さて、あれからなんと一週間が過ぎました。
え、早い? しょうがないじゃないですか。わたしはすることとか特にありませんので。
織斑一夏にとっては激動の一週間だったそうですよ? 剣道の特訓をしたりISの勉強をしたり。
そうそれと専用機も貰えるそうです。倉持技研の開発した物らしいですが怪しいですね。納期が遅れてるのが特に。変態駄兎の気配がします。
ちなみに一週間前に宣言したイタズラは実行済みですよ。ノリのいいクラスで助かりました。
「ここにいたのかよ志波さん。早く格納庫に行こうぜ?」
「そうですね。織斑王子」
ブフゥッ!!!!
教室に残っていたクラスメイトが残らず吹き出しました。今日一日よく我慢していたほうですよ。
「? はは、なんだよ王子って」
「ちょっとした冗談ですよ」
額に『肉』と書かれた織斑一夏は全く気付いていないようでした。
当たり前です。気づかれないよう頑張りました。朝に顔を洗うときは蒸しタオルを渡してあげ、お手洗いに行くときは適当な理由をつけて頭にタオルを巻いてやりました。
お陰様で学園の裏サイト『織斑一夏を愛で笑う会』ではこの話題と画像で大反響です。(管理人はもちろんわたし)
さて、話しながらも格納庫につきました。箒ちゃんも一緒です。おや? 一向に織斑一夏と顔を合わせようとしませんね? 心なしか肩が震えていますよ。
「………牛丼」
「ぶふぉ!!」
お、吹いた。デデーン! 箒ちゃーん、アウトー。
「どうしたんだ? 箒のやつ」
「どうしたんだろうね?」
我ながら見事なポーカーフェイスです。
「にしても遅いですね。貴方の専用機」
「そうだよなぁ。もうすぐ試合の時間なのに大丈夫かな?」
まぁその時は訓練機ですよ。ドンマイ。
む、あちらから山田先生が走ってきます。ブルンブルンに揺れてますね。眼福です。
「お、織斑君織斑君織斑君!!! 来ましたよ! あなたの専用機が!」
「本当ですか!?」
なんとギリギリな。まぁ良かったじゃないですか。
「それじゃぁわたしはこれで」
「え!? 真季奈!? どこに行くんだ!?」
「一応わたしも対戦相手ですので。オルコットさんのように別のピットで待機してますよ」
「そ、そうか」
「では後で会いましょう」
織斑一夏は専用機の設定で忙しいようなので箒ちゃんにサヨナラを行っておきます。今から敵同士ですよ?
「やぁやぁオルコットさん。ご機嫌麗しゅう」
「あら真季奈さん。どうしてこちらに?」
「いやぁ、代表候補生同士で親睦でも深めようかと」
「まぁ、お上手だこと」
青いISスーツを着たオルコットさん。ISスーツは見た目がまんま水着のようなデザインをしているため肌にピッタリ張り付いています。なので体のラインが丸見えです。
でかいなぁホントに。
じゃぁ私も着替えますか。
わたしのISスーツはライトグリーンを基調としてゴールドのラインが入っています。写真撮影は料金を取りますからね?
「ではお先に」
「ん、行ってら」
試合の順番は事前に通知されてます。まずはオルコットさんと織斑一夏です。その試合で勝った方とわたしが戦います。
オルコットさんが『ブルー・ティアーズ』を展開して飛び立ちます。さて観戦としましょうか。
…………うん。なんだこれ。始まって二十分は経ったんだけど全然試合が進まない。撃つオルコットさん、逃げる織斑一夏。シールド・エネルギー(以下S.E)は織斑一夏が残り67。オルコットさんはほぼ無傷。
一方的だけどオルコットさん、もうちょっと上手くやろうよ?
オルコットさんのIS『ブルー・ティアーズ』は射撃専用機。誘導兵器(ようするにビット)ブルー・ティアーズを搭載し、手持ちの武装も巨大なレーザーライフル、スターライトmarkⅢ。
対して、織斑一夏のIS『白式』。近接戦闘型? で装備はブレード一本。装備が名称未設定となっているところからするとまだ一次移行《ファースト・シフト》もしていないのだろう。
そんな相手になぜこうも手こずる? イギリス代表候補生のの実力はその程度か?
ここは織斑一夏の機動がよくて上手く躱しているんだということにしておきましょう。それにオルコットさんはBT兵器(ビットのこと)の適正が高くてブルー・ティアーズのパイロットに選ばれたらしいし、実は操縦技術は元から高い方ではないのかもしれない。
お? あの左手を開いたり閉じたりする癖は織斑一夏の浮かれている時のものですね。あぁいうときは大抵失敗するんですよあの男。
中学の時のバイトでも良くあの癖を出したときは失敗してましたね。どうやら今日も失敗集の面白動画を保存できそうです。
お、とうとうまともに喰らいました。大爆発です。ざーんねーん。
あれ? S.Eがゼロになっていない。むしろ回復している?
「一次移行が終わった? このタイミングで?」
都合が良すぎますね。しかもあの武装、雪片弍型。その名前の意味するところとはつまり、
『俺は世界で最高の姉さんを持ったよ。俺も、俺の家族を守る』
『はぁ!? あなた何を言って……』
『とりあえずは、千冬姉ぇの名前を守るさ!!』
なんかカッコつけてました。額に『肉』って書いてるのに。とりあえずチャットに書いておきましょう。
(・肉・)/ 守るさ(キリ!!
おー、すごい盛り上がりです。一気に回線がパンクしちゃいました。これは名スレとして殿堂入り決定ですね。ププッ。
それにしても、
「織斑先生と同じS.B無効化能力……」
ならあのISコアはまさか……。
ピーーーーーーーーーーーー!!!!!
試合は終わりました。結果は織斑一夏のS.E切れによる自滅。やはりあれは自機のS.Eを消費して相手のシールド・バリアー(以下S.B)を無効化する兵器。
ISに同じ能力はありえない。ならあの変態駄兎の仕業ですね。
次はわたしの出番ですね。ではオルコットさんと織斑一夏の首を取りに行きましょう。
復讐⑤ : 額に肉と書く(もちろん油性)
結果 : 学園裏サイトが大フィーバー
備考 : IS学園の王子となるか?
キン肉マンは子供の頃にTVで見ました。面白いですよねー