 

「千冬姉ぇ!?」

 

「織斑先生だ、馬鹿者」

 

「どうしてここに?」

 

「ラウラの見舞いだ。ここにいるだろう?」

 

確かに。ラウラは俺の使っているのよりも奥のベッドで寝かされている。保健室に運び込まれてからというもの、未だに目が覚めていないのだ。心配だな。

 

「お前ら、今からラウラとはドイツ政府の機密に関わる話をする。大した怪我が無いのならさっさと出て行け。邪魔だ」

 

怪我人に保健室から出て行けとは鬼だ。まぁ確かにみんな怪我らしい怪我なんてしてないんだが。

 

「そうだ千冬ね…織斑先生。志波さんのISのことで聞きたいことがあるんだけど」

 

「本人に聞け。今は自室で謹慎中だ。いいからさっさと出て行け!」

 

あの『単一能力』のことで聞きたかったんだけど、はぐらかされた気がする。まぁいいや。確かに用もないのにいつまでも居座るわけにはいかないし。

 

「帰ってシャワーでも浴びるか……。行こうぜ、シャルル」

 

「あ、うん。そうだね一夏」

 

そう言って俺とシャルルは保健室を後にする。保健室に残ったほかのメンバーもぞろぞろと出ていった。

 

「あ、織斑君。ちょっといいですか?」

 

「山田先生? どうしたんですか? 悪いシャルル、先に行っててくれ」

 

「わかった」

 

寮部屋に向かう途中山田先生に呼び止められた。長くなるかもしれないのでシャルルには先に帰っててもらおう。

 

「それで、どうしたんですか?」

 

「それがですね……」

 

 

 

 

皆さんこんばんわ。謹慎中の真季奈です。

 

今回の件で深く反省したわたしは、質素な衣服で身を包み、体をベッドに拘束し、映像資料を長時間視聴することによる自主的な勉強を行なっています。

 

「いや、寝巻き姿でただアニメ見てるだけじゃねぇか」

 

「しかもベッドでゴロゴロしながらお菓子も食べてますし」

 

バラしちゃダメですよ。イヤン。

 

ここはわたしの部屋ですが、レベッカと蓮花が遊びにきています。自宅謹慎? バレなきゃいいんですよ。

 

わたしはスウェットのパジャマですが、二人は下着の上にタンクトップですよ。見せつけてるんですか? 胸を。ムカつきますからとりあえず揉んでおきましょうか?

 

「いいじゃないですか。貴方達もわたし秘蔵のビデオを見れるんですよ? これだけでこの国に来た価値があるというものです」

 

「ジャパニメーションは世界一って言うけどよぉ?」

 

「これロボットアニメですよね?」

 

はっ? ロボット? 何を言っているんです!?

 

「ロボットではありません! MS(モビルスーツ)です! 次間違えたらビンタしますよ!?」

 

「え!? ゴ、ゴメン。…おい蓮花、これ何が違うかわかるか?」

 

「とりあえず逆らわずに見といたほうがいいですよ」

 

全く失礼な。レベッカならスーパー系よりもリアル系の方が好きかなと思ってチョイスしたというのに。やはりガン●ムよりもマク●スの方が良かったでしょうか?

 

『真季奈。織斑一夏の部屋で問題が発生した』

 

え? なんですデウス? とうとう織斑一夏がデュノアさんを押し倒しましたか? 

 

『……まぁ、当たらずとも遠からずだな』

 

……………はい?

 

はははは。まさか。あの天然鈍感唐変木の織斑一夏に限ってそんな。デュノアさんが裸で迫って無理やり押し倒す位しない限りそんなことは……。あるか? 彼女スパイだし。ハニートラップしちゃえば国外亡命の大義名分立つし。え? マジで?

 

「れれレベッカ! それに蓮花! 緊急事態です! 今すぐ部屋に戻ってください!」

 

『はい?』

 

キョトンとした顔がムカつきますが仕方ありませんね。

 

「わたしは用事ができたので出かけてきます! それでは!!」 

 

バン! 勢い良く部屋を飛び出します。目指すは織斑一夏の部屋です。走れば五分も掛かりませんよ。

 

ほら着いた。

 

バァン!!!

 

「変態織斑一夏!!! 覚悟ぉ!!」

 

「え!? 志波さへごぉお!!!」

 

「一夏ぁ!!?」

 

部屋の扉を開けると目の前に織斑一夏の姿が。すかさず腹部へと蹴りをいれます。天誅ですよコノヤロー。

 

「し、志波さん!? いきなり何するの!?」

 

あれ? デュノアさん? ジャージ着てます? 織斑一夏も? てっきり二人とも生まれた姿でくんずほぐれつエキサイトしてフィーバーしちゃってると思ってたのですが……事後?

 

「織斑一夏……まさか貴方は……早漏?」

 

「ななななな!? 何言っちゃってるんですかぁ!?」

 

「そそっそそう!? いいいいちかぁ!?」

 

二人とも顔が真っ赤ですね? 中学生ですか? ふむ。

 

「二人とも、ちゃんと避妊はしましたか?」

 

『なんの話!!?』

 

………………デウス?

 

『すまん。正確には、織斑一夏がデュノアのシャワーを覗いた、だ』

 

紛らわしいですよ!!!!

 

まぁでも覗いたんですか。裸を。

 

「織斑一夏、土下座」

 

「なんで!?」

 

「土 下 座 !!!」

 

「は、はい!?」

 

わたしの剣幕に押されたのか、意外と素直に土下座しましたね、織斑一夏。おや、なんと踏みやすそうな頭ですね。

 

ドゲシ!

 

「へぶっ!?」

 

「靴を履いていなかったことを感謝してくださいね」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「は、裸足で頭を踏みつけるなんて……、僕じゃぁ入り込めないよぉ」

 

なんかデュノアさんの様子がおかしいですが、構いませんね別に。

 

「さて、女子のお風呂を覗くとは何を考えているんですか? 箒ちゃんの件で何も学ばなかったんですか?」

 

「不可抗力だったんです! わざとじゃありません!!」

 

「そう言ってれば許されるとでも? これからも他の女子を襲うつもりなんでしょうこの、変 態!」

 

グリグリと床に頭を踏みつけてやります。こんな変態に容赦はいりません。

 

「滅相もございません!! ていうかなんで志波さんはそんな詳しいの!?」

 

「わたしが織斑一夏のことで知らないことがあるとでも?」

 

「怖ぇえええええええええええええええええ!? なに!? なんで!!?」

 

なんででしょうねぇ?

 

反省しているようですし、そろそろ頭から足をどかしてあげましょうか。

 

しゃがみこんで、織斑一夏の顔を両手で鷲掴みにしてわたしの顔を近づけます。

 

「いいですか織斑一夏。貴方が食事をしてるとき、授業を受けてるとき、訓練をしてるとき、夜眠るとき、少しでも今日のような悪事を働けばわたしはすぐに飛んできて折檻しますからね? どうです? 嬉しいでしょう?」

 

「志波さん顔が近い目が怖い、瞳孔が開きっぱなしでホント怖い……いえすいませんごめんなさい嬉しいですありがとうございます、だから許してください!!」

 

ならいいでしょう。次はないですよ?

 

「ではわたしは部屋に戻ります。デュノアさんは好きにして頂いて結構です。この部屋にいるなりわたしの部屋……は織斑先生がいますが来たければ構いません。ですが、もし織斑一夏に襲われそうになったらISで去勢してしまいなさい。それでは」

 

「あ、ありがとう! でももうしばらくこの部屋で頑張るよ!!」

 

そうですか。ではご武運を。

 

もう疲れました。今日はこのまま帰って寝ましょう。

 

「な、なんだったんだ?」

 

「……一夏、深く考えないほうがいいよ……」

 

「あ、うん……そうだなー。………………………………………………………………なんだ、もう終わりかー」

 

「!? 一夏ぁ!?」

 

 

 

 

翌日。一年一組の朝のSHRです。わたしの謹慎は今日発表されて明日から一週間だそうです。

 

おや、教壇の前で山田先生の様子がおかしいですよ?

 

「りゅ、留学生を紹介します。シャルロット・デュノアさんです。デュノアさんは女の子だったんですねー。あは、ははははは、はぁあああ。また部屋替えしなきゃー」

 

「シャルロット・デュノアです。改めまして、皆さんよろしくお願いします」

 

山田先生がくたびれてる!? というかデュノアさんが女子の制服を着てカミングアウトしてますよ?

 

ええええええええええええ!? 美少年じゃなくて美少女だったの? ショックー!! でもこれはこれでアリ!

 

うん、うちのクラスは平常運転、問題なし。タフですね、ハイ。

 

織斑先生もこめかみ抑えてますね。心中お察しします。

 

「真季奈の姐さん!!」

 

おやラウラちゃん。もうすぐ授業が始まりますよ? いえ、それより姐さんてなんですか。

 

「はい! この間の事件では自分の未熟さを痛感しました! ですので私はこの一年真季奈組の姐さんの元、舎弟として精進させていただこうという次第でございます!」

 

はいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい??

 

「い、いやラウラ。真季奈組って、一応このクラスの代表は俺なんだけど……」

 

おぉ、言ってやりなさい織斑一夏!

 

「何を言う! お前はこの組の若頭だろう?」

 

「いや違うよ!?」

 

誰ですかラウラちゃんに阿呆な知識を植えつけたのは!? 完全にこのクラスを極道一家みたいな認識をしてますよ!?

 

「志波さん。真季奈って呼んでいい? 僕のこともシャルロットでいいからさ」

 

「え? いいですよ。えっと、シャルロットさん?」

 

「うん! ありがとう! ……負けないから」

 

え?

 

「姐さん! 肩をお揉みしましょうか!? ほ、ほら織斑一夏! ぼさっとしてないで姐さんの足を揉んでさしあげないか! お前も同じ組員ではないか!」

 

「え、ええええ!? い、いいのか?」

 

殺しますよこの変態!!

 

「貴様らさっさと席につかんかぁああああああああ!!!」

 

あーーーもう! 謹慎中は絶対部屋から出ませんからね!!!!

 

 

 

 

 

復讐 ではなく 折檻 :土下座させて頭を踏み付ける。

 

結果         :大変素直に反省しました。

 

備考         :ちょっと楽しかったです。

 

 

 

 

『どうするんだ真季奈?』

 

知りませんよ!!!




と、まぁこれで二巻は終わりです。

学年別トーナメント? あんな開催してもすぐに中止になるような行事なんて中止ですよ中止(笑) 

箒ちゃん残念!

真季奈の謹慎は次話からということで。

三巻に入る前にもう少し事後処理のオリジナルを入れたいと思います。

それとラウラですが、どうしてこうなった!?

一応ガールズ・ラヴではないはずです(汗)

最近、真季奈ちゃんのSっ気が暴走気味です。早く何とかしないとw
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