IS  復讐のデウス・マキナ   作:ぷらもん

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お久しぶりです。

今回ようやく文化祭が始まりました。

それではどうぞ。


文化祭とは楽しむもの

さて、前日(今日?)の馬鹿騒ぎもありましたがそれもいつものこと。(おかしい)

 

それでは参りましょう。

 

 

文化祭です!!!!

 

 

それでは巻いていきますよ~~。

 

なぜならば!

 

「札束がわたしを呼んでいるからさ!!!」

 

「「「そこはお客様と呼んでください姐さん!!!」」」

 

ちっ、細かい事でうるさいメイド共です。

 

それならば貴方達も『お客様』ではなく『ご主人様』、もしくは『お嬢様』と呼びなさい!!

 

「そしてわたくしのことはメイド長とお呼びなさい!」

 

あ、オルコットさん。

 

「そうですねメイド長(笑)」

 

「うん、メイド長(料理しなければ)」

 

「さすがメイド長だな(厨房に近づけるなよ?)」

 

「………皆様なにか含んでいませんか?」

 

「「「いえ別に」」」

 

ははっ、皆さん随分とポーカーフェイスが上手くなったものですね。これもわたしのちょうき、訓練の賜物というものです。

 

では、今更ですかご説明を。

 

文化祭において、わたし達一年一組では『ご奉仕喫茶』なる所謂『メイド喫茶』を営んでおります。

 

接客班は全員スカートがロングタイプのメイド服にて武装し、営業スマイルを標準装備して接客という名の徴収任務に当たっております。

 

くくくっ、ボロいぜえ……。人件費がタダの商売ほど美味しいものはありませんねぇ。

 

「おいこらそこの守銭奴。札束数えてないで仕事して」

 

「おや、織斑くんではありませんか。貴方こそ稼ぎ頭なんですからこんなところで油を売ってないで接客してください」

 

わたしが教室内にベニヤ板で仕切って作った休憩所で売上の勘定をしていると、織斑くんが様子を見にやってきました。

 

いえ、

 

「ガンバレ一夏ちゃん!」

 

「うるせぇよ!!!!」

 

そう、今日のメインディッシュは『女装メイド』。世界唯一の男性IS操縦者のメイド風味を貴方に………。え? 誰得?

 

「だったら止めてくれませんかねぇ!?」

 

「そんな……まるでわたしがただ面白がっているみたいじゃないですか!? こんなにもクラスに貢献しているというのに!」

 

「一ミリたりとも信用できねぇよ!!」

 

そう反論する織斑くんは他のクラスメイトと同様、長いスカートにフリフリのフリルやエプロンを身に付けて接客していた。うわぁキモイ。

 

ちなみに、意外と好評だったりする。IS学園は不思議でいっぱいだ。

 

「ホントにね! それで志波さん、俺ちょっと思ったんだけど……」

 

「? 織斑くんごときの浅はかな考えなんて大したことでもないと思いますが……なんです?」

 

「いちいち俺の心に刃物突き立てないと会話できんのか! いや、あのさ? 俺達、文化祭での優勝目指して頑張ってるじゃん? でもさ、正直厳しくないか? 結局のところただの一発ネタありきの飲食店だし」

 

「…………そこに気づくとは」

 

「…………おいまさか」

 

織斑くん(メイド服)が顔に冷や汗をいっぱいに流して聞き返してきます。ダメですよ? メイクが落ちちゃうじゃないですか(笑)

 

でもご心配なく。

 

「問題ありません。これを見てください」

 

「? 文化祭のパンフレット?」

 

わたしが取り出したのは生徒会より発行された文化祭についての小冊子です。ここには各学年や部活動の出し物やそれらの校内外での配置場所、さらにはイベント等などの開催スケジュールなどが記載されているのですが。その中でここ一年一組の『ご奉仕喫茶』の広告ページを開いてみせます。

 

「ここにちゃんと書いているでしょう?」

 

「こ、これは!?」

 

 

『一年一組 ご奉仕喫茶          マッキー商会提供』

 

 

「なんか隅っこに書いてる!? 部活動だったのマッキー商会!? てか部員が気になるんですけど!?」

 

「はっはっは、当たり前じゃないですかぁ。ちゃんと生徒会公認ですよ?」

 

「もうやだこの学園! え? じゃぁなに? このクラスの売上とかは全て……」

 

「はい。何割かがマッキー商会の投票券としてカウントされます。お金も稼げて優勝も狙える、一石二鳥で素晴らしいじゃないですか」

 

「貴方にとってはね! もうやだこの子恐い!」

 

「ふははは怖かろう」

 

「そして脳波コントロールもできる……って何言わすねん!」

 

鉄仮面の表情でラフレシア級の気持ち悪さををあなたに届けましょうか。

 

「いいからさっさと接客に戻りなさい! 合言葉は?」

 

「可愛がってください♥ ご主人様!」

 

「よし行きなさい!」

 

「ちくしょう!!!」

 

女装の織斑くんも見送ったことですし、それではわたしも行きますか。

 

「休憩入りまーす」

 

「「「またですか!?」」」

 

てへ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、ただいま女装メイドやっております織斑一夏です。先に申しておきましょう………。

 

 

この『ご奉仕喫茶』は詐欺ですっっっっ!!!!!!

 

 

「あれー? 織斑君なんでメイド? 執事でご奉仕してくれるんじゃないの?」

 

「え!? 執事コスは別料金!? 聞いてないよ!!」

 

「織斑くんのメイド……イケる!」

 

「………………ウホッ!」

 

 

でも一部には需要があるようですね! 怖いわ!!

 

しかし俺の執事姿を見たくて来てくれている『お嬢様』達は全て別料金を支払わされているわけで、売上はうなぎ上りなんだけどこっちの良心にグサッとくるものがある。でも、

 

「っしゃぁ!! カモ入りましたーー! 執事コス入りまーす!」

 

「了解! 織斑くん呼んで!」

 

「早く着替えさせて! 五分も見せれば十分よ! お金とったらすぐに別の客入れて!」

 

「一分たりとも無駄にするな! この時間帯ノルマ売上は五万円だ! もしも達成できなかったら……」

 

「「「姐さんに●される!!!!」」」

 

…………この店間違いなくブラックだ!! でも大丈夫! ガサ入れされたら売上持って逃げる訓練もつんでるし! あ、やっぱダメだこれ!

 

「ねぇ、カモってあたしのことよね?」

 

「わかってくれ、鈴。ここでは志波さんが絶対君主、真のご主人様なんだ」

 

瞬時に執事コスに着替えてきた俺が言う。客の前で言うことじゃねーなおい。

 

「うん、知ってる」

 

ちなみに俺を執事コスに指名したのは隣の二組からやってきたツインテール、鈴だったりする。でも今日はいつもとは違う格好だった。一枚布のロングタイプのチャイナドレスを身にまとい、頭にも丸いぼんぼんみたいなもの(シニョンです)を乗せている。鈴のクラスは『中華喫茶』らしくてこのコスチュームで接客しているらしい。

 

つまり、店の趣向が被っている!?

 

「くっ、メイドと中華……方向は違えどコスプレで接客なのは同じ。最悪、客が分散しちまう? 早いうちに手を打つか?」

 

「おいこら不穏な発言やめろライバル店」

 

「申し訳ございませんお嬢様。さっさと帰って店を畳む準備をしてくれませんでしょうか? それともっと一番高いメニュー頼んでけ」

 

「うわーお、いっそ清々しい! 泣くぞこら」

 

「こっちは命がかかってるんだよ!!」

 

「文化祭とは思えない言葉ね! もっとかっこいい場面で使いなさいよ!」

 

「一組は常に戦場なんだ!」

 

「あたし二組で良かったと初めて思ったわ!!」

 

ある意味そうかもな! でもやっぱり志波さんとは一緒に居たいから一組最高! 志波さん万歳! 我らの御霊は女王様の物ーー!!

 

「駄目だこいつら完全に洗脳されてる」

 

ははは、ナニヲイッテルンダ? 洗脳だなんて、舎弟とか下僕とかの方が俺たちにはしっくりくるぜ☆

 

「織斑くん! 新規オーダー! その酢豚はもういいから引き上げて!」

 

「ありがとうございまーす。ワリぃ鈴、そういうことなんで」

 

「いや、あたしまだ何も頼んでないんだけど!? むしろお金返してよ!」

 

「だが断る!」

 

「あんた後で覚えときなさいよ!!」

 

そうして俺は鈴の座っているテーブルを後にした。許せ鈴。売上のためには一秒だって無駄にできないんだ。それも席についてから全然注文しないような相手なら特に。

 

え? ツッコミで忙しかっただけ? まっさかー?

 

内心でセルフツッコミをしながら次の『お嬢様』の席へ向かう。そこには学外の来園者、つまりIS学園の生徒ではない外部の人間が座っていた。

 

「お待たせしましたお嬢様」

 

「あら若い子にお嬢様って呼ばれるなんて……」

 

「失礼しました。それではマダムとお呼びすれば?」

 

「いえ、まだそういった相手もおりませんので、先程のままのほうが嬉しいですわ」

 

「ありがとうございます」

 

このお嬢様、というかお客様。見た目二十代のスーツを着たふわりとした長髪が特徴の女性で多分俺の予想が正しければ……。

 

「実は私、こういう者でして」

 

「新聞なら間に合っています」

 

「え? い、いえ」

 

「浄水器もいりません」

 

「ちょ」

 

「消化器なんてもっての他です!」

 

「押し売りじゃありません!!」

 

あれ? 違うの? なら……、

 

「宗教に興味ありません!」

 

「あやしい勧誘でもないです!!」

 

「そうですか」

 

織斑家のセコムは万全のようです。だてに千冬姉ぇから家の留守は預かってないぜ!

 

「私はこういうものなんです!!」

 

セールスや宗教勧誘扱いされた彼女は名刺を取り出して半ば強引に突き出す。

 

「IS装備開発企業『みつるぎ』渉外担当・巻紙礼子……さん?」

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、真季奈は。

 

 

新聞部。

 

「とりあえずこれが約束のブツです」

 

「ありがと~。おー、織斑くんの生着替え写真に使用済みハンカチ……流石マッキー、バッチシだよ!」

 

新聞部副部長、黛薫子は新聞部に顔を出した志波真季奈と怪しい取引をしていた。まぁ主に織斑一夏関連のブツだが。

 

「では、約束通り」

 

「うん、新聞部の投票権はマッキー商会に横流しするね」

 

 

 

マン研こと漫画研究部。

 

「さて、今年の夏コミ。誰のおかげで無事に同人誌の締切に間に合ったのでしょうね?」

 

「はい! ペンタブを我が部に提供していただいたマッキー商会のおかげであります!」

 

ペンタブ……ペンタブレットとは簡単に言うとパソコンで漫画を書くツールです。

 

「そのセッティングをしたのは?」

 

「真季奈大佐であります!」

 

「原稿も手伝いましたよね?」

 

「ありがとうございます!!」

 

「つまり?」

 

「投票権はマッキー商会に譲渡します!!」

 

「………売れてます?」

 

「…………………………………………三部」

 

「…………………………………………(駄目だこりゃ)」

 

というか大佐?

 

 

 

アニ研ことアニメ研究部。

 

「売れてます?」

 

「売れてる……怖いくらいに」

 

アニ研部の部長は自嘲気味に言った。

 

「それは何より」

 

しかし志波真季奈は動じない!

 

何が売れているか、というと。

 

「特にこの、織斑先生の『私の妹になりなさい』」

 

「この学園ならではのどストライク!」

 

「あとオルコットさんの『頭でっかちの童貞坊やか』」

 

「買っていったのは男の子? 女の子?」

 

「あ、篠ノ之さんの『い、痛い話はダメなんだーー!』」

 

「ギャップ可愛い、これ重要」

 

アニ研部の販売品。着信ボイスのダウンロード販売でしたとさ。

 

協力:IS学園の有志一同。 提供:マッキー商会。

 

織斑くんとのデート権と引換えで皆さん喜んで収録に協力してくれました。今頃は休憩時間を使って文化祭を回っている所でしょう。

 

「あ、織斑くんの『それでも!』と『ここから出ていけーー!』も売れてるよ?」

 

「あ、それはわたしも個人的に欲しかったやつですよ」

 

ユニコーン!!

 

「では売上……じゃなかった、投票権は」

 

「マッキー商会に」

 

「よろしい」

 

 

 

 

さてお気づきでしょうか?

 

わたくし、志波真季奈は他の部活に営業に出ております。もちろん文化祭の投票権の譲渡に関してです。

 

その為の仕込みは万全ですからね!

 

夏休みの間に紛争しましたよ!

 

というか、記憶喪失後の初登校したときの織斑くんと回ったあの部活巡り(途中で帰ったけど!)はこの為だったんですね。 『志波真季奈』グッジョブ!

 

「さて、では最後は生徒会ですね」

 

ある意味ラスボスです。だって主催者ですし。

 

でも、

 

「うーい! やっほーマッキー! 待ってたよーー」

 

「のほほんさん? 生徒会長はいませんか?」

 

生徒会室に訪問すると、待っていたのはお馴染みの奇人生徒会長ではなくクラスメイトの布仏本音さんでした。もちろん彼女もメイド服を着ています。もちろん特注です。だって、ねえ?

 

うん、今日もいいオパーイ。

 

普通サイズだと入りませんから!! 何がって? 言わせんな恥しい!! 

 

「……ひと揉み五千円でどうです?」

 

「値段がリアル!? ヤダよ!!」

 

「チッ、せっかくのビジネスチャンスが」

 

「しかも商売する気だったの!? わたし売られれちゃう!」

 

「キャラ忘れてますよ?」

 

「誰のせい!?」

 

誰でしょう?

 

「それで、会長は?」

 

「一組に遊びに行ったよ?」

 

むぅ、入れ違いになっちゃいましたか。しかし遊びに、ですか。あんまり好き勝手されると売上にも響きますし早めに戻ったほうがいいですね。

 

「それじゃ生徒会のやる予定の出し物についてですが……」

 

「うん、打ち合わせ通りでだいじょーぶだようー?」

 

「なら結構」

 

それならもう用事はありませんね。あんまりブラブラしていると頑張っているクラスの皆さんに申し訳ありませんのでそろそろ戻りましょう。

 

というかのほほんさん? 貴方なんでここに? 仕事しろこのエロメイド。

 

そういえば今戻っても織斑くんは居ないのかな? デート中だから? 

 

…………はぁ。

 

なにやってんだろわたし。

 

織斑くんを誰にも渡さないために頑張ってるのに、一人ぼっちじゃないですか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『うむ、みんな青春してるなー』

 

「誰なんだお前は」

 

『通りすがりのワンちゃんさ』

 

「そんな偉そうな犬が通りすがってたまるか」

 

文化祭。いつもの見慣れた学園が屋台や装飾で様変わりし大勢の人だかりで埋めつくされた中、黒い毛並みの柴犬の姿をした機械犬であるデウスはIS学園の教師である織斑千冬と見回りをしていた。授業が何のをいいことに、たまに校外にエスケープを企てる不埒な生徒がいるからである。

 

ちなみに、見回りをしていたのは教師である彼女だけでありデウスは仕事をサボる口実であったりする。

 

だって、

 

「似合ってるぞそれ(笑)」

 

『皮肉ですねありがとうございます!!』

 

そこにはメイド服を着た柴犬がいた。ワンちゃんでも着られる特注サイズとなっております。

 

デウス、お前もか。

 

「いやっ……ほんとっ……似合ってるぞ?」

 

『嘘つけ! 肩震わして笑ってんじゃねぇか!! 笑いたければ笑えよちくしょう!!』

 

「アハハッハハハッハハハハハハハハハ!!」

 

『こいつ殴りてぇ!!!』

 

ちなみに、デウス(人間)の状態になってもメイド服仕様となっております。ご注意を。

 

『絶対にならないからな!!』

 

「まぁ一夏でもキツいのにガチムチ体型のお前が着たら……うんゴメン。お前意外と着痩せするタイプだからなぁ」

 

『脱いだら凄いのよっ、て言わすなアホォッ!!』

 

「ゲフゥッ!!」

 

デウスの渾身の跳び蹴り(後ろ足)が千冬を襲う! 器用ですね。

 

『ったく、真季奈の命令じゃなかったら誰がこんなモン好き好んで着るかよ…………ん?』

 

そこで気づく。

 

屋台が立ち並ぶIS学園の敷地内の通り。そこに設置されたベンチに座っている来客の姿が一つ。

 

「………はぁーーー」

 

随分とくたびれた女性が意気消沈して座っていた。

 

『………千冬。お前先行ってろ』

 

「……おい、お前まさか……」

 

『なんだよ?』

 

その女性をジッと睨む柴犬(メイド服)を見て織斑千冬は怪訝に思った。

 

「また女を引っ掛ける気か!?」

 

『違うわボケェ!!』

 

本当だろうな? と最後まで疑いながら彼女は次の仕事場に去っていった。

 

そしてデウスは、

 

『ヤァッ! どうしたんだいお嬢さん! 随分と疲れているみたいだね!?』

 

「犬が喋った!?」

 

ベンチで座る女性に凸していた。デウスはベンチの前にお座りの姿勢で話しかけると、そのままピョンッと飛び上がってその女性の隣に座り込んだ。

 

『僕かい? 気にしないで! 僕はIS学園の妖精さ!』

 

おいこらそこの詐欺師。お前は何を言っている?

 

デウスは彼を知る人が見れば目が○になりそうな下手な演技で女性に話しかける。

 

しかし当の彼女はそんな機械犬の本性は知らないわけで。

 

「よ、妖精? 私、疲れているのかしら? とうとうこんな幻覚まで見えるなんて……」

 

『ハハハッ! 幻覚でもいいじゃないか! さぁどうしたんだい? 疲れているみたいだけど、悩みがあるなら話してご覧?』

 

メイド服を着た黒い柴犬が話しかける。彼女はあまりに非常識な状況にその疲れきった頭脳を麻痺させてしまっていた。

 

だから、

 

「えぇ、実はね……、今日も営業でいい結果が出せなくて……契約が取れなかったの」

 

『そうなんだ。残念だね! お嬢さんはどこかの会社の人?』

 

「うん、IS装備開発企業『みつるぎ』渉外担当・巻紙礼子……っていうのが表向きの名前なんだけど」

 

『けど?』

 

「本当は『亡国機業』のオータムっていうの」

 

『………へぇぇぇ』

 

アラクネの反応は間違いじゃぁなかったか………。

 

アメリカで奪われた機体。そのISコアの反応を感じ取ったデウスはそのことが意味するところを考え彼女に、『オータム』に接触したのだった。

 

『苦労してるんだねお嬢さん! 僕がどんな話でも聞いてあげるよ! だから思う存分ぶちまけちゃいなよ!』

 

「~~~~!! あ、ありがとう妖精さぁあああん!!!」

 

ガシィッ!! と涙目で妖精さんこと柴犬のデウスに抱きつく巻紙礼子ことオータム。端から見ればかなりへんてこな図ではあるが、

 

 

ママー。あのおねぇちゃん喋るワンちゃんに抱きついているよー?

 

あらあら。いいのよここはIS学園だから。

 

犬が喋ってる……まぁIS学園だしなー。

 

あ、デウス君今日も女の人口説いてるー。

 

織斑先生とナターシャさんにチクっちゃえー。

 

 

IS学園ではこの程度は逸般……じゃなかった、一般光景である。

 

慣れって怖いね。

 

『ほらほら、飲んで飲んで』

 

「あ、じゃぁ一杯だけ」

 

「「「酒を取り出した!?」」」

 

どうなるオータム。

 

 

 

 

 

 

 

「あ、志波さん帰ってきた?」

 

「はい。ただいまです織斑くん」

 

他の部へ営業に出ていた志波真季奈はメイド喫茶である一年一組に帰っていた。そこには同じように他の部活の出し物を見て回っていた織斑一夏も帰ってきていたわけで。

 

それは他の代表候補生たちとデートしていたともいう。まぁ真季奈が売ったんですけどね。

 

おや? 生徒会長? 何故あなたもメイド服? バイト代は出しませんよ? 

 

というか、

 

「あれ? 織斑くんなんで執事服なんですか? 常にメイドになっておけと言っておいたではないですか」

 

「すんません。休憩で外回ってたんで着替えました。勘弁してください」

 

「何を言っているのです!? メイド服を着て学祭を回るからこそ宣伝になるのでしょう!?」

 

「やっぱりですね! そうだと思いましたよ! だが断る!!」

 

「むぅ」

 

なんと生意気な。ここは一発ビンタでも……っと、いけないもうこんな時間か。

 

「生徒会長、ちょっと」

 

「なに~?」

 

手招きして生徒会長こと更識楯無さんを呼びます。彼女、妹とか妹とか妹とかが患ってなければ比較的まともなんですけどねぇ?

 

「どうしたの真季奈ちゃん? ご褒美!? 私頑張って働いたわよ!」

 

訂正。やっぱり会長は会長でした。

 

「いえ、『例の件』なんですが」

 

「あー、もうそんな時間かー」

 

二人で時計を見て時刻を確認します。

 

もうすぐ『アレ』の時間です。

 

ですので、

 

「織斑くん」

 

「? なんだい志波さん?」

 

「デートしましょう」

 

わたしはニヤリと笑って彼に言いました。

 

「「「(あ、暗黒微笑みーーーーーーー!!)」」」

 

む、何故皆さん揃って怯えるんですか? 失礼な。

 

教室の女生徒は総じて震え上がった! デート発言で黄色い声? そんなもの路傍の石ころ以下、投げ捨てたわ!

 

しかし一人だけ。

 

「はい喜んで!」

 

心の底から歓喜している男子生徒がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園正門前。

 

人の波に紛れてとある三人の姿があった。

 

「来たよ! IS学園文化祭!」

 

「束様落ち着いて! 周りに気づかれます!!」

 

「ははは、くーは心配症だねぇ? 大丈夫ダイジョーブ」

 

「お前はもっと緊張感を持て!! ここはある意味敵地なんだぞ!」

 

一人は帽子とサングラスで顔を隠した女性。

 

一人は銀髪の少女。

 

一人は背の高い金髪の男性。

 

三人は……、

 

「さぁて、真季奈はどこかな?」

 

文字通り、招かれざる客だった。

 

 

 




はい。いかがでしたでしょうか。

気をつけろオータム! HENTAIの矛先にロックオンされてるぞ!

という訳で新たな犠牲者の影がちらほらと。 

そして今回裏方というか根回しばかりの真季奈でした。ですので原作の一夏と代表候補生達とのデートとか完全カットです。楯無会長のメイド服もカットです。すいません。

代わりに一夏ちゃんとデウスのメイド服をご堪能ください。え? いらない?

そして次回は真季奈、デウス、迷惑兎と三者三様に描いていきます。

というか、ここで一つ気づいたことがあります。

なんと、

今回、真季奈が一夏を殴ってない!?

なんということでしょう。絶対に文化祭中にまとめて叩き込んでやります(笑)

それではまた。

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