IS  復讐のデウス・マキナ   作:ぷらもん

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今回は短いです。前回投稿したギャグ回の半分以下の文字量って……。ギャグ回じゃないとこうなるのか……。


デウスのお土産

志波真季奈がデュノア社を買収したという知らせは世界中へとまたたく間に広がった。

 

ここ、IS学園の一年一組の教室にも。

 

「「「……はぁ」」」

 

休み時間だというのにクラスの空気は重い。思わず溜め息も出るというものだ。

 

だって、クラスの問題児がまたやらかしたのだから。

 

「真季奈がデュノア社をのっとったって……どうなってんのよ?」

 

「昨日、株の売買がどうとか言ってたんだけど……?」

 

「ということはデュノア社の株の過半数を買い占めた? しかしそれだけの資金をどうやって?」

 

一組にやってきた鈴が、昨晩真季奈と共にいた一夏が、自らも財閥を営んでいるセシリアが、真季奈のしでかしたことについて話している。

 

「ていうか、真季奈はどこ?」

 

「シャルロットも居ないぞ?」

 

四組から来た簪とラウラが渦中の二人がいないことを指摘する。二人は本日は欠席だった。

 

「二人ならフランスよ」

 

「って、楯無さん!? アンタなんで一年のクラスにいんの?」

 

「ボイコットよ!」

 

「偉そうに言うなよ生徒会長!!」

 

二人の行き先を告げにだけやってきたらしいこの人、更識楯無。真面目に授業受けろよ生徒会長。……今更か。

 

そこへ。

 

『たっだいまーーーー!!! お前らの大好きなデウスさんのお帰りだぞーーッ!!』

 

「デウス!?」

 

「「「デウス!!」」」

 

教室の扉を勢いよく開けて入ってきた一匹の黒い柴犬。真季奈が造り、最近じゃあ好き勝手行動している機械犬、デウスだ。

 

一夏が、そしてクラスの全員がその姿を見た瞬間、

 

「デウス!」

 

「「「デウスーーーーッ!!!」」」

 

『はっはっは、なんだお前ら。そんなに駆け寄ってきて。俺がいなくてそんなに寂しかっ』

 

バールを。金属バットを。ゴルフクラブを。木刀を。布団タタキを。ありとあらゆる鈍器を握り締め彼女達は殺到した!

 

「「「お前が真季奈をちゃんと見てないからーーーーッ!!!」」」

 

『ぎゃぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!』

 

ドカ!バキ!ボゴ!グギッ!メキャァ!ドガドガドガドアガ!!!

 

教室に破砕音が鳴り響く。数十人による袋叩きで中心のデウスは姿が見えず、悲鳴のみが響きわたる。

 

『って、いい加減いしろおおおおおおおおお!!!!』

 

「「「キャァッ!!」」」

 

理不尽に殴られた怒りをたぎらせて降りかかる殴打を払いのける。それに女子たちは怯んだ。

 

それにしても酷い。デウスはボロボロだった。足は折れ曲がり、顔はボコボコ。眼球は片方飛び出ている。動物愛護団体が見たらすっ飛んできそうだった。まぁロボだから問題ないけど。

 

『なんだいきなり! 俺が何をした!?』

 

「何もしなかったから悪いんだよ!!」

 

『何が!? 俺頑張ったんだぞ! 世界中まわってお土産かき集めてきたんだぞ!?』

 

「真季奈のことだよ! あとお土産って何!?」

 

『アイツまた何かやらかしたのか!? お前ら最近真季奈にボロ負けだからISの強化素材だよ!!』

 

「「「あ、真季奈のことはもういいんでそれください」」」

 

『お前ら清々しい程に最低だな!!!』

 

一夏とデウスの口論を他の専用機持ち達が引き継ぐようにして終わらせる。お前ら利があると裏切るタイプだろコラ。

 

 

 

 

『はぁ……真季奈がデュノア社をねぇ。まぁいいんじゃね? アイツの金だし好きに使えば』

 

「そんな子供のお小遣いの使い方じゃないんだから真面目に考えてよ! ……で? お土産って何?」

 

『お前もかい』

 

デウスにそう言うのは更識楯無。彼女も貰えるものは貰いたいようである。

 

自己修復を終えて、すっかり元通りのデウス。真季奈の話しを聞くと、その答えはまさかの『いいんじゃね?』だった。

 

「あれ? デウスって前に真季奈の無駄使いを叱ってなかったっけ? ほら、人工衛星買ったときとか部屋を通販のダンボールで埋め尽くしたときとか」

 

『今回はあの時の衝動買いとは違うだろ。ちゃんと考えた末での投資なら、俺が口を出すこともないさ』

 

などとデウスは言うが、本当にいいのだろうか?

 

企業を買収する。この行為を行なったのが未成年の学生であり、しかも落ち目とはいえフランスのIS委員会が契約しているデュノア社だ。それを日本の代表候補生が、個人資産で。

 

……なにかしらの外交問題が発生するのではないだろうか?

 

『あ。まさか楯無、ボイコットって……』

 

「………もう偉い人達に言い訳するのも頭下げるのも嫌なのよォォォ……」

 

授業ではなく、まさかの暗部のお仕事からのボイコットのようだ。あとで胃薬をあげよう。うん。

 

『よし。ウチのが迷惑をかけているみたいだし、お土産はお前からあげよう』

 

「わーい」

 

どこか疲れた笑みで返事をする楯無に『お土産』を渡すべく、デウスは何もない空間に手を突っ込みまさぐり始めた。

 

「「「(ドラ○もんの四次元ポケットみたい……)」」」

 

『えーと、あぁ、あったあった。ほれ、(サン)(ダー)(ソード)

 

「……うわぁ」

 

「……きれー」

 

「青水晶の剣? こんな大きな……ッ!」

 

デウスが取り出したのは色が蒼く、透き通った水晶のような材質で出来た二メートル弱程の大きさがある剣だった。

 

「あの、デウスくん? 私こんなの貰っても使い道ないんだけど……」

 

『別にそれを武器にして戦えとは言ってないから。ISの拡張領域に突っ込んどけば効果が出る、筈だ』

 

「出る筈って…そんな曖昧な」

 

『少なくとも一夏のエクスワイバリオンとの合体みたいな感じになると思うんだけどなぁ』

 

「それなら……」

 

織斑一夏の、あの謎の支援機との合体と『白式』の性能向上を見ている以上断る理由は少なかった。楯無は『雷龍剣』を粒子化し自身のIS、『ミステリアス・レイディ』の『拡張領域』に収納した。

 

「というかデウス? こんなもんどこで……?」

 

『ん? 磁気嵐吹き荒れる次元断層の中で……いやそれはいいや。次は……』

 

「お前どこ行ってたの!?」

 

デウスの言葉に一夏が騒ぐが気にしない。彼は新しい『お土産』を出していく。

 

『サハラの砂漠でランプの魔人を殴り飛ばして手に入れた『導きのハープ』! これは簪にやろう』

 

「あ、ありがとう」

 

『導きのハープ』。それは両手に収まる大きさの小さなハープだった。デウスはそれを更識簪に渡す。

 

「ランプの魔人って……」

 

「むしろそっちを手に入れなさいよ!」

 

やはり願い事を三つほど叶えてくれたのだろうか?

 

『サーカスを営む自動人形からパクってきた『獅子の斧』! 受け取れラウラ!』

 

『獅子の斧』。獅子の顔が刻印された手斧だった。危ないから刃物を人に向けてはいけません。

 

「おい! 盗品なのかこれは!?」

 

「というかそいつら病気とか流行らせてなかったか!?」

 

ゾナハ病?

 

『中国で龍から剥ぎ取って手に入れた『竜の盾』は鈴に。イギリスの墓地で手にれた『ふくろうの杖』はセシリアにあげよう』

 

『竜の盾』。緑色で龍の顔が刻印された盾。

 

『ふくろうの杖』。先端にふくろうの頭部がついた杖。

 

「龍がいたの!? そっちの方が驚きなんだけど!!」

 

「墓地って、不謹慎にもほどがりますわ! というかワタクシの祖国で何をしてるんですのーー!!」

 

デウスの発言に色々と言いたいこともあるが。彼女たちはとりあえず受け取った『お土産』を自分達のISに収納していく。

 

この異世界の漂流物が彼女たちにどういった変化をもたらすかは、『神様』にだってわからない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園の地下にある、今ではすっかりデウス達の専用開発室。

 

ここでは今日もデウス、織斑千冬、山田真耶が集まっていた。

 

「真季奈はフランスで何をやっているんだ?」

 

『さぁ? 俺だって何も聞いてねぇよ』

 

「それはそれで問題だと思いますよ?」

 

話題に上がるのは彼女達の問題児のこと。今彼女は遠いフランスで何をやっているのだろうか?

 

「まぁ、ろくでもないことは確かだな」

 

『だな』

 

「ですね」

 

いいのかそれで。

 

『で、これが?』

 

「あぁ。取り外した『紅椿』のISコアだ」

 

デウス達の前に安置されている物体。それは篠ノ之箒の専用機である『紅椿』から機体の改修を名目に取り外したISコアだった。それは透明な強化ガラスで囲まれていて、幾重もの赤外線で厳重に封印されていた。

 

『このままコンクリで固めて地中深くに埋めてやりたい気分なんだがな』

 

「そこまでするものなのか?」

 

コアを憎らしげにみてそう語るデウスに千冬が尋ねる。すでに盗難防止、使用不可の封印を施したのだ。数少ない貴重なコアに対しそこまでする理由が彼女にはわからなかった。

 

いや、わからないのは彼女だけではない。それどころか、きっとその理由を知るのはこの世界でデウスだけだろう。

 

『これはISコアじゃない』

 

「「え?」」

 

デウスは言う。

 

『これ』は違うと。

 

なら?

 

『これはバロック・コア。かつて俺が殺し、俺を殺した男の心臓だ』

 

それが流れ着いたのは幾千、幾万という昔のこと。『心臓』だけとなったその者は新たな身体を求めて画策する。

 

その過程で生まれたのが、志波一族だった。

 

だが。

 

『(………おかしい。中身が、ない?)』

 

その事実がデウスの心中を脅かす。

 

仇敵はそこにいると思っていた。よって行動を起こす前に先んじて封印しようと確保に入った。

 

なのに、ここには『中身』のない心臓だけしかない。

 

『だが封印は残っている、か』

 

「封印だと?」

 

デウスが誰に聞かせるでなく呟いた言葉を千冬が拾う。

 

封印。それはデウス、いや。黄金神が覇界神と相打ちになった際、その復活を阻止する為に施したものだった。

 

()()がある限り奴は復活しない。しない筈だ。なのに、中身は、リボンズはどこに行った?』

 

かつての黄金神の『中身』だった男は仇敵の残骸の前で答えのでない問いを考え続けるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、行きましょうかシャルロットさん。これはわたし達の戦いです」

 

「うん。行こう、真季奈」

 

フランスにて。

 

デュノア社の前で二人の少女が立っていた。

 

志波真季奈とシャルロット・デュノアである。彼女たちはこれから決戦であった。

 

二人ともIS学園の制服を身に纏い戦いの場に乗り込もうとしていた。

 

真季奈はその手に持つ商談用の資料を武器に。

 

シャルロットもその後に続く。

 

その首に、金色の台座に五色の宝石をはめ込んだネックレスをかけて。




さて、デウスの『お土産』なんですが。

なんであるの? という疑問はとりあえず置いておきましょう。

これらのアイテムを彼女たちに割り振った理由はまた次回にでも。


それはそうと。

とうとう勇者ガンダムのイラストが発表されましたね。うーんエクシア!

あとスペリオルガンダム00(ダブルオー)。

版権問題をクリアしたのかな?


それではまた次回で会いましょう。
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