IS  復讐のデウス・マキナ   作:ぷらもん

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注意。

・作者は甘党ですが、どちらかというと和菓子派です。

・チョコレートはなんでも好きです。

・互いの主張が違うからと争ってはいけません。

・でも最近、糖分よりも頭痛薬と胃薬を摂取するほうが多くなりました。

・嗜好品は過度なストレスを和らげるためにも定期的に取るのがちょうどいいです。

・最近数キロ太りました(泣)




貴方はどっち派?

昼休みに誰かが言った。

 

「やっぱチョコはたけのこよね~」

 

そうしたら。

 

「は? キノコだし」

 

「あ?」

 

ガタッ!

 

「「「は?」」」

 

ガタタっ!!!

 

クラスを巻き込んでの戦争になった。

 

 

 

その結果。

 

「「「真季奈ーーーっ!!!」」」

 

「チィ!! ミスった!」

 

『何やっとんのじゃお前は!!!!』

 

学園全体を巻き込む、『志波真季奈捕獲作戦』に発展した。

 

「わたしの懐が潤う愉しい企画だったのに!!!」

 

何したの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チョコの好みなんて人それぞれですよ」

 

「そうだねぇマッキー」

 

生徒会室。ここでお昼休みにまったりとくつろぐ姿が二つあった。

 

志波真季奈と更識簪である。二人はお昼休みに仲良く弁当をつつきあった後、たわいのない会話をして時間をつぶしていた。それは今季のアニメの話しだったり新作のゲームやISの装備の話など、趣味や同じ日本代表候補生としての苦労話に落ち着いたところで。

 

現在、IS学園を巻き込んでいる問題の話となった。

 

「チョコ一つで凄い騒ぎですねぇ」

 

「ホントだね」

 

IS学園ではある問題が起きていた。それは、『きのこ・たけのこ抗争』である。

 

誰かが放った一言。それによって学園の生徒たちの間で好みが別れ争いが起こった。

 

 

お前は何派だ?

 

なんだと? きのこ? 私はたけのこだ!

 

よろしい、ならば戦争だ!!

 

 

これである。

 

まず売店から『きのこ』と『たけのこ』を含む全てのチョコが姿を消した。それらは裏で高値で取引されるようになり、生徒たちの飢餓感を加速させた。

 

チョコが食べたいか? ならばお前は何派だ? と。

 

そうして。まるで魔女狩りか異端審問のような騒ぎとなり、学園をまっぷたつに分裂させる。

 

きのこ派とたけのこ派である。

 

この騒ぎによって学園の空気は悪化。対立派閥同士での持ち物検査が行われ異端者はチョコを没収。チョコを食べるには人目を忍ぶ必要があった。そうして少女たちは疑心暗鬼となり派閥内での結束は強固となる一方、対立派閥との軋轢は増すばかり。無所属を表明するものはチョコを求めて廊下で倒れた。隠しチョコを横流ししようとした者は襲撃の後全てを奪われ、枕を涙で濡らす。

 

学園にはもはや安息の地はない。カカオの香りもだ。人心は荒廃し暴動と略奪が支配することで学園内の治安は一気に低下した。

 

あるのは争いのみ。

 

さぁ、お前は何派だ? 

 

 

 

「アフリカの発展途上国ですか、この学園は」

 

「チョコがなければケーキを食べればいいのにね」

 

そう言いつつもポリポリとチョコを食べるこの二人。いい身分である。

 

というか、

 

「マッキー。このチョコどうしたの?」

 

「もちろん、買い占めた分ですが?」

 

お前かこの野郎。

 

学園から姿を消したチョコレート。犯人はやはりとういうか、真季奈だった。

 

売店とそこに卸す業者。そのどちらにも手を回して買い占めたチョコレート。それらはマッキー商会を通し定価の五倍の値段で取引されていた。ボロ儲けである。

 

「ダメだよマッキー。今はチョコ欲しさに戦争が起きる治安の悪さなんだよ?」

 

ポリポリ。

 

「そういえばありましたねぇ」

 

ムシャムシャ。

 

チョコを食べる手を一切止めない二人。戦争とは、対立する派閥同士で起きた争奪戦のことである。彼女達は互いの派閥が自分たちの信仰するチョコを隠し持っているという情報を掴み強襲した結果戦争となったのだ。

 

「まぁ、デマを流したのはわたしなんですがね」

 

「売上の二割を生徒会予算に収めてくれたら黙っていてあげるよ?」

 

またお前か。と言いたくなるが事実である。

 

真季奈が流した「あいつ等チョコ持ってるよ」というデマ。それによってチョコの確保に躍起になっていた彼女たちはより対抗心を燃やし高額のチョコを買い漁った。するとその動きを察知し、対抗するために更に買い集め、奪い合うという泥沼化の一途を辿ることになったのだ。

 

勿論、仕掛け人の真季奈の財布は潤うばかりである。

 

「いやぁ、最近チョコレートが金塊に見えてきましたよ」

 

「今じゃ一個一万円でも買いたい人がいっぱいだからね」

 

恐ろしいものである。飢え、渇き。それらが及ぼす人々への影響は金銭感覚を狂わせチョコを求めさせた。

 

いくら高くてもいい。カカオを食わせろ、と。

 

「マッキーも悪だねぇ」

 

「いえいえ。黙認するカッシーこそ」

 

「「「ふふふふふふふふ」」」

 

まるで時代劇の悪代官と越後屋のようである。

 

しかし忘れてはいけない。

 

彼女たちが悪役だとすれば。

 

 

この後、正義の味方は必ずやって来る!

 

 

「「遂に尻尾を掴んだぞコノヤローーーーーッ!!!」」

 

「「ぎゃぁ! 風紀委員ーーーーーッ!!?」」

 

パァン! と生徒会室の扉を開けて突入してくる二人の影。

 

風紀委員の篠ノ之箒と織斑マドカである。

 

「貴様らの悪事はこのテープに全て収めたぞ!!」

 

「学園を混乱させる悪党ども! 大人しくお縄に付け!!」

 

箒がテープレコーダーを掲げ、マドカが手錠(風紀員の備品)を突き出す。対象は勿論、真季奈と簪にだ。

 

「「撤収!!」」

 

「逃がすか!!!」

 

「応援を呼べ! 学園を包囲しろ!!」

 

即座に逃げ出す二人。真季奈は窓を破って(二階だよ!)逃走し、簪は生徒会室の壁に仕込んだ隠し扉を使って逃げ出した。そのあまりの手際の良さに舌を巻く風紀委員。思わず逃げる姿を見送ってしまう程に。

 

こうして、彼女たちの、学園を巻き込んだ追いかけっこが始まった。

 

 

 

 

 

グラウンド。

 

「簪ちゃん! 大人しく投降しなさい!!」

 

「お姉ちゃん! 厄介な!!」

 

()生徒会長の更識楯無。簪の姉である彼女は一早く彼女を見つけ出し追いかけていた。お互い生徒の規律と校則を守る生徒会役員。ISの無断使用など行わず、生身で戦っていた。

 

「生徒の長を目指す貴方が、なんて馬鹿なことを!」

 

「秩序を守るためにも予算は必要! 私が会長となって活動するとき為にも備えておく必要があるの!!」

 

「だからって犯罪に手を染めるなんて!」

 

「だったらお姉ちゃんに、イベントだらけで消費した今期の予算と! 学園での度重なる修復工事代! 今すぐ賄えるの!?」

 

「本当にごめんなさい!! でも後半の請求は真季奈ちゃんにお願い!!」

 

IS学園は予算不足である。原因は主に真季奈。

 

苦無に手裏剣、鉄扇が飛び交う。え? ニンジャ? いいえ、対暗部用暗部です。

 

簪に対するは楯無ひとり。楯無が他の介入をさせないために人払いをさせたのだ。

 

妹の不始末は姉である自分が付ける。そう誓って。それは妹を想う姉心。

 

だが、そこにつけ込む隙があると簪は気づいた。

 

「お姉ちゃん、取引しない?」

 

「………なんですって?」

 

ガシッ! と組み合う二人。楯無が柔術の投げを仕掛けようとしたときにその言葉が発せられた。

 

「私を見逃し、協力してくれる気はない?」

 

「簪ちゃんッ! 貴方どこまで!?」

 

堕ちる気なのか。楯無は最愛の妹の提案に驚愕する。彼女の知る妹はこんな腹黒い性格ではなかった。姉に厳しく、その座を蹴落とし奪い去ろうとする策略家。姉を超えるためにどんな手も使おうとする……あれ? やっぱり腹黒くない?

 

「お姉ちゃんが手を貸してくれたら………今晩抱き枕になってお姉ちゃんの頭を一晩中いい子いい子してあげる!!!」

 

「お姉ちゃんに全部任せなさい!!!!」

 

ここに更識姉妹の同盟が成立した。いいのかそれで。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、真季奈は。

 

「フフフ、馬鹿め! わたしはここですよーだ!」

 

部室棟に潜んでいた。

 

「にしても風紀委員共め! わたしの娯楽を邪魔するなんて………やるようになったじゃないですか!」

 

悪事を暴かれ逃亡犯となった真季奈。彼女はこの状況を楽しんでいた。

 

人生とは娯楽である。

 

欲しいものは手に入れる。要らないものなんて何もない。強欲に、貪欲に。苦難も逆境も乗り越えて、酸いも甘いもしゃぶり尽くす。

 

欲張り? 何が悪い!

 

「稼いだお金も学園の混乱も。わたしが遊び倒すにはまだまだ足りませんねぇ」

 

世界がつまらない? どこがだ。

 

あの駄兎はそう言うが自分はそうは思わない。

 

()()はわたしの庭でおもちゃ箱だ。中身を何度でもぶちまけて、何度でも弄り倒してやる!!

 

志波真季奈の人生が終わる、その瞬間まで!!

 

「さて、ついでにイロイロと巻き込んで、騒ぎを大きくしましょうね~~っとぉ!」

 

愉快に小気味よく。心底、愉しい愉しい真季奈ちゃんは。

 

その顔に、見る者を全て魅了するような。そんな笑顔を貼り付けて走っていく彼女を止める者は、まだいない。

 

 

 

 

 

 

「「「乳神様~~乳神様~~!! 我らが供物を! チョコを棒ませる~~。どうかお恵みを~~」」」

 

「「「お恵みを! お恵みを!! お恵みをーーー!!!」」」

 

「なにこれ酷い」

 

ここはπ教団の集会場である空き教室。そこには怪しい格好の集団がひしめいていた。

 

当然、ツインテールがついた幹部、鈴の姿もあった。

 

「どうか我らに、このきのこような起伏のある胸をぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

「必死すぎて引くわー」

 

ツインテールが雄叫びを上げる。その手にはきのこのチョコは大量にあった。お前らはきのこ派か。

 

そんな光景をこっそり見ていた真季奈。……正直関わりたくない。

 

少し惜しいが、彼女たちを騒動に巻き込むのはよそう、と思ったところで、

 

「!? これは、チョコの匂い!? まさかたけのこのスパイか!!!」

 

「はぁっ!?」

 

ツインテールが突如振り向く。その先にいるのは真季奈だ。

 

「待て、アレは売人だぞ!」

 

「何!? ではチョコを持っているのか!!」

 

「捕まえろ! 乳神様に新たな供物を!」

 

「「「チョコ! チョコ!! チョコ!!!」」」

 

こいつはヤベェ!!!

 

その場にいた三十名程の教団員達がその目を爛々と輝かせて真季奈に迫る。その事態に彼女は、

 

「逃げます!」

 

「「「まぁ~てぇ~~~~~!!!!」」」

 

逃げ出したが、当然追いかけられることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「取引、だと?」

 

「うん。風紀委員は今回の件で生徒会を見逃す。いい?」

 

「「ふざけるな!!」」

 

「ですよねー」

 

生徒会室に揃う面子。それは生徒会長であったり風紀委員であったりするが、その場を仕切っているのは『今のところ』何の役職も持たない少女、更識簪だった。

 

取引の内容はこうだ。

 

今回の騒動は全て真季奈の独断。生徒会は一切関わっていない。

 

だから、風紀委員は生徒会を処罰するな。というよりも、次期生徒会長であるこの、更識簪の名に傷をつけるな、ということだ。

 

ぬけぬけとそう言い放つ簪は、ちゃっかりと生徒会長の席に座っている。

 

その席の本来の持ち主、現生徒会長はというと、

 

「簪ちゃん……本当に逞しくなったわねぇ」

 

などと感動にむせび泣いていた。それでいいのかおい。

 

「それで、二人とも返答は?」

 

「当然却下だ!」

 

「当たり前だろう!!」

 

「風紀委員の予算、欲しくないの?」

 

「「!!??」」

 

脅しである。

 

箒とマドカにも矜恃はある。IS学園の風紀委員として、何よりも!

 

規律と秩序を守る正義の徒として!!

 

「この私が金に目など眩むものか!!」

 

「私達に賄賂など!!」

 

「じゃ、生徒会権限で風紀委員は現時点で解散。お疲れ様でした」

 

「「!?」」

 

彼女は笑顔でそう言った。

 

「お姉ちゃん、書類の準備を……」

 

「「待ってください!!!」」

 

「はい?」

 

何の躊躇いもなく手続きを進める簪の姿。それに二人は待ったをかける。でなければ風紀委員はこの学園から消える。

 

「なに? 二人とも、私に、何か、お願いしたいことでもあるのかな?」

 

簪の眼鏡がキラリと光る。口元には笑みを。背中からはドス黒いオーラ。

 

黒いほほ笑みを見せて簪は告げる。

 

「ほら、言ってごらん? 生徒会は生徒のよき隣人だよ?」

 

逆らったら潰すよ? と。

 

「ぐ、ぐぐぅうううううううう、お、お願い、します」

 

「し、志波真季奈を、捕まえるのに、きょ、協力して、くだ、さいぃぃぃ!!!」

 

「いーよー」

 

歯を食いしばり、血を吐くような思いで彼女達は、風紀委員の二人は。

 

 

生徒会、いや。更識簪の軍門に下った。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして真季奈は。

 

「「「チョ~~~コ~~~!!!!」」」

 

「皆さん我を忘れすぎです!!」

 

学園の生徒全員から追いかけられていた。

 

部室棟から移って本校舎。その廊下を大量の生徒に追われて真季奈は走っていた。

 

そう、チョコに群がるアリの行進のごとく!!

 

「匂いに惹かれて群がるなんて、この豚どもがっ!!」

 

「「「チョコをよこせぇええええええええええええええええええ!!!!」」」

 

無数の手が伸びる、伸びる!! 目を血走らせる彼女達はまさしく飢えた野獣。

 

この状況は、真季奈にとっては手痛いしっぺ返しだった。奪うことで爆発させた欲望。それが全て自分に向かってくるなんて想定外もいいところだ。

 

陰謀、企み、悪巧み。それらは自分に被害のかからない高いところで笑うながら愉しむもの。

 

だというのに、なぜ自分がこんな目に合わなければならない? これは、織斑一夏の役目だろう。

 

「あれ? そういえばあの男、この騒ぎで空気なような……?」

 

姿を見せないオモチャ。そもそもこの騒ぎは、甘いものが大好物な女子達を目当てとした遊びだ。甘党男子でもない織斑一夏には無縁……か?

 

「姐さん! ご無事ですか!?」

 

「ラウラちゃん!?」

 

そこに、自分を姐さんと慕う少女ラウラちゃんが現れる。

 

後ろに、大勢の女子生徒を引き連れて。

 

「………あの、彼女達は?」

 

「マッキー愛好会の……あ、なんでもありません!」

 

「今なんて言った!? ねぇ!?」

 

ラウラが言いかけた言葉を真季奈は聞き逃さなかった。この集団、織斑千冬をリーダーとする真季奈の私設ファン倶楽部である。もちろん無許可。

 

「副隊長……真季奈様のあんな近くで……なんて羨ましい」

 

「あの声で罵られたい……」

 

「あたしもあんな風になりたいなぁ」

 

「この集団、わたしを見る目が怖いんですけど!?」

 

ちなみに。

 

マッキー愛好会のメンバーは、真季奈に虐められたいM女が八割と、崇拝するS女が二割となっております。隊長は当然織斑千冬。愛好会でなぜ会長でなくなぜ隊長? 

 

「この騒ぎ、まさかきのこの連中が!?」

 

「え……そうですけど。あの、まさか?」

 

「あんな無法者共、われらたけのこの敵ではありません!」

 

「貴方たけのこ教徒なんですか!?」

 

知らない間に友人がチョコ狂いの教徒になってました。最初頃の堅物キャラはどこに……あ、最初から彼女もおかしかったですね。

 

「ちなみに何故たけのこ?」

 

「ドイツで副官のクラリッサが『きのこなんて卑猥です! ショタの可愛らしさを感じられる皮付きたけのここそ至高! ノン・ショタ共にはそれが分からんのです!!』と」

 

「そいつ今すぐクビにしろ!!」

 

純真な少女になに吹き込んでんですか!! とりあえず織斑先生に、いえ! ドイツに殴り込んでやる!!

 

「ところで姐さん」

 

「なんですか?!」

 

今ドイツに総攻撃する計画を考えてるんですから後にして、

 

「姐さんからチョコの匂いがするのですが?」

 

「……………お、おぉう?」

 

ジュルリ。

 

「「「………………………………………ジュルリ」」」

 

あ、だめだこりゃ。

 

敵が増えただけだった。

 

「とんずらします!」

 

「「「待ってください!!」」」

 

「嫌です!!」

 

捕まったら何されるかわかんないですから!!

 

「姐さんからチョコの匂い! まさか姐さんはチョコで出来ている!?」

 

「だったら食べなきゃ!」「全身をぺろぺろしたい!!」「指の先からしゃぶり尽くしたい!!」「なら私は足の指を!」「じゃ、じゃぁ私はお、おp「「「言わせねぇよ!!!」」」」

 

絶対に捕まるわけにはいかない!!!!!

 

犯される!!!

 

となれば、取るべき道は一つ!!!

 

「これでも食ってろ猿どもが!!」

 

そうしてわたしはISの収納領域に隠していたチョコレートを取り出し、チョコ狂いの集団にばら撒く。

 

「チョコだーー!!」

 

「ウキャーーーー!!!」

 

思ったとおり、全員がばら蒔かれたチョコに群がり始める。その光景はまるで、猿山に餌を放り投げられた猿の如しだった。

 

「わーいチョコだー」

 

あ、ラウラちゃんもチョコを拾い始めてる! ドイツ軍人がこの程度でキャラ崩すとは情けない!!

 

「! 姐さん待って! もっとチョコくださーい!!」

 

逃げるわたしに気づいたラウラちゃんが追いかけてきます! 可愛いなチクショウ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして逃げていると、それはもうぞろぞろと増えるものでして。

 

「「「逃がすかぁッ!!!」」」

 

「大勢で来るとは卑怯な!?」

 

「「「アンタ相手なら妥当だよ!!!!」」」

 

ISを展開してグラウンドへと逃げる真季奈相手に、同じくISを展開した箒、マドカ、セシリア、シャル、ラウラ、鈴が襲いかかる。

 

鈴、ラウラちゃんに追いかけられていると、そこへシャルロットさんやオルコットさんが追加されて、そうしたら、最後は風紀委員の二人だ。ご丁寧に全員ISまで用意しやがって。え? わたしが先に展開させたから? まっさかー。

 

一対六。圧倒的不利。

 

だが、

 

「風雲再起!!」

 

『ヒヒーーンッ!!』

 

彼女には白き愛馬がいる。鋼鉄で出来た翼を持ったユニコーン。その速度は音速を超え空をゆく。

 

「マズイ、飛ばせるな!!」

 

「あれで逃げられたら文字通り高跳びされるわよ!?」

 

「チョコが!」

 

「止めろ!!」

 

「「「おう!」」」

 

風雲再起の背に跨った真季奈への攻撃を放つ。それぞれが大技を放ち、一つとなった巨大な合体技が真季奈を背後から襲う。

 

「風ちゃん!」

 

『ヒヒンッ!!』

 

真季奈の号令。その一言で風雲再起の後ろ足が跳ね上げる。

 

後ろ足によって蹴り上げられたエネルギーの複合体。それは馬のひと蹴りで打ち破られた。

 

「「「うそん!?」」」

 

その事実に驚きを隠せない。当たり前だ。自分達の技を止めたのだ。馬が。

 

「わたしの風ちゃんを唯の馬と思わないで貰いましょうか!」

 

「畜生! 主従揃って化け物よ!!」

 

 

『だったらその相手! 俺に任せてもらおうか!!!』

 

 

そこに現れたのは一匹の柴犬。

 

「デウス!?」

 

真季奈が造った人工知能搭載型AI、デウスだ。彼は柴犬からその姿を黄金の竜『デウス EX ソーラレイカー』へと変える。その背中からが真っ赤な炎を立ち上らせて。

 

『風雲再起よ! お前の相手はこの俺だ!!』

 

「ど、どうしたんだ? デウスの奴……」

 

「あぁ。気合が入っているなんてものじゃない……ただならぬ気配を感じる」

 

全身に闘気をみなぎらせ風雲再起を指さすデウス。その姿に鬼気迫るものを感じた彼女達はただ事ではない悟った。

 

デウスはソードを抜刀し構える。そして、

 

『くたばれ馬野郎!!! そのポジションは俺のもんじゃーーー―い!!!』

 

『ヒンッ!?』

 

「「「そんな理由かーーーいッ!!!」」」

 

嫉妬である。

 

最近、真季奈はもっぱら風雲再起にばかり騎乗し行動していた。それによってデウスは放置され、散歩にも連れて貰えない。餌も自分で用意している始末だ。

 

「むぅ、あの馬鹿犬! やっちゃえ風ちゃん!」

 

『ヒヒーーーンッ!!』

 

『やったらーーー!!』

 

ソードと蹄がぶつかり合う。飼い主をめぐって、馬と犬(黄金竜)の戦いが幕を上げた。

 

それとは別に。

 

「真季奈ぁ!!」

 

「ふっ!」

 

風雲再起から離れた真季奈に鈴が襲いかかる。

 

迫るはドラゴンハング。赤い首を伸ばして真季奈へと突き進むそれに、彼女は正面から拳を叩きつける。

 

「はぁあああああああああああああああああああああッ!! でりゃぁッ!!」

 

「!? きゃぁっ!!」

 

伸びた首を押し戻すように。真季奈の光雷球を迸る(フィンガー)が炸裂し、鈴を吹き飛ばす。

 

「(! 今の感じ……ッ!)」

 

真季奈、いや。『覇道大将軍』は周りを一瞥すると、

 

「雑魚共が! わたしを取り押さえよう等と、身の程を知るがいい!!!」

 

全身から暗いオーラを立ち上がらせて不敵に笑う。

 

「ダメだよ皆!」

 

そこへ参入する者が二人現れた。

 

「簪!」

 

「会長!!」

 

更識姉妹である。

 

「おや、カッシー。援護なら必要ないので先に逃げて……」

 

「バラバラに戦ってちゃ駄目だ! フォーメーションを!!」

 

「え”?」

 

「「「了解!!!」」」

 

「いやちょっと!?」

 

簪の号令で即座に全員が行動を開始する。真季奈から距離を取り、位置を合わせる。それに驚くのは真季奈だけ。

 

『斬闘神』と『武闘神』が加わり、状況は一対九となった。風雲再起はデウスと交戦中だ。援護は期待できない。

 

「姐さん覚悟!!」

 

「ラウラちゃんか!?」

 

まずはラウラが全身のミサイルやレールガンを一斉射する。その弾薬の嵐は煙が尾を引きビームの軌跡を残す。それを展開した十本のソードビットで切り落とし、フィンガーで叩き払う。当たり一体をミサイルが爆発した煙が覆い隠す。

 

「小癪な! ッ!?」

 

その煙にまぎれて、死神と龍が迫る。

 

「真季奈さん!」

 

「真季奈!!」

 

「のっ!」

 

真季奈の両サイドから大鎌を、ビームトライデントを振りかざす二人。真季奈はその攻撃を両手で受けた。二人のスラスターが噴射し真季奈を押さえ込む。それを吹き飛ばそうと真季奈も力を込める。

 

そうして生まれる拮抗状態。

 

そこを攻める斬撃が上空から飛来した。

 

「えぇぇいい!!」

 

「! カッシー!? 邪魔だ!!!」

 

「「きゃぁ!!」」

 

真季奈が光雷球を両手から放つ。それを喰らってセシリアと鈴が吹き飛ばされた。その直後、簪の巨大なショーテルが叩き込まれ、真季奈はそれを手で受けた。

 

「反応した!?」

 

「裏切りましたねカッシー!?」

 

真季奈が反応速度に簪が舌を巻く。それよりも驚いているのは裏切られた真季奈の方だ。この状況。同じ追われる立場であるはずの彼女が敵に回ったということは……。

 

「わたしを売りましたか、カッシー!!」

 

「なんのことかな?」

 

「ハハッ、上等!!」

 

ソードビットを呼び寄せ、簪に襲いかからせる。それを避けようと力が抜けたところで真季奈は回し蹴りをショーテルに叩きつけた。

 

弾き飛ばされた簪は、

 

「三人とも!!」

 

指示を止めない。

 

「真季奈!」

 

「真季奈ちゃん!!」

 

「志波真季奈ァッ!!!」

 

「なっ!?」

 

さらに上空にはサテライトキャノンを構えたシャルロットが。右肩の龍砲、メガビーム・キャノンを構える楯無が。そして、バスターライフルを構えるマドカの姿があった。

 

射撃最強武装が三つ、真季奈に向けて放たれる。

 

「なんのぉおおおッ!!!」

 

ビームにはビームを。

 

左手のフィンガーから光雷球を、エネルギーの塊を放射する。しかし相手の威力は圧倒的。足りない分は周りからかき集める。学園の施設から電力を奪って上乗せし立ち向かうがそれでも足りない。

 

「天剣絶刀!!」

 

ならばゴリ押しと真季奈は剣を抜く。そして放つは、

 

「邪黒波動爆滅波!!!」

 

巨大な黒き狼が放たれ三射の巨大ビームを飲み込む。

 

「(やっぱり!)」

 

「「「な!?」」」

 

ビームを飲み込んだ黒狼は膨れ上がり、巨大化したまま三人を飲み込んだ。

 

爆発。

 

「ハハハ! やっぱり!」

 

光雷球を掌から放ったとき。そして『天剣絶刀』から技を放ったとき。どちらも同じエネルギーの流れがある。つまり、

 

「諸共吹き飛べ!」

 

「「「!?」」」

 

真季奈が右手を構える。広げられた掌は爆発に呆気を取られていた全員へと向けられる。

 

「ダークネス……」

 

『マズイ!』

 

一早く動いたのはデウスだ。風雲再起との戦いを横目に嫌な予感がする。アレは暗黒の波動だ。

 

デウスが真季奈の動きを封じるために接近する。捕まえて、羽交い締めにしてでも止めさせる必要があった。真季奈は手練だ。細心の注意を払って……、

 

「温いわ!」

 

『ガッ!』

 

あっさり顔面を鷲掴みにされた。

 

「「「おい!!!」」」

 

「フィンガー!!!」

 

『ぬあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!』

 

デウスの頭部を掴んだ掌から黒い波動がエネルギーとなって放射された。

 

『これ、は……あの男と同じ、技……グフッ!』

 

「「「デウスーーーーーッ!!!」」」

 

神は死んだ! でも大丈夫! この神様はすぐに復活するんで!

 

「いいですねぇ! ワイドレンジもピンポイントでもいけるじゃないですか!」

 

『ダークネス・フィンガー』。機体のエネルギーを掌に集めて放つ技。光雷球は集めたエネルギーを球形に固めて放つ技。『邪黒波動爆滅波』は刀身に集めて放つ技。

 

なら、集めたエネルギーをそのまま放出できるのではないか? そう思いつき、それは成功した。

 

「さぁ! 成功すれば後は練習あるのみ! 覚悟しろ木偶どもが!」

 

「アタシらを的にするつもりかい!!」

 

「このひとでなし!!」

 

「大体いつものことだけどね!!」

 

ひどい現実である。しかし、立ち向かうだけの力はある。彼女たちとて真季奈に蹂躙されるだけの存在ではないのだから。

 

『ヒヒーン! (援護します! 石破!)』

 

『あの馬野郎! ファイナル………!!』

 

「デウス! 生きてたの!?」

 

(ペガ)(サス)拳!!』『ドラゴン!!』

 

デウスの後方、三つの魔方陣からドラゴンのブレスがビームとなって放たれる。そして風雲再起は前足の蹄を合わせてエネルギーを収束、それは光の光弾となり、人参を二本クロスさせた馬の紋章を浮かび上がらせて放たれた。おい。

 

「嘘! ちょっと待って!」

 

「退避ー!! 皆逃げてーーっ!!」

 

「貴方達!? なんですかその放出技!? ってキャーーーーッ!!」

 

対角線上にいた馬と竜。その間には、全員がいた。

 

それよりも。君たち、目的忘れてない? 

 

 

 

チョコは?

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱチョコはトッポだよなぁ。ポッキーでも可」

 

「だよなぁ」

 

そんな騒ぎなど無視して。

 

一夏は五反田弾と学外の商店街でチョコを買って食べてたとさ。




最近、お腹まわりに肉がついたなーー。と思ってたら……油断しました。OTL

体重が五キロ増えてました。短期間で。

多分原因は深夜近くの暴飲暴食です。

……だって仕事が終わるのが23時過ぎとか当たり前だったんだもん。晩ご飯食べるのその後だよ? 全部コンビニ弁当だよ? 頭が疲れているから甘いものも食べたいじゃん! 日によっては弁当二個とか余裕だったよ! チョコもアイスも大福も食いまくったよ! 

お腹が出てたチクショーーー!!

ダイエット始めました。長続きしません。



それはさて置き。


風雲再起こと風ちゃん。元ネタは『がんばれ!ドモンくん ガンダムパーティー』から。

ドモンくんの兄弟子である馬、風雲再起の風ちゃん。彼は流派東方不敗を習得し、その技を使うことが可能。その実力はドモンくんよりも上だぞ! いやマジで!


ダークネス・フィンガー。

マスターガンダムの必殺技。真季奈も習得しました。

今回のバトルは元ネタがあります。『Gジェネレーション NEO』というゲームで、お髭のおじさまと五人の美少年がキャッキャウフフと戯れるシーンが……ゴメンナサイ嘘です。

GWのガンダムチーム五人が、宇宙で師匠ことマスターガンダムに喧嘩売るムービーシーンがあります。それを参考にしました。勝敗は……察してください。


そしてぷらもんはとんでもないことに気づいてしまいました。

『機甲神伝説』は『六神合体ゴッドマーズ』だけでなく、『美少女戦士セーラームーン』の影響も受けていることを! 

しかも、シャルロットの機体はアルテイヤー、つまり月の力を宿した機甲神。

シャルロットに、「月にかわってお仕置きよ!」とでも言わせたほうがよかったかも?

それかISスーツをセーラー戦士の衣装にしてツインテールに……。

まぁ、没にしたけどね!

そういえばノーベルガンダムってよくセーラームーンと言われるけど、アノ髪型はヴィーナスだよね?

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