IS  復讐のデウス・マキナ   作:ぷらもん

71 / 95
お久しぶりです。

なんだか最近月一更新になっているような……? すいません。天井の隅をぼーっと眺める作業で忙しかったんです。


今回、色々反省する回でありました。主に、複線の張り方の難しさで……OTL


それではどうぞ。


名前で呼んで。

………目が覚めたとき、そこは知らない車中だった。

 

 

「……………?」

 

 

ここはどこだ? 自分はなんでこんなところに?

 

まず思いついたのは疑問。自分が何故ここにいるのか、どうしてこんな状況になったのか、それを思い出そうとして……。

 

「ッ!?」

 

酷く頭が痛んだ。

 

……どういうことだ? 気を失っている間に怪我でもしたのだろうか?

 

そうだ、怪我。というよりも、自分は今どういう状況なんだろう?

 

まず、縛られて拘束されている。口には猿轡。両手は後ろ手に、両足は踝で。しかもその両方の結び目を繋げるように縄で縛られているので逆エビ締めの体制だ。

 

ここまでするか、おい。

 

自分が身動き一つと得ないことは分かった。なら、ここは?

 

見たところ車の中。それも後部座席。座席を上げて荷台の状態にしていてそこに転がされているようだ。

 

あぁ、ハイエース………えー?

 

…………えー? えー? えーーーーーー? ちょっと待て、ホワイ? なんで!? 

 

おかしい、まず前提がおかしい。

 

アレはロリ……ゲフンゲフン!!。小さな乙女を狙った犯罪のはずだ。なんで『俺』が……? そもそもここは日本じゃないんだから……アレ?

 

日本じゃない? ならここはどこだ?

 

…………ドイツだ。

 

そうだ、思い出した! 『俺』はドイツまで試合観戦に……応援に……それで、…………それでどうなった? 

 

おかしい。そこからの記憶が、ない。

 

まるで切り取られたように、プッツリと記憶が途切れている。この状況に至った経緯の前後がまるで思い出せない。

 

「あ。起きたみたいだね?」

 

誰だこいつ? 誘拐犯か? 誘拐犯だよな? 誘拐犯でしかないよなこの状況!!

 

後部座席に転がる『俺』の出す物音に気づいたのか、助手席に座っていた人物が首を回して話しかけてきた。というか、日本語なんだな。

 

「やぁ、元気?」

 

元気なわけあるか。

 

「怒ってる?」

 

当たり前だボケ。というか、なんだコイツ。

 

「まぁそれはおいといて」

 

なんで聞いた!? おいなんで聞いた!! 今の絶対に無駄な会話だよな!!

 

こいつ殴りたい! すごく殴りたい……ッ!!!

 

どんな奴か? 満足に身動きの取れない状態で、なんとか首を向けて見てやると………そいつは金髪の男だった。

 

「色々と忘れていて欲しいな。都合の悪いことは全部、ね?」

 

………は?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界のどこかにある、とある場所にて。

 

「あれ? あれあれあえぇ!?」

 

「どうしました束様?」

 

篠ノ之束が自らの研究室の端末に表示された情報に仰天していた。

 

「なんで『EPYON』が起動してんの!?」

 

そこに表示されていたのは最悪のシステム。束が妹のために造った機体『赤椿』に搭載したシステムであり、『白騎士』伝説の元凶。

 

「ど、どーしよ……どうーぢよ!! このままじゃ箒ちゃんが廃人ののーたりんになっちゃうよーーー!!」

 

「お、落ち着いてください束様!! その『えぴおん』というのはなんなんですか!? というか、お願いですから落ち着いてください!!」

 

束が頭を抱えて研究室を走り回る。この女。頭がいいだけでなく無駄に身体能力も高いので部屋はもうグチャグチャであった。

 

「『EPYON』っていうのは頭のおかしいジジイ共が造ったキ●ガイシステムだよ!! そのプロトタイプを私が弄って作った劣化版!!」

 

「頭のおかしいってよくも貴方が言えましたね!? それよりも劣化版? 束様なら改良を加えて更に性能を向上させそうなものなのに……?」

 

「後でくーちゃんとはゆっくり話し合うとして……、劣化版ていうのは安全装置をつけて性能を落としたからだよ。『ZERO』のそのままの性能は脳内麻薬をだばだば溢れさせて脳が沸騰するまで使用者を酷使させる、唯の廃人量産システムだからね」

 

「それを作ったやつは確かに頭がおかしいです」

 

そのままよく分からない、というよりも理解することを脳が拒絶するような束の説明が更にくーちゃんこと、クロエ・クロニクルを襲う。うん、襲った。

 

「元は戦闘支援AIって名目で造られたんだけどね? あの五人がそんなもので終わらせるわけなかったんだよ!!!」

 

「は、はぁ?」

 

曰く。

 

そのシステムは使用者に勝利をもたらすために作られた。

 

そのシステムは使用者の過去と未来を見せる。

 

そのシステムは使用者の生命すら勝利条件に組み込んでしまう。

 

そのシステムは使用者の限界などお構いなしで稼働し続ける。

 

そのシステムは使用者の定めた『敵』が消滅するまで止まることはない。

 

 

つまり、制御できない者が起動させれば死ぬ、ということらしい。

 

「……あの、失礼ですが、何故そんな物騒な代物を妹君の機体に?」

 

妹大好きなこの方が『使ったら死んじゃうシステム』を何故? 

 

「システムに取り殺されない唯一の方法。ちーちゃんと同じ強靭な精神力をあの子を持ち合わせていると思って………」

 

嘘付け。ならさっきの取り乱しっぷりはなんなんだ、と思っても口にしないのがクロエの良心である。

 

「で、本音は?」

 

「ま、蒔春さんが……ぜひのせようって……」

 

戦犯はあいつか!!

 

モジモジしながら言う束の姿に軽くぶん殴りたい衝動にかられるクロエだったが驚異の忍耐力でそれを抑えこんだ。

 

自分がノッポと呼ぶ、やたら背の高い男。志波蒔春。あいつが関わるとろくなことがない。流石は志波一族、志波真季奈の父親というところか。

 

「でも、危ないのは確かだからリミッターもかけたし、それにもしも箒ちゃんが『ZERO』搭載機に襲われたら危ないからその時だけ『EPYON』が起動するように調整したから危なくないって!」

 

「……つまり、今まさに『ZERO』と『EPYON』が戦っているということでは?」

 

「あ」

 

まさか今気づいたのだろうか? 世界一の天才の筈なのに、たまにこうして抜けていうところがあるのがこの人の欠点であり美点だと思うが……。クロエの普段開かれない瞳が胡乱な眼差しを束に向ける。

 

しかし、それでも妙だ。逆に言えば、『ZERO』が二つ揃わなくては起動しないように設定されていたとも言える。いや、もしも『ZERO』の起動が目的だとすれば引き金となる操縦者も用意するべきなのでは?

 

「あの、ノッポの奴は他にはなんと?」

 

「え? うーんと、確か、『ZERO』ならヴェーダの代用ができるとかなんとか……あと聖杯?がどうとか」

 

「ヴェーダ? 聖杯? あの男は医者であって考古学者とかではなかったですよね?」

 

「う、うん……今になって思うんだけど、『赤椿』のコアって蒔春さんが持ってきたんだけど……どこから持ってきたんだろう?」

 

「それ一番忘れちゃいけないことだと思うんですけど!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ……死ぬかと思った」

 

「なんだ、生きてたのか愚弟」

 

マドカによって海中に叩きとされた織斑一夏。共に落とされた箒に遅れて、ようやく浮上してきたところを姉の織斑千冬に引き上げられていた。

 

「……恐い……海恐い……真季奈に会いたい……」

 

「お前……トラウマになってたのか……」

 

夏の海の一件で。真季奈を海に叩き落としたことを一夏は根っこのところで傷ついていたようだ。

 

しかし今はそれどころではない。

 

「マドカは!?」

 

「今は篠ノ之と交戦中だ」

 

見ろ、と千冬が指さした先では赤と青の機体が海上で嵐を巻き起こしていた。

 

『EPYON』がヒートロッドを振るう。海を薙ぎ払う赤熱した多節鞭が海水の飛沫を蒸発させて水蒸気が巻き起こる。そうして曇った視界を『ZERO』のバスターライフルが吹き飛ばし海を割る。

 

『告死天使』が必殺の火砲が照準を合せ、それを躱して大加速を持って距離を詰める『決闘機』。

 

躱し、詰めて、牽制し、狙う。

 

どちらも『勝利』の為にぶつかり合い、『勝利』の為に確実に相手の一手先を躱し合う。

 

その詰将棋のような戦闘を見て一夏は疑問に思った。

 

 

………あの二人の戦い方じゃない?

 

 

箒もマドカも、どちらかといえば考えるよりも体の方が先に動く激情型だ。相手に突っ込んで斬ることしか考えない箒と、感情の起伏でビットの操作にムラが出るマドカの戦い方とは違う理詰めの戦闘。それが目の前の光景だった。

 

「……不味いな。二人とも『ZERO』に飲まれ始めている」

 

「……なんだよそれ?」

 

『ZERO』。確か自分たちが海に落とされる前にも発していた単語だ。

 

 

千冬姉ぇはアレを知っている?

 

 

「アレは……まぁ頭の悪いお前にも分かりやすく言うなら、『未来演算装置』だ」

 

「はぁ?」

 

みらい……えんざん? 未来演算!?

 

実姉が何を言っているのか、それを頭が理解するのに、確かに時間が掛かった。……俺、本当に頭悪いんだなー。

 

「まずシステムが周囲の状況をデータとして集める。そこから最適な『勝利条件』を模索して搭乗者の脳に直接叩き込むのが『ZERO』だ」

 

「勝つ方法を教えて貰ったからってあそこまで戦い方が変わるのか?」

 

例えば自分が、真季奈や千冬姉ぇに逐一アドバイスを貰いながら戦ったとしてアレほど劇的な変化は起きないはずだ。機体の扱いでまだまだ難があるのに情報だけで技術が上がるわけがない。

 

「そこがあのシステムの恐ろしいところだ。脳に直接情報を叩き込むことで肉体をも同時に動かしているんだ。まぁ、平たく言うと、システムの操り人形というやつだな」

 

「それ……やばすぎるだろ?」

 

「あぁ、やばいさ。目で見た光景もシステムに作られたもので、それが複数ものパターンで次々とフラッシュバックしてくる。体が咄嗟に反応していて、自分がやったのかシステムに動かされたのか判断がつかなくなって……そのまま現実に帰って来れなくなって廃人となる。システムに飲まれるとはそういうことだ」

 

聞いたら予想以上にやばかった。え? なにそれ? 使うと最悪脳味噌パーンってなるの? 廃人? 誰だよそんなん作ったの? あ、心当たりが一人しかいねぇわ!

 

「束さん……なんちゅうもんを……」

 

「いや、束はむしろあのシステムに関しては否定的だった。箒の『赤椿』に搭載されていたのには驚いたが……安全装置位は付けているはずだ」

 

つまり束さん以外にもあんなやばい代物作る奇人がいると? もうやだこの世界。

 

「それとまだもう一つ、『ZERO』には厄介な機能がある」

 

「もう勘弁してください」

 

これ以上何があるって言うんですかぁ。

 

遠い目で語る姉は達観しているようで実は単なる現実逃避なのではないかと思う織斑一夏だった。だって、目の前で死闘を繰り広げる生徒のことなんかガン無視なんだものこのダメ教師。

 

「勝利のために未来を見せるということは……過程としての過去をも見せる、ということだからな」

 

……過去も未来も見えるとか。もうそれ、神様のシステムでいいと思います。ハイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在、篠ノ之箒の思考はとてもクリアーだった。つい先程までは一抹の『ノイズ』が混じっていたが、今はそれもない。

 

目の前の『敵』を倒す。

 

それこそが自分の、『EPYON』の存在理由だ。

 

相手は自分と同じシステムの搭載機だ。『勝利』のためには『敵』よりも一歩先の道を導かなくてはならない。

 

こちらは接近戦を主体とした武装しかない『決闘機』だ。対して相手は射撃が主体。武装もほとんどが重火器だ。威力こそ出鱈目だが、懐に潜り込めればいいのだ。

 

そのための勝利条件を。未来を。情報を。

 

『敵』の弱点はなんだ? どこだ? 癖は? 

 

集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ集めろ。

 

そうら、見えてきた。

 

『EPYON』が目の前の『敵』の情報を自分に見せ始める。さぁ、私に『勝利』を見せてみ、

 

 

 

……なんで、『俺』がいるんだよ!!

 

 

 

は?

 

……え?

 

………嘘だろう?

 

箒の中に飛び込んできたイメージ。そこに居たのは『彼』だった『彼女』。一人の少年を遠巻きに叫ぶ、絶望を知った少女の姿。

 

『敵』……織斑マドカの過去を見せた、その光景には……自分もいた。

 

『亡国機業』という組織で生きるしかなかった『彼女』。

 

ドイツで誘拐されて帰れなくなった『彼女』。

 

帰れなかったのはそこに、『彼女』の居場所がなかったから。

 

『彼女』では『彼』の居る場所に立てなかったから……。

 

その光景を見せつけられた『彼女』、マドカは憎むしかなかった。奪った存在を。自分の居場所に居座る『彼』、織斑一夏を。

 

脳内にフラッシュバックするイメージはどんどん過去に遡っていく。

 

自分も知らない『彼』の中学時代。中国代表候補生になる前の鈴と過ごした日々。道場で自分と一緒に竹刀を振った日々。

 

……小学校で、私を、庇ってくれたあの放課後。

 

小学生の頃、男勝りだった私を遠巻きにイジメていた男子達。掃除当番を押し付けて、馬鹿にしていた彼らから守ってくれた一夏の姿。

 

それは私の、篠ノ之箒が織斑一夏に恋した、大事な記憶。

 

 

私と、一夏しか知らないはずの記憶だった。

 

 

「マドカッ! お前は!?」

 

「その名で呼ぶなぁ!!」

 

箒の伸ばした手を、ビームサーベルを抜いたマドカが払う。そのはっきりとした拒絶の証に箒は戸惑う。だが同時に、仕方ないとも思った。

 

自分に、何が言えるとうのだろうか?

 

「私はッ、『俺』は織斑一夏だッ!」

 

あぁ。

 

「『()(ロー)()』なんかじゃない! 『俺』がオリジナルなんだ!!」

 

だからこそ。

 

「あの『織斑一夏』は絶対に殺す! 志波真季奈もだ! そして取り戻す、私の居場所を!!」

 

お前が、一夏や真季奈を認める訳がないんだな。

 

でも、お前にはできないよ。

 

だってお前も、私の知る優しい『織斑一夏』なんだろ?

 

「お前は私が止めるぞ、マドカ!!」

 

「邪魔をするな、箒ぃいいいいいいいいいいいいい!!!」

 

ゼロのビームサーベルとエピオンのビームソードが交差する。出力はエピオンの方が上だ。サーベルの光の刀身にソードが食い込む。

 

「チィッ!」

 

「ハァァァッ!!」

 

その白い翼を羽ばたかせ、マドカは後退し距離をとる。逃がすまいと赤い翼の『展開装甲』を加速させ箒が追いすがる。

 

「遅いぞ『ZERO』! 奴の反応速度を超えろ!!」

 

「まだだ! まだだぞ『EPYON』!!」

 

一進一退の攻防。互いに相手の先を取り合い潰し合う戦いは永遠に続くかのように見えてその実、一瞬だった。

 

組み合い、もつれ合いながらも続く二人の戦いは場所を変え海上からIS学園のある人工島の港口へと戻っていく。高速戦闘の勢いそのままでつっこんだ機体が火花を上げながら地面を擦る。装甲をガリガリと削る音を響かせながら二機は停止した。

 

その機能ごと。

 

「動け『ZERO』! なんで動かん!?」

 

「もうよせマドカ……私達の戦いをシステムが無駄だと判断したんだ」

 

二人の機体は消耗の末、待機状態となって沈黙した。それでもマドカは戦えと叫ぶが『ZERO』は何も答えない。

 

『ZERO』同士の戦いは両者の戦闘停止という形に終わった。どちらも勝つための未来を模索した結果矛盾が生じてシステムに負荷が掛かりエラーを引き起こした。その結果、選ぶべき未来がなかったのだ。

 

「認めん、こんな結果私は認めない!!」

 

マドカの声に、『ZERO』は答えない。

 

「私はあいつに、織斑一夏に復讐するまで立ち止まるわけにはいかないんだ!!」

 

だから。

 

「私の元に、来ぉおおおおおおおおおいッ!!!」

 

「『赤椿』ッ!!?」

 

代わりに答えたモノがいた。

 

箒の腕に巻かれていた和風のブレスレットの姿をした待機状態の『赤椿』。それが独りでに解けてマドカへと飛んでいく。

 

「馬鹿な!?」

 

「そうだ来い! 『赤椿』!!」

 

マドカは待機状態だったゼロを投げ捨てると自分に向かって来た『赤椿』を手に掴む。すると赤い機体が展開されてマドカに装着されていく。

 

「そんな……私の機体を何故マドカがッ!?」

 

専用機というものはその名の通り、IS操縦者本人にしか扱えないように設定されている。勿論、データを初期化し書き換えれば他者でも扱えるようになるが、こんな風に身に纏えるものではないのだ。

 

「……箒」

 

「マドカ……お前」

 

自分の専用機がその姿を変えていく。篠ノ之箒専用に調整された機体が、新たな操縦者の使用へと組み変わっていく。

 

「………『じゃぁな』」

 

「ッ!? ま、待て!!」

 

赤い機体が宙に浮く。それを身に纏う少女と共に夜の星空へと向かって。それに伸ばす手は届かない。

 

闇の紛れて飛んでいく機体は流星のように、夜空の星の一つに溶けて消えていった。

 

「………待てと言っているだろうが、馬鹿者」

 

愛機と友。その両方が飛び去った空を見上げて箒は………。

 

「帰ってきたら風紀を乱した罰で説教だからな」

 

彼女の残した『ウイング・ゼロ』を手にしてそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃。

 

「で。いつになったら救助が来んの?」

 

「そんなの知らん」

 

海上でIS学園に帰るだけの機体エネルギーが尽きた織斑姉弟の二人は途方に暮れていたという。

 

「「真季奈ヘールプミー!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ。待ってたよ『一夏()(ロー)()』君」

 

「………………………」

 

『赤いIS』を身に纏うマドカが降り立った場所。そこには金髪の男、志波蒔春がいた。

 

「君を創った甲斐があったかな?」

 

「………黙れ」

 

そこは空の上だった。

 

しかし、巨大な足場……中に浮かぶ建造物があった。

 

二人はその上に立っていた。だが、マドカはISを身に纏い、目の前の男は生身のまま立っている。

 

高高度の、大気吹き荒れる空の上で、だ。

 

「化け物め」

 

「いいや? そこは神様って言って欲しいね? 君にとっては造物主でもあるわけだし」

 

この男が元凶。マドカと名乗らされている少女は憎しみを込めて睨む。

 

あぁ、そうだ。

 

ドイツで『()(リジ)()()』を誘拐したのも。

 

その場で自分を女として『複製』したのも。

 

『亡国機業』の一員となったのも、自分に帰る居場所がないのだと見せつけられたのも。

 

……全て、こいつがやったことだッ!!

 

「………殺してやるッ」

 

「無理だよ? そういう風に君を創ってあるからね?」

 

そう言われ、今更ながら自分の体が満足に動かないことに気づく。向けた刃が、沸き上がる殺意が、目の前の男に向ける全てが萎んでいき消えていく。

 

「……馬鹿な……クソっ!!」

 

全身が麻痺していく感覚。思考も虚ろなものへとなっていき、何を考えていたのか分からなくなっていく。

 

「君はそうやって僕の人形でいればいいのさ。愚かな人間らしくね」

 

「あ、……あぁああ……」

 

マドカの意識が徐々に薄れていく。自分が誰で、何をしたかったのか。

 

 

どこへ帰りたかったのかも。

 

 

その全てが虚空の彼方へと消えていった。

 

「……それじゃぁマドカ君。君にはIS学園で僕の『コア』を回収してきてもらうよ」

 

「……はい『覇界神』さま」

 

もう彼女は『マドカ』でも、『一夏』でもない。ただ造物主の命令を遂行するだけの人形だった。

 

「さて、この世界の『ZE()R()O』も、器である『(リボ)椿(ーンズ)』も手に入った。後は……」

 

足元の巨大な飛行物体、リーブラを見て男は笑う。

 

「『封印の巫女』と、君との決着……かな? デウス君。いや、」

 

 

 

 

 

「勇者、『ガンダム』」

 

 

 




マドカちゃーーーーん!!

ということで、この作品のツッコミという良心が悪堕ちしました。

ISの二次創作において、織斑マドカの正体は色々ありますが。この作品ではこんな扱いです。

元ネタ。

黄金神話から:ネロスクローン……ラクロア王国の騎士団長ネロスのコピー。記憶ごとコピーされているので自分が本物だと信じていた。しかし性格はオリジナルとは正反対であった。

ネロスクローンって、黄金神話では暗黒卿が生み出しました。GガンダムでいうDG細胞のコピー体です。それを覇界神が生み出すと、00ガンダムのイノベイド的な? 



赤椿→エピオン→リボーンズです。エピオンが覇界神パワーでパワーアップは原作通りだし!

そもそもこの進化。赤椿→リボーンズだったのを、デウスが真季奈に依頼したことでエピオンに進化チャートが変更になっていたという。

赤椿の装備が…ビット、長距離ビーム、状況に合わせて変化する武装と加えて、箒の白いISスーツに赤い装甲と「おいおい、これリボーンズじゃないか!」とかなり初期から決まっていた進化形態でした。


『ZERO』とヴェーダと聖杯。スパロボネタです。W0(ウイングゼロ)と書いて00(ダブルオー)ってうまいネタ考えたなぁと感銘を受けました。今作でな神様の選定に聖杯が使われたという「スペリオル・クロニクル」から持ってきてます。




親父の正体。まだはっきり書かないよ! バレバレだけど!



次回はデウスの出番です。


感想待ってます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。