IS  復讐のデウス・マキナ   作:ぷらもん

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お久しぶりです。

スパロボばかりやってて更新が遅くなりました。勇者ロボ軍団はみんなフル改造済みです。

バーサル騎士のプラモも買って作ってました。塗装しがいのあるキットだぜぇぇぇ……。

ここまで本編関係ないという。


真季奈、IS学園、デウス達のそれぞれのお話です。


みんなどこかに向かっている

織斑千冬は宿直室で学生寮の見回りを行うために着替えている最中だった。日中、IS学園内での授業やその他雑務を行う際は基本スーツであるが、寮長として規則違反者が居ないか巡回する際は学園指定ジャージに着替えるのだ。

 

そんな、花も恥らう乙女(!?)の着替えの最中に、

 

「千冬姉ぇ!!!」

 

「ノックをせんか馬鹿者!!」

 

馬鹿が来た。

 

姉の着替えに堂々と扉を開けて乗り込んできたのはその弟、織斑一夏。

 

彼は大変焦っていた。

 

「大変だ! フランスで真季奈がナンパされてる!!」

 

「んだとゴラァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

 

怒髪、天を衝くとはこのことか。

 

真季奈。ナンパ。このたった二つの単語が耳を通り脳に達した瞬間、千冬の長く伸びた髪は天へと向かって逆立ち、彼女の体から炎が立ち上がる。

 

鬼だ、鬼がいる。

 

「どうしよう千冬姉ぇ!?」

 

「決まっている!!」

 

どうにかしたいけど真季奈はフランス。

 

そんな状況に狼狽える弟に、姉は即座に行動を決める。

 

 

「フランスに殴り込みじゃぁああああああああああああああああ!!!!」

 

 

※この間、僅か三分の出来事です。

 

 

 

 

 

それからどうした。

 

「敵機接近! 敵機接近! 各員即座に行動せよ!!」

 

「これは演習ではない! 繰り返す! これは演習ではない!!」

 

「弾薬をありったけ持って来い! 十分かかる? 五分でやれ!!」

 

「第一防衛ライン、突破されましたァッ!!」

 

「「「なにぃいいいいいいいいいいいいいい!!??」」」

 

本当にどうした?

 

ここはIS学園のIS格納庫。ここには学園が保有する訓練機『打鉄』が全て保管されている。

 

そこが襲撃されているのだ。

 

誰に?

 

「邪魔をするな小娘共!!」

 

「するに決まっているでしょう!! 織斑先生!!!」

 

この学園の教師に。

 

「第二防衛ラインも突破されました!!」

 

「「「馬鹿な!?」」」

 

 

 

 

 

それは突然だった。

 

IS格納庫といえば、IS学園が保有する最大の武器庫と同義だ。故に、交代制とはいえ警備の人間もいる。

 

この日の担当はアメリカから派遣されてきた警備員、ナターシャ・ファイルスだった。

 

第1アリーナでの騒ぎが終わってすぐのシフトということもあり、真剣な面持ちで辺りを警戒していると、そいつはやってきた。

 

「あら? ブリュンヒルデじゃない。どうしたの?」

 

織斑千冬。彼女に、この格納庫に用事など普段なら決してありえない。授業の教材としてならばありえるが、今はもう夕方だ。部活動でもありえないし、そもそも織斑千冬が顧問を務めているのは茶道部だ。

 

なのに、何故?

 

と考えたのも束の間。

 

「打鉄を一機使わせてもらうぞ」

 

「は? いや、え? 許可証は?」

 

「そんなものあるわけないだろう!」

 

「なきゃ駄目でしょう!?」

 

許可なくISを持ち出したら犯罪です。えぇ犯罪ですとも!!

 

「貴方気でも狂ったの!?」

 

「バカを言うな! 真季奈の貞操がかかっているんだぞ!!」

 

「手遅れじゃないの!!」

 

力づくで押し通ろうとする千冬を必死に押さえつけるナターシャ。人外の領域に片足どころか全身をズッポリ潜り込んでいる千冬相手に押し問答(物理)ができる時点で彼女もおかしいが、これが世界レベルの行き遅れたちの実力である。

 

しかし。

 

「ふんぬらば!」

 

「ぎゃん!」

 

『ナターシャァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!』

 

生身での白兵戦では、やはり千冬に軍配が上がった。これが、所属不明の侵入者だったらよかった。それならナターシャもISを使って一気に取り押さえることができた。しかし、相手は見知った知人でしかしも生身だ。ついこちらも素手で応戦してしまった。それが一番の悪手だというのに。

 

千冬に首をぐりんッ!とされたナターシャはその場に崩れ落ちる。

 

『しっかりするにゃ! 死んじゃ駄目にゃぁああああああああああ!!!』

 

口から白いナニかを出しているナターシャに縋り付く子猫、ベル。彼女は、

 

『応援を呼ぶにゃ! 生徒会のみなさーん!! 専用機持ちのみにゃさーん!!!』

 

ベルは自身のISコアネットワークを通じて、学園の専用機持ち達全員を招集する。

 

ここに、『第一次 織斑千冬の乱』が巻き起こったのだった。

 

 

 

 

その頃、フランスに向かうピースミリオンでは。

 

「む! 今なにか不穏な気配が!?」

 

「どうしたの真季奈? またおかしな電波拾った?」

 

真季奈の言葉にシャルロットがツッコんでいた。

 

「おいシャルロット。社長に向かってなんて口の聞き方を」

 

「多分これは織斑先生の怒気ですね。なにをやっているんだか」

 

「あぁ……織斑先生の真季奈ラブはとうとう海も越えちゃうんだねー」

 

「………冗談だろ?」

 

IS学園の生徒にしかわからない世界がそこにあった。

 

「それにしても楽しいところじゃったのー」

 

「IS学園もなかなかいい(パー)()が揃っておったな」

 

「実験機の予備に欲しかったのう」

 

こらジジイ共!

 

「お爺ちゃん達、そういうことはわたしの聞こえないところでこっそりやってください」

 

「「「ほーい」」」

 

「ダメですからね社長」

 

バレなきゃ何してもいいと言う考えにシャルロットの兄がストップをかける。彼はこの中では比較的、常識人だ。

 

「ところで社長。次の会議ではどんな衣装を用意しましょうか。ドレスから着ぐるみまでなんでも揃えますよ」

 

「学生服で結構です」

 

…比較的、である。

 

この移動型社長室ピースミリオン。その名の通り、外見は銀色の飛行物体であるが内部は普通の社長室である。フロア一階分まるまる収まっているので社長室、休憩室、談話室、トイレ、給湯室と揃っているのでなにげに快適だ。

 

「にしても、まさかあの場でサイレント・ゼフィルスを見るとはのぉ」

 

「調整してからこっち、なんの連絡もなかったからな」

 

「おいこら糞ジジイ。ちょっと詳しく話せ」

 

両目がスコープ型の義眼のじいさんと、髪にポマードを塗りたくったじいさんが呟いた言葉。それを真季奈は聞き逃さなかった。

 

サイレント・ゼフィルス。それは確かイギリスから『亡国機業』によって奪われたIS。なので、元その組織の一員だった織斑マドカが所持している。今は彼女ごとイギリスの管理下に戻っているのだが………。

 

「奪った機体をマドカちゃん専用に調整したのは貴方たちだったんですか」

 

「暇じゃったからのぉ。いい額の報酬も貰ったし、何より面白そうだったからな!」

 

「うーむ、一理ありますね」

 

「あるの!? ……まぁ真季奈だしなぁ」

 

退屈なときに面白そうなことをやってお金までもらえる。それだったら真季奈だって断る理由がない。彼女はそう思い、つい頷いてしまう。シャルロットも驚きはしたが納得した。

 

「何をいじったんじゃったかのぉ?」

 

「ビットにビーム偏向システムがあったからその簡略化とシールドビットに、あとアレじゃな」

 

「アレか」

 

「アレはまずくないか?」

 

「なぁに。最悪、操縦者が廃人になるだけじゃ」

 

「なら問題無いな」

 

「大ありですよ!!!!!」

 

ジジイが喋れば怪しさが爆発する。というか、いい加減IS操縦者を消耗品扱いするのはやめて欲しい。ちゃんと行動を管理しないとデュノア社のテストパイロットがポックリ逝きかねない。

 

「聞くのが怖いので本意ではありませんが、一応責任者としてお尋ねします。………マドカちゃんの機体に何を搭載したんですか?」

 

「『Z.E.R.O』じゃ」

 

「………ぜろ?」

 

なんぞ?

 

「『Z.E.R.O.System』。超高度な情報分析と状況予測を行い、毎秒毎瞬無数に計測される予測結果を操縦者の脳に直接伝達するインターフェースじゃ」

 

老人の義眼がキラリと光る。口元には怪しい笑みを浮かべ悪戯を自慢したい悪餓鬼のような顔をしている。

 

「今、脳に直接伝達って言いました?」

 

「効率的じゃろ?」

 

「いちいち考える時間もいらんしな!」

 

「その過負荷に脳が焼き切れて廃人になるんですね分かります」

 

「お前さんも似たようなことをしておるじゃろう?」

 

「う」

 

脳にどころか全身にナノマシンを流し込んでいる少女が口をつぐむ。真季奈の体内では今だってナノマシンが活動している。

 

そういう意味では真季奈もこの老人たちも発想が似ているのだ。

 

科学の進歩に人間性も倫理感も必要ない。必要なのは絶え間ぬ知的探究心のみ。

 

それは一歩間違えれば狂人の考え。しかしそれはある意味正しい。

 

この科学者『ども』。既にマッドと呼ばれる領域にどっぷりと浸かっているのだから。

 

「ま、リミッターつけとるから起動はしてないじゃろうがな」

 

「あ、そうなんですか」

 

ちょっと勿体ない。そう思った真季奈は既にそのシステムを解析したくてたまらないといった感じだった。織斑マドカが廃人になっても自分は困らないし。

 

「あれはあらゆる予測結果を操縦者に提示する。良い結果も悪い結果もな。その情報量のとてつもなさに現実と予測の判別ができなくなり精神を壊す」

 

「? そんなもの、どうやって使いこなせと?」

 

少なくとも、マドカには無理だ。あの泣き虫で堅物で視野の狭い彼女では融通が効かなすぎてシステムに振り回されるのが目に見えている。

 

ならばどうやって?

 

「簡単じゃ。システムに振り回されない強靭な精神力でねじ伏せる。千冬ちゃんのようにな」

 

「は?」

 

精神論かよ。そう思ったところで、思いがけない名前が出た。

 

「あの事件で彼女はトールギス、いや『白騎士』で戦った。『Z.E.R.O』を使ってな。出なければ、千を超えるミサイルや軍隊を相手に腕っ節だけが自慢の女子高生が立ち向かえるものかい」

 

そう。IS神話の始まりである『白騎士事件』。一部のものだけが知る織斑千冬の功績。それを打ち立てたのが、当時十六歳の少女だという。

 

これがそもそもおかしい。

 

人並みを越えて異常なまでの身体の力を持った少女が世界最強のパワードスーツを身にまとって『戦争』をする。どこのSFアニメだ。

 

織斑千冬は軍事訓練を受けていたのか? 唯の女子高生が? 否。

 

織斑千冬はISの訓練をしっかりと受けていたのか? ありえる。あの篠ノ之束の『親友』だ。機会はいくらでもある。

 

織斑千冬は『白騎士事件』という自作自演の計画に賛同して初めから関わっていたのか? その可能性は考えたくない。もしも、当時の彼女がちょっと悪いことして見たいお年頃だったというなら話は別だが。

 

当然、篠ノ之束による万全のサポートはあったのだろう。だからといって、たった一人で、『白騎士』を捕獲しようとする軍隊を相手しながら千を超えるミサイルを全て迎撃できるものだろうか? 戦闘の素人が?

 

束からの情報を整理し、戦局を即座に判断し、日本に、住宅街に、襲い来るミサイルの雨を一つ残らず叩き落とす? 無理だ。自分でも幾つかは取りこぼす。被害をゼロになんてできない。

 

それができるのならきっと、織斑千冬の頭の中には高性能な演算システムが突っ込まれていたのだろう。

 

それが『Z.E.R.O』?

 

「Zoning and Emotional Range Omitted System。つまり、領域化及び情動域欠落化装置。このシステムによって操縦者の認識力は格段に跳ね上がり、全方位に目を持ち、予測された未来とその対処法を見ることになる」

 

「未来を見るって……どうやって?」

 

老人たちの説明にシャルロットが首をかしげる。話の筋は追えるが、理解が追いつかないのだ。

 

「日本の言葉で言うところの、『風が吹けば桶屋が儲かる』というやつですよ」

 

小さなきっかけから始まった事象の結果。その因果の可能性。それらを全て計算し切ることで結果という未来を導き出すシステム。

 

理論上は可能だ。しかし、その情報量は余りにも膨大すぎる。だからこそ、『机上の空論』でしかないシステム、のはずなのだ。

 

「よくもまぁ……織斑先生は無事だったものですね」

 

「まさに黄金の精神じゃったよ………メッキじゃがな」

 

「あ、やっぱり無理でしたか」

 

「えっ!?」

 

老人の言葉に真季奈はやはりと頷く。それに驚くのはシャルロットだけだ。

 

「織斑先生は我慢が上手ですからね」

 

「ミサイルを全部落として、軍隊を追っ払って。へとへとになって帰ってきたときは脳が沸騰する寸前じゃったわい」

 

「それ、自白したようなものですよね?」

 

「はて? 最近耳が遠くなってのう?」

 

『白騎士』が疲労困憊している姿を知る者など限られている。計画の関係者だ。どこまで関わっていたかは知らないが。

 

「もういい機会ですし、話していってくださいよ。色々と」

 

「そうじゃな。冥土の土産話にはいい機会かもしれん」

 

ISコア。篠ノ之束。そのどちらにも関わっていた老人たちだ。聞きたいことなど山ほどある。

 

だが、

 

「それと、志波マキという女についても話しておこうかの」

 

「!?」

 

聞いておかねばならないことは、他にもありそうだった。

 

 

 

 

 

 

その頃のIS学園。

 

「フハハハハ!! この『打鉄』はいただいていく! 待ってろ真季奈ァッ!!」

 

「クッ、待ちなさい先生ェッッ!!!」

 

「というかあの人、生身でアタシ達を突破したんですけど!?」

 

そこにはIS学園が保有する練習機『打鉄』を強奪し今にも飛び立とうとする織斑千冬の姿があった。

 

え? 他の専用機持ち達(闘神達含む)?

 

 

死屍累々ですがなにか?

 

 

「俺、しーらない」

 

織斑一夏は逃げ出した!

 

「「逃げるなぁ!!」」

 

しかし! 風紀委員からは逃げられない!! 

 

格納庫の惨状。言い出しっペであり元凶であるヘタレの織斑一夏はその場から逃げ出そうとして。騒ぎの元凶を探していた風紀委員の篠ノ之箒と織斑マドカに発見されていた。

 

「お前これどうするんだ? え? マジでどうするつもりだゴラァ!!」

 

「大惨事ってレベルじゃないぞ!? ねえさん止めなきゃ領空侵犯とか密入国とかISの無断使用とか! トリプル役満の満塁ホームランで御用だぞ!?」

 

「どこでそんな言葉覚えたのマドカ!?」

 

織斑マドカ。彼女もこの学園に、いい具合に毒されてきている様子だった。

 

「止めるぞ! 協力しろ!!」

 

「でなきゃ真季奈にチクるぞボケェ!!」

 

「いえっさー!!!」

 

三人による、織斑千冬の追撃戦が始まった。

 

 

 

 

 

そして。

 

「ボォォォォスゥゥゥゥゥ!! なんなんすかアレーーー!?」

 

「この数は、洒落になりませんわね!」

 

『グダグダ言わずに走れ!!』

 

どこかの森の中。そこでデウス(犬)、スコール、オータムの三名はというと。

 

スケルトンドーガがあらわれた! ×100

 

アンデッドドーガがあらわれた! ×100

 

グールザクがあらわれた!    ×200

 

ゴーストハンブラビがあらわれた!×50

 

ボリノークマミーがあらわれた! ×30

 

バンシーキュベレイがあらわれた!×20

 

アンデッドジオングがあらわれた!×1

 

「侵入者を殺せーーー! 生かして返すな!!」

 

「「「げぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!!!」」」

 

大量の異形の怪物たち。死霊、ゾンビ、アンデッド。呼び方は様々だが、共通していることは全て死者であること。それらを代表して背中から赤い翼を、側頭部から赤い角を生やしたモンスター。アンデッドジオングが号令を出し追い立てる。

 

「ヘイ、ボス! 持ってきてもらった御札が効きませんけど!?」

 

「倒しても死んでるからすぐに蘇ります! というか、そろそろ足が辛いです!!!!」

 

『バカヤロウ諦めるな!! 夢を信じろ! おのれを信じろ! 疲れた足を奮い立たせ、あの過ぎ去った青春の日々を思い出して走り続けろォォォッ!!!!』

 

黒い柴犬を先頭に、美女二人が後に続いて全力でダッシュする。特に柴犬はスプリントランナーも感心するような綺麗なフォームで……て、こら四足動物!

 

「意味が分かりませんがとにかく走れってことっすね!?」

 

「うぅ、せんぱ~い!!」

 

「スコール!? 何マジで思い出してんの!? 先輩って誰!?」

 

『とにかく、走れーーーー!!!』

 

「もうやだ! 転職したい!!!」

 

ここはムーア界。目指すはティターンの魔塔。

 

主なき、亡霊たちの世界を彼らは往く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回にも続くんじゃ。


今回と次回でGWの老人たちに色々と喋ってもらいます。

千冬を一夏たちは止めることができるのか?

デウス達は帰って来れるのか?

この騒動が終われば、キャノンボール・ファストです。

それではまた次回! 感想待ってます。
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