IS  復讐のデウス・マキナ   作:ぷらもん

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お久しぶりです。

今回はなんというか、繋ぎ回です。

ギャグなしヤマなしオチなしです。

時間のある方はナナメ読みで。無い方はブラウザバックオススメです。

それではどうぞ。


祭りは準備している時が一番楽しい

さて、IS学園も文化祭に向けての準備が大詰めとなり、開催を明日へと控えた今日。一つの問題が上がっていた。

 

それは。

 

「備品泥棒よ」

 

「「「はい?」」」

 

生徒会室にて、この部屋の主である生徒会長更識楯無が言った。集められた生徒。織斑一夏、志波真季奈、更識簪、篠乃ノ箒がそれを聞き首をかしげる。

 

「いい? 文化祭を明日に控えた今、このIS学園には様々な物資が運び込まれているわ。下手人はそれに乗じて、大量の資材が溢れる混乱に紛れて盗みを働いているらしいの」

 

「大変じゃないですか! よく気づきましたね」

 

「被害にあったという生徒たちから報告があっただけよ。それに答えているだけ」

 

「………お姉ちゃんが仕事をしている」

 

「いえ、騙されちゃいけませんよカッシー。あれは女の子に恩を売って後で美味しくいただこうという悪巧みです」

 

「お前らはもっと素直に現実を見ろ」

 

織斑一夏は素直に感心し、更識簪は疑問に思い、志波真季奈は疑い、篠乃ノ箒がツッコんだ。

 

「あなた達を呼んだのは他でもないわ。解決してもらいたいのよコレ」

 

「何故です? これ、警備員の仕事でしょう? ナターシャさんとか」

 

楯無の依頼に真季奈が反論する。それはそうだ。これは学園側の警備の落ち度。泥棒に物品を盗まれるなどセキュリティはどうなっているんだと生徒に文句を言ってもその解決を押し付けられる覚えはない。

 

「それがねぇ~」

 

と、生徒会書記である布仏本音こと、のほほんさんが声を上げる。

 

「被害にあったのがISの整備室でねぇ~」

 

「? どうしてそんなところ? ISの装備でも盗まれたのか?」

 

そうなると大事だ。被害総額もさることながら、本来『兵器』であるISの装備を外部に持ち出されるなど由々しき事態である。

 

「んーん、違うよ~?」

 

「え?」

 

しかし、のほほんさんはそれを否定し、

 

「盗まれたのは、大量の配線チューブと発光ダイオードに」

 

なんでそんなもの!? と皆が思ったところで、

 

「乾電池だよ?」

 

「「「あいつか!!!!!!!」」」

 

黒い柴犬の姿が全員の脳裏に浮かぶ。

 

さぁ、捕り物劇の始まりだ!!!

 

 

 

 

 

 

 

『で、なんだこれは!!?』

 

「黙れこの泥棒!!」

 

「盗人猛々しいとはこのことだな!!」

 

「お母さん悲しいわ! このバカ息子!!」

 

「自首しよ? デウス」

 

なんとまぁあっさりと捕まったわけで。デウスは四肢を一本の丸太に縛り付けられ、逆さ釣りにされていた。豚の丸焼きを想像してもらえればいいだろう。

 

『くそぅっ! あんなところにスマホのバッテリーなんて落ちていなければっ!?』

 

「拾い食いするの止めなさいよこのバカ犬!!」

 

飼い犬、もとい自分の作った人工知能の残念さにあきれ果てる志波真季奈。でも、この作戦を考えたのも彼女だったりする。

 

「さぁ! 盗んだものはどこだ! もう食っちまったのか!?」

 

『だから何のことだ!? 何も盗んでないぞ俺は!!』

 

「ふん、しらばっくれてもダメです! こうして貴方のメモリーを調べれば……っ!」

 

『あ、馬鹿! こらやめろろろろおろろろろお!?』

 

真季奈が無理矢理デウスの頭部へとプラグを差し込む。そうすることで真季奈が持つPCへとデータが表示され、デウスが見聞きした情報が公開される、のだが。

 

「あれ? それらしい情報はありませんね?」

 

「「「え?」」」

 

『ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!』

 

おっと、デウスの様子がおかしいですね。これ以上の介入はメモリーに深刻なダメージが。

 

プツンとな。

 

「で、どういうことですかデウス?」

 

『ガガ………ス……ペ………リ…っ…オ……データを復旧します………ピー!!』

 

「おい真季奈! 大丈夫なのかコレ!?」

 

「おや? ちょっと強引に扱いすぎましたかね? やはりちゃんと電源を切ってからの差し入れじゃないと故障につながるのかも」

 

「それなんてファミコン!? そんなちゃちいのこいつのメモリー!?」

 

「……デウス死んじゃうの?」

 

『死ねるかぁあああああああああ!!!』

 

あ、復旧した。

 

『理由もわからずデータが消えるところだっとぞ今!? 説明しろ! これはどういうことだ!!』

 

「本当に知らないんですか? 実は……」

 

真季奈たちはデウスに盗難事件のあらましを説明した。もっとも、彼女たちも会長経由での又聞きなのでそう詳しい内容でもなかったが。

 

が。

 

『泥棒だぁああああ!? しかも乾電池!? なんてうらやま……いや許せんことだ!!』

 

「いま羨ましいって言った」

 

「あぁ言った」

 

「言ったな」

 

「うん言った」

 

『シャーーーラップ!! そうと分かれば話しは早い!! 犯人を捕まえるぞ! 俺たちの手で!!!』

 

丸太に縛られた犬が視界を逆にして叫ぶ。というか吠える。言ってることは勇ましいが、格好が残念だった。

 

『まずは警備責任者を呼べ! それと現場に張り込みだ! グズグズするなガキども!!』

 

「「「わかった! よし行こう!!」」」

 

『あ、待ってこれほどいて行けええええええええええ!!!』

 

無意味な罵声は止めましょう。

 

 

 

 

 

というわけで。

 

「えっと、言われた通り来たけど。これなんの集まりなの?」

 

「「「泥棒の捕獲任務です」」」

 

『だぞ』

 

四人と一匹は新たにナターシャ・ファイルスを呼び寄せ、ここIS整備場へと来ていた。

 

時刻は深夜。学園の生徒たちが寝静まっているころに犯行は行われていたらしい。

 

IS整備室と言っても、常日頃から整理整頓がされており、巨大なISの部品や本体などは片づけられていた。ただ、工具、細かいネジや配線などの備品は棚にしまわれていたりむき出しの状態で保管されている。犯人はこれを盗んでいるらしかった。

 

「これで今晩こなかったら無駄足もいいところだな」

 

「もう何時間もしたら文化祭だもんね」

 

「いいですよ。全部生徒会が悪いってことにして寝てればいいんです」

 

「うわ、この子文化祭参加する気ねえ。駄目だよ志波さん、ちゃんと起きてなきゃ」

 

『お前ら黙ってろ!』

 

正直、帰りたい面々である。明日は、というかもう今日から文化祭である。さっきまで準備に追われていてへとへとなのだ。

 

特にメイド喫茶の衣装班は着付け作業が多くて疲れていた。箒である。

 

「あの特注サイズの仕立てさえなければ!!」

 

「止めろ! 思い出させるな!!!」

 

『静かにしろ! 箒も一夏もうるさいぞ!』

 

寝たい。さっさと。だから犯人早く来い!!

 

その思いが通じたのか。

 

人気のないはずの整備室から物音が!

 

「来たか!?」

 

『待て焦るな! 真季奈、監視カメラを!』

 

「はいはい。……? なにこれ?」

 

「どうしたの志波さん? 犯人来たのか?」

 

見たものに何か思うところがあるのか、志波さんの反応がおかしい。何を見たんだろう?

 

「なんというか、小さい? とにかく、確かに備品棚を漁っています。犯人に間違いないでしょう。影は二つ、複数犯ですねぼけた声で喋るな織斑くん」

 

「うん、罵声を無理矢理繋げるの止めてくれないかなぁ!?」

 

この子ったらこういう時でもぶれないですね!

 

でも、

 

「犯人なら突入するか?」

 

「待ってください………よし! 盗んだ! 現行犯です! Go!Go!Go!」

 

「「「ガッテン!!」」」

 

志波さんの指示のもと、俺たちは現場へと急行する。犯人を逃がさないよう退路を塞ぐ為に四方から一人ずつ近づく。

 

『さぁ現行犯だこの野郎!! よくも俺に罪をなすりつけやがったなぁ!!』

 

うん、ごめんデウス。勘違いしたのは俺たちであって犯人は関係ないんだ。怖いから言わないけど。

 

そして現場へと踏み込んだ俺たち。さぁ姿を見せろ犯人!!

 

『ぎにゃぁ!? 見、見つかったにゃ!?』

 

「「「って、お前かぁあああああああああああ!!!」」」

 

「べ、ベル!? あなた何をやっているの!?」

 

そこにいたのはアメリカンショートヘアの子猫。ここにいるナターシャの専用IS『銀の福音』の待機状態、ベルだった。まぁこのように、全然待機していないが。

 

その子猫が口の中いっぱいに配線チューブを含んでいた。まさしく盗み食いの現場であった。

 

『ベルぅ、貴様の仕業かぁああああ!!』

 

「なんでこんなことを!!」

 

兄は怒り、保護者が戸惑う。デウスもナターシャも混乱の渦に巻き込まれていた。というかアンタ、なんでいなくなってることに気づかなかったの?

 

「だって、最近勝手に抜け出すのに慣れちゃって」

 

「あーわかるわぁ」

 

こいつら専用機持ちの自覚ねぇ。

 

『だって、だってあたしだってお兄ちゃんみたいに美味しいもの食べてみたかったんにゃ!! でも乾電池はいまいち』

 

『んだとおらぁああああああ!! だったらなんで盗んでんだゴラァアアアア!!』

 

「落着けデウス!」

 

『美味しかったのは配線チューブにゃぁ。このコリコリとして導線の束が溢れるチューブが最高なんにゃ』

 

「じゃぁ発光ダイオードを盗んだのは何故です?」

 

『そ、それは』

 

《それはわたしのこうぶつです》

 

「あれ、この子何!?」

 

そこにいたもう一つの影。なんと、サルがいた。プラカードを持って。しかも発光ダイオードを齧りながら。

 

《わたしもおいしいものがるときいてべるさんについてきたのですが、ごめいわくだったみたいですね。もうしわけありません》

 

手に持ったプラカードの言葉が表示される。そうか、ベルに誘われたのかこのサル。サルと言っても現存の姿ではなく、尻尾は長くて耳も大きい、漫画やアニメに出てくるようなデフォルメされた姿をしていた。ヌイグルミのようだといってもいい。というかこのサルはなんなんだ? ベルやデウスと同じロボット? まさか誰かのISの待機状態とか? 

 

『ちょ、さらっと裏切らにゃいでよジャバ!!』

 

子猫が小さなサルの尻尾を掴んで振り回して抗議していた。なにこれ微笑ましい。

 

しかし。

 

『貴様ら、それで結局なんで乾電池も盗んでいたのか言ってみろ。お前らの好物じゃないんだろう? ええ?』

 

「? どうしたんだデウス? やけに突っかかるな」

 

『だって乾電池も盗んどけばお兄ちゃんが疑われると思って……にゃ!?』

 

『やっぱりかこのアホ!! 俺に罪をなすりつける気満々じゃねぇか!!!』

 

《なにをばらしてるんですか! こうなればにげましょう!!》

 

こいつらひでぇなおい。デウスはそれで吊るされることになったんだぞ。まぁやったのは俺たちだけど。

 

『逃がすかぁ!!』

 

『ごめんなさいにゃぁ! 許してにゃ!』

 

《どうかごじひを》

 

走り出して逃げる子猫とサル。それを追う柴犬。こともあろうにどいつもこいつも二足歩行だった。

 

とりあえず動画撮っといてテレビ局に投稿しよ。今回、なにも得るものもなかったしな。

 

だって、犯人捕まえたって動物相手じゃ賠償金も何も請求できないし。二度としないよう注意するしかない。

 

ただ。

 

「ナターシャさん。後で請求書を送りますね?」

 

「私!? なんで!!」

 

「「「飼い主としての責任」」」

 

「えー」

 

今回の被害者は間違いなくナターシャさんだろう。

 

さて、もう寝よう。

 

もうすぐ文化祭だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ったく、ジャバめ。いつの間にあんな悪戯するようになりやがった』

 

IS学園地下の秘密研究室にてデウスが愚痴る。今は人間の姿だ。

 

デウスが織斑千冬や山田麻耶といったIS学園でもごく少数の者たちだけを巻き込んで作成している計画。その要となる機体が自分の与り知れないところで好き勝手遊んでいたのだ。正直たまったものではない。

 

「遅かれ早かれこうなったろうさ。あいつも「ALICE」搭載機だからな」

 

一緒にいた織斑千冬がそれに答える。

 

捉えた子猫とサルは、片方は飼い主のところに、もう片方はここに戻した。

 

『もうすぐ、だな』

 

「あぁ、あの子用の調整はすんだ。『コッチ』はもう完成だろう」

 

『で、『ソッチ』はジャバのボディを完成させるだけだ。その為には……』

 

ガラス越しに『それ』の様子を見る。そこにはもうじき完成間近の……。

 

『グルルルルルルルルルルルルルルルルルルウ!!!!!』

 

輝く四つの双眸と巨大な体躯。それらが唸りを上げる。

 

早く暴れさせろと。

 

『待ってろ。もうすぐ腹いっぱいに食わせてやる。暴竜ジャバ・ウォック』

 

目覚めの時は近い。

 

 

 




真季奈「で、言い訳は?」

作者「書きたくてやった。後悔はない」

一夏「公開しなければよかったなぁ」

真季奈「誰が上手いことを言えと。それよりも、うりゃ!!」

一夏「ぶべぼ!? なにすんねん!?」

真季奈「説明を」

作者「ノルマです。だって今回殴ってないし」

一夏「……ひでぇ」



そういうことで、今回は新キャラの顔見せだけが目的の繋ぎ回でした。真季奈のドSや会長のIS訓練などを読みたかった方々、次話以降にご期待下さい。

それではまた。

次回は文化祭です。
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