魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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零夜の嫁の座は誰のもの?―――って、皆まだ結婚できる歳じゃないよね!?

 

〜三人称side〜

 

ある休みの日の天ノ宮家

 

「―――さてさてさぁーて」

 

優雅に紅茶を飲みながら目を瞑って言うのは、零夜の実姉である天ノ宮愛奈美だ。

そしてその愛奈美の視線の先にいるのは、なのはにフェイト、はやて、アリシア、すずか、アリサ、夜月。と零夜関連の女子ばかりだ。

ちなみに愛奈美の向かいには同じく紅茶を飲んでる零夜の幼馴染である華蓮がいる。

そしそのすぐ近くにはデバイスから人型形態になってる凛華たちが一緒にいた。

ちなみにだが、なのはたちは―――

 

「はやてちゃんは兎も角として、あなた達・・・・・・私のれー君のこと好きでしょ?」

 

「「「「「「うグッ!!!」」」」」」

 

正座をしていた。

 

「あ、はやてちゃんは良いのよ?一回挨拶しているし、元々れー君のこと任せてたから。それにれー君、はやてちゃんのこと結構気にかけてるからね」

 

「そうねー。はやてと零夜はこの中で一番、結構な時間を一緒に居るみたいだからね」

 

「は、はい、そうです」

 

零夜の中から観ていた二人は目の前の子たちの零夜に対する気持ちを看破している。

というか、実際この二人自身がそうだったのである。

 

「愛奈美お姉ちゃん」

 

「なぁに、華蓮ちゃん?」

 

「私の中で零夜の嫁候補ランキング、一位はやてなんだけどどう?」

 

「あらあら奇遇ね。私もよ?はやてちゃんなられー君を任せられるわね。・・・・・・と言っても、それだとなのはちゃん達が可哀想なのよねー」

 

「だよねぇー」

 

まさかの姉公認にはやては石像のように固まった。

 

「(ま、まあ、愛奈美さんからあの時アインスと一緒にお願いされたけど、まさか零夜くんのお嫁さん候補でわ、私が一番やなんて)」

 

固まりながらも、はやての思考は高速で巡っていた。

だがしかし、その内面は全く隠されてなかった。現にはやての顔は湯気が出ているかのように真っ赤だ。

 

「あ、あのー」

 

「?どうしたのフェイトちゃん」

 

「いえ、その・・・・・・。零夜は今日どこに・・・・・・?」

 

「ああ。零夜なら今日は地下に篭もって新魔法の開発をしているわ」

 

「ま、また!?」

 

「ええぇ・・・・・・!?」

 

「まあ、最後の相手が彼だからね」

 

苦笑しつつ手元に展開した空間ウインドウにはIMCS(インターミドル・チャンピオンシップ)地区本戦の最後の試合。決勝戦の選手が表示されていた。片方はもちろん天ノ宮零夜と表記されており、もう片方にはクロノ・ハラオウンと書かれていた。

 

「まさか彼が出てるなんてね」

 

「なんでもリンディさんとレティ本部長が参加させたらしいよ?息抜き?とかで」

 

「それ逆に息抜き出来なくない?」

 

苦笑しながらも表記ウインドウを見る。

 

「クロノくんも確か今アレ持ってるんだっけ?」

 

「ええ。零夜が渡してたわね」

 

言っているアレというのはこの家の地下にもある『ダイオラマ球』である。

本当は無茶ばかりするクロノを休ませる目的でエイミィに渡してあるのだが、東京支部の職員にとっての憩いの場としても使われてる。

そこに。

 

『あ、お姉ちゃん?』

 

「あれ、れー君?どうしたの?」

 

地下にいるはずの零夜から通信が入った。

 

『ゴメン。緊急の呼び出しが入ったからちょっとミッドの方に行ってくるから』

 

「そうなの?わかったわ。気を付けてね」

 

『うん。あ、夜ご飯ってなにか決まってる?』

 

「まだだよー。何が食べたい?」

 

『お姉ちゃんが作ってくれた物なら何でもいいよ!』

 

「あらら。それじゃあ、から揚げとかにでもしようかしら」

 

『よしっ!夕飯までには帰ってくるから!』

 

「はーい。行ってらっしゃーい」

 

華蓮たちが口を挟む間もなくトントン拍子で進んでいく二人の会話。

その様子はさすが姉弟。

 

「・・・・・・相変わらずね愛奈美お姉ちゃん」

 

「あらあら。うふふふふ」

 

優雅に微笑みながら、妖艶にティーカップに口をつける愛奈美。

その光景を見たなのはたちは零夜の姉だなぁと心の中に浮かべた。

そして、その頃転移した零夜はというと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜零夜side〜

 

ミッドチルダ中央区

 

 

「はぁ。さっさと終わらせようっと」

 

詳細情報を流し読みし。

 

「・・・・・・建物の中の人数は25。内5人は質量兵器持ち。魔導士は10人か。残りは人質・・・・・・。厄介だなぁ。極力無害化させるには、拘束魔法で捕らえるのが鉄則だけど」

 

情報では敵ははぐれ魔導士で、質量兵器持ちらしい。気配を確認した所、高レベルの魔導士3人に質量兵器持ちがいる。ランクは最高でB+って所だろう。

まあ、質量兵器なら使えないようにすればいい。幸いにも質量兵器封じの魔法は幾らかある。

今回の質量兵器は銃火器類。なら。

 

「―――凍焔(フリーズ・ブレイズ)黒華(ノクティス)

 

これで充分だ。

指定範囲凍結。

 

「さてと―――突入するので邪魔しないで下さいね」

 

背後で待機している局員に言って、内部へと転移する。

転移するなり、

 

魔法の射手(サギタマギカ)連弾(セリエス)風鎖の矢(アエリアース)

 

その場にいたはぐれ魔導士を魔法の射手の捕縛バージョンで捕らえる。

 

「「「なっ!?」」」

 

「あと7人」

 

すでに発動させていた身体強化によって自己加速術式を発動。さらに断罪の剣(エンシス・エクセクエンス)を現出して右手に。瞬く間に他の場所にいた6人を捕らえる。

 

「あとひとり・・・・・・」

 

最後のひとりは恐らくコイツらの親玉だろう。そして、そいつがランクB+の魔導士という事になる。

 

「最上階か」

 

ゆっくり歩き階段を登り上に行く。

最上階に着くと。

 

「ほう。ひとりか」

 

こちらに背を向けた男が居た。

 

「下にいたあなたの手下は全員捕縛しました。無駄な抵抗は止めてその場に投降しなさい」

 

右手の断罪の剣の切っ先を向けて告げる。

 

「ふむ。まさか管理局最強の魔導士に相手貰えるとは。面白い」

 

「時間がもったいないのでさっさと捕らえます」

 

投降する様子が無いので問答無用で攻撃する。

 

「せっかちだなぁ」

 

「っ!?」

 

牽制攻撃ではなった連槍をいつの間にか躱し背後にいた事に目を見張り瞬時に距離をとる。

 

「今のは・・・・・・瞬動!?」

 

「これが出来るのはキミたちだけではない。それにひとつ言おう。私は彼らなどどうでもいい。ただの手駒だ」

 

「何!?」

 

「そしてもうひとつ。キミは私のランクを確認違えている」

 

男は耳に付けていたイヤリングらしきものを外した。

その瞬間、男から魔力量が溢れたのがわかった。

 

「魔力隠蔽!?」

 

最初はB+だったのに今はA++クラスになってる。

 

「魔力隠蔽などという魔導具、ただのはぐれ魔導士が持ってる訳ない。あなたの背後(バック)に誰がいる?」

 

「教えてどうする?意味が無いだろう?」

 

「そうだな。あなたを捕まえれば問題ない。捕まえた後すべてを謳ってもらいましょう!」

 

「ふっ。できるものならな!私の名はディミトリア・グェーリル」

 

「時空管理局特務0課、天ノ宮零夜。参ります!」

 

瞬動をして懐に潜り込み魔力込みの掌底。

しかし眼前に出された質量兵器。拳銃を見てすぐさま手順を変える。この間五秒。手順変更にはおよそコンマ五秒。

拳銃の射線をずらし。

 

「―――風花・武装解除(フランス・エクサルマティオー)!」

 

拳銃を持つ手元に武装解除魔法を放つ。

武装解除魔法によって強風が発生し拳銃が手元から離れる。

 

「チッ!」

 

舌打ちとともにディミトリアは下がる。

手元から離れた拳銃を左手に掴み、銃身をディミトリアに向け何時でも放てるようにする。

 

「ベレッタ92・・・・・・だと?」

 

拳銃の銃身に表示される名に眉を寄せる。

【ベレッタ92】よくアニメとかで使用される物だ。実際僕もこれをモデルとしてデバイスを創った。

最初、確認できた質量兵器は5。だが、これで6だ。恐らく隠蔽魔法によって知覚できないようにしていたんだろう。

だが、それを抜きにしても。

 

「(妙に手に馴染む)」

 

このベレッタ92。握ったのもつい今さっきだと言うのに何故か手にしっくりとくる。

 

「ほう。まさか武装解除が使えるとは」

 

「これ、どこで手に入れたの?」

 

「さてな」

 

「なら、捕らえて無理矢理唄わせよう!」

 

ディミトリアから奪った、情報強化した左手のベレッタ92で弾丸を放つ。

 

「っ!弾丸を情報強化しただと!?」

 

「こんくらいなら何時もやってる事だからね!」

 

連続で三発放つ。その何れも情報強化+属性強化を加えた弾丸だ。

情報強化など何時も戦闘でやってる。

 

「ふんっ!そんな使い始めたばかりの武装でよくそんな芸当を」

 

「ああ、確かに使い始めたばかりだよ。けど、これは僕に馴染む。まるで長年付き添ってきた相棒みたいだ」

 

「なに?」

 

「ベレッタ92の装弾数は15発。今4発撃ったから残りは約10発かな」

 

ベレッタ92を見ながら右手に断罪の剣、左手にベレッタ。と片手剣片手銃のスタイルを取る。

しかし。

 

「けど、悪いけどこのベレッタは仕舞っておこう。代わりにこっちを使う」

 

自分の異空間に仕舞い、そこから拳銃型デバイスを取り出した。

 

「行くよ、ディミトリア・グェーリル!」

 

デバイスの引き金を引き、魔法陣を構築展開する。

 

「ふん!」

 

ディミトリアの手元には槍型のデバイスが握られていた。

 

「それがあなたのデバイスか」

 

「ディアヴォロス、いくぞ」

 

刹那の間にぶつかる。

そこから槍と銃剣による接近戦が行われる。

狭い空間では上手く獲物が振り回されないからか窓を突き破り外に出るディミトリア。

 

「逃がさない!」

 

空へと上がる僕に地上から待機していた局員から通信が入る。

 

『天ノ宮特務官!?何事ですか!』

 

「残り一人を追跡交戦中。陸士103は中に入って拘束されてる魔導士の確保。人質救出後、人質はすぐに病院へ搬送。人質の護衛は陸士107が」

 

『了解!直ちに実行します』

 

通信を切りディミトリアへと雷の矢を飛ばす。

槍と剣をぶつけながら魔法戦闘を行い。

 

音撃(ゴスペル)!」

 

振動反響魔法を放つ。

距離に制限がない為、どこからでも放てる。

 

「うグッ!」

 

「音撃!音撃!」

 

「ガハッ!かハッ!」

 

避けることがまず不可能なためあまり使いたくないんだけど、はぐれ魔導士なら躊躇う必要は無い。

ブン殴られるように身体が揺れるディミトリア。

まず最初に三管器官を酔わせ、音の暴力を振るう。

 

「捕らえろ!―――戒めの楔(レージング)!」

 

捕縛系統魔法を放ちディミトリアを捕らえようとする。

しかし。

 

「――――――」

 

「ナニッ!?」

 

その鎖は何かに弾かれたように消えた。

 

「今のはまさか魔法消波(マジックミュート)?!管理局やいろんな世界の魔法研究者や魔導士が詮索して、いまだに理論だけで実用化できずにいる技術!?それを生身で使いこなしてるの!?」

 

「私の魔法特性は反滅(リクレクト)。任意の魔法を逆位相の魔力をぶつけて阻害する。そのため私にそのような魔法は効かない。ただし、この魔法にも欠点があってな。先程のような魔法には効かないのだ。そのため、この魔法は未だ未完成だ。だが、あの程度ならば問題ない」

 

「なるほどネ・・・・・・なら、対処はできる!」

 

逆位相の魔力をぶつけて阻害するなら、さらにその逆位相の魔力をぶつければいい。

もしくは逆位相出来ないほどの魔法を行使すればいい。

 

「リク・ラク・ヴィシュタル・ヴォシュタル・スキル・マギステル!―――魔法の射手(サギタマギカ)連弾(セリエス)雷の150矢(フルグラーキス)!――――――来たれ雷精、風の精!!雷を纏いて、吹きすさべ、南洋の嵐!!雷の暴風(ヨウィス・テンペスタース・フルグリエンス)!!」

 

連続詠唱を行いディミトリアを攻撃する。

逆位相を行使するにはその魔力を丁度同じくしなければならない。力量にもよるだろうけど、これは逆位相の魔力をぶつけても相殺できない!

 

「ちっ!」

 

「逃がすかぁァァァ!!―――封縛の鎖錠(グレイプニル)!」

 

紫の。ベルカ式に似た三角の魔法陣から紫の鎖を射出。

ディミトリアを捕縛しようと三鎖の紫鎖がディミトリアへと迫る。

 

「悪いけど、この封縛の鎖状は防げないよ」

 

封縛の鎖状は魔法無効果の効果を付与されてる、僕の持つ捕縛系最上位の捕縛魔法だ。いや、正確には封緘魔法の一種。

 

「なっ!厄介な!」

 

「逃げられないよ!この封縛の鎖状は相手を捕らえるまで追い掛ける!」

 

「おのれぇっ!ならば!」

 

「?」

 

隠者の静煙(ハーミット・オブ・フォグロール)

 

魔法陣を展開し魔法名を言うと同時に、ディミトリアの魔力と気配を探知出来なくなった。

 

「っ!?魔力反応に気配消滅?!」

 

空間転移とも違う、遮断系魔法。それもかなり高位の魔法だ。

注意深く周囲を探っていると、どこかからか声が響いた。

 

「また、どこかで会おう。天ノ宮零夜!」

 

「っ!!ディミトリア・グェーリル!!」

 

全方位に封縛の鎖状を飛ばすが反応は無く、完全に消えたようだった。

 

「くそっ!なんで最近こういう輩が多いの!?」

 

首魁を取り逃す。逃げられたのは最近多い。何故か僕が担当するのに限ってだ。

 

「いやな感じだ。なんか探られてる気がする」

 

背筋に寒気が走るような感じに僕は1人呟く。

周辺の索敵を行い、反応が無いのを確認して僕は他の局員が待機している場所に転移する。

待機場所に行くと、すでに自己処理が行われようとしていた。

 

「!天ノ宮特務官!」

 

「お疲れ。ごめん、首謀者を逃した」

 

「いえ、恐らく我々では相手にならなかったでしょう」

 

「だろうね。ヤツとの戦闘は最低Aランクでもなければ無理だ」

 

「は、はっきり言いますね・・・・・・・」

 

「あ、気に触ったならゴメン。戦闘に関しては正直にいうタイプだから」

 

「いえ・・・・・・」

 

そこから事後処理などをして、家に転移した。

家に転移してリビングに入ると―――

 

「―――なにしてるのお姉ちゃん?」

 

満足顔で胸を張っている我が実姉がいた。

そしてその前にはなのはたちがいる。

―――何故かメイド服を着て。

 

「お姉ちゃん、なんでなのはたちメイド服着てるの・・・・・・?」

 

「あ、おかえり〜、レーくん〜!」

 

いつもの様にスキンシップで抱き着いてくるお姉ちゃんに苦笑しつつ、お姉ちゃんに聞く。

いや、昔からお姉ちゃんこうだし。もう慣れた。

 

「うん。ただいま。それで、なんでメイド服?」

 

「あ、それはね〜。いま、レーくんのお嫁さんを決めることしてるの」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」

 

お姉ちゃんの言葉に僕はポカンとなる。

お嫁さんって、結婚相手ってことだよね?はい?え?なんで?

頭がこんがらがる状況の中、お姉ちゃんは楽しそうになのはたちに話し掛け、それを少し離れたところから紅茶を優雅に飲んでいる華蓮。その華蓮も何故かメイド服を着てる。

 

「華蓮、これどういう状況?」

 

向かいに座って華蓮に訪ねる。

 

「見ての通り。愛奈美お姉ちゃんの暴走。そして、いつもの通り、私も楽しんでる」

 

「うん、わかりやすい解説ありがとう!」

 

詰まるところ、お姉ちゃんの悪いクセが出たということだな。うん。

 

「はぁー」

 

我が実姉ながらさすがにため息が出るほどだ。

そんな僕を他所に。

 

「ねぇねぇレーくん!」

 

「なにお姉ちゃん―――って、なんでお姉ちゃんもメイド服着てるのさ!?」

 

「ふふーん!どう!?可愛い?」

 

「うん。可愛いよ」

 

疲れた表情と声で返す。

 

「やった!」

 

「お姉ちゃん、お願いだから暴走しないでね?」

 

「分かってるよー。」

 

お姉ちゃんの返事に僕と華蓮は、絶対分かってない。ってかもう暴走してるから無理か。ともう慣れた感じで心の中でツッコんだ。

 

「さぁー!なのはちゃんたち!次々行くよーー!!」

 

そう言ってなのはたちに向かうお姉ちゃんに、僕はなのはたちへと黙祷を返した。

うん。頑張ってくれ、みんな・・・・・・!!

現在進行形で楽しそうにしてるお姉ちゃんを見て、そう切に願う僕であった。

 

 

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