魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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名前と友達

 

~零夜side~

 

時の庭園が僕の魔法、【ディメンション・イクリプス・ゼロエミッション】で消滅したのをアースラからの映像で確認すると、リンディさんやエイミィさん、クロノたちと一緒にフェイトたちをアースラの医務室に運んだ。

 

「それじゃ、まずプレシアさんの病気を治しましょう」

 

医務室に全員が入ると、僕はさっそくそう言った。

 

「できるの零夜?」

 

フェイトが首をかしげて聞いてきた。

 

「うん。ステラ、スキャンして」

 

《わかりました》

 

僕はフェイトに軽くうなずくと、ステラをリニスさんに支えて貰いながら座っているプレシアさんに向けた。

そのまましばらく立ち。

 

《スキャン、完了しました》

 

ステラからそんな声が聞こえてきた。

 

「どう?」

 

僕が訪ねると。

 

《プレシア・テスタロッサさんの病気は肺ガン、ステージⅣ。全身に転移してますね。リニスさんの治療などが効を期していたのか、よく今まで動けたと思います》

 

「結論から言うと?」

 

《このまま治療を行わなかったら余命あと1ヶ月です。例えリニスさんが治療しようとしても変わらなかったでしょう》

 

「そ、そんな」

 

「フェイトちゃん」

 

ステラの結果にフェイトは動揺しなのははフェイトの側により、手を握る。

 

「零夜、キミは治せるのかい?」

 

クロノが心配した顔で聞いてきた。

 

「大丈夫。あと少し遅かったらダメだったと思うけど今なら・・・・・・」

 

僕はクロノにそう言うと、一枚のカードを取り出し、目を閉じて一言唱える。

 

「―――来たれ(アデアット)

 

カードが一瞬光り、僕以外のみんなは目元を手で覆った。

目を開けると、着ていた服が巫女服のような装飾に変わり、両手には神楽舞に使うような双方異なる扇子が一対握られていた。扇子はそれぞれ、木製の薄板を絹糸で束ねている扇子と紙製の扇面と扇骨を組んでいる扇子だ。

 

「―――コチノヒオウギ(フラーベルム・エウリー)ハエノスエヒロ(フラーベルム・アウストラーレ)

 

二つで一つの、回復系のアーティファクトを僕は召喚した。木製の薄板を絹糸で束ねている扇子がコチノヒオウギ。紙製の扇面と扇骨を組んでいんのがハエノスエヒロだ。

 

「さてと、今回はこっちのハエノスエヒロの出番だね」

 

状態異常を治すのに使うハエノスエヒロを掲げ、プレシアさんにハエノスエヒロを向けて詠唱しながら舞う。

その光景をなのはたちは静かに、見惚れるように眺める。実際使ってみるのは初めてだけどね。

舞いは2分ほどで終わった。

 

「えっと・・・・・・これで治ったの?」

 

「はい。ステラ」

 

プレシアさんの戸惑いに僕は答え、ステラにも確認をとる。

 

《確認しました。プレシア・テスタロッサさんのガン細胞は完全に除去、消失しています。問題ありません、完治しています》

 

「確かになんだか身体が軽いがするわ。今までの気怠さが嘘のよう」

 

「ほ、ほんと?」

 

「ええ」

 

「よかった!」

 

不安気な表情から一転、嬉しそうな表情になったフェイトはプレシアさんに抱き付いた。

 

「これでプレシアさんは大丈夫だね。あとアリシアだけど・・・・・・」

 

僕は視線をリンディさんに向ける。

視線を受けたリンディさんは少し苦笑気味な表情でうなずき返してくれた。

 

「リニスさん、アリシアをポットから出してください。あと、出来ればアリシアに服を着させてほしいです」

 

「わかりました」

 

ポットの中のアリシアは産まれたままの姿のため服を着させてベットの上に横たわらせる。

 

「さてとアリシア、準備はいい?」

 

『ええ。けど、本当に出来るの?』

 

「大丈夫、僕を信じて」

 

『うん。零夜くんを信じるよ』

 

僕は生身の体を前に、横に浮かんでいるアリシアに声を掛ける。

意識を集中させて一つの武器を喚び出す。

 

「―――時律の双銃(クロノス・デュオピストリス)

 

両手に黒と白銀の銃が現れた。

僕は右手に持つ白銀の銃をアリシアに向けて弾丸を放つ。

放たれた弾丸はアリシアに当たると、アリシアを傷付けること消えた。

僕が射った弾丸はアリシアの肉体の成長促進。つまり、肉体の年齢をフェイトと同じ年齢にしたのだ。

アリシアの肉体がフェイトと同じくらいに成長したのを確認した僕は双銃を懐のホルスターにしまい息を吐く。

 

「ふぅ・・・・・・来たれ」

 

意識を集中させて一つの武器の名前を告げる。

 

「―――天生牙」

 

目映い輝きを以て現れたのは1本の黒革の鞘に収まっている流麗な刀。

 

「天生牙は癒やしの刀。たとえ武器として振るう時も、命の重さを知り、慈悲の心を持って、敵を葬らねばならぬ。それが百の命を救い、敵を冥道に送る、天生牙を持つ者の資格」

 

僕は静かに言う。

そして、腰に差した天生牙の鍔を握りしめ、静かに抜き放つ。抜き放たれた刀身は細く銀色の刀色はキラリと部屋の明かりが反射する。

天生牙に魔力を流しアリシアを見る。

 

「(いた)」

 

アリシアの身体の側には不気味な悪魔のような鬼みたいな妖怪らしきものがいた。

 

「(あの世からの使い・・・。プレシアさんがアリシアの遺体を綺麗に保存してくれていたお陰もあるけど、アリシアの霊体がここにあるからかまだ連れ去られてない。けど、何時までも連れ去られないと言うわけでもないからね)」

 

僕は静かに天生牙を構え、アリシアの側にいるあの世からの使いの邪鬼5匹を見据え、刀身にクリアブルーのエフェクトが煌めかせる。

 

「(消えろ。アリシアに近寄るな)」

 

静かに2回切り払う。

あの世からの使いを切り裂き、天生牙を鞘に納刀する。

 

「ふう・・・・・・」

 

集中していた意識を止め、アリシアに近寄る。

 

「アリシア」

 

僕はアリシアの名を呼ぶ。

 

「ん・・・んん・・・・・・」

 

呼ぶとアリシアは静かに身動きと声を出して起き上がった。

 

「アリ・・・シア・・・・・・?」

 

プレシアさんが上体を起こしたアリシアに恐る恐る声をかける。

アリシアはプレシアさんに顔を向けて笑顔で声を発した。

 

「おはよう・・・・・・ううん、久し振りお母さん」

 

「っ・・・・・・!アリシア!」

 

プレシアさんは泣きながらアリシアを抱き締めた。

アリシアもプレシアさんを抱き返して、フェイトとアルフ、リニスさんを見る。

 

「リニス、久し振り。アルフははじめましてだよね。そしてフェイトも・・・・・・」

 

「お姉ちゃん・・・」

 

「アリシア・・・」

 

フェイトとリニスさんは涙を流しながらアリシアに近寄り、プレシアさんと同じように抱き締めた。アルフも近寄りながらも抱き締めはしないが嬉しそうに泣いていた。

 

「よかった・・・よかったよ」

 

「うん」

 

泣きながらいうなのはに僕も貰い泣きをしたみたいで目元が濡れた。

 

「あとはプレシアさん」

 

「なにかしら?」

 

「ちょっとその場を動かないでくださいね」

 

「?ええ」

 

僕の言葉にプレシアさんは疑問顔を浮かばせながらも動かないでくれた。

僕はホルスターから双銃を取り出し、アリシアに向けて射った白銀の銃ではなく、左手の黒の銃を向けて弾丸を放つ。

放たれた弾丸はアリシアと同じように、プレシアさんを傷付けることなく虚空に消えた。

すると次の瞬間、プレシアさんの肌が健康そうになり、若返ったかのようになった。まあ、実際若返っているのだが。

僕がプレシアさんに射った弾丸は時間遡行の弾丸。射った相手の時間を戻すということだ。簡単にいうと、プレシアさんの元の年齢から、リンディさんと同じくらいの30歳後半くらいまでの年齢に戻したということだ。

これからフェイトやアリシアと暮らすんだから、できるだけ長く一緒にいてほしいからね。

 

「終わりっと」

 

僕は双銃と天生牙をしまい、息を吐いた。

息を吐いた瞬間、僕の身体に凄まじい疲労感と脱力感が訪れた。

まあ、当然だね。時の庭園内でかなり魔法連発したし最上級の魔法も放ったし、今もかなり魔力を喰らわれたからね。

僕がそう判断していると、不意に眩暈が訪れた。

 

「零夜くん!」

 

「お、おい零夜!」

 

両隣をなのはとクロノが慌てて支えてくれたお陰で、地面に倒れることはなかった。

 

「ごめん、さすがに疲れたよ・・・・・・」

 

「え!?ちょっ!?れ、零夜くん!?」

 

僕は一言そう言うと、深い眠りに落ちた。

 

~零夜side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~なのはside~

 

「え!?ちょっ!?れ、零夜くん!?」

 

私とクロノ君に支えられながら、零夜くんは力が抜けたように意識を失った。

 

「お、おい、零夜!?」

 

反対側のクロノ君も心配して零夜くんに声をかけ呼び掛ける。

すると。

 

《安心してください。マスター零夜は眠りについているだけです》

 

突如部屋の中にそんな声が響き渡った。

声の主は零夜くんが身に付けてるペンダントからだった。そして他にも。

 

《さすがにあんなに魔力を使ったら零夜くんでも疲れるよ~》

 

《さすがに今回は事情が事情ですかからね》

 

残り二つのネックレスとブレスレットからも声が聞こえてきた。

 

「あなたたちは・・・零夜君のデバイスかしら?」

 

リンディさんが訊ねると。

 

《ええ。私の名前はリンカーネイトです》

 

《わたしはレイオブホープだよ》

 

《わたくしはステラメモリーです》

 

デバイスたちは何故か分からないが人みたいに流暢に挨拶をしてくれた。

 

「ちなみに眠りについているのは・・・・・・」

 

《はい、時の庭園内での上位クラス並の魔法の連発。さらに最上位クラスの魔法や質量消滅魔法。そして、プレシアさんの治療とアリシアの蘇生と二人の時間遡行と促進。さすがにここまでするといくら零夜くんでも疲労困憊になります》

 

《そこにわたしたちと自分のリミッターも解除したからね~》

 

『『『『『・・・・・・・・・・』』』』』

 

えっと・・・、リンカーネイトさんとレイオブホープさんが然り気無くとんでもなくすごいこと言っていた気もするんだけど・・・・・・。

私はそう思いながらユーノ君やクロノ君を見る。二人は驚きを通り越して驚愕?なのかな。そんな表情をしていた。よく見るとアリシアちゃんと私以外のその場の全員が口を開けてあんぐり状態だった。

 

「つ、つまり零夜くんは魔力の使いすぎで寝てるってこと?」

 

《はい》

 

「そ、そうなの」

 

私の問いに即答したリンカーネイトさんに私はなんとも言えなかった。

 

「そ、それじゃあプレシアさんたちの事情聴取をしちゃいましょうか」

 

「え、ええ」

 

大人のリンディさんとプレシアさんも言葉の端切れが悪かった。

そのあと、目覚めたばかりのアリシアちゃんと、その看護のリニスさん。そして零夜くんを医務室に寝かせて、フェイトちゃんとアルフさん、プレシアさんはリンディさんとクロノ君、エイミィさんと一緒に別室に、私とユーノ君は自由に過ごしてもいいとのことだった。

そして零夜くんが起きたのは翌日のことだった。

 

~なのはside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~零夜side~

 

 

 

プレシアさんの起こした事件の解決から数日が経った。

あのあと、僕が寝ている間、プレシアさんを主として事情聴取をリンディさんたちが行ったらしい。その際に僕が調べ、エイミィさんが管理局本局からのデータを見極めて、プレシアさんの事件についてのことも聞いたらしい。しかし管理局のデータは大半が改竄されたデータになっておりこれに対してのプレシアさんの容疑晴れは難しいとされていた。だが、その状況を大きく引っくり返したのが僕が調べあげた情報だった。その情報を見たプレシアさんは驚きながらも合っていると断言したそうだ。そして、そこにプレシアさん自身のその際のことが事細かに書き込まれた資料や元の同僚の証言も役に立ち、結果として『アレクトロ社』は事実上の解散。倒産した。さらに今回のことに加担した管理局上層部数十名が逮捕、検挙された。アレクトロ社と検挙された管理局上層部はプレシアさんらに多額の賠償金を支払い、プレシアさんの駆動炉実験の冤罪は見事に晴れたのだった。

そして、今回の事件のことだがフェイトとアルフはプレシアさんの証言でただ言われたままに集めていたこともあり保護観察処分となった。アリシアに関しては特になく、アリシア蘇生に関してはアースラ全乗務員に箝口令がリンディさんによって敷かれた。報告書にはアリシアは死亡ではなく、植物状態での昏睡として書かれ、僕のレアスキルによって昏睡から目覚めたと書かれた。その際、僕のレアスキルに関しては重要機密となったらしい。リニスさんはフェイトとアルフ同様、主であるプレシアさんの指示にしたがったということでフェイトとアルフと同じように保護観察処分だ。そして、プレシアさんに関しては予想外にも罪が大きく減刑され、保護観察処分となった。主な理由としては、ジュエルシード暴走に関しては不十分管理として厳重注意として処理され、アースラの武装局員攻撃に関しては、後ろにアリシアがいるのにも関わらず先に武装局員が攻撃したこともあり、親が自分の子供を守るというのは当然だという理由から正当防衛が成立した。ちなみに、この時攻撃した武装局員は後程、アースラでアリシアさんとプレシアさんに謝罪をしたそうだ。なんでも自分も同い年の子供がいるのだとかで、自分のした行動が同じ親としてしてはならないと悟ったからということだ。

その他、冤罪事件のことなど諸々から刑が大きく減刑されたのだ。

そして、今回の事件の発端となったジュエルシードに関しては厳重に封印を施した上に本局に移送された。結果として、ユーノがしようとしたことがちゃんとなされたのだ。

この事から、今回の事件は後の歴史にJ・S(ジュエルシード)事件として記録される事となった。

現在テスタロッサ家5人はアースラで生活している。一応裁判があるらしく、その為だ。アリシアは基本は医務室でエイミィさんとリニスさんの検査を受けている。何年も寝たきりで、起きたのだから身体に異常がないのか調べるためだそうだ。だが、アースラでできる検査も限られるらしく、ミッドチルダに着き次第、本局の治療室、もしくはミッドチルダの本局の病院に移送される予定らしい。フェイトはクロノやアルフと仲良く過ごしているらしい。まあ、同年代の友達がいなかったフェイトにとっては嬉しいのだろう。それはもちろんクロノもみたいだ。そして、プレシアさんはリンディさんと一緒に裁判に必要な書類を日夜作成しているらしい。

まあ、なにかと大雑把な気がするけど、僕としてはフェイトたちが嬉しそうに過ごせるのならそれでいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アースラから海鳴市に戻ってきて数日。

僕となのはは何気ない日常を過ごしていた。はやての家に行き、終わったことを伝えるとはやては満面の笑みを浮かべて車椅子に座って僕に抱きついてきた。まあ、そのあとがいろいろと大変だったけど。

とまあ、こんな日が過ぎていったある日・・・・・・

 

 

 

 

 

海鳴臨海公園

 

 

 

僕となのはは海鳴臨海公園に来ていた。

理由は、今日フェイトたちが本局へと向かうからと、フェイトとアリシアが会いたいと懇願したからだそうだ。

臨海公園に着くと、フェイトと車椅子に座っているアリシアの姿があった。そして少し離れたところにはクロノやプレシアさん、リニスさん、アルフの姿が。

 

「久し振りだねクロノ」

 

「ああ。君も元気そうだね」

 

「まあね」

 

「僕たちは少し離れているから四人で話すといいよ」

 

「ありがとう、クロノ」

 

「構わないさ」

 

クロノはそう言うと、プレシアさんたちと一緒に近くの東屋まで下がった。よく見るとそこにはフェレット姿のユーノがいた。

 

「なんだかいっぱいフェイトちゃんと話したいことあったのに・・・変だね。フェイトちゃんの顔を見たら忘れちゃった」

 

「私は・・・そうだね。私もうまく言葉にできない。だけど嬉しかった。真直ぐに向き合ってくれて」

 

なのはとフェイトは海が見える場所で手摺に手を置いて並んで話している。僕はその隣で同じように手を掛けて海風に吹かれながら聞く。

 

「うん。友達になれたらいいなって思ったの。でも・・・今日はもう、これから行っちゃうんだよね?」

 

「うん、そうだね。なのはと零夜達のおかげで罪は凄く軽くなったけど・・・・・・少し長くなる」

 

「また会えるよね?」

 

「うん、大丈夫。やっと...本当の自分を始められるから」

 

フェイトははっきりとなのはに断言し、それを聞きなのはは微笑みかえした。

 

「今日来てもらったのは、返事をするため」

 

「え?」

 

「君が言ってくれた言葉『友達になりたいって』って・・・」

 

「あ・・・うん!」

 

「もしかしてなのは・・・忘れていたり・・・・・・」

 

「そ、そんなことないよ!・・・・・・たぶん・・・」

 

「ふふ。私にできるなら、私でいいならって・・・だけど分からない。私にはアルフ以外に友達がいなかったから。リニスは先生って感じだから友達じゃなかったし。だから教えてほしんだ。どうやったら友達になれるか」

 

「簡単だよフェイト」

 

「うん。とても簡単。友達になるのはすごく簡単。名前を呼んで・・・初めはそれだけでいいの。君とか、あなたとかそう言うのじゃなくて、ちゃんと相手の目を見て、はっきりと相手の名前を呼ぶの。全部はそこから始まるの」

 

「名前」

 

「うん。じゃあ、フェイトちゃん。私、高町なのは。なのはだよ」

 

「・・・なのは」

 

「うん」

 

「なのは」

 

「うん!」

 

「なのは!」

 

「うん!」

 

なのはは嬉しくなり、その目から涙があふれ出す。

隣に車椅子に座っているアリシアも嬉しいのか涙が出ていた。

 

「よかった。フェイトに友達ができて」

 

「そうだね」

 

「少し分かったことがある。友達が泣いていると・・・・・・同じように自分も悲しいんだ」

 

「フェイトちゃん!」

 

なのはは感極まったかのようにフェイトに抱きつく。フェイトは優しくなのはを抱きしめた。

 

「ありがとうなのは。今は離れてしまうけど、きっとまた会える。そうしたら・・・また君の名前・・・呼んでもいい?」

 

「うん!うん!」

 

なのはの嬉しそうな表情に僕もそっと笑みを浮かべ空を見上げた。

 

「僕にも守ることができたよ。愛奈美お姉ちゃん、華蓮」

 

そっと静かに、誰にも聞かれることのないように僕は名前を呼んだ。前世での僕の大切なお姉ちゃんと、幼馴染みを。

 

「零夜?」

 

「ううん。なんでもないよアリシア」

 

「そう?ならいいんだけど」

 

アリシアは不思議半分心配半分な表情で聞いてきた。

 

「アリシアはフェイトとなのはの会話に混ざらなくていいの?」

 

「いいの?っていうか私まだ目覚めたばかりだからなのはさんのことも知らないんだよね。フェイトがよく話してるから大体はわかるのだけど」

 

「あはは。なるほどね」

 

アリシアと何気無いそんな会話をしていると。

 

「零夜」

 

なのはと話していたフェイトが声をかけてきた。

 

「どうしたの?」

 

「ありがとう零夜。零夜のお陰で母さんと仲直りできた。アリシアお姉ちゃんとも、リニスとも一緒にいられる」

 

「そんなことないよ。僕はただ手伝っただけ。決め手となったのはフェイトだから」

 

「そんなこと・・・!」

 

「ふふ。大切にしてね。今いる時間は決して、もう一度過ごせる訳じゃない。過去ではなく、未来へと僕らは進んでいるんだから」

 

「うん。わかった」

 

「わかった!」

 

「うん!」

 

「なのはまで返事しなくても・・・」

 

苦笑いで返事をするフェイト、アリシア、なのはを見る。

すると。

 

「すまないがそろそろ時間だ」

 

「もうそんな時間なんだ」

 

クロノが申し訳なさそうにやって来た。

 

「ごめんクロノ、あとちょっと待ってて」

 

「わかった」

 

僕はクロノからもう少しだけ時間をもらい、なのはと僕、フェイトとアリシアの2対2に並ぶ。

 

「フェイトちゃん」

 

なのはは自分の髪を縛っている白いリボンを手解き、フェイトに渡した。それをみたフェイトも同じように髪を縛っていた黒い紐をほどいて、なのはの白いリボンと交換した。

 

「僕からはこれを」

 

僕はフェイトに黒と金のブレスレットをアリシアに白と水色のブレスレットをそれぞれ渡した。

 

「お守り、また会えるように」

 

僕の右腕には蒼色と緋色の織り混じったお揃いのブレスレットが、そしてなのはの右腕にも白とピンクのブレスレットを着けていた。

僕は目尻に涙を少しだけ浮かべて言った。

そのあと、僕たち四人はリニスさんに写真を撮ってもらい、後日報告書と共に送ってもらうことにして、フェイトとアリシアから数歩離れた。

 

「ありがとう零夜君。あなたのお陰でアリシアともフェイトともまた一緒に過ごせるわ」

 

「ありがとうございました、零夜さん、なのはさん」

 

「今までありがとな二人とも」

 

プレシアさん、リニスさん、アルフの順にお礼を言われ、

 

「またね、零夜、なのは」

 

「また会おうね、零夜くん、なのはさん」

 

フェイトとアリシアが満面の笑みで手を振って言った。

 

「うん。またねフェイトちゃん、アリシアちゃん」

 

「また、会おうね。フェイト、アリシア」

 

そう言うと、クロノとユーノたちはその場から転移していなくなった。

 

「それじゃ、帰ろうかなのは。僕たちの日常に」

 

「うん!また、フェイトちゃんとアリシアちゃんに会う日まで!」

 

僕たちはそのまま臨海公園をあとにし、帰路についた。

 

 

~零夜side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~アマテラスside~

 

 

「予想通り、零夜くんが変えてくれましたね。原作の時間線からIFへと」

 

目の前にある鏡に映し出されている映像をみてわたしは言った。

 

「それに見ていても零夜くんは面白いです。だからこそ、わたしは零夜くんに肩入れするのかもしれませんね」

 

鏡に映る映像を保存して、東屋から出て広がる花畑を見渡す。

 

「一度、零夜くんに会いに行きましょう。本当なら駄目なんですけど、零夜くんの心は始めてみたときとあまり変わってませんからね。心配もありますけど」

 

もし、わたしのこの姿を他の神が見たら親バカではないかと苦笑いで聞くだろう。

わたしはそう思いながら東屋からで本殿の居へと移動した。

 

 

 

 

 

 




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