三巻に入りました。
原作キャラの影が大変薄くなっております。ご注意を。
「以上で報告を終わります」
「そうか、ご苦労だった」
こんばんわ。志波真季奈です。
わたしはお昼のラウラちゃんとシャルロットさんとの模擬戦の結果を織斑先生に自室で報告しているところです。実はあれ、学園側からの任務だったんですよ。汚れ仕事ですね。
「ボーデヴィッヒへの過剰暴行、機体の消耗度、そして精神的圧迫。それらを満たしてもVTシステムの再発は認められかった、か。それで? 肝心のシュヴァルツェア・レーゲン内部にもプログラムがまだ隠されていた可能性は?」
「天蓋王でラウラちゃんに接触した際に機体内部にハッキングしましたがそれらしいものは何も。まぁ限りなくシロに近いグレーと判断して問題ないと思いますよ?」
「そうか。ならボーデヴィッヒのISの使用監視は解除してもいいな。これであいつのISも臨海学校での携帯許可も出せる」
レベッカと蓮花は帰国しましたが、ラウラちゃんとシャルロットさんは学園に残ったそうです。織斑一夏が原因らしいですよ? 乙女してますねぇ。
「こんな裏仕事、生徒にやらせないでください。抜き打ちでする必要があるとはいえ友達をなくすんじゃないかと心配になるんですけど?」
つまるところ、ラウラちゃんのIS、『シュヴァルツェア・レーゲン』に搭載されていたVTシステムなるプログラムが本当に抹消されているのかの確認をさせられたんですよ。ドイツ政府に査察を行なったり、IS委員会からの捜査を受けたからといって完全に信用などできない。何故なら既に規則を破るような奴等だからだ。用心深く疑うに越したことはない。
しかし何故わたしが? 織斑先生曰く、お前以上にプログラミングとソフトウェアに精通したプロフェッショナルは居ないだろう? とのことです。めんどくさいことに巻き込まれたなー。
「ボーデヴィッヒとの模擬戦の日取りをこちらで指示しようかとも思ったが、都合よく謹慎明け初日に向こうから持ちかけてきたのは嬉しい誤算だったな」
「こういう時だけは織斑一夏様々ですね。何故か普段は模擬戦を避けられていますからね」
「それはまぁそうだろう。というか、エナジーウイングの使用はしばらく禁止な」
何故です?
「お前アレを使っているときの変わり用はもう二重人格の域だぞ? どうにかならんか?」
「いや、だってまぁその……、翼を思い切り広げると開放感があって落ち着くというか、ハイになるというか……」
「ゆっくり話し合おう! な! これからはもっと一緒に過ごす時間を作るから! 仕事も早く帰るようにするから!!」
いや織斑先生? なんか家庭を顧みずに仕事していたお父さんが家族仲の修復に頑張っているようになっていますよ? 嬉しいですけど。
「しかし、精神的苦痛を与えろとは言ったが随分と派手にやったな?」
「織斑先生の訓練に比べたら優しい方だと思いますよ? わたしのときはあの場面からの顔面を強打。ついでの蹴り飛ばしがあったじゃないですか」
「……そういえばあったな。なら問題ないな、うむ。軍での訓練でも似たようなものだしな。そういえば、調教がどうのという発言があったらしいが?」
「あー、いやー、そのぅ…………ラウラちゃんの泣き顔って可愛いじゃないですか………」
「……………今のは聞かなかったことにしてやる」
だってラウラちゃん小動物みたいな愛くるしさがあるからつい苛めたくなるというかなんというか。あ、織斑一夏は違いますよ。アレはいたぶりたい憎らしさなので。
「そうだ。臨海学校といえば。真季奈はちゃんと準備をしているのか? 必要なものがあれば早めに用意しておけよ。なんなら明日にでも一緒に買い物に行こうか」
「あ、それでしたら織斑一夏がエスコートしてくれるそですよ?」
「………なに?」
「なんといいますか、デウスが段取りをつけたらしくて。明日のお昼前に一緒にショッピングに行くことに」
「なんだとぉ!?」
わ!? 何事ですかそんな大声を出して!?
「す、すまん……。そうかそうか、一夏と買い物、か」
「は、はぁそうですが?」
「…………わかった。そういうことなら後でお小遣いを渡そう。…………あの愚弟め、真季奈との買い物をよくも」
な、なんですか? 織斑先生が妙に怨念めいたオーラを出している気が……。
「そういうことなら早めに寝たほうがいいな」
「そうですね。おやすみなさい先生」
「あぁ。おやすみ真季奈」(愚弟は明日の朝に呼び出しかけてやる)
ぬふふふ。明日は志波さんと買い物か~。デウスには感謝しなくちゃなー。これはもうあれだろ? で、デートって考えてもいいんだよな? 前みたいにはいかないぜ!
「ん? 千冬姉ぇからメールきてる」
『明日、朝八時に生徒指導室に来い。逃げたらコロス』
「なんで!?」
さて、一晩明けまして日曜の朝十時です。IS学園の正門前で織斑一夏と待ち合わせです。デウスはお留守番なのでいません。なんでも織斑先生に用があるとか…。もうあの子が好き勝手出歩いていることにツッコミませんよ? 先生の手元にあるのならいいでしょう。
もう彼は来ているでしょうか? お、正門に人影が。あれでしょうね。
「……あ、おはよう志波さん……」
「おはようございます。どうしたんですか? ひどくやつれてますよ?」
きちんと時間通りに待ち合わせ場所に来ていた織斑一夏。しかし何故かずいぶんと疲れているご様子で。何があったんでしょう?
「いや、ね? 千冬姉ぇがね?」
「はぁ。織斑先生が?」
「生徒指導室に朝から呼び出されて、椅子に縛り付けられて、尋問と拷問でありとあらゆる苦痛を、うぅううあぁああああああああああああああ!! やめてくれ千冬姉ぇ! そんな重いもの乗せないで!? 間接はそっちには曲がらないよ! 眩しい! 目が、目がぁああ!!」
「えぇ!? ちょっ、落ち着いてください! 大丈夫、大丈夫ですから!! ここには織斑先生はいませんよ! ほら! 大丈夫!」
突然狂ったように叫び出す織斑一夏の様子に流石のわたしも戸惑いを隠せません。織斑先生、何をやっているんですか!?
頭を抱えて地面に倒れ付しています。この男、なかなかのパフォーマーですね。とりあえず写メっときますか。いやそうじゃなくて!
「ほら、よしよし! ね? 織斑先生はいないでしょ? ここにはわたししかいないですよ?」
「あ、あぁうん。ごめん取り乱した。そうだな千冬姉ぇはいない。いないったらいない。俺はもう自由なんだ!」
織斑一夏の頭を抱きしめながら撫でて、なんとか落ち着かせようとしながら思います。何があったんですか!?
「ありがとう志波さん。志波さんがそばにいてくれるから俺なんとかやってけれるよ。生きてるって素晴らしいなぁ」
「え、えぇそうですね」
どうしようこいつ。今日は散々イジリ倒してやろうと思ったのになんかやりにくいですよこれは。まぁ落ち着いてきたら容赦はしませんが。
「落ち着きましたか? それじゃぁ行きましょうか。今日はどこへ連れていってくれるんですか?」
「うん、駅前のショッピングモールだよ」
「よし、許可するオルコット。あの愚弟の頭を撃ち抜け」
「イエス、マム」
「ちょっと待とうかそこの二人!!」
私は今日ほど早起きしたことを後悔した日はない! まさか一夏と真季奈のデートを見つけるだけでなくそれを見張る織斑先生まで見つけてしまうとは……。
ていうか他にもいっぱいいるし!!
「なんですか箒さん! 止めないでください!」
「そうだ! 真季奈に頭ナデナデだとぉおお! 私だってやってもらったことがないんだぞ!?」
「舎弟である織斑一夏にもあの愛情の深さ…さすが姐さんだ」
「真季奈ずるいよぉ」
「なによ真季奈の奴! せっかく蓮花の帰国祝いに一緒に買い物に行こうと思ったのに!」
どっから嗅ぎつけてきたこいつらは!!
千冬さん、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラの五人と私こと篠ノ之 箒は日曜の朝早くから一夏と真季奈のデート? を尾行している。前途多難だなー。特に千冬さん。
『安心しろ箒。いざとなったら俺が止める』
「デウス!? なんでおまえがここに?」
真季奈の専用機がなんでここにいるんだ? いいのかおい。
『一度、真季奈と織斑一夏を客観的に見てみたかったんでな。今日は千冬と一緒にいることにした』
「もう何でもありだなお前……」
「何をしている篠ノ之! 真季奈たちが行ってしまうぞ!! おのれ愚弟めぇ、朝の拷問が足りなかったようだなぁぁあ!!」
『『『拷問って何!!?』』』
「もしも真季奈に手を出してみろ、今度はさっきみたいな生ぬるい物じゃ済まさんぞぉ」
「殺気!?」
「どうしました?」
「い、いやなんでもないよ」
今の背筋を走った寒気はなんだ!? まさか千冬姉ぇがまたたたあばあばばばあっばあばb。
「織斑一夏! しっかりしなさい!」
パァン!! 綺麗な平手打ち!
「ありがとうございます!!」
ふー、志波さんのビンタは効くぜぇ…。
ときに志波さんや?
「なんで俺の服の裾を掴んでるの?」
「………気のせいです」
いやいやいや!
俺たちは駅前のショッピングモールに来ている。ここはでかい。とにかくでかい。
ここは電車に地下鉄、バスにタクシー乗り場とあり、物販も大人から子供までのファッションコーナーからゲーム、オモチャ、本屋、食品売り場などが混在した巨大モール。
つまりここで揃わないものは何もないと言っても過言ではない!
なので、休日ともなれば人も特に多いわけで。
「ひょっとしてはぐれないようにしてるの?」
「………気のせいです」
「志波さんってもしかして方向オン」
「気のせいです!!」
「そうですかー」
そういや志波さん、アメリカで荒野をバイクで爆走してたって……。放浪してたんですねわかりました。
「手、繋ごうか?」
「結構です」
「繋ごうよ」
「変態」
「繋がしてくださいお願いします」
「…………そこまで言うのなら」
『コロスコロスコロス!!』
『おい!? 織斑先生を止めろ!』
『教官落ち着いてください!』
志波さんがゆっくりと手を伸ばしてくる。俺はその手を掴もうと、
『お客様にお知らせいたします! ただいまより婦人服売り場にて大特価! なんと一着五百円!!』
はい?
ドドドドドドドドドドドド!!!!! オバチャンの大行進が現れた! なにこれコワイ!
キャー! ちょっとどいてよ! そっちこそ! 押すんじゃないよ!!
「うわ!? 志波さん!」
「うにゃ~~~~~~~~~!!!」
あぁ!?志波さんが人波に飲まれた!! てかこのオバチャンたち何!? あぁ、志波さんどこ行った!? もう完全に見えねぇ!
『いかん、真季奈を探せ!』
『急ぐぞデウス!』
『『『いや一夏は!?』』』
『知るか!』
くそっ!? 志波さんどこだ!
『更にお知らせです! なんと小物が!』 ドドドドドドドドドド!!!
なぁ~~~~~~~~~。 志波さんの声!? あっちか!
『更に更にお知らせです! 化粧品がー!』 ドドドドドドドドドド!!!
にゃんと~~~!!
「いい加減にしろよ店員!!!」
志波さん、カンバック~~~~!!
駄目だ、完全に見失った。そうだ! 携帯にかければ……あれ? ない!? なんで!? くそこうなったら迷子センターに駆け込んで見るか?
ねー、あれひょっとして? えーまさかぁ? いや絶対そうだって!
「? なんだ?」
なんか周りのお客さんから見られてるような? やばっ!? そういや俺、テレビで顔バレしてるんだった!!
そういや俺、世界初の男性IS操縦者として全世界でテレビ中継されていたんだった。あまり立ち止まっているのもマズイな。
『お客様に迷子のお知らせです』
お? まさか志波さんか!
『織斑一夏様。迷子センターに…え? あ、はいわかりました』
なんだ?
『織斑一夏様、迷子センターに《ご主人様》がお待ちです』
ザワ!?
ちょっと待とうかオイ!!!!
『ペットショップにてお似合いの首輪を買って来てきやがれでお待ちです。繰り返します……』
ザワザワザワザワ。 えーなに、ご主人様って? うわー引くわぁ。
見ないで! 俺をそんな目で見ないでぇ!! ていうか間違いなく志波さんだこれ! 迷子センターはどこだあああああ!!!
『『『一夏、不憫な子!』』』
「遅いじゃないですか」
「やかましいわバカヤロウ!!」
おかげで店中の視線に晒されたわ!!
広すぎるくらい広いショッピングモールを徘徊し、ようやく迷子センターに到着した俺。その間何度もあの放送が……、もうこの店に買い物にこれない!
「あ、お迎えの方ですね。お嬢さん、もう迷子になっちゃダメですよ」
「……お世話になりました」
受付のお姉さんが対応してくれる。よくよく考えてみればあの放送を流してたのこの人なんだよな? おのれ。
「ちゃんと首輪は買ってきましたか?」
「それマジで言ってたの!?」
ドS過ぎる!!
「デウスに買ってあげようと思いまして」
「紛らわしいわ! 俺の涙を返して!!」
「ザマァ」
この子ったらもうぉぉおおおおお!!
「お客様、お客様」
え? なんすか受付のお姉さん?
「彼女さんね、ここに涙目でやってきたのよ? ここはどこですかー? って」
「そ、そうですか」
「でも貴方が来たらもうすっかり元気になっちゃって!」
「へ?」
「ほら! 早くいきますよ織斑一夏!」
「あ、おう!」
どういうことだろう? とりあえず今度こそ手を繋ぐぞ! いろんな意味で逃がしたらやばい! 本当にやばい!!
『あの二人、手を握ってません?』
『握ってるね』
『そっかー目の錯覚じゃないんだー』
『『『よし殺そう!』』』
『だから待てお前ら!!』
やはり殺気!? なんなのこの店!?
さて、散々な目にあいましたよ。
ところで。
「いい度胸ですね。この変態やろう!!」
「何が!?」
しらばっくれるとは生意気な。
「わたしは水着を買いに来たんです! なんで下着コーナーに連れてくるんですかいやらしい!」
「ここは水着コーナーです間違いありません!!」
はぁ!? これが水着ですか!?
「何言ってるんです? こんな紐と少ない面積しかない布が下着じゃなくてななんですか! こんなのを着て日の下を歩けと!?」
「水着ってそういうものでしょ!?」
「変態!変態!変態!変態!!!」
「なんと言われてもそういうものなんです! みんなこういうの着て真夏の太陽をランナーズ・ハイしてるんですよ!!」
なん……だと……!?
「馬鹿な!? わたしが子供の頃に来ていた水着はもっと布の面積がありましたよ!?」
「ちなみにどれくらい?」
「ISスーツと同じですね」
「それスクール水着!」
「水着で合ってるんじゃないですか!」
「これも水着なんだと認めてくださいお願いします!」
まさか正気ですか? 世の女性は皆こんなのを着て人前に出ると? ほとんど裸のようなものじゃないですか!?
「狂気の沙汰ですね」
「志波さんは学校以外で泳ぎに行った事ないの?」
「夏にクーラーの効いた部屋から出るわけないでしょう!」
「ダメな子きたこれ! テレビで見たことは?」
「夏と言えば毎日アニメ! これ基本」
「やばいこの子。早く何とかしないと」
しかしそうなるとこの中から選ばないといけないということでしょうか? そしてそれを着ろと? 人前で? この男の前で?
「最悪です」
「諦めてくださいな。それじゃぁこれなんかどう? ビキニタイプ」
「死ね」
「それじゃぁ露出のないフルボディー」
「恥をかけと?」
「セパレート」
「及第点」
「これならどうだ! ワンピース!!」
「まぁいいでしょう」
これならISスーツと大して変わらないですしね。足を出すのが嫌ですが。それではこれを試着してみますか。
「覗かないでくださいね?」
「命は惜しいんでやらないよ」
惜しくないなら覗くと? やだ怖い。
試着室に入りました。さて着替えますか。
『おい愚弟』
『げぇ!? 千冬ね』
ドガ! バキ! ボゴ!
? なんだか外が騒がしいですね?
シャッ!
「どうしました?」
試着室のカーテンから顔だけ出して外の様子を伺います。織斑一夏、騒がしくすると他のお客さんに迷惑ですよ?
「い、いやなんでもないよ? 大丈夫ダイジョーブ」
「なんかボロボロになってません?」
「気のせいです」
「そうですか」
よくわかりませんがまぁいいでしょう。試着に戻りましょうか。えーと、こう着るんですかね?
「織斑一夏。どうですか?」
カーテンを開けて水着姿を織斑一夏に見せます。織斑一夏が選んだのは胸元にフリルの付いたグリーンのワンピースの水着です。
「うん、似合ってると思うよ」
「ではこれを買いましょう」
「決断はや!? いいの?」
いいんです。他のを見てもよくわからないですしね。わたしは買い物に時間をかけるつもりはありませんので。
それではさっさと会計を済ませましょうか。織斑一夏、レジまで案内しなさい。
「じゃぁ行こっか」
「はい」
私服に着替え直してレジで精算を終えたわたし達は水着売り場を後にしました。このまま帰ってもいいんですが、織斑一夏が寄りたいところがあるそうで。
「どこに行くんです?」
「おもちゃ屋にね」
なるほど。オモチャ、ですか。
「それは大人のオモチャというものですか? この変態」
「どういう意味!? ちゃいますよ!」
「わたしをそんな店に連れ込んでチョメチョメしようということですか。見損ないました。近寄らないでください」
「あぁ! 志波さんが一瞬で離れてく!? 違うよ! 全然いやらしくないから! まっとうなおもちゃ屋だから!」
本当でしょうね? このHENTAIについて行って大丈夫なんでしょうか? 身の危険を感じます。
「なんか今日はちょっとガード硬すぎませんかねぇ!?」
「デウスが居ないんで不安なんです」
「あ、そうなんだゴメン」
デウスがいないことに疑問はないんですか? 変に理解力があって不気味ですね。やだキモイ。
「それで、ここがその店なんだけど……」
「ほほう」
いつの間にか目的の店まで誘導されたました。何たる誤算! これが手を繋がれていた弊害! ちくせう!
「………普通におもちゃ売ってますね。こども向けの」
「俺! 大勝利!!」
うぜぇ。でもこんな店に連れてきてどうしようと言うんです? 売っているのは、ライダー変身ベルト、魔女っ娘ステッキ、トレーディングカードにヨーヨーとミニ四駆。織斑一夏がこんなモノを集めているなんて知りませんでしたよ?
「志波さんこっちこっち」
「わたしですか?」
あなたの買い物じゃないんです?
「志波さん、こういうのに興味あるかなって」
「これは…」
そこにあったのは。
プラモデル! フィギュア!! 超合金ロボット!!!
なにここ天国!?
「志波さんアニメのロボット好きだからさ。ここは結構品揃えもいいし……って志波さん!?」
「え!? 何か言った!?」
うぅぉおおおおおおおお!! これは発売日即日完売の超合金ガオガイガー!? しかも初版だと!? こっちはGセイバーのプラモ! なんてマニアックな!! あ、完全変形ゲッターだ! ひゃっほーーい!!!
「気に入っていただけて何よりですハイ……」
買えるだけ買ってやんよ!!!
「買いすぎましたね」
「両手いっぱいですもんね!!」
まさかここまで買い込むことになるとは……。あまりの量に飲食店に入るのもためらうレベルだぜぇ。
そういうわけで俺たちは昼飯も食わずにIS学園に帰っているところだ。もう飯はそっちで食おう。
「まぁとりあえず、これで臨海学校も大丈夫でしょう。一応感謝してやりますよこの変態」
「とりあえず罵倒をやめようか、うん」
お礼と罵倒がセットになってるなんて不思議!
「どうせ今晩はわたしの水着姿でよからぬ妄想をかきたてるんでしょ?」
ぶふぁぁ!!? なんて事言ってくれやがるんですか!?
「そそそそんなことないでありまするけるよ!?」
「……うわぁ」
「そんな目で見ないで!」
なにこの汚物を見る目!? グサッとくる! 普通に傷つくわ!
「すいません。明日から毎日手を洗ってから話しかけてくれません?」
「どういう意味だ!? ねぇそれどう意味だ!!?」
「近づかないで!!!」
「ガチで泣きそうなんですけど!?」
くそう、でもこのくらいじゃ諦めないぜ!!
「ところで織斑一夏」
「なんざんしょ姐さん」
「貴方はプラモデルを作ったことはありますか?」
「? そりゃまぁ何度かあるけど」
小学生位の時はな。中学に上がった頃はバイトばっかりだったし、なるだけ節制していたから作ってなかったけど。
「実はわたし、衝動でこんなに買い込んでしまいましたが一度も作ったことないんです」
「……あぁそう」
それでこの量ってとんでもないな……。二十は買ってるんだけど。
「あの、その、できたら教えてくれませんか?」
なにこれ可愛い。なんで顏真っ赤なの? なんで上目遣いなの? なんでドS女王様なの?(切実)
「あぁ、任せとけ!」
復讐14 : 公共の場で恥をかかす。
結果 : やーい
備考 : 首輪を買ってこいや
『真季奈はやはり笑っている方がいいな。それには織斑一夏が必要か。なら……』
今日の真季奈と織斑一夏。二人でいるときが一番、真季奈はイキイキとしていた。なら、真季奈の意に反しようとも『俺』はあの子の幸せを……。
『そうさ。真季奈の笑顔を奪う奴は全て………俺が殺してやる』
「さて愚弟、覚悟はいいな?」
「言い訳あるか!! 散々邪魔しやがって! あばよ!!」
『『『逃がすかぁ!!』』』
「なんなのお前ら!?」
「あ、織斑一夏の携帯。盗んだままだった。あとでこっそり返そっと」
真季奈ちゃんうっかり。
またもやデート回です。以前と違うのは二人の意気込みです。ワンサマーはやる気十分、真季奈はテキトー。
千冬ねぇは親馬鹿ですね。
ラウラのVTシステムなんですが、原作を読んでいてずいぶんあっさりしていたなと。
それで前回と今回で裏を取るようにしました。普通没収モノですよ? ISコア。
今回のさりげないMVPは箒です。一夏が生きてIS学園に帰還できている!
それでは次回。