A:恨みを晴らすこと。もしくはやられた側が相手にやり返す攻撃行動の総称。
「そういえば忘れていたな。喜べ豚共! これよりこのクラスの代表者を決める!貴様ら愚か者の中から少しはマシなグズをだ! どうだ!? 嬉しいか!!?」
『『『嬉しいです! マム!!』』』
「よし! では貴様らにクラス代表とはなんなのかを教えてやろう! ありがたく思え!!」
『『『ありがとうございます!!!!』』』
「再来週! クラス対抗のISによる模擬戦が行われる! クラス代表とはこれに参加する者のことである! それだけでなく生徒会の開く会議や委員会への出席、……いわばクラス長のようなものだ! 貴様らグズ共が長を名乗れる唯一の機会だ!」
授業中にいきなり何かが始まった。つくづく自分が軍学校に入隊したのではないかと疑問に思う。
織斑先生の話を要約すると、クラス委員長を決める話らしい。
にしても、だ。
入学して二週間ちょっとの生徒にISの模擬戦をさせようとは恐れ入る。確実に代表候補生のいるクラスが有利じゃないですか。
でも、はっきり言って、……めんどい。
選ばれたら最後、要は雑用係でしょ?
わたしは健全かつ楽しい復讐ライフが贈りたいのだ。そんなことをしている時間も余裕もない。
「さぁ決めろ!! 自他推薦もありとする! 自分に自信のある豚もそうでない腑抜けでも誰でも構わん!!! 私を待たせるなよ!!」
……なぜ教育委員会はこの教師を放置しているんですか? 明らかに教育者として不敵者だと思いますが。
IS学園の女子にとってはご褒美なんでしょうねぇ。きっと。
「はい! 織斑君を推薦します!」
「はい! わたしも織斑一夏くんを推薦します!」
おぉなんと好都合。
どうやらクラスの女子は織斑一夏を神輿にして一年間を祭りにするつもりのようです。
「お、おれ!?」
ここで立ち上がるとはなかなかの目立ちたがりですね。そうです、あなたですよあなた。
これは私にとっても良い展開です。
織斑一夏にたくさんの仕事を押し付け、酷使し、使い潰す。なんと素晴らしことでしょう。
これは是非とも織斑一夏にクラス代表になってもらわねば。
ならばわたしも織斑一夏を推薦せねば。
そう思い手を挙げようとしたのですが、
「お待ちください!」
でました金髪ロールおっぱい候補生。
「こんなの納得できませんわ! 男がクラス代表などと!」
「なに?」
織斑先生に向かってあの発言。勇気あるなーオルコットさん。
いや違った。よく見たら足震えてるわ。
「お、男がクラス代表などとわたくしには認められません! そもそもクラス代表とはそれ相応の実力者がなるもの! それならば、イギリス代表候補生のわたくしか日本代表候補生の志波真季奈さんが相応しいはずですわ!!」
怒涛の責めですなーオルコット選手。しかし織斑先生には効いていない!
「物珍しいからとって、こんなISに関する知識も経験も実力も全く足りてないお間抜けさんに、なぜそんな大役を任せられるというのですか!! そう! こんな極東の島国のサルに!!」
「な、イギリスだって島国だろうが! しかもメシマズ文化で何年覇者だよ!」
「わたくしの祖国を侮辱しますの!? 」
今のはどっちかというと織斑一夏が悪いかなー。
オルコットはギリギリのところで我慢してたけど(ホントにギリギリでね)、先に相手の逆鱗触れちゃったのはまずいなー。
プライド高そうな高飛車女に祖国批判はだめでしょ? やっぱ。
「決闘ですわ!!」
「おういいぜ!!」
そうなったか。オルコットさんには織斑一夏をボコボコにしてもらいたいものですねぇ。
「それで、ハンデはどのくらい付ける?」
「あら? もう命乞いですか?」
「バカ言え、俺が付けるんだよ」
そこまで言った瞬間、どっ、とクラスが笑いに包まれた。
およ? ここ笑うとこ?
「織斑君何言ってんの?」
「男が女より強かったのは何年も前の話だよ?」
「今からでもセシリアに謝ってハンデ付けてもらったら?」
とまぁ、クラス中の笑い者にされてますね。織斑一夏。
でもこれはおかしな話です。
確かにISが誕生してから社会は変わりました。でもそれは、あくまで優れた兵器の話です。遺伝的に女性が男性より強くなったわけではありません。試しにISを持ってない男女が路上で喧嘩になったらどうなるか? 簡単です。男性が勝ちます。ですがその後すぐに男性はブタ箱に放り込まれるでしょう。裁判で勝つのは必ず女性だからです。
そんな世の中なのです。今は。
でも、それだけです。女性が強いのは権力だけです。仮初ですが。
ISがなければ今でも強いのは男性です。そこを勘違いしている女性が多すぎませんか?
『そうだな。真季奈はそうなってくれるなよ? 僕の主なんだから』
(うんそうだね。約束するよ。家族の大事な約束だ)
「ちょっと待ってください」
とりあえず立ち上がろう。何事もそれからだ。
よく通る声で待ったをかけながら俺の隣の席の少女、志波真季奈が立ち上がる。
最初こそは恐怖の対象でしかなかった彼女だが、今となっては少しわからなくなっている。前の授業で彼女は勉強に全くついていけなかった俺に手を差し伸べてくれたし頭の悪い俺に根気良く付き合ってくれた。参考書だって惜しげなくくれたしな。
ただまぁ、休み時間の時のような悪ふざけがすぎることもあるが、きっとあれが彼女なりのコミュニケーションなのだろう。
そんな彼女が毅然と立ち上がっている。正直、その姿は格好よくて少し見とれていた。
「いいですか! みなさん! 確かにこの織斑一夏は馬鹿です! 間抜けです! 頭は足りないし、情けない男です! 顔はブサメンではないですがイケメンでもない!! なのにフツメンでもない中途半端極まりない残念な男です!」
……かっこう、よくてーーーーーね、あれ? 俺ディスられてね?
「ですが! IS学園に入学した以上、彼にもミジンコ、いえモルモット程度の度胸と根性はあるはずでしょう!! だからこそ! ハンデなんていらない! 自分は全身全霊で真っ向からセシリア・オルコットさんの本気と相手しようと言っているんです! 違いますか!?」
違う!? これ追い詰められてねぇ俺!?
「そう! セシリアさんの本気、つまりIS同士での一騎打ちを! それでよろしいですね? オルコットさん、織斑先生、クラスの皆さん!!」
わたしは大事なことを忘れてしまうことでした! セシリアにボコッてもらう? 否!!
どんな形であれ、織斑一夏を追い詰めるのはこのわたし、志波真季奈の役目なのだと!!!
『異議なし!!』
詰んだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
いつの間にか俺とセシリアとのIS対決になってる!? なんでこうなった!?
「ちょっと待ってくれ! そういうことなら志波さんも! 俺は志波さんを推薦するぜ!」
「は?」
「な、なに!?」
「あちゃー」
そうきたか。やっばいなー。
「誰が強いのか決めるんならとことんやろうぜ! 志波さんも代表候補生で強いんだろ!?」
「望むところですわ! 志波さんもよろしいですわね?」
「あーうん(今更嫌とか言えるかーーーーーーーーーー!!!)」
「では話はまとまったな。勝負は一週間後の月曜日の放課後。第三アリーナで行う。それぞれ準備しておくように。以上だ」
ほんとやっばいなー。
織斑一夏、殺しちゃうかも。
復讐③ : 織斑一夏を戦場に立たせる
結果 : 自分も同じ戦場に立つことに
備考 : 我慢と手加減できるかが心配です。
おや? 織斑一夏の様子が?