「ちょっとよろしくて?」
「へ?」
「なんでしょう?」
二時間目の休み時間。織斑一夏のあまりにも残念な頭の出来に苦労させらてたわたしは、自分の休み返上で授業の復習をさせているところです。
復讐相手と授業の復習をしている。何たる皮肉か。
ちなみに二人の机はくっつけています。
カッとなってやりました。反省はしています。
授業中、織斑一夏のわたしへの質問の回数があまりにも多かったので面倒になってやりました。それからもうマンツーマンですよ。畜生。
「……大分苦労しているようですわね。志波真季奈さん……」
「うん。出来るなら代わって欲しいよオルコットさん……」
机の上の惨状に気づいて同情的な視線を送ってくれるビッグボイン。。
話しかけてきたのはセシリア・オルコットさん。イギリスの代表候補生で第三世代のIS『ブルー・ティアーズ』のパイロット。
あれはイイものだー。ビットとか一度は使ってみたいよねー。落ちろカトンボ!! って。
金髪縦ロールにでっかいおっぱいミサイルも搭載してるんだから驚きだー(棒) 撃てないけど(笑)
「誰? 知り合い?」
あー、やっぱりかこの馬鹿。無知にも程がある。
「まぁ!? わたくしを知らない? このセシリア・オルコットを? イギリスの代表候補生にして、入試主席のこのわたしを!?」
あ、入試主席なんだ。それは知らんかった。ちなみにわたしは裏口入学です。サーセンwwwwwwwwww。だって政府に無理矢理入れられたので。
「話したことないけどお互いチェックくらいはしてるのよ。そうでしょ? オルコットさん?」
「そのとおりですわ! でもまさか志波さんがわたくしのことを知っていらしたのはお驚きですけど」
「第三世代のISは数が少ないしねー。特にあなたのブルー・ティアーズは武装が興味深かったし」
「まぁ!」
オホホ、ウフフ、と和やかに話しかけているように見えますが、実際はバチバチと火花が散ってますので。はい。
「あ、質問いいか?」
「ふん。下々のものの要求に応えるのも貴族の務めですわ。よろしくてよ」
「代表候補生って、なに?」
がたたっ!!
聞き耳を立てていたクラス中の女子がずっこけた。このクラスよくこけるなー。
「あ、あ、あ、あなた本気でおっしゃってますの!??」
「おう。知らん」
……これにはわたしも空いた口が塞がらなかった。あ、オルコットさんも頭痛いのかこめかみ抑えてなんかブツブツ言ってる。ですよねー。
「織斑一夏、あなたの家にはテレビはある?」
「当たり前だろ? ニュースだってバッチリ見てるし」
「じゃぁIS関連もちゃんと見てる?」
「まぁたまに流れるけど?」
こいつ興味ないものには全く関心も寄せないタイプだ。カラオケ行っても何も歌えない人種だ。
ISのこと何も知らねぇ。
「で、代表候補生って?」
なおも聞いてくるこの馬鹿に説明するのが面倒なので、オルコットさんに手のひらを見せてお願いした。
……わたしゃ疲れたよ。
「国家代表IS操縦者の、その候補生として選出されるエリートのことですわ」
そうそう。単語から想像できると思うんだけどなー。
「エリートなのか」
「まぁ、エリートだね」
「そう エリートなのですわ!」
おぉ、復活した。見てて面白いなーこの人。
なんか織斑一夏の顔に指をこう、ビシッと突き出してる。
いいぞーそのまま目を抉れ! 鼻に突き刺せ! 歯を引き抜け!
やらないか、ばっちいし。
「本来ならわたくし達のような選ばれた人間とは、クラスを同じくするだけでも奇跡……幸運なのよ。その現実を理解しています?」
「そうか。それはラッキーだ。そういや志波さんも代表候補生なんだっけ?」
「そうですわ! 特に志波さんは日本の代表候補生の中でもトップクラスの実力者! それだけでなく世界でも有数の科学者としても名を馳せた天才ですわ!」
「そうよ。だから織斑一夏はわたし達に拝観料1000円を支払わないといけないの」
「えぇ!? なんだよそれ!?」
「ちなみに十分毎にね。ほら、今日はもう三時間ぐらい経ったから1万8千円払ってもらうわよ。もちろん二人分ね」
「な、ま…まじかよ? それだとおれは一日いくら払わないといけないんだ? あっという間に破産じゃねぇか……」
「1時間で6千円。授業で一緒にいる時間から考えたら、大体10時間ぐらいで6万円。それが二人だから12万円位ね。しかも代表候補生は他のクラスや学年にもいるわ」
それを聞いてどんどん顔を青ざめさせる織斑一夏。
あぁ、たまんない。
「最低でも毎日12万!!? そんなの払いきれねぇよ!」
「大丈夫。そういう人たちの為に国からIS保険が用意されてるわ。特に未成年はこれに加入すれば奨学金扱いで毎年支援金も振り込まれるからお得よ」
「おぉ!!」
「ほら。ちょうどここに書類があるわ。今ならまだ間に合うわ。早速記入して職員室で手続きしてきなさい!」
「わかった! ありがとう志波さん!」
早速そう言って必要書類に記入を始める織斑一夏。
ククク、馬鹿め。
「あのー、だ、騙されてますわよあなた?」
「へ?」
「チッ」
くそ、意外と善人かこの金髪ロール。てっきり女尊男卑社会にどっぷり浸かったテンプレ女かと思ったのに。
「そんな拝観料も保険もありませんし、何よりその書類をよく見たほうがいいですわよ」
「な、なんだって!? こ、これは!?」
『IS学園 退学届』
「おしい!」
『『『おい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』』』
「あ、危ねぇ! 入学初日で学校退学するところだったぁ!」
「いいじゃん。伝説になるよ?」
「やだよそんな伝説!」
「世界唯一の男性IS操縦者。入学初日に学園を追放か!? うん新聞の一面間違いなし!」
「鬼か!」
「違うなぁ。わたしは悪魔だぁ」
「お前の方が伝説の存在じゃねぇか!?」
お、わかるか劇場版。DB面白いよねー。
「あ、あの、これなんお話しでしたっけ?」
オルコットさんがためらいがちに聞いてくる。この程度でネを上げるとは、このクラスではまだまだヒヨッ子よ!
「織斑一夏が予想以上のお間抜けさんって話よ」
「あぁ! なるほど!」
「なるほどじねぇよ!」
こいつ面白いなぁ。イジりがいあるわぁ。
復讐② : 織斑一夏退学作戦
結果 : 失敗
備考 : ツッコミスキルあり?
キーンコーンカーンコーン。
ちょうどよく三時間目の授業を告げるチャイムが鳴る。
急いで次の授業の準備を始めないと織斑先生の鉄拳制裁が待っているだろう。…文字通り。
「ほら織斑一夏。次の授業も大船に乗ったつもりでわたしに頼っていいからね☆」
「不安でしかねぇよ!」
『…真季奈が楽しそうで何よりだ』
いつの間にかうちのヒロイン兼主人公が苦労してます。これは復讐心がどんどん募っていくんでしょうねー(笑)
基本織斑一夏にはこんな感じで接していくことでしょう。
復讐の相手は他にも。