もちろん買います! 最低二つ! 一つは金メッキ! もう一つは金塗装じゃい!!
さらに!
SDXでスペリオルカイザーが発売決定! おいおい、2016年は黄金神祭りかよヒャッハー!!
すいません。我を忘れました。
でも買うのは決定です。
「お爺ちゃん達の話からすると、駄兎はISコアを完成させた天才だ、と。では、志波マキというのはどんな方だったのです?」
「………あの女は正しく悪魔のような女じゃった」
そこまでかい!
さて。IS開発のちょっとした裏話を聞いた真季奈達。次に聞きたいのは老人達が名を出した『志波マキ』という女性のこと。
正直、関わりたくねー。と、真季奈は思ったが。
「あの女と出会ったのはもう数十年前。ギアナで『精霊の卵』を見つけてすぐに現れた」
「今思えば、あやつもそれを探していたのじゃろう」
………うん。それで?
なんというか、それがどうした? という情報だ。
確かに、ISコアの元になった(結果的にだが)マテリアルを探していた人物ということには興味はある。でもそれは、その価値を知る者なら当たり前のことではないだろうか?
その志波なにがしがどうやってその情報を知ったのかはわからないが、もしも彼女が科学者だったというのなら未知のエネルギーを求めた者同士、偶然出会うこともあるだろう。
うん、やっぱり大した情報じゃないですね! ではさっさとこの話は切り上げて……。
「真季奈? 関わったらめんどくさそうだから無理矢理話終わらそうとしてるでしょ?」
「ナンノコトデショウカー?」
チィ! 小癪な!!
まだ何も喋ってないのに横にいたシャルロットさんのジト目がわたしに突き刺さります。おのれ、わたしの思考を読むとは成長しましたね!
「お爺さんたち。その志波マキという女性はどんな人だったのかな? 容姿とか性格とか」
「あ、別に無理して話さなくていいですよー?」
「真季奈は黙って」
「はい」
あ、あれ? なんだかシャルロットさんが恐い。そして近い。
真季奈のすぐ横に椅子を置き、腰掛けるシャルロット。彼女はすぐにでも真季奈を拘束(話の邪魔をさせない為に)できる位置にいた。その顔に張り付いていたのはとてもイイ笑顔。しかし、笑っているのに放たれるプレッシャーが恐ろしい。真季奈をして震え上がるほどに。
「そうじゃな、まず長い金髪じゃった」
「あとナイスバディ~じゃったな」
「なにかと金色が好きじゃったな。乗ってる車も金ぴか。使ってる銃も純金製じゃったのう」
「悪巧みも狡猾じゃったな。あの女には何度研究成果を奪われそうになったことか」
「高圧的な性格に高笑い。まさに魔女のような、いや女帝と言う呼び名が相応しい女じゃったよ」
ふむ、
「なんだ真季奈じゃん」
「失敬なッ!!!」
五人の老人がそれぞれ語った人物像。それは聞く者が聞けばシャルロットの言う通り、『志波真季奈』そのものだった。
「やっぱりその人って真季奈の………」
「いいえ! 名前が似ているだけの赤の他人じゃないですかねぇ!?」
必死である。しかしそれには理由がある。
真季奈がその志波マキという女性との関係を全否定する訳。それは、
「(これで親戚と確定しちゃったら迷惑料とか慰謝料請求されるかもしれないじゃないですか!!!)」
金の心配、である。
志波真季奈。彼女は他所の不始末で起きた賠償金は死んでも払いたくないのであった。自分は散々、いろんな人に迷惑かけているのにね。
「じゃぁお爺さん達はその志波マキさんに何かしらの被害を受けたの?」
「そりゃもう、のう?」
「うむ。研究していた、後のIS関連に繋がる技術の資料を奪われそうになったり」
「マテリアルはかなり持ってかれたのう……まぁそれから束ちゃんが現れるまで誰も加工できなかったがの」
「なにより、わしら自身何度も襲われたし……」
止めてください!! それ以上喋るなジジィ共!!
次々と明かされる罪状。盗難未遂と盗難に暴行とは……やばい、こちらが不利だ。このネタで給料上げろとか揺すられたらどうしよう? いや、わたしには関係ない。そんな女は他人だ他人。
「それでお爺さん達は何をされたの?」
今理解した! お前が敵だったかシャルロットォオオオオオオオオ!!!!
いらん藪をつついて蛇が出そうな会話をなおも継続するという隣の女に怒気を放つ。こんにゃろめ。今度一番きつい仕事押し付けちゃる!
「(光の翼で大気圏突入テスト………うん、これにしよう! 昔自分でデータはとってるますけどね!)」
「(一夏に近づけないようにスケジュールから休憩時間減らしとこ! あと兄さんと休憩時間を被せれば……)」
「……………」
「……………」
「「(にこっ!)」」
お互い満面の笑みである。彼女達の表情筋は自己の感情と正反対の行動がとれるのだ!
「何をされた……か」
「ナニをされたというか」
「わしらは必死に抵抗したんじゃ!!」
「「「悪いのはあのけしからん乳と尻じゃ!!!」」」
「襲われたってそっちの意味でかい!!!!」
暴行事件でなく性犯罪でした。
あぁ、そういえば。
志波一族って優秀な人材の遺伝子を集めるのが目的でしたね。お爺さん達の『種』はそれはもう欲しかったのでしょう。
………だからって、一人で五人を襲ったの? うわー……。
「真季奈、真季奈」
「……なんです?」
どんよりとした気分で頭を抱える真季奈の肩を叩く。そこには今日一番の。満面の笑顔のシャルロットが。
「お爺さん達も血縁かもね!」
「よーし戦争だかかってこい!!」
なんということでしょう。気が付けば、志波マキという女性どころか目の前のジジイ共とも親戚疑惑が。止めて! 真季奈ちゃんがこんな狂人共と血が繋がっているわけないじゃないですか! どこも似てませんよ!?
そこへ。
「ッ! ピースミリオン、緊急上昇!!」
真季奈が突然叫ぶ。
「え?」
シャルロットが何が起きたのかを理解したのは、船体の下方を突き進む、巨大なビームの閃光が迸った時だった。
「な、なに今の!?」
「……超長距離からの高出力ビーム? 一体どこから……日本!?」
船体と同期させた体内のナノマシンから即座に情報を纏めてビームが撃たれたと思われる方向を探る真季奈。それは、ピースミリオンを背後から狙った日本からの撃たれたものだったことに驚愕することとなる。
ありえない! 船体の進路上、それを進行方向に追従する形で撃ったビームが追いついた!? どんな射程とビーム速ですか!?
死にかけた。そう自覚した時には恐怖よりも焦りが浮かんだ。
もしも気づくのがほんの少し遅れていたら? 今頃ここにいるみんなまとめて蒸発していたことだろう。なら、あれは何だったのか? それを考えなければならない。第二射は? まだ狙われている? どこから?
誰が?
真季奈が思いついたのはサテライトキャノン。シャルロットのアルテイヤーの武装だ。しかしそれはここにある。ならば、それに近い威力のビーム兵器はなんだ?
考えねば。見つけねば。
でないと、死ぬ。
全身のナノマシンを、思考の全てを使って探る。世界中の情報網、個人携帯から監視衛生まで網羅してみせたそれを一瞬にして行う。特に『眼』は日本に向けてなくてはならない。考えたくはないが、あの国はトンデモな専用機が集まりすぎている。その中の誰かか? わたしを殺そうと?
「のう? 今のはアレじゃないか?」
「うむ。あの威力、間違いない」
「……はいそこォッ!! もっかい説明ターイム!!」
またも爺さん達がこそこそと笑い合いながら話してました。……もうやだぁ(泣)
あえて言いましょう。
ま た お 前 ら か !!
「あの威力と射程距離。ビームを構成していた粒子の色……恐らく、ワシが開発したツインバスターライフルじゃな」
「何作ってんの!? ねぇ何作ってんの!? 世界征服でもしたかったんですか!?」
「しかしアレは『サイレント・ゼフィルス』に『Z.E.R.O.System』と一緒に封印したはずなんじゃがのう?」
うん? サイレント・ゼフェイルス? じゃぁまさか?
撃ったのはマドカちゃんですか!?
それに、封印されていたという機能が起動したとうことは……。
「『Z.E.R.O.System』が起動している?」
マドカちゃん、廃人にならなければいいけど……。
あ、でも。さっさと廃人になってくれればわたしたちも安全か。
……だけど。
『Z.E.R.O.System』はかつて『白騎士』にも搭載されたいたらしい。
一度手にしたシステムを、あの性悪兎が手放すだろうか?
世界最強の第四世代。
篠ノ之束の、最愛の妹に送られた最高傑作のIS。
そんな機体に、持てる技術を出し惜しみするだろうか?
「エピオン、『エピオンシステム』………まさか、ねぇ?」
箒の『赤椿』を改造した時に見つけたシステム。それをそのまま開発プラン名にした真季奈。
じっくり検討する時間もなかったわけだが。気に入らない、とすぐに興味が失せた機械まかせの戦闘補助システム。
「……たまには、どうでもいいと思ったことにも真剣に取り組んでみたほうがよかったかな?」
ひょっとしたら自分はとんでもない大ポカをやらかしたのかもしれない……真季奈はそう考え、すぐにそのことを忘れた。
今は自分の命の危機なのだ。
「ターゲット、ロックオン」
小さな声での呟きの後。マドカは巨大なツインバスターライフルの銃口を、
『織斑一夏』へと向け、引き金を引いた。
「マドカ!?」
「なにを!!」
突然現れた巨大なライフルから放たれる恐ろしいまでのビームの奔流。ISには絶対防御があるが、そんなものは意味をなさない。それほどの威力。
死が迫ってくる。
「逃げろ一夏ぁッ!!」
「嘘だろ!?」
ビームの射線から跳びのける一夏と箒。当たれば必死。いや、当たらなくとも余波で機体が溶解する。だからこそ出力は最大、展開装甲は全開。それこそ、『必死』に逃げた。左右二手に別れて避けたその間をビームが通過していく。
その先には織斑千冬がいる。
彼女は前しか見てなかった。真季奈の乗るピースミリオンを追い、ひたすら前進するのみ。故に、背後から迫るバスターライフルの閃光に気づくのに数瞬遅れて……。
「「千冬姉ぇ(さん)!?」」
「ん? よっ!」
なのに、あっさりと回避しよったわこの人外。
「「台無しだよあんた!!!」」
背後から迫るビームを視界に入れた瞬間、彼女は機体を捻り、そのまま下方へと仰向けの体制のまま急降下した。海上を背にしてスレスレの位置で頭上を通過するビームを見上げながら飛び続けるその技量は凄まじいが………なんだが納得できない理不尽さがそこにあった。
「なんだ? 急に豆鉄砲が飛んできたと思ったらマドカか……反抗期か?」
「そういう問題じゃねぇだろ!?」
「落ち着け箒! キャラが違うぞ!?」
自分たちが死ぬ思いで避けた砲撃にその感想はないだろうと箒が憤る。
「いや、真季奈の反抗期真っ盛りはこんなもんじゃなかったし。不意打ち闇討ち騙し討ち。なんでもござれでこっちの
「なんなのアンタら!? そこまでしないと強くなれないなら俺弱いままでいいわ!!」
「強くならなきゃ死ね!って言われた覚えあるけどそういうことか!?」
「当たり前だ。訓練如きで死ぬようなら強くなれるわけないだろう?」
何言ってんだこいつら? という目で二人を見る鬼教師がそこにいた。それは誇張でもなんでもない本心。『世界最強』とまで呼ばれた彼女の常識はその時点で一般のそれとかけ離れてしまったのだ。自分に出来ること、それを後進に伝えようとすればレベルを落とさなければならない。しかし、その為の初めての授業相手が志波真季奈と更識楯無だったのが彼女の不運。常識外れの教えに付いてきてしまう優秀すぎる異常な生徒に、彼女の『優しい教え方』は一般にとっての『鬼の授業』となった。
なんという不幸。IS学園での織斑千冬の授業は、彼女にとってはとても『優しい授業』なのだった。………なお、専用機持ち達は除く模様。
「そんなことよりお前ら。よそ見してると墜ちるぞ?」
「「え?」」
ほら後ろ。
「………織斑千冬の危険度最大。最優先目標を織斑一夏より織斑千冬へと移行する」
「ほぉ? いい度胸だ小娘」
ビームサーベルを振りかざした織斑マドカが、『ZERO』が迫る。
「ん? ISが進化してるな……まぁ大した問題ではないが、なァっ!!!」
「!?」
「「嘘ッ!?」」
最新鋭機。それも進化した『ウイング・ゼロ』を扱うマドカに対して千冬の機体は第二世代の『打鉄』。装備も、ビームサーベル相手に鉄の塊でしかない近接ブレード『葵』。普通に考えれば勝ち目などなく、鉄でできた刃などビームによってバターのように溶断されるだろう。
しかし、『世界最強』は伊達ではない!
「ぐぅぅぅっ!」
「おおおおおおおおおおおッッ!!」
振るった剣の風圧で機体が吹き飛び海面が揺れる。体制を崩したマドカの懐に飛び込み、躊躇なく膝蹴りを入れると彼女の頭髪を鷲掴みにして海へと振り投げた。
「うわぁ外道……」
「真季奈そっくりだ……」
弟子は師に習うものである。つまり、真季奈の戦い方も元を正せば千冬が原因、いや元凶である。
「ビットよ!」
海中から飛び出したマドカがすぐさまビットを使う。白く変わったそれらは武器であると同時に翼でありシールドだ。海面へと飛び出す推力としての性能もあるが全身を覆う盾ともなる。
「殻に閉じこもった雛鳥だな、ヒヨッコ! 何をしている!? 三方から囲むぞ! 手伝え!!」
「はい!」
「容赦ねぇ!? 分かったよ!!」
一対一でも問題なさそうに思えるにも関わらず千冬は一夏と箒に援軍を求めた。それは、
「(アレで終わらなかっただと……?)」
千冬は、マドカを海に投げ込んだ時点でもう終わらせたつもりだった。生徒へのダメージは最小限に、しかし機体は行動不能にする。そういう塩梅だった、筈だ。
しかし目の前にいる相手は今も迫ってくる。
「(私の動きに対応してみせた? あいつが? ………まさか)」
例えば、こちらの膝蹴りのダメージをシールドの出力を一点に集めたピンポイントバリアで防いだのかもしれない。もしくは、投げられながらも全身のバーニアを巧みに操って衝撃を殺しきったのかもしれない。
だが、彼女にそこまでの技量はあっただろうか?
何か、実力を底上げするような変化が……?
「敵………敵、敵ッ!! 目に映るもの全てが私の敵だッ!!!」
「まさか、『ZERO』か!?」
覚えがある、有りすぎる! 十年前のあの時から!!
ならばっ!
「お前達、逃げ…ッ」
マドカに、いや、あの悪魔に近づいてはならない! あの未熟者たちにはまだッ!!
「ッ!?」
その時、千冬の頬を一陣の風が通り過ぎた。振り返るのと同時に海水の跳ねる音が二つした。
「マドカ……貴様ッ!」
「敵は……排除する」
「チィッ!」
一度『ZERO』に支配されてしまえば目的を達成するまで、敵と認めた脅威を全て排除するまで止まることはない。止まることができなければ搭乗者は死ぬからだ。システムから提示される勝利への未来。それに搭乗者が振り回されずに、自分が望むもののみを選択することができなければその負荷に耐え切れない。
自分だってそうだった。何度も翻弄された。
『白騎士事件』で。ミサイルが一夏を焼いた未来。戦闘機が日本を空爆していく未来。空母の爆発に自分が巻き込まれて死ぬ未来。何度も自分が死に、何度も一夏や親しい知人友人が死んでいく未来を見せられて、発狂しそうになりながら全てねじ伏せた。
それが目の前の少女に出来るのか?
「ならば、叩き伏せるのみ!」
「(………う、一体、何が……)」
箒と一夏はマドカに堕とされ海中へと沈んでいた。一夏は………分からない。暗い夜の海中では何も見渡せない。自分が沈んでいるのか浮いているのか、上下の感覚も麻痺していく。
「(マドカ……一体どうしたと言うんだ?)」
織斑マドカ。自分と同じ風紀委員の少女。初めは文化祭を襲撃してきたテロリストだった。それがどんな取引があったのかは知らないが、自分の、一年一組に転校してきた。そして知った、意外な程に生真面目な性格と苦労性。真季奈の凶行をとっくに受け入れていた学園に待ったと言うその気性は好ましく、それが学園の秩序を守る風紀委員を立ち上げるほどで……。
今だから言うが………一夏を除けば一番好ましいと思える友人だ。
だからこそ。
「(殴ってでも、止めなくては!)」
そうだ。自分たちは二人で風紀委員なのだ。学園の風紀を守ると同時に、お互いが間違えればそれを正さなくてはならない。
「(千冬さんはアレを『ZERO』と呼んでいた……『ZERO』とはなんなんだ?)」
《『ZERO』……『Z.E.R.O.System』の、搭乗者の認識を確認》
「(……なんだ?)」
箒の脳裏に《声》が響く。どこから? それを箒はよく知っている。箒にしか知ることができない。それは。
「(『赤椿』……か?)」
自分が身に纏う、愛機からの声なのだから。
《敵機に対抗するため、カウンターシステム『エピオン』を起動しますか? YES / NO》
『エピオンシステム』。知らないシステムだ。真季奈からの説明はなかった。ならば、これを造ったのは姉、か?
マドカの機体がおかしくなった原因がその『ZERO』のせいだとして、『エピオン』とはそれに対抗できるものなのか?
姉を、篠ノ之束をまだ信用することはできない。肉親だから、なんて理由で信じることなどもうできない。あの人はそれだけのことを夏の海で行なったのだ。
それでも!
「(友の為、マドカの為にも………足を止める理由にはならん!!)」
風紀委員として、同胞として。箒は迷うことなく YES を選択した。
「敵、敵、敵! 敵は全て殲滅する!!」
「貴様! その強さを授業で見せんかこのバカ者!!」
アサルトライフル『焔備』を撃ちながら千冬が毒づく。
当たらないのだ。一発も。それどころか、ビームサーベルで切り払ってくる。マドカ自身の反射速度と機体の稼働限界を普段の何杯にも跳ね上がったその軌道は、十年前の自分にも匹敵していた。
「弾切れかッ! だが、ブレードだけでも!」
半ば融解した近接ブレード『葵』を手にマドカへと千冬は挑む。互いの実力は、マドカは『ZERO』によって底上げされていても今だ千冬の方が上。それでも、徐々に追い込まれていく。
「消えろ!」
「またか!」
マドカがツインバスターライフルを構える。更に、三つのビットが砲身へと集まり連結されてこちらを向き、放たれた。
ドライツバーグ・バスター。
ただでさえ大威力のバスターライフルに、ビットのエネルギーを上乗せして放たれる一撃は元の威力の数倍にものぼる。それを向けられれば躱す以外の手立てはない。それどころか、躱しきれなければ余波で機体が誘爆すらするのだ。
圧倒的な武装の差。
ちふゆほどの腕前ならば、ある程度の機体性能差などIS操縦者としての腕前で覆せる。
しかし、これは無理だ。
いくら自分が『世界最強』のIS操縦者でも、もはやアレはISの括りから外れていた。
「(こんな巫山戯た機体を造ったのは誰だ!? 束か? いいや! ここまで変態的なのは………ジジイ共か!!)」
心当たりならある。十年前。かつての事件でISに乗ったときに機体を調整していた老人たち。あの束が唯一師事したことのあるマッドと名の付いた科学者ども。
アレは彼らの芸風がことごとく表現されていた。
負けるつもりはない。しかし、勝つ為の道筋が見えない!!
もはや手詰まりか? そう諦めかけたとき、
「新たな敵を発見……?」
「なんだ!?」
水しぶきを大きく上げ、海中から赤い機体が飛び出してきた。
「行くぞ『
その頃のデウス達。
『喰らえ! 忍法、
「「「ウッ! 急に眠気がぁぁぁ!!?」」」
「なにそれ!?」
説明しよう!
デウス(犬)の両目から赤と青の光が交互に放射され、それを見た者は催眠にかかってしまうのだ!
それが忍法、『江須波』である! この技によってデウスを追いかけ続けるゴーストモンスター達は全て眠りについたのだった!
『よし、OK!』
「おいぃいいいいいいいいいいい!? なんか覚えがある! 文化祭で見た覚えがあるんですけどぉ!?」
「あぁ、それはねオータム。貴方がかけられた催眠術」
「言った!? はっきり言いやがった!! 私の人生狂わせた元凶が今明らかに!?」
IS学園の文化祭にて。アリーナに突撃したオータムの強行。その原因はデウスのこの『江須波』だった。ちなみに、相手が酔えば酔うほど効果は上がるぞ!
『とにかく! これで追いかけっこは終わりだ! ティターンの魔塔に突入する!』
「はい!」
「……おー」
長い追いかけっこも終わり、彼らはとうとうティターンの魔塔へと侵入を果たす。門を抜け、巨大な石像が両脇に立ち並ぶ通路を走り抜ける。
『? しまった!?』
「え?」
「ボス?!」
デウスが立ち止まり、その姿を『デウス EX ソーラレイカー』へと変え戦闘態勢に入る。なぜなら、
「「「マッドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」」」
ただの石像だと思っていたそれらが、モンスターマッドゴーレムに姿を変え襲いかかってきたからだ。
「なんだよこのデッカイの!?」
「いいから、倒すのよ!!」
数えること十体。その大きさは二十メートルほど。巨大なマッドゴーレムが三人を取り囲み戦闘になった。
『(おかしい……ジークジオン亡きこの世界でなぜジオンのモンスターが活動できる?)』
デウスはそのことがずっと疑問だった。
ゴーストモンスターも、このマッドゴーレムも。全てジオン族のモンスター。その頭目にして魔王であるジークジオン亡き今、その魔力なくして生きていられる道理がないのだ。
『やはり、どこかからジークジオンの魔力を利用している? なら……まさか……?』
死んだはずの魔王の魔力で動く死者の国。そう、死の国に封じられた魔王の力を利用する方法……それは。
『やはりここに開いているのか? 冥府の門が!!』
地獄の門が開かれるまで……後、どれくらい?
真季奈は自分が狙われたと思いましたが、実は単なる流れビームだったというオチ。それと一夏は現在沈没中です(笑)
忍法 江須波 は『風林火山編』の武者江須(Sガンダムの武者版)の技です。この技で彼は相手に催眠術をかけて眠らせることができます。スペリオル繋がりでデウスに使わせました。初出は文化祭でしたが、皆さんお気づきになられました? え?無茶言うな?
マドカの機体のウイング・ゼロ。ビットがケルディムガンダムのシールドビットのようになっています。盾であり砲台でもある攻防一体の武装です。
ドライツバーグ・バスター
ガンダムAの付録ガンプラ(バスターライフルは別売りです)。RGウイングガンダムゼロEW専用パーツ。一応他のキットにも対応。ビットがこれと同じ役割をします。
今度、この作品の機体解説一覧見たいのを小話集に載せようかな? と思う今日この頃。
それでは次回!
感想待ってます。