テイルズオブグレイセス━日常を過ごすSS━   作:影山明

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おじいちゃんといっしよ

ソフィ:教官、ちょっといい?

 

 

マリク:ん?何だソフィ、お前からオレに話しかけてくるとは珍しいな

 

 

ソフィ:あのね?明日の教官の配達、私もついてっていい?

 

 

マリク:配達に?どうして

 

 

ソフィ:興味あるの、ダメ?

 

 

マリク:ま、まあ構わんが……多分つまらんぞ、それでもいいのか?

 

 

ソフィ:うん!

 

 

マリク:分かった、じゃあ明日な

 

 

 

ソフィ:ありがとう教官

 

 

アスベル:おわっと……どうしたんだソフィ……そんなにはしゃいで

 

 

マリク:なに、ちょっと明日、2人でドライブさ

 

 

アスベル:トラックで……ですか?

 

 

マリク:ふっ、冗談だよ……明日の配達に連れてってくれというのでな

 

 

アスベル:え?そんなご迷惑じゃ……

 

 

マリク:気にするな、これも社会勉強ってやつだ

 

 

パスカル:おうおう、泣かせてくれますな~おじいちゃん~

 

 

マリク:ほっとけ、そんなパスカルは明日は何するんだ

 

 

パスカル:あたし?あたしは里に帰るよ、たまに顔見せないとお姉ちゃんやポワソンがうるさくってさぁ~

 

 

マリク:ほーう?

 

 

パスカル:手土産はバロニア煎餅かストラタ最中で迷ってたんだけどさっきバロニア煎餅に決まったよ

 

 

マリク:オレは逆を薦めるがな

 

 

 

アスベル:………煎餅は長にあげればいいんじゃないか?

 

 

パスカル:んー?そう?じゃそうするね~

 

 

マリク:さて、オレはそろそろおねむだ……またなアスベル

 

 

アスベル:いや、おねむって……赤ん坊ですか

 

 

【翌朝】

 

 

マリク:さて、と……用意はいいかソフィ

 

 

ソフィ:うん

 

 

シェリア:ソフィ、教官の言うことよく聞いて迷惑かけちゃダメよ?

 

 

ソフィ:大丈夫

 

 

マリク:はっはっは、心配するなシェリア……ソフィはいい子だ、なっ

 

 

ソフィ:なっ

 

 

シェリア:はい、わかりました……ではお気を付けて

 

 

 

マリク:よし、乗れるか?気をつけろよ

 

 

ソフィ:うん……あれ?

 

 

マリク:どれ、オレが乗せてやろう……ほれ

 

 

 

ソフィ:あ、ありがとう

 

 

マリク:ああ、ん?パスカルはどうした、『ソフィに触るなんてずるいー』なんて来そうなのに来ないな

 

 

シェリア:ああ、今朝早くフーリエさんから電話がかかってきてたたき起こされて大慌てで出て行きましたよ

 

 

マリク:ふ、あいつらしいな、さて行くぞソフィ

 

 

ソフィ:うん

 

 

マリク:じゃあ出発

 

 

ソフィ:おー

 

 

━━━道中

 

 

マリク:どうだ、乗り心地は

 

 

ソフィ:うん、悪くないよ

 

 

マリク:景色の見え方が違うだろう

 

 

ソフィ:うん、高い……いつもより皆小さい

 

 

マリク:ははは……小さいか、そうだな……うおっ!

 

 

ソフィ:あふん

 

 

マリク:はぁ、はぁ……大丈夫か?ソフィ

 

 

ソフィ:ちょっとぐらっときた……どうしたの

 

 

マリク:全く、何だあの車は……もう少しでぶつかるところだったぞ、どんな奴が運転してたんだ

 

 

 

パスカル:うぎゃー!土産屋が混んでて時間食っちゃった~!早く行かなきゃヤバいよ~!

 

↑こんな奴

 

 

マリク:ああいうヤツがいるから事故が減らんのだ、全く

 

 

ソフィ(今の……パスカルの車……)

 

 

マリク:すまんなソフィ、急にハンドルを切ってしまった、ケガはないか?

 

 

ソフィ:ううん、平気

 

 

マリク:そうか、ならよかった……さてそろそろ着くぞ

 

 

【配達先】

 

 

男:マリクさん、いつもすみませんねぇ

 

 

マリク:いやいや、どうってことないですよ

 

 

男:ホント、助かりますよ……おや、そちらのお嬢さんは

 

 

ソフィ:………?

 

 

 

マリク:ああ、この子は……孫ですよ、はっはっは!

 

 

男:わはは!マリクさんご冗談を!

 

 

 

ソフィ:………

 

 

 

【帰り道】

 

 

ソフィ:教官、私……孫なの?

 

 

マリク:ん?ああさっきのか……まあ、冗談だ……だが家族には変わりないぞ?

 

 

 

ソフィ:家族……

 

 

 

マリク:そうだ、アスベルも、ヒューバートも、シェリアも、パスカルも、陛下も、そしてオレも……全員家族だ

 

ソフィ:うん

 

 

 

マリク:さて、疲れただろ、少し眠るといい……着いたら起こしてやる

 

 

ソフィ:わかった、おやすみ

 

 

マリク:ああ、おやすみ

 

 

そして、帰宅後

 

 

マリク:おいパスカル、あの暴走車はお前だったらしいな

 

 

パスカル:んー?

 

 

マリク:んーではない、危うくオレのトラックにぶつかるところだったんだぞ

 

 

パスカル:えー!?そうだったんだー!何という偶然、これは奇跡だね~

 

 

マリク:ごまかすんじゃない、お前は一体どういう運転をしてるんだ

 

 

パスカル:だってさー土産屋は混むは信号には全部ひっかかるしで飛ばすしかなかったんだよ~

 

 

マリク:全く、次は気をつけろよ……警察に捕まって罰金や点数引かれたりしたらシャレにならんぞ

 

 

パスカル:ああ、警察ね……追っかけられたよ?

 

 

マリク:なに!?

 

 

パスカル:まいたけど

 

 

マリク:まいたのか!?

 

 

アスベル:まいちゃだめだろ

 

 

パスカル:嘘だよ~ちゃんと止まって罰金払ったってば~

 

 

シェリア:ちょっとパスカル!いくら払ったの

 

 

パスカル:んーっとねー……30000ガルド?

 

 

シェリア:コラー!何やってんのよ!ウチだってお金持ちじゃないのよ!?次やったら3000ガルドにお小遣い減らすわよ!

 

 

パスカル:3000ガルドかい、オレの小遣い

 

 

 

マリク:何を言っている

 

 

ソフィ:わかんない

 

 

【完】


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