魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語 作:ソーナ
〜なのはside〜
零夜くんとの夜のデートから一転。突然の緊急事態に私は混乱していた。
私のことをママって言う子や、零夜くんのことをパパ、師匠って言う子。そしてフェイトちゃんとアリシアちゃんのお母さん、プレシアさんが襲ってきたこと。
プレシアさんがどうして襲ってきたのか分からない。
ジュエルシードの時ならいざしれず、今ではあの時の悪の魔女って感じは全くなく、フェイトちゃんやアリシアちゃんのとっても優しいお母さんなんだもん。それに、技術者としてもとっても優秀で私たちのデバイスの調整もよくやってくれるとてもいいお母さんだ。
アリシアちゃんが言うには昔のお母さん。それこそアリシアちゃんが一回亡くなった時より前のお母さんらしいけど。
零夜くんは私と割れた空から堕ちてきた子たちと一緒に結界で覆い、泊まりに来ていた零夜くんの家に転移させた。
転移させられて目を開けると、そこは零夜くんの家の自宅玄関前。
すぐそばには堕ちてきた少女二人。二人とも何処かの学校の制服を着てる。そして、何かぬいぐるみみたいなものが傍にある。
「こ、ここは・・・・・・?」
「今のは空間転移・・・・・・?そんな高等技法をあの歳で・・・・・・!?さすが
「アインハルトさん、こんな状況でも凄いですね・・・・・・」
「当然です!ヴィヴィオさんのお父様は私の憧れなんです!」
「あー、なんかジークさんやヴィクターさんもそんなこと言っていたような・・・・・・」
「ええ!師匠の名を知らない選手なんてIMCS参加者にはいませんから!」
「うーん・・・・・ホント、ウチの家庭凄いなぁ・・・・・・」
な、なんかよく分からないけど、碧銀の髪の子が目を輝かせている。隣の金髪の子は『そうなんだ』的な感じだ。
そこに。
「・・・・・・えーと、そろそろいいなぁ〜?」
「あ」
いつの間にか玄関の扉が開き、零夜くんの実姉である愛奈美さんがゆったりとした声で聞いてきた。
「おかえりなさいなのはちゃん。れー君とのデートどうだった〜?」
「ま、愛奈美さん!!」
うふふ、と微笑む愛奈美さんに私はアタフタする。
「それで、そっちの二人の女の子は・・・・・・だれ?」
ゾクッ!一瞬冷たい感触を感じた。
それは二人の少女もで。
「え、えと・・・・・・その・・・・・・」
「わ、私たちは、その・・・・・・」
互いに抱き合い言い淀む二人。
その二人に愛奈美さんは視線を向け。
「・・・・・・この二人・・・・・・どこかで・・・・・・いや、まさか未来から?」
愛奈美さんが二人に視線を向け何か呟く。
未来?どういうことだろう?
「・・・・・・なのはちゃん、れー君はどこ?」
「え、えっと、実は・・・・・・」
愛奈美さんにさっきのことを話す。
話すと愛奈美さんは視線を空に向け。
「・・・・・・・・・・なるほどね」
と呟いた。
「取り敢えず、なのはちゃんはフェイトちゃんたちが待ってるよ」
「あ、はい」
「そこの二人も上がって。ちょっと話を聞かないといけないみたいだし、ね?」
「「は、はい」」
愛奈美さんのあとに続いて私たちは天ノ宮家の中に入った。
〜なのはside out〜
〜零夜side〜
プレシアさんの偽物が消えた後、僕は周辺の空間を診ていた。
「確か最初は空間が割れたんだっけ?で、次も同じ感じだったけど少し違ったか」
空間が割れた場所を魔眼で視る。
「っ!?これ、時空乱流の痕跡!?」
最初に起きた空間の割れ目に僅かだが時空の乱れを感じた。
「まさかあの子達、どこか別の時間と空間から飛ばされてきた?」
さらに詳しく視るため魔眼を強くする。
「・・・・・・っぐ!?」
視た瞬間とてつもない頭痛が襲い、検分を中断せざるを得なくなった。
「魔力磁場か・・・・・・さすがにこれ以上は無理だな」
目を押さえ魔眼を解除する。
この魔眼は空間など何かあった際に魔力の流れを良く視るための魔法だ。だが、強い魔力磁場などの場所では負荷が大きすぎるため使えない。
「時空乱流となると僕の専門外だからなぁ・・・・・・時空魔法は使えるけど、それは僕個人のだし、そういうのはなぁ・・・・・・」
思い当たる中でこういうのに專通しているのは、プレシアさんぐらいだろう。あとは・・・・・・
「ジェイルさん、かなぁ・・・・・・」
ジェイル・スカリエッティ。
僕と夜月の協力者にして、僕のシスコン同盟の仲間である。
ジェイルさんならこういう時空乱流のようなものは得意だろう。だってあの人天才だし。
たまに連絡とってるけど、連絡する度にウーノさんがやつれてるのは何故だろう・・・・・・
まぁ、取り敢えず後で連絡しますか。
周辺に何かないか一通り観て空間転移で自宅へ帰還する。
家に転移して帰るとリビングに全員集結していた。
てか、アレ?なんか二人増えてない?
明莉お姉ちゃんたちは今天界の方だし、今家にいるのはお姉ちゃんたちに、泊まりに来てるなのは、フェイト、アリシア、はやて、アリサ、すずか。あとは、夜月がいるね。
で、例の少女二人。なんだけど、なんかもう二人いるし。
「お姉ちゃん、そっちの二人誰?」
なんか凛華たちと同じくらいの歳の人が二人いる。どっちも女性だけど。
片方は黒っぽいフード付きパーカーを着ていて、もう片方はいかにも貴族のお嬢様ってのが合ってる人だ。
僕の問いに夜月が。
「こっちのザ・お嬢様なのがヴィクトーリア・ダールグリュンさんで、こっちのパーカーを着ているのがジークリンデ・エレミアさんだって」
「はい?」
夜月の言葉に僕は呆然とする。
いや、名前を言われても・・・・・・。
「じ、ジーク、あの男性まさか・・・・・・!」
「う、うん。見間違えなんかとちゃう・・・・・・!零夜さんや・・・・・・!!」
なんか僕を見て驚いた表情を浮かべてる。
なんで?まぁ、確かにミッドでは結構有名になってるけど。
「でね、なんでもこの二人、そっちのヴィヴィオちゃんとアインハルトちゃんと同じ時代の。今から10年くらい先の人なんだって」
「は?同じ時代?しかも10年後?いや、それどういう・・・・・・って、まさか・・・・・・」
ヴィヴィオとアインハルトと呼ばれたこの二人が時空乱流から飛ばされてきたのを思い出し。
「はぁ!?まさか、こっちの二人も時空乱流に巻き込まれたの!?え!?いや、なんで!?時空乱流なんて基本めったに起こらないはずだよね!?」
立て続けに時空乱流の被害者がいることに頭が痛くなった。
「まさかこの四人以外にもいるんじゃ・・・・・・」
とてつもなくイヤーな予感がした。
二度あることは三度あるっていうし。
「いや、この子たちに非がないのはしってるけど、こうも立て続けに起こられると頭痛い」
はぁー、とため息を吐いて取り敢えず未来から来たらしい四人に話を聞く。
「えーと、取り敢えず自己紹介するね。僕は天ノ宮零夜、時空管理局特務0課所属の魔導師だよ」
立ったまま四人に自己紹介をする。
夜月たちはもう済ませたみたいだし。
「あ、はい!高町ヴィヴィオです!
「アインハルト・ストラトスです。ヴィヴィオさんと同じくSt.ヒルデ魔法学院中等科一年に在籍してます。よろしくお願いします」
「
「私はヴィクトーリア・ダールグリュンですわ」
「よろしくね。それでなんだけど・・・・・・なんで、そんなに眼をキラキラさせてるの?」
何故か知らんがヴィヴィオ以外の三人の眼が、憧れの人物に会えたとでも言いたげな眼差しなのだ。
「れー君、未来では結構有名みたいだよ?」
「は?え、えと、具体的には?」
恐る恐る未来組に聞くと。
「ま、
「はい?」
え、来年もIMCS出ないといけないの?
アインハルトの言葉にえぇー、と声が洩れる。
てか、今10歳だからIMCSは最大で10回出られるんだよね?それで十年無敗のチャンピオンって・・・・・・未来の僕やり過ぎてない?(自分の事である)
「それに最強の魔導師として何度も取材など特集もされてますわ」
「そうやねぇ。来月には零夜さんたちの映画の二作目も公開されるし」
「は!?」
ジークリンデとヴィクトーリアの続けて言われた言葉に目が点になる。映画って何!?しかも二作目!?
未来では一体僕はどうなってるのよ・・・・・・。
「未来の僕ってどうなってるの・・・・・・?」
恐る恐る聞くと・・・・・・
「えっと、私の師匠で」
「私のパパ」
「IMCS出場する全選手の憧れですわ」
「史上最強の魔導師です」
「あとは、絶対に怒らせちゃダメ?」
「無敗の帝王?」
「最強の魔導剣士?」
「えーと、色ボケ?」
と、四者八様であった。
うん、四人の言ったこと全て気になるけど・・・・・・。
「えーと、ヴィヴィオ?」
「は、はい!」
「僕がヴィヴィオのパパって・・・・・・どういうこと?それになのはをママって言ってたし・・・・・・。あれ、でも苗字は高町って言ってたけど・・・・・・」
「え、えーと、それはですね・・・・・・」
「???」
言いにくそうに口淀むヴィヴィオ。
「あ、そう言えばお姉ちゃんは原作知ってるんだよね?」
僕は隣でニコニコしている実姉に訊く。
「あの子たちのこと?」
「うん」
「知ってるよ。全部読んだから」
「読んだ?視たじゃなくて?」
「視たのもあるけど、あの子たちの物語は読んだの方が正しいから」
生憎僕はリリなのの原作を全く知らない。
逆に、お姉ちゃんは知っている。お姉ちゃん結構リリなの好きだったから。
「だからあの子たちを今見られて滅茶苦茶嬉しいねん」
関西弁になるほど興奮してるらしい。
お姉ちゃんの様子に苦笑しながらヴィヴィオを見る。
歳は10歳って言ってたから僕らと同い年のはずだ。仮になのはがあの子を産んだとしても計算が合わない。
出産までの時期とか色々計算しても、産むとしたら多分12歳とかだと思うし・・・・・・てか、他人になのはを渡したくない。
さっきのこともあってか、なのはに対し独占欲が強く出ている。
いや、なのはだけじゃない。フェイトやはやて。アリサ、すずか、アリシア、夜月。お姉ちゃんや華蓮も、誰にも渡したくない。
僕ってこんなに独占欲が強かったんだなぁ、と今にして思った。
「まぁ、今知っても意味無いか」
多分だけど、あの子たちが元の時代に戻ったら僕らのあの子たちと出逢った記憶は
そうでなければ未来にどんな影響を及ぼすかわからない。
この世界の法則がどんなのなのかは知らないが、神である明莉お姉ちゃんたちが降りてきているとはいえ、それは神に対する法則。女神の眷属であるとはいえ、この世界の住人である僕らには神の法則は恐らく通用しない。
そう思考していると。
「あ、あの!」
「ん?」
アインハルトが手を挙げて発言してきた。優等生か!
「なにアインハルト?」
「わ、私とひとつ、お手合わせ願いませんでしょうか?!」
「へ?」
お手合わせということは試合をするってこと?
「ハルにゃんズルいで!私が申し込もうとしとったのに!」
「え?」
「じゃあ私も!今のパパと闘ってみたい!」
「はい?」
え?この子たちもしかして戦闘狂なの?
「落ち着きなさいな三人とも」
あ、まともな人いた。
「それは私もですわ!」
あ、ダメだった。
「まぁ、いいけど、多分だけど君たちの知ってる僕より結構弱いよ?」
10年後の僕の強さがどのくらいか分からんが、たぶん今の僕より結構強いと思う。
「いや、今の零夜でも十分強いでしょうが!」
アリサのツッコミに何故かなのはたちが頷く。
夜月は苦笑してるし。
「まぁ、闘ってみるのはいいけど、それは明日ね。もう夜遅いし」
時間は既に23時を過ぎてる。
「えーと。夜月、そっちになのはたち泊めてもらってもいい?」
お隣且つ、家がこの家と同等の大きさの桜坂家。
夜月になのはたちを泊める事をお願いする。
「それはいいけど?
「彼女たちはこっちに泊まってもらうよ。その方が僕が対処出来るしね」
万が一何かあった際、僕ならなんとか対処できるはずだ。
「オッケー!―――
夜月は自身の天使の一つ、封解主を顕現させ空間を繋げた。
隣なのにわざわざ封解主使うのかよ!?
まぁ、いいけど。
夜月がなのはたちと行ったのを確認し、封解主による空間の穴が消えたのを見て。
「お姉ちゃん、凛華。この子たちを部屋に案内してあげて・・・・・・ってその前にご飯とお風呂かな?」
苦笑しながらお姉ちゃんたちにお願いする。
「あ、四人とも何かあったらお姉ちゃんたちに言ってね。女の子同士の方がいいだろうし」
うん。お姉ちゃんたちがいてくれてほんと助かった。
男同士なら気兼ねなく出来るんだけどなぁ。
「零夜、どこか行くの?」
華蓮が聞いてくる。
「ん?ああ、ちょっと地下のラボにね。クロノとかにも話さないといけないから」
「わかったわ。あまり無理すんじゃないわよ?」
「わかってるよ」
軽く手を合わせ僕は地下のラボエリアに降りた。
降りるなり施錠をし。
「クロノ、今いい?」
デスク前の椅子に座り込みクロノに通信を繋ぐ。
『なんだ零夜?何かあったのか?』
通信相手のクロノの他にエイミィさんがいる。
「・・・・・・もしかしてお取り込み中だった?」
『っな!?』
『ち、違うよ零夜くん!?ただクロノくんとご飯を食べてただけだから!』
顔を真っ赤にして言う二人。
あー、うん。いい加減さっさと付き合って欲しい二人だ。
見ているこっちが恥ずかしいよ。
「まぁ、いいけど。話を戻すけど、クロノ。さっき大きな時空振動を観測しなかった?」
『時空振動だと?ちょっと待ってろ』
少し待っていると。
『待たせたな。確かに二回程海鳴市上空で発生してる』
「あー、やっぱりかァ」
『おい、まさかまた変な事件に首を突っ込んでんじゃないよな!?』
「それ僕が好きで事件に巻き込まれてるように聞こえるけど」
『頼むから面倒なことはしないでくれ!前回の『エルトリア事変』の後始末が終わったばかりだぞ!?』
「僕だって好きで突っ込んでるわけじゃないからね!?―――で!クロノ、エイミィさん、これマジだから」
『『ん?』』
「―――未来から来た子がいる」
『え?』
『は?未来?何を言って――――――って、おいまさか!!』
クロノの問いに僕は無言で頷いて返す。
『はぁー。時空乱流による時空間転移者か・・・・・・』
「Exactly」
僕の返答に、僕もクロノもエイミィさんも思わず溜め息が出てしまう。
『なぁ、前から思ってたんだが』
「なに?」
『いや・・・・・・海鳴市って、魔境かなんかなのか?』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しらん」
クロノの海鳴市への言葉に僕は即答できなかった。
うん。この地球で海鳴市を中心に事件ばかり起きてる気がする。前から思ってたけど!
そこから先、一応他にも時空転移者がいないか捜索して貰えるようお願いし、万が一の時のことを頼む。
それと闇の書の断片についても話、通信を終えたのは1時を回ろうとしている頃だった。
その後、エルトリアにいるアミタさんに連絡しアミタさんたちにも協力を要請。
そして―――
「―――そんなわけだから、キミにも手伝って欲しい」
「・・・・・・わかったわ。もしそうなら、私にも原因があるし」
翌日、管理局の一室で僕はとある人物と二人きりでいた。
「それに、上司の命令には逆らえないのでしょ?」
「あはは。上司部下の関係なんか無視でいいんだけどなぁ」
皮肉を言ってくる目の前の人に苦笑する。
「それと、これ」
「これ・・・・・・私の」
「キミに返却するよ」
「そう・・・・・・」
僕からあるものを受け取り目の前の人物はそれをしまう。
「今日この時を持って、キミを正式に特務0課に歓迎するよ」
「ええ」
手を取り出し握る。
「ようこそ、特務0課へ。―――イリス」
目の前にいる人物は、管理局に拘束せれ『エルトリア事変』の重要参考人であるイリスだ。
イリスの裁判はつい先日終わったばかりであり、操られていた事もあり情状酌量を与えられ、イリスの監督権をミゼットさんが行うこともあり今ここにいる。
以前から勧誘していたが、今この時をもってイリスは特務0課へ加入した。
「何か必要なものはある?」
「いえ、特にないわ」
「わかった。それじゃあ行こうか。みんなが待ってる」
「ええ」
「掴まって。直接転移する」
イリスとともに部屋から直接地球の自宅の庭に転移した。
庭には既に今回の事件を解決するための戦力が勢揃いしていた。
てか、この戦力・・・・・・軽く星一個制圧出来るんじゃない?
そう思ってしまったのは秘密だ。
そうして、今ここに現在と未来の邂逅による行動が始まった。