魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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真実

 

 

~零夜side~

 

 

「お疲れ様みんな。零夜君は大丈夫?」

 

アースラに戻った僕らは、艦橋に着くとリンディさんからそう言われた。

 

「大丈夫ですよ」

 

「そう。よかったわ」

 

僕の言葉にリンディさんは安堵すると視線を艦橋の奥、モニターに移した。

そのモニターには時の庭園に突入した武装局員とフェイトの母親、プレシア・テスタロッサさんが映っていた。

 

 

『プレシア・テスタロッサ。貴女を時空管理局法違反の疑いで逮捕します。武装を解除し、ご同行をお願いします』

 

 

武装局員の一人がプレシアさんにそう呼び掛けると、他の武装局員がプレシアさんを包囲し、残り数人の武装局員はプレシアさんのいる、玉座の間の後ろに走っていった。

 

「(確かあの後ろって・・・・・・)」

 

僕は前に時の庭園に行ったときにアリシアに案内されて、別のルートから行ったが。

僕がそう思っていると、画面のプレシアさんの表情が変わった。

 

 

『こっちに何かあるぞ!』

 

 

武装局員の一人が見つけたみたいだ。

アリシアの遺体が保存されている部屋を。

武装局員が中に入り、その映像がこっちにも送られ部屋の中が映し出された。その部屋の中にある巨大ポットの中の液体に漬かっているアリシアを見た瞬間、僕以外の人は驚きを隠せていなかった。

 

「(当然か。僕以外だと、リンディさん、エイミィさん、クロノ以外知らないんだから。けど、さすがのクロノたちもアリシアの遺体があるとは思わなかったみたいだね)」

 

明らかな同様を隠せてないクロノたちを見て僕はそう声に出さずに発した。

 

「えっ!?」

 

「う、うそ!?」

 

「わ、わたし?」

 

「な、なんでフェイトが?」

 

隣からなのは、ユーノ、フェイト、アルフの動揺と驚きの声が聞こえてきた。

 

「あれはフェイトじゃないよ」

 

「ど、どういうこと零夜くん!?」

 

僕の言葉になのはが聞いてくるが僕は視線をモニターに向けたままなにも言わなかった。

すると。

 

 

『私のアリシアに近付かないで!リニス!』

 

『はい!』

 

 

武装局員の一人がアリシアのポットに近づき、プレシアさんとリニスと呼ばれた女性がアリシアを守るように、プレシアさんが武装局員を雷で攻撃し、リニスと呼ばれた女性はプレシアとアリシアのポットを守るように防御魔法を張った。

 

「リニス・・・?」

 

「知ってるの?」

 

「・・・・・・バルディシュを創ってくれてわたしに魔法を教えてくれた母さんの使い魔」

 

「プレシアさんの・・・・・・使い魔・・・・・・」

 

僕はフェイトからの情報に少し驚いた。

と言うより今はじめてリニスさんの存在知った。

 

「(アリシアからは聞いてないけど・・・・・・もしかしてアリシアいい忘れた・・・とか?)」

 

脳裏にそんなことが過ったが、スクリーンのプレシアさんとリニスさんに意識を向けた。

画面では武装局員がプレシアさんの魔法で倒れ付している姿が映し出されていた。

 

「いけない!局員たちを送還して!」

 

リンディさんの焦った、慌てた声を聞きエイミィさんが武装局員を次々とアースラに転移送還させた。

 

 

『もう駄目ね。時間が無いわたった半分のジュエルシードではアルハザードにたどり着けるかどうか分からないけど・・・でも、もういいわ。終わりにする。この子を亡くしてからの暗鬱な時間を・・・この子の身代わりの人形を娘扱いするのも。聞いていて? 貴女の事よ、フェイト』

 

 

スクリーンから聞こえるプレシアさんの言葉にフェイトは身を強張らせ、アルフは驚きのままそのまま立ち、スクリーンのプレシアさんの隣に立つリニスさんは顔を俯かせていた。

けどそんなことより僕はプレシアさんの言葉に微妙な引っ掛かりを抱き、目を少し細めてみる。

 

 

『折角この子の、アリシアの記憶をあげたのに、そっくりなのは見た目だけ。役立たずで、ちっとも使えない私のお人形』

 

 

「ど、どういう事?」

 

「リンディさん、どういうことですか?」

 

なのはとユーノの問いにリンディさんではなく、僕が二人の質問に答えた。

 

「なのは、ユーノ。前に、プレシアさんに関する事故の話はエイミィさんがしたでしょ? 」

 

「うん」

 

「それでね、その時、プレシア・テスタロッサは実の娘の、アリシア・テスタロッサを亡くしているの」

 

「そんな!それじゃあフェイトちゃんは」

 

「言ったでしょ、フェイトはアリシアではないって。プレシアさんが最後に行っていた研究は使い魔とは異なる、使い魔を超える人造生命の生成」

 

「人造・・・生命・・・」

 

「まさかフェイトは・・・・・・!」

 

「そうだよ、アルフ。プレシアさんがしていた研究は、死者蘇生の秘術。そして、その研究につけられた開発コードの名前が―――プロジェクトFate。通称、プロジェクトF」

 

「プロジェクト・・・F・・・」

 

 

『ええ、フェイトはプロジェクトFateの研究成果で生み出されたアリシアのクローン。よく調べたわね。そう、私の目的は、アリシアの蘇生。ただそれだけよ』

 

 

僕の言葉にプレシアが続く。

 

 

『だけどダメねちっとも上手くいかなかった。所詮作り物は作り物。アリシアの代わりにはならない。ただの偽物。贋作でしかないわ』

 

 

プレシアはモニター越しにフェイトに目を向けた。

僕はそれをじっと見つめる。

 

 

『失った者の代わりにはならないわ。アリシアはもっと優しく笑ってくれた。アリシアは時々我儘も言ったけど、私の言うことをよく聞いてくれた』

 

 

「やめて・・・」

 

なのはは小さく呟き、僕は眼を更に鋭くして拳を握る。

 

 

『アリシアはいつも私に優しかった・・・。フェイト、やっぱり貴女はアリシアの偽物よ。折角あげたアリシアの記憶も貴女じゃダメだった』

 

 

「やめて・・・やめてよ!」

 

 

『フェイト、貴女はアリシアを蘇らすまでの間、私が慰みに使うだけのお人形・・・。だからあなたはもう要らないわ。何処へと消えなさい!』

 

 

「お願いもうやめて!」

 

なのはは必死に叫ぶがプレシアさんは続けて言う。

プレシアさんは高らかに、不気味に笑いそして、言った。フェイトの心を折る言葉を。

 

 

『ふふふ、最後にいいことを教えてあげるわ。フェイト。貴女を作った時からずっと思っていたの。私は貴女が・・・大ッ嫌いだったのよ!』

 

 

「あっ・・・」

 

「フェイトちゃん!」

 

「フェイト!」

 

手からバルディシュが床に落ち、崩れ落ちたフェイトをなのはとアルフが両側から支える。僕はじっとプレシアさん見た。

 

「それがあなたの本心なのか!プレシア・テスタロッサ!」

 

さすがの僕も怒りは臨界点を突破していた。

 

「ふふふ、ははははははっ!」

 

プレシアさんはただ笑いアリシアの方を向いていた。

 

「リンディさん、武装局員の回収は」

 

「終わっているわ。何故?」

 

僕の質問にリンディさんは疑問顔を浮かべて答えた。

 

「僕をあそこに転送してください」

 

「まさか・・・零夜くん一人で!?」

 

「はい。ちょっとお話ししてきます。あの、自分に素直になれないあの人に!」

 

僕がそう言うと。

 

《Set up!》

 

僕の身体が光、次の瞬間にはバリアジャケットを纏った姿の僕がいた。

そのとき。

 

「どうしたの!?」

 

アースラに警報音が鳴り響いた。

リンディさんの声にエイミィさんが答えた。

 

「庭園内に魔力反応を複数確認、いずれもAクラス、数は・・・何これ!?100、150、どんどん増えていきます!」

 

「ジュエルシードの発動を確認!」

 

「しょ、小規模ながら次元震を確認しました。徐々にですが規模が大きくなっていきます!」

 

「まさか!」

 

 

クロノの声にスクリーンのプレシアさんが答えた。

そしてその近くにはリニスさんと、ポットに入ったアリシアが。

 

 

『そう、私たちは旅立つの。忘れられた都・・・アルハザードに!誰にも私たちの旅立ちの邪魔はさせないわ!』

 

 

「くっ!そうは行かせない!クロノ!」

 

「分かってる!エイミィ、ゲート開いて!」

 

「クロノくん!?零夜くん!?」

 

僕の言葉にクロノは瞬時に返し、転送ポートへと移動した。

 

「なのは、君はどうする」

 

「私は・・・」

 

「僕は行く。あの、自分に素直になれない人にお話ししに行くために!」

 

「零夜くん・・・」

 

「決めたんだ。この能力(魔法)を使い始めたときから・・・。もう、二度と僕みたいな人を出さないために」

 

「零夜くん・・・?」

 

「いや、なんでもないよ。どうする」

 

「もちろん・・・行くに決まってる!」

 

「僕も!」

 

なのはとユーノの言葉に僕は頷く。

 

「アルフ、フェイトをお願い。それとこれをフェイトに・・・」

 

「ああ。アタシもすぐに行く」

 

「わかった。リンディさん」

 

「ええ。私も現地に行きます。みんな気を付けて」

 

リンディさんの許可も得たことだし、僕たちはクロノと合流して、時の庭園へと転移した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時の庭園

 

 

 

時の庭園に転移した僕らを待ち構えていたのは、庭園内に配備された機械人形だった。

 

「クロノ、あれって只の機械人形で合ってる?」

 

「ああ。近づいてきた者を倒すためだけの機械人形だ」

 

「そう。なのは、ユーノ、クロノ、下がって・・・僕がやる」

 

「零夜!?確かに君の魔力はSSSだ。だが、幾らなんでも一人では無理だ!」

 

「―――クロノ、一つだけ言っておくね。僕は・・・・・・一度も本気を出したことないよ?」

 

「なに?」

 

「見せてあげる。僕の本気」

 

僕はそう言うとなのはたちから少し距離を取った。

 

「いくよ、レイ、ステラ、リンカ」

 

《もちろん!》

 

《何時でも往けますわ!》

 

《大丈夫だよ!》

 

「じゃあ、往くよ!リンカーネイト!レイオブホープ!ステラメモリー!リミッター解除!セットアップ」

 

()S()e()t() ()u()p()

 

次の瞬間、凄まじい魔力の嵐が吹き荒れた。

魔力嵐が収まると、リンカたちを展開した僕の姿が現れる。

 

「零夜・・・その姿は」

 

僕の姿を見てクロノが聞いてきた。

僕の今の姿は夜のような鮮やかな黒と白が織り混じったような感じのバリアジャケット姿だった。

 

「僕に施していたリミッターを解除して、リンカーネイトたちを同時展開したんだよ」

 

「み、三つのデバイスを同時展開!?」

 

「そう。じゃあ始めるよ」

 

クロノにそう言うと僕は機械人形たちの方へと歩きだした。

 

「リク・ラク・ヴィシュタル・ヴォシュタル・スキル・マギステル!契約に従い我に応えよ、闇と氷雪と永遠の女王、 咲きわたる氷の白薔薇、 眠れる永劫庭園、来れ永久の闇、永遠の氷河、氷れる雷をもて、魂なき人形を囚えよ、妙なる静謐、白薔薇咲き乱れる、永遠の牢獄」

 

静かに、僕は詠唱をする。

向かってきた機械人形は剣形態のリンカーネイトと、レイオブホープでソードスキルを使って幾重にも切り刻む。

そして、終の詠唱呪文を言い放つ。

 

「―――終わりなく白き九天(アペラントス・レウコス・ウラノス)!」

 

次の瞬間、僕を中心に氷と雷を纏った竜巻が起こる。

その竜巻は次々と、薔薇の茨見たいに機械人形に絡み付いていく。絡み付かれた機械人形は完全に身動きが取れなくなり、氷の中に閉じ込められた。

機械人形が閉じ込められたのをみた同種の別の機械人形は逃げようと慌てて走るが。

 

「無駄だよ」

 

蔓のように伸びた雷氷に捕まり呆気なく氷の中に閉じ込められた。そしてそのまま正面玄関の扉を破壊し、蔓を内部にも侵入させ、エントランスにいた機械人形を瞬時に氷の中に閉じ込めた。

 

「これで終わりだよ」

 

そして更に終の言葉を言った。

 

「―――終われ(ラスト・エンド)

 

そう言い放つと、氷の中に閉じ込められた全ての機械人形が爆散して碎け散った。そしてそれは、閉じ込めていた氷も同様で、キラキラと怪しく光る外灯に煌めいて散った。

 

「こんなところかな?」

 

そう言って後ろを振り向くと。

 

「「「・・・・・・・・・・」」」

 

唖然としていた三人が呆然と立っていた。

 

「今はじめて零夜が敵でなくて良かったと思うよ」

 

クロノの言葉になのはとユーノが瞬時にコクコクとうなずいた。

 

「???どうしたの?いくよ」

 

「あ、ああ」

 

「う、うん」

 

「わ、わかった」

 

僕の言葉にクロノたちは何処か怯えたような感じで答えた。

ホントなんでかな?

そう思っていると。

 

『零夜くん』

 

「アリシア」

 

目の前にアリシアが現れた。

もちろん、アリシアの姿は僕だけにしか見えていなく、僕はアリシアにだけに聞こえる声で返す。

 

『お願い零夜くん、お母さんを止めて!』

 

「わかってるよアリシア。そのつもりでここに来たんだから」

 

アリシアに返事を返しながら、僕はなのはたちと次々と迫り来る機械人形を破壊する。

 

「フェイトもアルフもプレシアさんもリニスさんも。もちろん、アリシアも助ける!」

 

僕は2体の機械人形をソードスキル《ホリゾンタル・スクエア》で斬り裂いて答える。

 

「僕はこんな結末を認めない!絶対に!」

 

魔法の射手を無詠唱で放ちながら両のデバイスで斬り裂いて僕はそう言った。

こんな悲しくて、虚しい結末を変えるために。

 

 

 

 

 

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