IS  復讐のデウス・マキナ   作:ぷらもん

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どうもお久しぶりです。

今回、一部設定がコラボしているところがあります。

竜羽さんの作品、「緋弾のアリア×IS 緋と蒼の協奏曲 」に登場するあるアイテムが出ます。コラボのお話、ありがとうございました。

あと、ちらっと出てきたほか作品のキャラとのクロスにもなっております。原作知らねーよという方は申し訳ありません。

それではどうぞ。




「織斑千冬合コンする」「デウス、デパートに行く」「真季奈、モ○ハ○がしたい」

その一。織斑先生、合コンする

 

 

カチャ! カチャカカチャ! ガガガ!

 

「この! このこの!」「回り込んで!」「よっしゃ部位破壊!!」「尻尾切ったよー! 「剥ぎ取り、剥ぎ取りー♪」

 

「………………………………………………………………」

 

ガラッ!

 

「お前ら席に付けー。授業に関係ないものを出してる者は今すぐ片付けろー」

 

教室の戸が開かれ、担任教師の織斑千冬先生が入ってきた。

 

「やば! 片付け急げー!」「まだクエスト終わってないのにー」「素材が! やっと出た紅玉がぁぁ!」「ちょまだ戦闘ちゅ、三落ちしたーー!?」

 

「早くしないと取り上げるぞー」

 

「「「うん??」」」

 

織斑千冬が気だる気に、心ここにあらず、といった様子で言う。

 

「はぁー……」

 

 

 

昼休み。昼食後の一年一組の教室にて。

 

「最近、織斑先生元気なくない?」 ガチャガチャ。

 

「思った。なんだろうね?」 ジョウズニヤケマシター!

 

「ちょっと前ならゲーム機なんて絶対に取り上げられてたもんね」カチカチ。

 

「しかも出席簿アタックもなかったし」シャッ、シャッ、シャキーン!

 

「……皆さんゲーム画面から顔を上げて話しましょうよ」

 

「「「ごめん姐さん、今目が離せない」」」

 

「……そうですか」

 

クラスメイト四人がひたすらゲームをしている。真季奈はその光景を自分の席に座ったまま眺めていた。

 

ジー。眺めていた。

 

ジーー。眺めていた。

 

ジーーー。……眺めているんだい。

 

それを更に眺めていた隣の席の織斑一夏君。

 

「……真季奈、やりたいのか?」

 

「……え? ヤリたいのかって? ベンチに座ったツナギの人でも紹介しましょうか?」

 

「勘弁してくださいマジで。ていうか連絡先知ってるの!?」

 

「LINEで友達なんですよ」

 

「姐さんの情報網どうなってんのよぉい!?」

 

「うるさい」

 

「ごめんなさい」

 

教室では過度なお騒ぎは控えましょう。

 

「織斑先生の元気がない原因、わたし知ってます」

 

「……実は俺も」

 

隣の席同士、互いの椅子を向かい合わせて話します。この二人、大人しいときはまともな高校生なんです。たまに一夏君が椅子になるけどね。

 

「ねえさんの元気がないと聞いて!」

 

そこに真季奈の背後から現れたひとりの影。

 

「おやマドカちゃん。風紀委員のお仕事はもう終わったんですか?」

 

織斑マドカ。最近一年一組に編入してきた彼女は風紀委員になったそうです。その経緯はいずれまた。

 

「まだ昼食を食べてきたばかりだ。学内パトロールはこれからだ。今日こそはお前の奇行を取り締まってやる!」

 

「あ、今日は特に何もする予定はありませんので」

 

「え、そうなの? ……そっかー。で、なんでねえさんは元気がないんだ?」

 

出鼻をくじかれたのが悔しいような寂しいような。それでも会話は続けるマドカ。クラスに馴染んできましたよ。

 

「織斑家の郵便物にとうとう、婚活情報誌のチラシが混ざってたんです」

 

「「「うわぁ」」」

 

「それを見た千冬姉ぇは酷かった。キレて暴れて酒飲んで、酔いつぶれてすすり泣いて」

 

「わたしの膝でわんわん泣いて、寝るときは抱き枕にされました。慰めながら寝入るまでが長かったので正直寝不足です」

 

「「「お疲れ様です。いやほんと」」」

 

織斑家で発端を目撃し被害に遭った織斑一夏と、学園寮にて同室の志波真季奈の被害報告です。なにそれ酷い。クラスメイトも思わず頭下げるよ。

 

「というか、デウスくんは何してるのさ? 織斑先生のピンチじゃん」

 

「なんでそこでウチの子が出てくるんですか?」

 

クラスメイトの一人が言う。それに何故?と真季奈が尋ねる。

 

「だって織斑先生問題はデウスくんの担当だし」

 

「いつのまにそんな風潮が………」

 

 

 

 

というわけで。

 

「デウス、なんとかしなさい」

 

『え、なんでだよ』

 

放課後、。IS学園の敷地内でアルバイト中のデウス。本日も黒い柴犬姿で働いております。頭に鉢巻き、黒い法被を着て材木を担ぐ姿はなんのコスプレか。それを捕まえて、真季奈ちゃんのご命令です。

 

『ベンチの補修とか植木の手入れとかやること多いんだけど』

 

「いつから用務員になったんですか。しかも何故に犬の姿で?」

 

『楽だし』

 

「楽なの?!」

 

絶対そこは人間の姿の方がいいと思うのはわたしの視野の狭さが原因か? いいやそんな筈はない。おかしいのはこの犬のほうだ。うん、そうに違いない。

 

『まぁ、手が空いたらなんとかしてみるよ』

 

「あ、本当になにかやってくれるんですね。……ところで、わたし今欲しいモノがあるんですが」

 

『買っちゃダメ』

 

「何故ですか!!」

 

真季奈の要望に即座にダメというデウス。何故かというと、

 

『お前この間もあれが欲しい、これが欲しいって買いまくったばかりだろう!! 部屋にどれだけアマ●ンのダンボールが溜まってと思ってるんだ! しかもなんだあれ!? メダ●ットだのポケ●ンだのロボ●ンだのと同じようなもんばっかり買って!』

 

「同じじゃないですうぅぅ!! タイトルも全然違いますし中身なんて別物なんですうぅぅ!!」

 

『ピコピコゲームなのは変わらんでしょ! 無駄遣いばっかりしてるんじゃありません!!』

 

「デウスのケチんぼオカン! お前の肉球プニプニしてやるこの馬鹿ーーーー!!」

 

そんな捨て台詞を残して走り去っていく真季奈。それをやれやれと見送りながら仕事を再開する柴犬の背中は哀愁が漂っていたという。

 

無駄使いのしすぎで、とうとう財政管理をデウスに取り仕切れられてお小遣い制にされてしまった真季奈のデウスとのオモチャ抗争に休みなどないのだ。

 

だって、目を離すとすぐに散財しちゃうんですものあの子。

 

志波家の財布の紐はデウスがしっかりと締めていた。

 

 

 

その翌日。真季奈に無茶振りをされた柴犬姿のデウスは早くも職員室に来ていた。

 

『千冬の席は……っここだな』

 

よっ、と身を乗り出して机の上にある書類を置く。犬の姿のデウスの身長では二本足で立ってようやく前足が席の上に乗る高さだ。

 

「あら? デウスくん、織斑先生に何か用事?」

 

『真耶か。そうだ、お前もどうだ?』

 

そこに現れたのはクラスの副担任山田真耶。デウスは彼女にもその書類を渡す。

 

「どうだって何を……こ、これはっ!?」

 

その書類の内容とは。

 

 

『合コンのお誘い

 

皆様、毎日を如何にお過ごしでしょうか? 恋愛をしたいけど出会いがない。結婚したいけど相手がいない。仕事が忙しくて自由な時間が取れない。そんな貴方に出会いの場をお届けします。

 

参加者は男女比3:3。

 

場所:○○市 スペリオル亭。 現地集合(希望者は車での送迎もあります)

 

開催日:九月二十日、18:00~。申し込みは前日15:00まででお願いします。連絡先:△△△‐●●●●‐□□□□

 

幹事:IS学園在住 デウス          』

 

 

『さて、あと一人は……アイツに送ってやらんとな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、合コン当日。スペリオル亭前。その名前とは裏腹に純和風な趣きの店構えの料亭に集う女性が三人いた。

 

「き、来てしまった……なんで私がこんなところに」

 

織斑千冬は店の前で立ち尽くしていた。彼女は今日、ギリギリまで嫌だ嫌だと言い逃れながらも結局はこの場に来てしまったのだった。

 

悲しいことに、彼女の人生に男の影はまったくない。学生時代は弟、織斑一夏の世話を親代わりとなって面倒を見ていた。そればかりか、自分に言い寄ってくるのは同性の相手ばかりで、それも篠ノ之束という異常な天才がそばに居始めた頃にはパッタリと途絶えた。同学年の男子? 近寄ってすら来なかったですが何か?

 

それもその筈。織斑千冬自身が近寄ってくんじゃねーよ、と言う雰囲気を纏っていたのと、自分以外の『友人』を認めたくなかった篠ノ之束があの手この手で遠ざけていたのが原因だった。しかしそれではさすがに不味いと思い始めたころには遅かった。ISが普及し、日本代表として活躍し始めた頃には国がそれを許さなかった。スキャンダル対策だ。どこでパパラッチが目を光らせているかもしれないし、世界大会を控えていた時期に他国にどう利用されるかもわからない中に恋愛ごとなど許すはずがなかった。

 

それが、『(ブル)(ュン)(ヒル)()』などという称号を得てからでは尚更だ。気が付けば、自分は高値の花、それどころか同性喰いのお姉様という肩書きがついていた。おいこらふざけるな。

 

そんな自分がこんな場にいてもいいんだろうか。いいや良くない。

 

「よし、やっぱり帰ろう」

 

「よう言うわ。散々人ぉに相談しといて。帰すわけないやろが」

 

「は、離せ! らんらん!」

 

「その名で呼ぶな! 往生せいや、ふゆふゆ!!」

 

「二人とも暴れないでくださいよ~!!」

 

IS学園教師、山田真耶と。その彼女に合コンの誘いを説明された織斑千冬。そして、どういう伝手を辿ったのか。そのチラシを受け取った東京武偵校の女教師、蘭豹である。背の高い大女でポニーテールが特徴。ちなみに19歳。

 

「ところで、その『らんらん』とか『ふゆふゆ』ってなんです!?」

 

「「死にたいか!!?」」

 

「す、すいません~!」

 

ヒント、出会い系サイト。それ以上は聞いちゃいけない。

 

『お、集まってるな。ど~も~! 幹事のデウスです。今日はみなさんお忙しい中……ってあれ? 何かもめてる?』

 

「あ! デウスくん! お願い二人を止めてください!!」

 

店から出てきたのはデウス。今日は人間の青年姿で待ち構えていた。まぁ合コンの席に犬がいたらおかしいですものね。

 

そこで言い争う二人の女性の姿が。

 

『千冬と蘭豹か? まぁなんとな~く予想はついてたが』

 

「予想ついてたならなんとかしておいてくださいよ!」

 

『いや~、そのほうが面白いかな、と。それに……』

 

「なんです!?」

 

『いや、こっちの話……ま、いい加減止めるか。ちょっとお二人さん。宴会は店の外じゃなくて中で始めましょうや』

 

パン! パン! と手を叩きながら二人に近づき制止を促すデウス。その彼に気づいた二人、特に蘭豹は……、

 

「五月蝿い! なんやお前は!!」

 

口と同時に拳が動いた。デウスは彼女の後ろ、背中側から近づいた。なので振り返りながらの右。それは腰の回転、背筋のひねり、足の踏み込みも乗せた本気の一撃で……って何してんのあんた。

 

それをデウスは、

 

『っと、あぶね』

 

パアアアアアアァンッッ!!!

 

片手ですっぽりと受け止めた。

 

「なぁ!?」

 

『おー、いちち。なんつー馬鹿力。本当に人間か? お嬢ちゃん』

 

「なんなんやお前!?」

 

そこに居たのは自分と同じくらいの背丈の男。黒髪で黒いスーツを着ている姿はどこぞの葬式屋か黒服な職業を思わせるが、その顔に張り付いていたのは怪しそうな『笑顔』だった。

 

『どうも。幹事のデウスです。とりあえず店に入りましょうか?』

 

「あ、あぁ……」

 

「アイツのことは深く考えるな」

 

織斑千冬がポン、と蘭豹の肩に手を置いて言い店に入っていく。

 

「デウスくんは色々と常識がききませんから」

 

ははは、と苦笑いを浮かべながら山田真耶も後に続く。

 

しかし、そう言われてもハイそうですかと蘭豹には言えなかった。

 

武帝校での彼女は言うところの暴君というやつである。故郷である香港では無敵と恐れられながらもあまりの凶暴さに学校を追い出され、流れ流れてたどり着いた東京武帝校でもそのなりは収まっていない。授業と言えば、愛用の拳銃S&W M500を号砲代わりにところかまわず撃ちまくり生徒を困らせている。というか医務室送りにしている。

 

他にも、やれバスを素手で横転させたとか、やれ武帝校のある(メガ)(フロ)(ート)をその剛力で傾けたとか、色々な事実とも言い難い噂の持ち主である。

 

その自慢の拳を片手で、しかも平然と受け止められた? あんな男に?

 

「……おもしろいやんけ」

 

 

 

『はい! じゃぁまずは自己紹介から始めましょうか!』

 

座敷一室を貸しきったデウスくん。そこに集まった合コンメンバーは机を挟んで男女三人ずつ別れて座っております。

 

それでは自己紹介を。

 

『じゃぁ男から行きますか。俺は幹事のデウス。IS学園で用務員のアルバイトを少々やってます。趣味は資格の取得ですね』

 

何があるアルバイトだ。何が資格取得だ。お前そんなことやってたのか? と千冬は内心でツッコむ。

 

次はその隣に座るひょろっとした体型でヘチマのような細長い顔に眼鏡をかけた男性が。

 

「あ、ぼ、僕は鈴木一郎といいます! デウスさんとは僕の師匠の友人っていう関係です。 小学校の教師で趣味はガンダムです!」

 

頼りなサソー。女性陣の総意です。

 

最後に白衣のような服を着て、顔の右半分をマスクで覆った見るからに怪しい金髪の男が。

 

「ブッチです。デウスくんとは元同じ職場の同僚ですね。ウォーターワールドでアトラクションの設計、開発を担当しております。好きなものはエルドラ5です」

 

技術職! でも一緒に歩きたくない!!

 

その三人を見て女性陣は、

 

「「「は、はぁ……」」」

 

軽くドン引いていた。いい男がいねぇ………。

 

「(お、おい織斑……あの幹事の奴と知り合いなんやろ? 他の二人のこともなんや知っとるんちゃうんか?)」

 

「(いいや初対面だ。デウスの奴、どこから連れてきたんだ?)」

 

「(あれ? ブッチってまさか……!?)」

 

小声だけど、目の前で話さないで失礼ですよ。

 

「あー、と。私は織斑千冬です。IS学園で教師をしています」

 

「ウチは蘭豹いいます。東京武偵校で教師やっとります」

 

「山田真耶です。私もIS学園の教師です。まだ新米ですがよろしくお願いします!」

 

「へぇ! 皆さん学校の先生なんですね。俺みたいな技術屋には眩しいですよ」

 

「あの……貴方はひょっとしてブッチ博士じゃありませんか? G-ER流体を開発した……」

 

「俺の研究をご存知ですか!? 嬉しいなぁ」

 

真耶の言葉に感激するブッチ『博士』。彼はそれなりに有名なようだった。

 

「山田先生、、G-ER流体とは?」

 

「知らないんですか織斑先生!?」

 

『電流を通すなどすることで、固まったり液体に戻したり出来る流体だ。形状を選ばないことから様々な分野に流用すること検討されている。今のところはロボット等の駆動系に用いられていて直立二足歩行を可能にした要因になっている、だったか?』

 

「そうですそれそれ!!」

 

「いやぁ、それでも今はまだアトラクションのロボットに使ってるだけですけどね」

 

「は、はぁ」

 

デウスの補足になおも興奮した様子で話に食いつく山田真耶の姿には流石に置いてかれた感のある織斑千冬だった。というか、そんな技術が遊園地で使われていていいのだろうか?

 

「ブッチさんて凄い人だったんですね。びっくりしましたよ」

 

「鈴木先生は小学校の教師でしたか。どうです? やはり幼い子供たちの指導というのは何か秘訣のようなものがあるのですか?」

 

「いえいえとんでもない! この間だってちょっと目を離した隙にクラスの子が全員、学校を抜け出してゲームセンターに行っちゃって」

 

「えぇ!?」

 

「あの時は校長に叱られてしばらく自宅謹慎を命じられちゃって……」

 

とんでもない話だった。PTAも真っ青である。これには話を振った織斑千冬も驚くしかなかった。

 

「い、一体なぜそんなことを?!」

 

「いやぁちょっと……師匠と一緒に原爆の危機から人類を守る為に頑張ってました」

 

「「「どうゆう状況!!?」」」

 

女性陣すべからく驚愕の言葉だった。いや、原爆って何故に? とんでもない通りこしてありえない事態なんですけど。

 

『あぁ、あの事件か。あの時はミーくんが自衛隊を指揮してヘリコプター部隊を総動員してくれなかったらやばかったなぁ』

 

「まったくですね! 僕も師匠の作った改造車とはいえ運転中は死ぬかと思いましたよ」

 

「『はっはっはっはっは!!』」

 

いやいやいやいやいや!!! 笑い事じゃないって! そんなの国あげての危機じゃないの!? 犯人はどうなった!? なんでニュースになっていないの!!? などと疑問が尽きないところである。顔を青ざめて話を聞く女性教師三人と、そんなヤバイ話を笑いながら話す二人に背筋が寒くなる思いだった。

 

「(な、なぁ?! こいつら実はかなりヤバイ橋渡っとるんとちゃうか!? 何者なんや!?)」

 

「(知らん! デウスが非常識なのは知っていたが、交友関係までおかしいなんて聞いていない!!)」

 

「(というか何気にブッチ博士もヤバイです! さっき話してたら101体の遠隔操作ロボを作る計画を立てているそうです!!)」

 

つまり。

 

「「「(こいつら実は凄い奴なんじゃ!?)」」」

 

人は見かけによらない以前の経歴だった。そんな人材を集めてくるなんて、デウスよ……。

 

「あ、そういえば僕のおじいちゃんの遺跡に財宝探検に行ったときも危なかったですよね」

 

『一つ目地底人が出てきたアレか。まさか地球侵略を狙う宇宙人が潜伏していたとはな……』

 

「そうそう! この間アトラクションで造ったドラッヘなんだけど、デウスくんに壊されちゃったから改造したんだよ! その名も『ドラクル』! イージス艦とだって戦えるよ!!」

 

「「「お願い止めて! それ以上はもう無理!!!」」」

 

なんかもう、常識という理性がリミット寸前だった。

 

 

 

『……あれ? これなんか違くね?』

 

トイレに一時退避していたデウスはふと疑問に思った。これ、合コンじゃなくて職場交流会になってね? と。

 

色々と話は弾んでいるが、内容は仕事の話だったり武勇伝の自慢だったりしている。特に蘭豹と鈴木一郎の話がすごい。蘭豹は自分が関わった事件の話しで盛り上がるってるし、鈴木も彼が敬愛する師匠ことサーボーグ猫のクロと共に体験した数々の冒険や事件の話で場を盛り上げている。山田真耶はブッチ博士と技術話で会話が弾んでいるし……要するに、色気もクソもなかった。

 

『まずいな。これでは千冬の為に用意した意味がない。蘭豹を呼んだ目的だけ済ますか……』

 

「誰の為になんだって?」

 

『!?』

 

織斑千冬がデウスの背後にいた。あの、ここ男子トイレなんですが?

 

「うるさい。まったく、いらんお節介を焼きおって。大方、真季奈や一夏あたりにでも頼まれたか?」

 

『そんなとこ。お気に召さなかったか?』

 

千冬の背中を押し、男子トイレから追い出しながらデウスは言う。それを千冬は、

 

「あぁ気に入らん。だから、もっと酒に付き合え。私の気の済むまでな」

 

『二次会決定か……分かった、とことん付きやってやるよ』

 

「ふふふっ、二次で済むと思うなよ?」

 

『マジか。じゃぁ早めに切り上げないとなぁ。お前、酔うと吐くし』

 

「あ、あれは忘れろ!!」

 

『お前と飲むたんびにスーツを新調しないといけないしなぁ~』

 

「~~~ッ! お前の背中で酔いつぶれなけれないいんだろうが!!」

 

『あれぇ? 別にいいんだぞ? お前を背負うくらい軽いもんだしぃ?』

 

「このっ、絶対に先に酔い潰してやる!」

 

にやにやと笑みを浮かべながら進むデウスの後を歩き、その背中をぽかぽかと叩いている千冬。その姿はなんというか………、

 

「……んだぁ? 随分と仲がいいじゃないさ、お二人さん」

 

蘭豹ですら冷やかしたくなるというものだった。

 

『あぁ蘭豹さん。ちょうど良かった。そろそろお開きにしましょうか。二次会へは?』

 

「おぅ! もちろんまだ飲み足りへんわ。それよりも、ひとつえぇか?」

 

『なんです?』

 

「ウチと一つ勝負してくれへんか?」

 

 

座敷に戻って。

 

「どうしたんです?」

 

「なんでも勝負するとか……」

 

「私は知らん!」

 

山田真耶と鈴木一郎の疑問を織斑千冬強引に突っぱねた。少々気が立っているようである。

 

「(蘭豹め、なんのつもりだ……)」

 

そして机を挟んで向かい合う二人。デウスと蘭豹だ。机に腕を一本、互いに載せて構える。

 

「アームレスリング一本勝負、恨みっこなし。えぇな?」

 

『あぁ。どんとこい』

 

利き腕どうしを掴み合い肘を置く。その時点で既に勝負は始まっていた。

 

「(こいつ、握力でもウチに負けてへん……それになんて硬い手や。まるで鋼鉄や)なぁ、この勝負、勝った方が一つ何でもいうことを聞かすっちゅうんはどうや?」

 

『構わないけど、俺に何を?』

 

「そうやな、とりあえず連絡先を教えてもらえへんか?」

 

『そんなものでいいのか?……じゃぁ、始めようか』

 

「(こいつ急に雰囲気が!?)面白いやんけ……」

 

「それではいいか? レディィィィ、ゴォ!!!」

 

千冬の開始の合図。それと同時に、動いた。

 

「うおらぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

『ぬぅんんんん!!!!』

 

筋肉が軋み、膨張する。掴んだ手からはベキベキと音が鳴り響く。室内の空気が引き締められていくのを見ている者たちが感じた。

 

その結果は……互角!!

 

「(いや、こいつ……びくともせぇへん! 嘘やろ!?)」

 

しかし、当事者の一人、蘭豹はそうは思わなかった。彼女は渾身の力を込めている。初手で倒しきれないと判断すると筋肉が引きちぎれるのではと思うほどに上乗せしている。

 

だが、それでも、その腕は互いに構えたままの垂直の姿勢のままで微動だにしなかった。

 

『蘭豹。君は確かに人間としては最高の剛力を持っている。間違いなく人類最強だろうよ』

 

「ぬぐぐぐぐぐっこのぉぉお!!!」

 

『だがな、代理とはいえ、俺も神様名乗っている以上負けるわけにはいかねぇな!!!』

 

その瞬間、

 

ぐるん!!

 

「はぁ!?」

 

蘭豹の『身体』ごと宙を回った。

 

ぱすんっ、蘭豹の身体が静かに畳の上に転がる。目をぱちくりと開け閉めて、ゆっくりと首を回す。机の向こうには、にやぁと嗤うデウスの姿が。

 

「こ、の! ズルこいたなわれぇぇ!!! なんや今のは! 念動力か!? それとも風操る能力か!?」

 

『なっはっはっはっは!!! 企業秘密じゃボケぇぇ!! 超能力使っちゃいけませんっていうルールはなかったしぃ!? そっちの学校には超能力とか珍しくないんと違いますかぁ!?』

 

「卑怯もん!! お前ほんまもんの卑怯もんや!! ちょっとは骨のある男ぉやと思ったんやぞ!?」

 

『はっはっは! あいにく骨なんてものは生まれてこのかたありませんなぁ!!』

 

顔を真っ赤にさせて講義する蘭豹とそれをはやし立てて笑うデウス。完全に子供の喧嘩である。まぁ『()()()』という意味ではあっているのだが。

 

そして千冬と真耶は思った。コイツ、真季奈に似てきたなぁ、と。

 

「オイ待てデウス。お前いつから超能力なんて……」

 

『ん? 文化祭終わった頃からだけど?』

 

黄金竜の力。デウスには超常の力すら加わっていたようだ。それは念動力と呼ばれるものから瞬間移動まで多岐にわたるが……特に使い道もない能力なのであんまり意味なかったりする。

 

だって、基本デウスは真季奈の面倒を見る黒い柴犬だからである。神様? 知ったことではありません。

 

『さて、蘭豹。約束は守ってもらうぞ?』

 

「くぅっ、ええやろ。なんでもいうこと聞いたるわ!」

 

『おぉし! 決まったぁ! じゃぁ次の店に行くぞテメェら!! 今日はとことん飲み明かそうぜ!!』

 

「えぇいヤケじゃぁ! どんどん酒持ってこいやぁ!! 飲むでぇ!!!」

 

「お供しますデウスさん!!」

 

スペリオル亭の支払いを終え、蘭豹の、鈴木の肩に腕を回してデウスが店を出る。次は二次会。今度の店はどこへやら。

 

その背中を眺めて織斑千冬は。

 

「ありがとうな、デウス」

 

『おう』

 

結局、デウスは最後まで酒豪の蘭豹と悪酔いの千冬に付き合わされ、帰宅したのは日が完全に登りきってからだっという。

 

合掌。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その二、デウス、デパートに行く

 

デウスが目を覚ますと、そこには土下座があった。

 

『一夏、何してんのお前?』

 

1025室。織斑一夏とデウスが生活するこの男子部屋は早朝からおかしな状況だった。

 

「お犬様、デウス様。どうか私めのお願いを聞き届けていただけないでしょうか?」

 

『えー? なんだよ気持ち悪い。変なもんでも食ったか?』

 

前足ー、後ろ足ーと伸びをして寝起きのストレッチをする犬の前で土下座する人類。はたから見れば間抜けそのものだが本人は真剣そのものだった。

 

その織斑一夏の願いとは。

 

「お願いします! 俺にも出会いとか好きな娘とのデートとか素敵イベントをください!!」

 

『そおい!!』

 

デウス(犬)の渾身の右ストレート!!!

 

「あべし!? なにすんの!?」

 

『黙れ!! おおお前何言ってんの!? どの口がそんなこと言うんじゃボケェ!!』

 

「なんだよ! しょうがないだろ!! 真季奈とデートしたいのは勿論だけど、女子との出会いとかウフフな青春イベントが皆無なんだぞ!? 俺そろそろ泣けてきたわ!!」

 

『このバカヤローーー!!! 謝れ! 液晶の向こう側の読者に誤りやがれーーー!!!』

 

ポカスカボゴドゴォッ!!!! とデウスの執拗な暴力が織斑一夏を襲う。止める人? いる訳がないよね? ね?

 

『お前、箒とかセシリアとかと入学初日にイベント盛りだくさんだったろ!?』

 

「ボコボコにされた思い出しかねぇよ!!」

 

『そこじゃねぇだろ!!!』

 

バキィ!! 1hit!!

 

『鈴にお弁当作って貰ってたよな!?』

 

「え? そんなの普通じゃね?」

 

『全国の男子高校生に死んで詫びろーーーー!!!』

 

アッパー!!! 2hit!!

 

『ラウラのチューとかシャルロットとドキドキ同棲とかも体験してるだろ!?』

 

「外国じゃぁチューなんて挨拶だろ? それにシャルのときは誰かに女だってバレるんじゃないかってドキドキしたけど」

 

『感受性が! 明後日の方向!!』

 

ワン、ツー、ジャブ!! 3,4hit!!

 

『真季奈とのデートは!!』

 

「幸せでした! もう一回オナシャス!!」

 

『そこは素直なのかよ!!!』

 

肉球ビンタ! クリティカルhit!!!

 

「グハァッ」

 

『ハァッ、ハァッ……で、結局お前は何がしたいんだマジで』

 

「真季奈とデートがしたいです」

 

えー? なにこいつ、急に恋愛にアグレッシブというか……何かあったのか? 文化祭が終わってからこっち、真季奈のことを呼び捨てにしたりとしてたが……怪しい。

 

『ならそれでいいじゃないか?』

 

「え?」

 

『真季奈の部屋行って、デートしてくださいって土下座してこい。ひょっとしたらチャンスあるかもよ?』

 

「………それでデートできるのもどうなんだ?」

 

『日頃のお前らを見てたらそれが妥当に思えるから不思議なんだよ』

 

だってお前ら、殴って蹴られて土下座してがデフォルトじゃないか……。

 

「それもそっか! よっしゃ!! ちょっと行ってくる!!」

 

『おい、まだ飯前……あー、逝っちまった』

 

まぁいいか、とデウスは思った。一夏が逝こうが玉砕しようが、結果はいつも面白い方に転がるだろうし。

 

『それにまぁ、俺も今日は用事があるしな』

 

 

 

その用事がこれ。

 

デウスはデパートに来ております。その名も『新・大王デパート』。五階建ての大きなビルです。

 

そこに訪れたデウスは今日も人間の姿です。そして、彼と一緒にいるのはその妹のベル。なんと今日は、

 

『ねぇねぇ! どうお兄ちゃん? わたし可愛い?』

 

『あぁ可愛い可愛い。どっからどう見ても可愛い女の子だよ』

 

ベルちゃん、人間モード解禁です。

 

年は六、七歳。白いワンピースにリュックサックを背負い、髪は背中を隠すほどの長髪で色は銀。一言で言うならば、幼女だった。

 

夏の初めに『銀の福音』の待機モードとして猫の姿で動けるようになったベルも、とうとう人間の姿に変身できるほどの経験値がたまったようです。今日はデウスとベルの二人、兄妹水入らずでのお買い物です。

 

『お兄ちゃん! ベルね、オモチャ欲しい!』

 

『おぉいいぞ。今日はなんでも買ってやる。ベルは何が欲しいんだ?』

 

手を繋いで歩く二人は仲のいい家族そのもの。あ、こらそこ。不審者とかハイエースとか思っていないでしょうね? 違いますからね?

 

『猫じゃらし!』

 

『よーし、ぬいぐるみでいいかなぁ!? はっはっは、もっと女の子らしいもの欲しがらないとなぁ!!』

 

デウスくん、ちょっと自分の教育方針に自信が持てなくなってます。まぁ、ずっと猫として生活していたんですからしょうがないといえばそうですよね。

 

今日は日曜日。『新・大王デパート』も満員御礼、大賑わいです。入口では多くの人が溢れかえっており、気を付けないと小さなベルと簡単にはぐれてしまいそうです。

 

『手を離すなよベル。それと、知らない人にはついていかないように』

 

『じゃぁクロちゃんにも?』

 

『もちろんダメ……ちょっと待て。なんでそこであの化け猫が出るんだ?』

 

『だってあれ』

 

そう言い、ベルが指さした先には。

 

「おじいさん、おばあさん! デパート内はペット禁止だよ!」

 

「ち、違うんじゃ! この子らは、ばあさんが生んだワシらの子じゃぁ!」

 

「おー坊ややぁ! いい子じゃねー!」

 

「「ミー! ミー!」」

 

「その年で産ませたのかじいさん!? 凄いなばあさんも!! って嘘だろう! こんな猫みたいな赤ん坊がいるかぁ!!」

 

ベビーカーに二匹の猫を乗せた老夫婦がデパートの警備員と言い争っていた。おーい、無茶すんなー。

 

『しかたない、ちょっと行くか』

 

『うん、お兄ちゃん!』

 

ベルの手を引いてデウスは近づく。人ごみを掻き分けて進むのは大変だが、幸か不幸か、その騒ぎのおかげで老夫婦の周りの人たちは距離をとって遠巻きに眺めていたのでそれさえ抜ければ近づくのは簡単だった。

 

『ちょっとちょっと、警備員さん! そのじいさん達は別にペットを連れて中に入ろうとしているんじゃないよ!』

 

「ん? なんだいあんた? この人たちの関係者か?」

 

大声で近づくデウスに気づいた警備員が尋ねる。

 

『あぁそうだよ。それにこのベビーカーの中身。よく見てみな。どう見てもおもちゃの人形じゃないか。生き物じゃないよコレ』

 

「うーん、確かに。ならじいさんたちがボケていただけか……申し訳ありません! お騒がせしました!」

 

そう謝罪し離れていく警備員。いいんですよ。貴方はしっかりと自分の仕事をしただけなんですから。

 

『で、なにやっとんじゃおどれは』

 

「にゃー! にゃー!」

 

『……あ、おじいさん。ちょっとクロとミーくんをお借りしていいですか?』

 

「おーいいよ。デウスくんも買い物かい?」

 

『はい。すぐに戻りますので』

 

そして少し離れた柱の影で。

 

「おいデクノボー。テメーなにデパートに来てんだよ?」

 

『化け猫に言われたくないわ! クロにミーくんはどうした? じいさんたちの付き添いか?』

 

「うん。おじいさんが買い物に生きたいっていうからクロはそのボディガードに。ボクは剛くんに美味しいものを買ってあげたくて」

 

『あー! やっぱりミーくんとクロちゃんだ! ひさしぶりー』

 

「「ダレ君??」」

 

さて、この流暢な日本語を喋るのは、猫の姿をした猫のサイボーグ。『破壊のプリンス』クロちゃんとその友達のミーくんです。クロちゃんは見た目は黒猫ですが、それは黒猫のぬいぐるみを着ているからでそれを脱げばその下には銀色のメタルボディをした猫のサイボーグが。ミーくんはブルーメタリックと黒の塗装をされたメタルボディのままの姿で歩く猫のサイボーグです。

 

『この子はベルだよ。俺みたいに姿を変えてるの』

 

「へー。便利ー」

 

「『とんでぶーりん』みてー」

 

『お前らまた古いネタを……でも確かに、あのじいさん達をこの人ごみの中に放置するのは危険だな……あんまり暴れるなよ?』

 

「作者に聞けー」

 

「ほんとほんと」

 

『頼むから自重してくれ……お前ら、デパートクラッシャーだし』

 

「なんもなけりゃー大丈夫だよ」

 

「ボクたちも世界征服たくらんでないしねー」

 

クロちゃんは昔、世界征服を企む剛くんとミーくんに襲われて、デパートを一つ全開させた前科があります。それが、旧・『大王デパート』です。

 

「じゃ! オイラたちはもう行くからよ!」

 

「また今度ー」

 

『あいよー』

 

とは言うが、正直もう会いたくない。だって『破壊のプリンス』に関わるとろくなことがないからだ。

 

『よーしベル。それじゃオモチャ売り場いくぞー?』

 

『わーい!!』

 

 

 

3階。オモチャ売り場にて。

 

『あ、店員さん。これ包んでくれる? プレゼント用に』

 

「かしこまりました」

 

レジにて買ったものを店員さんに包んでもらうデウス。ベルも欲しいオモチャが見つかり万々歳であった。

 

『さて、暗くなる前に帰るか……あれ? ベルはどこに行った?』

 

さっきまで、会計をしているときにはいたはずのベルがいない。まさか迷子か? そう思ったとき、

 

『お兄ちゃーん!』

 

『なんだ、そっちにいたの……か?』

 

後ろから聞こえてくる妹の声。それに振り返ると………妹が変な箱といた。

 

箱?

 

『ベル……なんだそれは?』

 

『うん! あのね、さっきお友達になったの!』

 

お友達? その箱が?

 

ベルの身長は一メートル弱。その彼女と同じかそれよりも小さな箱。色は緑で直方体だ。しかもよく見ると、箱の底からは二本の棒が伸びており、両側面からは一本ずつ棒が伸びていた。ははっ、まるで手足みたいだな。

 

『そっかー、友達かー。………じゃぁ名前もあるのかな?』

 

『うん! あのね……』

 

 

『コサムくんっていうの!!』

 

 

ギュポーン! と、緑の直方体に手足の生えた『小型ロボット』の赤い単眼カメラに光が点った。

 

おいそれまさか!!!!

 

 

《ワタシノ、カワイイムスコハ、ドコーーーー!!》

 

 

ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!! なんかビルの外からもの凄い轟音が聞こえてきた。

 

い、いやいやいやいやいやいやいや!!!!

 

急いでビルの窓まで移動する。そこから外の様子を伺うと、でっかい緑色の直方体の箱が暴れていた。どう見てもさっきベルが抱えていた物体のでかいバージョンだった。

 

《ワタシノ、カワイイムスコハ、ドコーーーー!!》

 

『息子ってまさか……』

 

「ぎゃーーー!! オーサムがまた来てるーーーっ!」

 

「コサムがまた迷子になったんじゃないか!?」

 

………なんだか聞き覚えのあるサイボーグネコ共のびっくりしている声が聞こえて来たような気がするけど……気のせいに……できないよなー。

 

振り返ると、そこには二匹の猫が外の光景を見て息を飲んでいた。おいお前らちょっと来い。

 

『あれはどういうことだ!?』

 

「オイラだって知らねぇよ!!」

 

「多分コサムを探しにオーサムが陸上に上がってきたんだ! コサムを渡さないとオーサムは帰らない!!」

 

なるほどなるほど………詳しいね?

 

『お前ら……あれについて何か知ってるな?』

 

「だってアレ、作ったのは剛だぜ?」

 

ぬいるみの皮を被ったサイボーグ猫がそう言った。うん、よし!

 

『行くぞクロ! ミーくん!!』

 

「「ガッテンでい!!」」

 

責任取れよお前らあぁぁ!!!

 

「でーじょーぶだって。アイツはコサムさえ帰ってくれば海に帰るからさぁ」

 

『なるほど。ならさっさと返しちまおう。ベル、コサムを……ベル? コサムはどこ行った?』

 

振り返り、妹の姿を見ると、彼女は一人だった。

 

『今ね! コサムくんと鬼ごっこしてるの!』

 

「…………やべ」

 

笑顔で言わないでよマイシスター!!!!

 

『オーサムは俺が抑える! お前らは手分けしてコサムを捕まえてこい!!』

 

「「ヨッシャァ!!」」

 

デパート内での鬼ごっこが始まった。これだからこいつらと関わりたくないんだよ!!

 

 

《ワタシノ、ムスコハ、ドコーー!!!》

 

『止まれよお母さん!!』

 

道路二車線いっぱいのボディで両腕を振り回しながら歩くオーサム。そのせいで道の両端に建っているビルは軒並み倒壊していた。おいおい。

 

そのオーサムを、デウスは『デウス EX』となってとなって止める。

 

黄金のボディに真紅のドラゴンショルダー。真紅の翼と尻尾というその姿。空中に滞空したそれが前進を続けるオーサムの正面、大体腹?(凹凸のない完全な箱上のボディなので)の部分を両手を突き出して抑えた。

 

《ムネヲ、サワルナンテ、シツレイシチャウワ!!》

 

『ぐおぉ!?』

 

パン! と軽快な音と共にデウスがオーサムにアスファルトの道路へと叩き落とされた。そこはお胸でしたか。申し訳ございません。

 

「「デウスのスケベーーー」」

 

『やかましいわ! さっさとコサムを探せこの化け猫共!!』

 

その様子をデパートの窓から見ていたクロたちサイボーグ猫。どうやらまだコサムは見つかっていないらしい。

 

『って、ん?』

 

と、そのとき。

 

ジュ!

 

デウスが倒れている地面へと何か、水滴のようなものが落ちてきて、道路を溶かした。

 

上を見ると、オーサムの口? のような四角い突起物から何やらピンク色の液体が放出された。

 

マ ズ イ !!

 

『危ない!! なんでも溶かしそうな液だーーー!!!』

 

ガッチョン!! 一瞬のうちに、その姿を『超龍皇』形態へと変化させて迎撃する。三首竜となる三つに増えた頭部、その口から光線を放射してピンク色の液体を蒸発させた。

 

『やばいな、このままじゃぁ……いや、なんかアイツ自分の口まで溶かしてないか? 放っておいたら消えてなくなりそうだな……』

 

「撃てーーーー!!!」

 

『なに!?』

 

ドォーーーン!! 砲撃音。地上から一発の砲弾が発射された。見ると、十数両もの戦車部隊が道路を占領して行軍していた。

 

『自衛隊か!? マズイ!!』

 

「見てください隊長! キン●ギ●ラとパシ●ィッ●リムですよ! 間違いありません! この間映画で見ました!!」

 

「あれ!? アレってあんな四角いロボとキ●グ●ドラだっけか!? まぁいい! 撃てーー!!」

 

デウス達の姿を見て、自衛隊員達がなにやら失礼なことを言っているが気にしない。戦車の上部ハッチを開いて指示を出す人物達。彼らは構わず戦車による砲撃を続けるが、

 

「ダメです隊長! まるで効いていません!!」

 

「なんと!? ……よーーし、なら……核発射!!!」

 

『なんでだよ!!!』

 

ボゲッ!!! デウスのアイアンクロー!!

 

「ぎゃぁ!? な、なんだ幻覚か!? い、いまキ●グギ●ラに殴られたような!!?」

 

「いえ! 私たちも見てました!! 正直羨ましいです!!!」

 

「ダメです隊長! パ●フィッ●」が止まりません!!

 

「なに! よーし、核発射!!」

 

『だからなんでだよ!!!』

 

ボギャ!!! 尻尾アタック!!

 

「隊長ーーーー!!!」

 

それから酷かった。全長四十メートル程あるオーサムが街中を徘徊して手当たりしだい破壊の限りを尽くすわ。それを追って来た自衛隊の戦車部隊や戦闘機がことあるごとに核を発射しようとするわ(というか条約はどうした?)、コサムがなかなか捕まらなくて最終的にはやっぱり『大王デパート』が倒壊したわ……コサムは残骸の中からでてきた。とにかく疲れた。

 

『コサムくーん!! ばいばーい!!』

 

《プピーーー!!!》

 

湾岸で手を振り合うベルとコサム。それを見るのはボロボロの黒猫とメタルボディの猫とクタクタの黒柴犬だった。

 

海へと帰っていく鋼鉄の親子を見送る光景は微笑ましく、振り返った街並みは死屍累々の痛ましい光景だった。

 

『……だからお前らが出てくるとろくなことにならんのだ』

 

「オイラたちのせいじゃねーし! 悪いのはあんなもん造った剛のほうだろーが!!」

 

「剛くんは今回何もしてないじゃないか!!」

 

二匹のサイボーグ猫が言い争うが、疲れきったデウスにそれを止める体力はもうない。

 

『そういやぁアレ造ったのって剛博士だったか……』

 

「? そうだよデウス」

 

『……なら、その技術力を見込んで一つ仕事を頼みたいんだけど……いいか? ちゃんと報酬は払うぞ?』

 

「え?! お金!! やるやる! 剛くんに話してみるよ!! やっほー! 今日はステーキだー!! 剛くん待っててねー!!」

 

「なんだよ! オイラにはなんにもねーのかよ!」

 

『じゃぁお前にはこれをやろう』

 

ごそごそと何かを取り出そうとするデウス。どこから? とかは聞いちゃいけない。

 

『復活! サイボー●クロちゃん ガトリン●セレクションだ』

 

一冊の本だった。

 

「オイラたちの漫画じゃねーか!!」

 

『リローデッドもあるぞ?』

 

「ステマかよ!!」

 

『よっ! もうすぐ二十周年!』

 

「ありがとね!」

 

 

それでは。サイナラ、サイナラ、サイナラ。

 

 

 

おまけ。

 

自室に帰ったデウス。そこで見たのは。

 

「タスケテー」

 

『一体……何が……?』

 

簀巻きにされみ動きを封じられ、正座した大勢で足の上に重石を乗せられている織斑一夏の姿だった。

 

『な、何があった一夏!?』

 

重石をどかしながらデウスが叫ぶ。

 

「ま、真季奈の前で土下座をしに行ったら……廊下の角から出てきたマドカとぶつかって押し倒しちまって……その表紙でスカートの中に頭を突っ込んで……」

 

『なにそのT○L○veる的展開?!』

 

「そしたら周りにいた女子全員から袋叩きにされてずっとこの体勢で放置されて……」

 

自業自得である。

 

『ま、真季奈は……?』

 

肝心のデートに誘いたかった相手はというと?

 

「すっごい笑顔でサムズアップしてた」

 

『あぁうん……だろうね』

 

真季奈の好感度が上がった。学年の女子からの好感度は下がった。

 

「俺……どこで間違えたんだろう? (泣)」

 

『生まれた星の下じゃね?』

 

まぁ、好きな女の子を笑顔にできるだけマシだよ。うん。

 

 

評価:もうちょっと頑張りましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その三、真季奈、モン●ンがしたい

 

授業中の一年一組。

 

「(ケケケケ。拡散しろー拡散しろー。目にものみさらせーーー)」

 

机の下に手を入れてこっそりと志波真季奈ちゃんは絶賛ご乱心です。なにやら、『アマツ』のナノマシン大量散布能力をフルに使って企んでいるご様子。

 

一体何があったのか?

 

それはこちらからどうぞ。

 

 

 

 

真季奈ちゃんです。最近クラスであるゲームが流行っています。その名もモンス○ーハン○ーポー○ブル3ard・NEO。

 

IS学園の近所にあるもう一つの人工島に建つ武偵校。そこの()()()の生徒たちが改造したというソフトです。

 

従来のソフトを装備科の生徒たちが悪乗りして改造したもので、何人でも通信して遊ぶことができるそうで、現に今も通常の四人プレイではなく、六人でプレイしています。他にもプレイヤー同士の対戦プレイも実装してるとかで結構人気があります。ただ、バグも多く。モンスターの大量出現とかもあるとか。バグ取り版の新作も近々出るそうです。

 

で、学校が終わった放課後。学生寮のフリースペースにて。

 

「一夏! そっちに火竜が行ったよ!」

 

「えぇ!? 今一人でグラビと戦ってるんですけど!?」

 

「ちょっと! ラージャン相手するのにもう一人フォローちょうだいよ!」

 

「今いくぞ一夏!」

 

「待て箒!! 今抜けられると……あーっ! 落ちた!」

 

「火竜なんてこのセシリア・オルコットが撃ち落としてみせますわ!」

 

「「「って、なんかマップにボスが大量に沸いてきた!!?」」」

 

「……………ちっ」

 

楽しそうですね。

 

シャルロットさん、織斑一夏、鈴、箒ちゃん、ラウラちゃん、オルコットさんがP●Pをガチャガチャと操作して楽しそうにはしゃいでおります。

 

え? わたし? プレイしてませんよ? それどころか……、

 

 

ソフトも本体も持っていませんよ!!!!!!

 

 

そもそもこのゲーム! 一般で売っていないから開発した武偵校の生徒から買わないといけないんですよ!? 何たる屈辱!! このマッキー商会会長たるわたしが娯楽を外部から買い付けしないといけないなんて出来るか!!! え? ならなんで学園で広まってるかって? そんなの、わたしが記憶喪失で入院中に臨海学校の宿で他の生徒がこぞって注文したからですよ!! つまり、この学年であのゲームを持っていないのはわたしだけということです!!!

 

しかもわたしは携帯器は任●堂派!! P●Pは持ってない!! 買おうとしたら無駄使いするなってデウスに怒られる!! なんですか! ちょっとこの前に某国の人工衛星を脅しとっ、善意の値段で買い取っただけではないですか!! ちょっと億単位で買い物しただけじゃないです! 何が悪いって言うんです!? 

 

だからクラスで皆が楽しそうにゲームをしているのを遠目に見ているだけ! 畜生!!

 

………寂しくないもん。ないもーん。……ぐすっ。 

 

「ねぇ織斑一夏ー。ちょっとー」

 

「ゴメン真季奈。ちょっと待って」

 

「鈴ー」

 

「ごめん後で」

 

「ボイン一号と二号」

 

「「………………………………………」」

 

無視された。

 

ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ。

 

………いいもん。カッシーと遊ぶもん。

 

 

 

というわけで、更識簪の部屋に凸しました。

 

「カッシー、あーそぼ……」

 

ドアをノックしてもしもーし、と侵入を試みました。

 

ガチャガチャガチャガチャ。

 

「本音、何やってるの? 早くシビレ罠設置して」

 

「は、はい! 後十秒ください!」

 

「遅い。五秒で終わらせて」

 

「はい!!」

 

「ちっ、アカムが五体? 一体ずつ分散させて倒さないと……」

 

「罠設置完了です!」

 

「すぐにアイテムポーチから新しいシビレ罠を作って!」

 

「イエス・マム!」

 

「…………失礼しましたー」

 

ガチャ。部屋の扉を閉めて回れ右。わたしは何も見なかった。効率厨と化したカッシーも、キャラを忘れて従っているのほほんさんも見なかった。うん。

 

部屋に帰ろ。

 

トコトコ。

 

トコトコトコトコ。

 

ぴた。

 

………う、うぅ、

 

「うわ~~~~~~~~~~~ん!! デウスちょっと来てーーー!!!」

 

『なんだよオイ』

 

「うわっ! びっくりした!」

 

廊下の真ん中で、たまらず叫んだわたしの前に柴犬姿のデウスがお座りをして現れました。え? どうやったの? 居なかったよね? 間違いなく。

 

『真季奈が呼べば俺はすぐに駆けつけるさ』

 

「なにそれ便利」

 

そんなことよりも。

 

「うわーん! デウエもーーーん!! スネ夫が虐めるよーー! わたしにもモン●ン買ってー!!」

 

『残念ながら俺は犬型ロボットだ』

 

「ちっ」

 

泣きマネをしてデウスに抱きつきましたが効果はありませんでした。

 

「こんなことなら猫型ロボットに造ればよかったです」

 

『ベルのところには絶対に行かせんからな!?』

 

行きませんよ。あの子にたかったら色んな意味で御仕舞いです。

 

「もう! なんで買っちゃダメなんですか!! 今なら恥も外聞もかなぐり捨てて武偵校にだって買付に行けるのに!!」

 

『なら聞くが。それを今年最後の買い物にできるか? ん?』

 

「………検討します」

 

『どこの政治家だお前は』

 

検討します。つまりは、わかりましたー考えておきまーす! でも考えるだけで実践すると言ってませんけどねーー!! ぷーくすくす! というやつですハイ。

 

「もういいです! デウスのバカー!!! くるくる尻尾ー! 犬耳モフモフしてやるーーー!!!」

 

『可愛いなおい』

 

デウスに捨て台詞を残し、自室である宿直室に走ります。あんな子もう知りません! バーカ!バーカ!

 

さて、着きました。

 

「こうなったら、目にもの見せてやります。わたしを仲間外れにした報いを受けさせてやります……ふふ、ふふふふ」

 

そう言って自室の端末を使ってナニカのプログラムを作成し始めた真季奈。

 

何やらまた、ひと騒動が起こりそうである。

 

 

 

「と、そろそろISの特訓しなくちゃなー」

 

「最近ゲームばっかりやってたしね」

 

「「「あははは」」」

 

授業が終わった放課後。アリーナに向かう途中にて一夏等一年生の専用機持ちが集う。ちなみに、織斑一夏、篠ノ之箒、セシリア・オルコット、シャルロット・デュノアの五人である。

 

毎日ゲーム三味でISの訓練をサボリ気味だったため、そろそろ再開しないと不味いなー、というわけである。舐めとんのかお前ら。

 

「ちょいとお待ちになっておくんなし」

 

「あれ? どったの真季奈?」

 

一夏たちの行く道を、真季奈がちょい待ち! と片手を上げて止める。

 

「緊急事態です」

 

「………何があったの?」

 

真季奈の一声に警戒心をバリ三で上げる。いやね? こういう場合、原因の九割は真季奈自身のおフザケですし。

 

「実はデウスが原因で、皆さんのISに多大な悪影響が」

 

「「「なんですと!!?」」」

 

一同びっくり。真季奈ちゃんニヤケ顔。ちょっとは隠せよ。

 

「一応聞いておきますけど、どゆことでっしゃろか?」

 

代表して一夏が聞く。

 

「まぁとりあえず。ISを展開してみてください」

 

「ここ廊下だよ?」

 

ISを展開するには少々狭いです。

 

「大丈夫。なので、はいどうぞ」

 

「……来い!『白式』!!」

 

真季奈の様子に疑惑を感じつつも、一応は言うとおりISを展開させる一夏。

 

すると。

 

「な、なんだこれ!?」

 

展開されたIS、『白式』の姿。それはいつもの通りの手足の装甲、背中の翼。といったものでなく、ひと振りの太刀であった。

 

「実はデウスの奴が、『俺は最強のモンスターになってやる。IS学園の雑魚プレイヤーはG級になってからかかってくるんだな!!』と言って、自身の『スペリオルシステム』を学園内に拡散させたのです」

 

大嘘です。本当は真季奈が作成したIS専用ウイルス、『みんなモン○ンの武器になっちゃいなYO!』のせいです。

 

「『スペリオルシステム』? なにそれ?」

 

初めて聞いたんですけど?

 

「デウスの根幹たる『ALICE』システムを構築するメインプログラムです。放っておけば再現なく進化を続けるばかりか、周りのISにも影響を与える禁断のシステム」

 

こっちは本当。

 

「アンタなんちゅうもん作ってくれとんねん!?」

 

「最終的には無人機による単機での国土防衛・攻略兵器となる『ディープストライカー』ユニットとの合体も……あ、これは関係ないですね」

 

「「「さらっと恐ろしいこと言うなーーー!!」」」

 

これおマヌケ番外編でサラっと流していい情報じゃないよね!? 本編で扱えよこんなネタ!!

 

「まぁそれはおいおい」

 

「やっぱり出るの!?」

 

怖いわ!!

 

「………ちょっとーーーー!!! ナニよこれは!!?」

 

「あ、楯無さん」

 

「「「生徒会長(笑)ちーっす」」」

 

「なにこの扱い!? お姉ちゃん泣いちゃう!!」

 

廊下の彼方先から現れたのは我らがIS学園の生徒会長更識楯無。最近になってようやく自室からの引きこもり生活からリハビリ出来てきたばかりである。

 

「久しぶりにIS訓練しようと思ったらこの有様なんですけど!?」

 

そう言って自身のIS、『ミステリアス・レイディ』を展開するが、そこに現れたのは巨大なランスと水のヴェールで作られた盾だった。

 

「これってガンランス?」

 

「モン○ンの装備よね?」

 

ま、まさか?

 

「ティ、ティアーズ!」→ヘビィボウガン。

 

「リヴァイヴ!」→ライトボウガン。

 

「紅椿!!」→太刀。

 

「「「………………」」」

 

呼び出したISが、ことごとくモン○ンの武器となっていた。唯一の救いは、若干ながら自分のISの面影があったことくらいだろう。

 

「デウスを倒したら元に戻りますよ?」

 

「「「よし、ぶちのめそう!!!!」」」

 

デウスの討伐クエが張られた瞬間であった。

 

 

『緊急クエ! 黄金の三首竜を討伐せよ!』

 

 

というわけで、やってきましたよ第4アリーナ。そのフィールドの中央を見ると……。

 

「いた、本当に金ピカの三首竜が歩いてやがる」

 

「アレ、デウスなの?」

 

「素材剥ぎ取ったら豪華な装備が作れそうだな」

 

「確かにあれはG級モンスターの貫禄がありますわ……」

 

「というか、デウスくんはいつからワンちゃん以外の獣形態になれるようになったのよ?」

 

「それはまた今度。それよりもさっさと討伐しましょう! Go!Go!Go!!」

 

「「「(やっぱあやしいなー)」」」」

 

そう思っても自分のISの為。とりあえず目の前のモンスターは討伐しようそうしよう。

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!

 

『ん? どうした? お前らも真季奈に集まれって言われたのか?』

 

自分に迫る足音、いや、行軍に振り向くデウスこと超龍皇形態の『デウス EX』。黄金のボディに真紅の翼と尻尾。何よりも真紅に輝く三つの巨大なドラゴンの頭部。

 

真季奈にこの姿で第4アリーナに来てねと笑顔でお願いされたら断れるはずも無く罠にはまったのであった。合掌。

 

「くたばれデウスーーー!!!」

 

『な、なにごと!?』

 

三つある大きなお口を開けてビックリのデウスである。慌てて逃げ出すが、多勢に無勢であった。

 

「くらえーーー!!!」

 

一夏の切り掛り。

 

『あべし!』

 

「竜撃弾を喰らいなさい!」

 

セシリアの砲撃。

 

『あれ!? ものすごく痛い!!』

 

「なら僕は麻痺弾だよ!」

 

シャルの砲撃。

 

『痺れるーー!?』

 

「今だ! 尻尾を斬れーーー!!!」

 

「「よっしゃ!」」

 

箒の掛け声に、一夏と楯無が続く。

 

『あ、テメェらなんで俺の尻尾に……あ痛てててて!!!』

 

ザンザンザンザンザシュ! ザシュザンザンザンザンザシュ! ザンザシュザンザンザン!!!!

 

痺れて動けないデウスの真紅の尻尾に群がり斬りまくる三人。するととうとう。

 

ザン!!!!

 

『俺の尻尾ーーーー!!』

 

斬り飛んだ。

 

「よし! はぎ取れ!」

 

「素材素材!!」

 

「紅玉ゲットですわー♪」

 

『お前ら何やってるの!?』

 

切り落とされた自分の尻尾に群がる面々にドン引きしつつも油断はしない。デウスも流石にお冠である。

 

『もう怒ったからな!? 吐くぞ! 炎吐いちゃうからな!!』

 

「こ、これは?!」

 

「紅玉、いえ! ルビーですわ!!」

 

「ヒャッホー!」

 

『丸焼きじゃーーーー!!!(怒)』

 

完全にゲーム脳である。デウスの容赦の無い火炎ブレスが尻尾に群がる者たちを襲う。三つの口から放たれたそれは、ひとかたまりの巨大なブレスとなった。

 

「任せなさい!」

 

『む! 更識か!?』

 

そのブレスに立ち向かうは更識楯無その人だった。

 

「私のガンランススは水属性! 炎に耐性があるのよ!!」

 

水のヴェールで出来た盾を構えて炎を受け止める。放出される炎の威力にやや押されるが、しっかりと防いでみせた。

 

『お前らゲームにハマりすぎておかしくなってないか!?』

 

「「「レア素材! レア素材♪」」」

 

『イヤーーー!!!』

 

攻撃しても、謎のバックステップや転がりで躱す面々に恐怖を覚え、徐々に装甲を傷つけられていくデウス。見た目は完全に古龍討伐のようだった。

 

「さて、それではそろそろわたしも」

 

真季奈も自分の武器、大剣となった『アマツ』を握って参戦する。とはいえ、すぐに構えずしまったまま走る。そしてデウスに近づくと、

 

「チェイサーーー!!!」

 

抜刀斬り。

 

『グフォォ!?』

 

デウスの身体がくの字に折れる。威力高いよね大剣って。

 

真季奈はすぐに転がって位置取りを変更。そしてすかさず抜刀斬り。

 

「チェイサ!」

 

『グハッ!』

 

「ちぇい!」

 

『フゴっ!?』

 

それを何度も繰り返す。

 

『真季奈! お前一体どういうつもりだ!!』

 

「ゲーム買ってくれなかった恨みじゃーーー!!!」

 

「「「あ、そういうことですか」」」

 

それで全てを察した面々であった。個人的恨みで周りを巻き込む。ぶっちゃけ、いつものことだった。

 

「トドメぇぇ!!」

 

『ギャァァァァ!!!!』

 

力を溜めてからの抜刀斬り。それがデウスの三つある頭部の内、真ん中の頭部にヒットする。

 

クリティカルヒット。それによってデウスは吹き飛び、超龍皇形態も解除されて柴犬の姿に戻った。……あ、尻尾切れてる。

 

『うぅ、酷い……俺が何をしたって言うんだ……俺の尻尾……』

 

「ふんだ! デウスが意地悪ばっかりするからですよーっだ!」

 

「…ん? 真季奈ー、なんか落ちてたぞ」

 

「はい? なんですか織斑一夏。今取り込み中……ってこれは!?」

 

織斑一夏が拾い、真季奈に手渡した物。それは、ひとつの袋にまとめて入れられた、新品のP●Pの本体と。武偵校特製、モンス○ーハン○ーポー○ブル3ard・NEOだった。

 

『真季奈が……小遣いの使い込みを反省したら渡そうと……うぅ……』

 

「で、デウス!!」

 

そう。デウスは真季奈の資金の使い込みを反省させたくて意地悪をしていたのだ。しかし、それでも欲しいと言われたら用意してしまうのが彼の弱いところ。合コンの席で武偵校の教師、蘭豹を呼んでゲームを譲ってもらい、デパートにゲーム機を買いに行った。後は真季奈が反省すれば渡せる……というところでこの仕打ち。

 

デウス、アンタ泣いていいよ。

 

「ごめんなさい! デウス、ごめんなさい!!」

 

『いいんだ……真季奈…お前が反省さえしてくれたらいいんだよ!!』

 

ヒシッと互いに抱き合って熱く涙を流す主人と犬。その主従の姿にウルっとくるものがる当事者であるIS乗りたち……なんて甘い話はなかった。

 

「ところで、私達のISは元通りになるんでしょうね?」

 

「「「ま~き~な~!!!」」」

 

「………………………………………てへ♪」

 

「「「捕まえろ!!!」」」

 

「あばよとっつぁん!!!」

 

こうして、新たな緊急クエが発生した。

 

 

『緊急クエ! 志波真季奈を捕獲せよ!!』

 

 

クエストクリア出来たかは……また別のお話。

 

 

 

 

おまけ。

 

「デウスさん! 街中で子連れのお母さんの胸を触ったってどういうことですか!?」

 

『ナターシャ!? 出番がないと思ったらこんなところに!? 違う誤解だ!!』

 

「誤魔化したってダメです!! ネタはベルから上がってるんですからね!! ていうか、なんで私も合コン誘ってくれなかったんですかーーーー!!!」

 

『だってお前誘ったらガチじゃないですかーーー!!』

 

「当たり前ですーー!!」

 

チュドーーーーーーーーン!!!!

 

 

また一つ、爆炎が立ち上るIS学園であった。

 

 

 

 




先日はポッキーの日でしたね。

互いに持ったポッキーでチャンバラし、折れたポッキーを空中キャッチで喰らい合う男同士の熱い勝負の日でしたね。いやぁまさか公式大会であんなことが起きるとは、テレビを見ていてハラハラしましたよ。

え? そんなの知らない? ポッキーゲーム? 男女で端から端でマウストゥマウス? ナニソレコワイ。

ということで、合コンだからってポッキーゲームができると思うなよ(泣)

ベルちゃんが幼女化しました。艦これのぽっぽちゃん? みたいなイメージでプラもんは書いています。

今回いろんなところで登場したのは、

「緋弾のアリア」の蘭豹。らんらん、ふゆふゆにはつっこんじゃいけない。

「ガン×ソード」のブッチ博士。

「サイボーグクロちゃん」の鈴木一郎。クロちゃん、ミーくん。オーサム、コサム。(もう準レギュラーにしようか?)

そして竜羽さんのモンス○ーハン○ーポー○ブル3ard・NEO

です。

最後のモンハン装備ISは、あのネタです。皆さんはもう入手しましたか? ボクはフロンティアを持っていないので残念ながら入手していません。

ちなみに、モンハンではアカム装備で高級耳栓と匠スキルに太刀で尻尾斬り職人やっています。正直下手くそです。ハイ。

それではまた次回で。

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