魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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再戦

 

~零夜side~

 

 

 

 時空管理局本局 技術室

 

 

 

時空管理局で改修メンテナンス中のレイジングハートとバルディシュを見に来た僕は、一緒にメンテナンスしているリニスさんとマリーさんとともに浮かんでいるモニターウインドウを見て動きを止めていた。

 

「・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「レイジングハート・・・・・・バルディシュ・・・・・・二人とも本気?」

 

 

 

System check damages...All clear.(破損箇所システムチェック・・・問題なし)

 

Functions diagnostics...Problem detected.(機能問題点・・・問題あり)

 

 

 

「確かにね、修理については全面的に任せるって言ってもらっている。だけどこれは、いくらなんでも ・・・・・・・」

 

「二人とも無謀すぎます」

 

マリーさんとリニスさんは不安げにモニターに表示されている文を見た。そこには―――

 

 

 

A serious problem has arisen in functions.(機能に重要な問題点が発生しています)Please insert systems including "CVK792"(問題点解決のための部品CVK792を) component to eliminate problem.(含むシステムを組み込んでください)

 

 

 

と表示されていた。

 

「"CVK792"・・・ベルカ式カートリッジシステム・・・・・・」

 

"CVK792"ベルカ式カートリッジシステム。それはシグナムやヴィータがデバイスに組み込んでいるシステムだ。

本来ならレイジングハートやバルディシュのようなインテリジェントデバイスに組み込むようなものではないが・・・・・・。そもそも、ベルカ式カートリッジシステムはベルカ式に対応したシステム。なのはやフェイトのようなミッド式に使うとなると・・・・・・・・。

 

「レイジングハート、バルディシュ。本気なんだね」

 

僕の問いかけに二人は。

 

 

 

『『Please(お願いします)』』

 

 

 

そう自分の意思を表していた。

 

「マリーさん、CVK792のシステムデータを見せてください。なのはとフェイトに影響が無いように手を加えます」

 

「いいけど・・・・・・出来るの?」

 

「一応やってみます。それと、予備のCVK792のカートリッジを幾つかくれますか?」

 

「え?」

 

「零夜さん、まさか・・・・・・」

 

リニスさんが顔を青くして言った。どうやら僕の考えていることが分かったみたいだ。

 

「ええ。僕も・・・・・・CVK792。ベルカ式カートリッジシステムを使います」

 

僕はそう言って5日前の凛華たちとの会話を思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 5日前 天ノ宮家

 

 

「え、え~と、もう一度お願い」

 

僕は凛華たちと夕飯を済ませたあと、リビングでお風呂上がりの凛華、澪奈、星夜から真剣な眼差しで言われた。

 

「零夜くん、私たちにベルカ式カートリッジシステムを組み込んでください」

 

「・・・・・・・・・・本気?」

 

僕はかなり驚きながら聞いた。

 

「本気です!」

 

「本気だよ!」

 

「本気ですわ!」

 

「一応聞くけど理由は・・・・・・」

 

僕がひきつった笑みを浮かべながら訪ねると。

 

「「「零夜(くん)の力になりたいから(です)(ですわ)!」」」

 

と、三人同時に返してきた。

さすがにこれには僕も引いた。

 

「あー・・・えーと・・・ちょっとまってて」

 

僕はそう言うとスマホを取り出してある人物へと電話を掛ける。その相手とは―――

 

 

『もしもし。どうしました零夜くん?』

 

「夜分遅くにごめんなさい、アマテラスさん」

 

『零夜くん、私のことはアマテラスではなく明莉お姉ちゃんでお願いします』

 

「あ、うん。ごめん明莉お姉ちゃん」

 

『はい♪』

 

 

僕のお姉ちゃんの一人。アマテラスお姉ちゃんこと、明莉お姉ちゃんだ。

 

「え~と、実はね・・・・・・」

 

僕は凛華たちを改造しても大丈夫か訊ねた。

凛華たちを創ったのは僕ではなく、明莉お姉ちゃんだからだ。

で、一応凛華たちにも明莉お姉ちゃんと会話して数分。

あ、ちなみに通話はスマホを媒介にしたテレビ電話です。

 

『なるほど~・・・・・・いいと思いますよ』

 

「え、あ、いいの?」

 

『ええ。それに凛華ちゃんたちはもう零夜くん専用のデバイスなんですから私に確認しなくても大丈夫ですよ』

 

「え~と、一応、明莉お姉ちゃんが創ったから確認しておきたくて・・・・・・」

 

僕は顔を少し赤らめて明莉お姉ちゃんに言う。

 

『そ、そうなんですね・・・・・・・///』

 

対する明莉お姉ちゃんも顔を真っ赤にしてもじもじとして返してきた。

 

「明莉お姉ちゃん?大丈夫、顔真っ赤だよ?」

 

『だ、大丈夫ですよ零夜くん!』

 

「お姉ちゃんがそう言うなら・・・・・・」

 

『あ!そうそう、零夜くん。改造、についてなんですが・・・・・・』

 

「あ、うん」

 

話題を逸らすように言ってきた明莉お姉ちゃんに返事を返して。

 

『デバイス。凛華ちゃん、澪奈ちゃん、星夜ちゃんは大丈夫ですけど、特殊固有武装(アーティファクト)は改造できないので注意してくださいね』

 

「わかりました」

 

『それと、あまり無茶をしないようにお願いしますね。ガブリエルたち・・・・・・じゃなくて翼たちが心配しますから。もちろん、私も心配するので気を付けてください』

 

「うん。ありがとう明莉お姉ちゃん。翼お姉ちゃんたちにも伝えてくれる?」

 

『ええ。それじゃあ、また近いうちにみんなで零夜くんの家に遊びに行きますね♪』

 

「うん。待ってるね」

 

僕はそう言うと明莉お姉ちゃんに手を振って、通話を止めた。

通話を終えた僕は凛華たちの方を向き。

 

「え~と、明莉お姉ちゃんから許可が貰えたので凛華たちの案を取り入れるね」

 

そう言うと、凛華たちはパアッ、と表情を明るくした。

 

「「「やった!」」」

 

「ただし!」

 

喜ぶ凛華たちに僕はちょっとだけ、声の音を上げて言う。

 

「三人になにか以上があったらすぐに外すからね!もちろん、出来る限り三人に負荷はかけないようにするけど」

 

「はい!」

 

「うん!」

 

「わかりました!」

 

凛華たちの返事を聞き、僕は苦笑しながら今は材料が無いため、今度リニスさん辺りに聞いてもらえたらやると言うことを伝えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今  天ノ宮家地下メンテナンスルーム

 

 

 

マリーさんからCVK792、ベルカ式カートリッジシステムのシステムデータとなのはとフェイトの稼働データなど諸々のデータを受け取った僕は、自宅の地下メンテナンスルームで二人にあった波長にカートリッジシステムを星夜に手伝ってもらいながら組み上げていた。

 

「星夜ごめん、助かるよ」

 

「いえ、私は元々支援系が得意ですから」

 

僕のデバイスは凛華は万能型、澪奈は近接型、星夜は支援型だ。そして星夜の得意分野は情報収集などシステム関係だ。

僕も一応翼お姉ちゃんからこういうメンテナンスなどは教えてもらっている。だから凛華たちのメンテナンスは僕が行っているのだ。

 

「零夜くん、なのはちゃんとフェイトちゃんのデータ整理終わりました」

 

「ありがとう星夜。あとはこのデータにカートリッジシステムと同期させて・・・・・・」

 

端末を操作してしばらくして。

 

「んんー・・・・・・終わった~」

 

なのはとフェイトのが終わり伸びをして凛華が淹れてくれたココアをのんだ。隣では星夜が同じようにココアを飲んでいた。さすがに頭を使ったため凛華が気を使ってくれたのだろう。

 

「なのはのはCVK792-A。オートマチック、マガジンタイプ。フェイトのはCVK792-R。リボルバータイプだね。あとはこれをマリーさんとリニスさんに送れば・・・・・」

 

僕は管理局本局技術室へと、このデータを送った。あとはマリーさんとリニスさんがやってくれるはずだ。

 

「あとは凛華たちだね」

 

「はい!」

 

そう言うと、星夜は嬉しそうに返してデバイスの待機形態へとなった。

 

「凛華と澪奈のはもうあるから、早く終わらせよう」

 

僕はカートリッジシステムを自分のデータと同期させて凛華たちにインストールする。

 

「三人ともカートリッジのタイプはオートマチックタイプだね」

 

僕はそう判断するとオートマチックタイプのカートリッジを再入し、適切なサイズへと変える。

結果的として、デバイス内でも凛華たちが手伝ってくれたため二時間ほどで終わった。

 

「終わった~。凛華、澪奈、星夜、調子はどう?違和感とかある?」

 

僕は伸びをして人形になって凛華が淹れてくれたハーブティーを飲んで聞いた。

 

「いえ、ですけど前より処理システムが上がったのと効率が上がったのを感じます」

 

「うん。わたしも」

 

「ええ。零夜くんの魔力波長とリンクしてるからかと」

 

「そう?ならよかった~。それと新しい形態も組み込んだんだけど・・・・・・」

 

僕はそこで意地の悪い笑みを浮かべて凛華たちに言った。僕の言葉に凛華はやや呆れ顔を、澪奈は嬉しそうに跳び跳ねて、星夜は苦笑を浮かべていた。

そして数日後。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後 時空管理局技術室

 

 

「いやー、なんとかまにあってよかったよ~」

 

「ま、マリーさん?大丈夫ですか・・・・・・?」

 

「大丈夫、大丈夫」

 

「「いやいや、絶対大丈夫じゃないでしょ(です)!!」」

 

僕とリニスさんはマリーさんの大丈夫に即刻ツッコんだ。目の下に隈はあるし髪はボサボサ。どう考えても一日二日徹夜しただけじゃないね!?

 

「リニスさん?」

 

「私もさすがにあそこまでやるとは・・・・・・」

 

「ああ・・・・・・」

 

リニスさんの本気で驚いた目でマリーさんを見る視線に意図が分かった僕は乾いた笑みを浮かべた。

その間になのはとフェイトは愛機のレイジングハートとバルディシュと挨拶していた。

そのとき。

 

 

『あ、フェイト』

 

 

ウインドウが開いてアルフとアリシアが映った。

 

「アルフ?それにお姉ちゃん?どうしたの?」

 

 

『実は今日、リンディさんとお出掛けする予定だったんだけど、まだリンディさん来てないんだ。約束の時間はとうに過ぎてるのに』

 

 

アリシアがそういい終えるのと同時に。

 

 

『当該区域で結界を確認!この術式は・・・・・・エンシェント・ベルカ!』

 

 

アラーム音とともにアースラ観測班のアレックスさんの声が響いた。

 

「(当該区域で・・・・・・って、まさか海鳴市?!)」

 

僕はアレックスさんの放送を聞きながらそう思考する。

 

「なのは!フェイト!出撃だ、いくよ!」

 

「うん!」

 

「わかった!」

 

「アリシアとアルフは急いでこっちに帰ってきて!」

 

 

『わかった!』

 

 

そう言うと継っていたウインドウが閉じた。

 

「二人とも、いきなり実戦だけど大丈夫?」

 

「問題ないよ!」

 

「うん。大丈夫!」

 

なのはとフェイトの頼もしい声を聞き、僕らは技術室から転移装置のところに行き、海鳴市。封絶結界が展開されてる場所の上空へと転移した。

上空に転移し風を浴びながら僕らは封絶結界へと向かっていく。その中、なのはとフェイトはレイジングハートとバルディシュと話していた。

 

「ごめんね、レイジングハート。いきなり本番で 」

 

All right. That's what I'm here for.(オーライ。そのための私です)

 

「バルディッシュも 」

 

《 No problem. 》

 

This is the first launch of the new system.(新システムの初起動です)Requesting a renewed activation call.(新たな名で起動コールを)

 

レイジングハートに言われ、なのはとフェイトは新しいレイジングハートとバルディシュの起動名を呼んだ。

 

「うん。レイジングハートエクセリオン! 」

 

「 バルディッシュアサルト! 」

 

「「セーットアーップ!」」

 

「それじゃあ僕らもいこうか、リンカーネイト」

 

《はい》

 

「リンカーネイト!セーットアーップ!」

 

僕はなのはとフェイトに続いて凛華を展開してバリアジャケットを身に纏う。

 

「どう?機能面に問題はある?」

 

《大丈夫です。問題ないですよ》

 

僕は凛華にそう聞き通常形態のまま、なのはとフェイトとともにシャマルの張ったと思わしき封絶結界の内部へと強引に侵入する。

 

「(さて・・・・・・リンディさんは・・・・・・と)」

 

内部に入った僕はなのはとフェイトと分かれ、結界内にいるリンディさんを捜した。

 

「いた。なのはとフェイトはあの騎士たちと再戦するんでしょ?」

 

「うん」

 

「もちろん」

 

「あまり無理しないでね」

 

僕はそう言うとなのはとフェイトから離れ、リンディさんがいる建物に着地する。

 

「大丈夫ですかリンディさん」

 

「ええ。大丈夫よ」

 

少し服が埃被っているが、特に目立った外傷は無いようだ。

リンディさんの様子を軽く見て、空に浮かんでいるヴィータやシグナムたちを見る。

 

「あいつらっ・・・・・・!」

 

ヴィータの視線の先には、レイジングハートエクセリオンとバルディシュアサルトを構えたなのはとフェイトがいた。

 

 

Activation... Normal.(起動状態・・・異常なし)

 

Cartridge unit, functioning normally.(カートリッジユニット、動作正常)

 

 

レイジングハートとバルディシュはなのはとフェイトに問題ないことを伝えた。

そこに、二人を見たシグナムが。

 

「二人とももう魔力が回復したのか。呆れた回復速度だな」

 

やや呆れたように言った。

そしてその少し離れたところにいるザフィーラにはアルフがいつもの戦闘スタイルで相対した。

 

「アルフがいるってことは・・・・・・」

 

僕がそう呟くと同時に後ろからアリシアの声がした。

 

「零夜~!」

 

「アリシア、やっぱりいたんだね」

 

「うん」

 

後ろを振り向くと、案の定アリシアがリンディさんといた。

 

「リンディさんそこでじっとしていてください。アリシアも」

 

「ええ、わかったわ」

 

「うん」

 

僕はリンディさんとアリシアに簡易的な魔力障壁を張り、視線をなのはたちに向ける。

 

「なんだろうと関係ねぇ!邪魔する気なら、ぶっ叩く!」

 

「フェイトちゃん」

 

「うん」

 

ヴィータの声を合図に、なのはとフェイトは互いにうなずき、なのははヴィータと、フェイトはシグナムと闘いを始めた。

なのはとヴィータの方の闘いに視線を向ける。

最初の衝突として、なのはのレイジングハートとヴィータのグラーフアイゼンがぶつかっていた。

 

「私たち闘いに来た訳じゃないの。話を聞きたいの!」

 

「笑わせんな!やる気の新型武装をぶら下げて言うことかよ!」

 

「この間も今日もいきなり襲い掛かってきた子がそれを言う?!」

 

なのはとヴィータは鍔迫り合いをしながら会話をしていた。鍔迫り合いからやがて二人は大きく距離をとる。

 

「こっちはもうテメエに用はねーんだ! 」

 

《Explosion! 》

 

ヴィータのグラーフアイゼンがカートリッジをロードしジェットハンマーのような形に姿を変えなのはに迫った。

 

「これでも食らって、おとなしく寝てろ!」

 

対するなのはは近場のビルの屋上に降り、足元にピンク色の魔方陣を展開させた。

 

「レイジングハート! 」

 

Commencing cartridge load.(カートリッジロード、行きます)

 

レイジングハートのデバイス音とともに、レイジングハートからカートリッジの空薬莢が排出された。

 

「はああああっ!」

 

迫り来るヴィータの攻撃を、なのはは右手を中心に出した防御魔方陣を展開させて、ヴィータのグラーフアイゼンを防ぐ。

 

「堅ぇ・・・・・・」

 

ヴィータのグラーフアイゼンをなのはは見事に防いでいた。

 

「簡単に倒されちゃうわけにはいかないから! 」

 

「このヤロウ! 」

 

「スマッシャー! 」

 

ヴィータが出した鉄球をなのははレイジングハートをぶつけて防ぐ。

その余波で、二人のいた建物から爆発が起こった。

その爆煙と同時に二人は空に上がり、互いに距離をとる。

なのはがヴィータを探している間、ヴィータは鉄球を自分の周囲に出していた。

おくれてなのはがヴィータを見付けると。

 

「このぉ・・・・・・ぶっ飛べー! 」

 

ヴィータがグラーフアイゼンで鉄球をぶつけ、なのはに向けてものすごい早さで鉄球を跳ばす。

対するなのはは落ち着いて、カートリッジを二発ロードし自分の周囲にピンクの魔力弾をだす。

 

《Accel shooter》

 

「アクセル・・・・・・シュート!」

 

なのはの声とともに、なのはのアクセルシュートがヴィータの射った鉄球が互いの中央でぶつかり、連鎖爆発を起こした。

 

「ほんとにお話を聞かせてもらいたいだけなの」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「帽子のことも、謝りたいと思ってたの」

 

「ぁ・・・・・・・・」

 

なのはの帽子と言う単語にヴィータの眉が少し動いたところを見た。

 

「(帽子?・・・・・・・・あ、もしかしてなのはあのときヴィータの帽子になにかしちゃったのかな・・・・・・)」

 

僕はヴィータと帽子で、あのときのなのはの惨状を思い出した。恐らく、なのはがヴィータの帽子を消し飛ばしたりなにか傷付けたりして、ヴィータが激怒。それで手加減の効かない攻撃でノックダウンしたのだろう。

 

「(まあ、それならなのはが悪いかな?ヴィータ、あの帽子かなり気に入ってるし・・・・・ね)」

 

僕は二人の戦闘を観ながらそう思考する。

 

「ね、いい子だから」

 

「・・・・・うっせえ、チビガキ!邪魔するやつはぶっ潰す!」

 

ヴィータはその声と同時に、なのはに向かって突進していく。その間。

 

「(ヴィータ・・・・・・ぶっ潰すって。お願いだから本気で潰さないでよ・・・・・・)」

 

僕はヴィータにそんなことを願っていた。

 

「(さて、フェイトとシグナムの方は・・・・・・)」

 

僕は視線をなのはとヴィータからフェイトとシグナムに移した。

 

「はああっ!」

 

視線を移すと、フェイトのバルディシュがシグナムのレヴァンティンとぶつかっていた。

フェイトの攻撃をシグナムはさすが、ヴィータたちの返将。身を反らしてかわして、すぐさまレヴァンティンでフェイトを攻撃する。

対するフェイトも、シグナムのレヴァンティンを障壁で防いで攻撃する。

二人とも三次元戦闘真っ最中だった。

 

「(気のせいかな、シグナムが楽しそう・・・・・・)」

 

僕はシグナムを見て不意にそう感じた。

そう思っている間もフェイトとシグナムは、なのはとヴィータから少し離れたところで空中戦闘をしていた。

フェイトの電撃の魔力弾をシグナムは器用にかわして、レヴァンティンの鞘のカートリッジをロードする。

 

《Schlange, beißen.》

 

レヴァンティンを鞘に納め、一気に抜き放ちフェイトに向かってレヴァンティンの刃を伸ばす。

 

《Angriff.!》

 

シグナムのレヴァンティンが放つシュランゲバイセンの連結鎖状刃をフェイトはギリギリのところをかわしていく。

 

「(シグナムのシュランゲバイセンってもしかしてアングリフかな?あれって空間攻撃なんだよね~。フェイトは大丈夫かな?)」

 

シグナムの攻撃をかわすフェイトを視ながら僕はそんなこと思った。

するとフェイトはかわしながらバルディシュをサイスモードにしてシグナムに向かった。

 

「はあああああっ!」

 

シグナムはバルディシュの刃をレヴァンティンの鞘で受け止め、バルディシュの軌道をずらしてフェイトを蹴り飛ばしてフェイトを離れさせる。

そしてすぐさまレヴァンティンをシュランゲバイセンのままフェイトに追撃しに向かう。

フェイトもなんとか体勢を建て直し、バルディシュを構え直してシグナムに向かっていった。

 

「はあっ!」

 

「はああっ!」

 

二人がぶつかり、その直下の建物の窓ガラスがすべて破壊されたのを見た。

 

「(さ、さすがシグナムとフェイト・・・・・・ここが封絶結界内で良かった)」

 

僕は戦闘の惨状を見て他人事のように思った。

そこへ。

 

「ふむ・・・・・・先日とはまるで別人だな。相当鍛えてきたか?それとも、前回の動揺が酷すぎただけか?」

 

「ありがとうございます。今日は落ち着いてますし、鍛えても来ました」

 

「ヴォルケンリッターが将、シグナムだ。お前は?」

 

「フェイト・テスタロッサです」

 

「テスタロッサか。こんな状況でなければ心踊る戦いだっただろうが、今はそうも言っておられん。殺さずに済ませる自信はない。この身の未熟を、許してくれるか?」

 

「構いません。勝つの・・・・・・私ですから!」

 

フェイトとシグナムの会話が聞こえてきた。

って言うか!

 

「(いやいやシグナム!フェイト殺しちゃダメだからね?!"この身の未熟を、許してくれるか?"じゃないよね!!フェイトもフェイトで"構いません、勝つの・・・・・・私ですから!"じゃないよー!シグナムがバトルマニアなのは知ってるけどフェイトもバトルマニアなの?!)」

 

僕は声に出さずに脳内でそう二人の会話にツッコんでいた。

 

《零夜くん、大丈夫?》

 

〈ごめん、無理。ぜんぜん大丈夫じゃない〉

 

凛華の心配にも覇気のない念話で返した。

 

《あはは・・・・・・》

 

僕の返しに凛華は乾いた苦笑を出すだけだった。

するとそこに。

 

〈零夜、あと少しだけ待ってくれ!もう少しでそこにつく!〉

 

武装隊を引き連れてクロノの顔がウインドウ越しに見えた。

 

「わかった」

 

僕がそう返すと、結界内に緑色の球体が現れた。

 

「(あれはシャマルの・・・・・・。シャマルたちも気づいたね)」

 

シャマルが出したと思わしき球体をみてそう思っていると。

 

「ヴォルケンリッター鉄槌の騎士、ヴィータだ!話があるならそのうち出向いてやるよ。だから、今は邪魔すんな!」

 

「あ!」

 

「すまんテスタロッサ。この勝負、預ける」

 

「シグナム!」

 

球体に向かってヴィータ、シグナム、ザフィーラが飛んでいった。そしてその瞬間、結界内にシャマルの放った閃光魔法が光輝いた。

 

「(この魔法、たしかクラールゲホイル、だっけ?さすがシャマルだね)」

 

目元を手で被いながらそう思っていると、次の瞬間には結界が解かれていて、元の空間に戻っていた。

そしてその上空をクロノたちが飛んでいた。

 

〈エイミィ、追跡頼む!〉

 

〈わかってる!どこに逃げたって追い掛けるよ!〉

 

〈随時、座標ポイントを送信します!〉

 

そこにクロノたちの声が聞こえてきた。

けど、悪いけど。

 

〈星夜、お願い〉

 

《かしこまりました》

 

僕はこの場にいない星夜に念話で言う。

そのつぎの瞬間。

 

〈なっ!?〉

 

〈システムが受け付けません!〉

 

〈外部からハッキングを受けています!抑えきれません!〉

 

エイミィさんたちの慌てる動揺の声が聞こえてきた。

 

〈エイミィ!〉

 

〈ごめんクロノくん!ハッキングを受けて追い掛けられない!〉

 

〈くそっ!〉

 

〈対象ロスト。見失いました・・・・・・〉

 

〈外部からのハッキング停止、システム復帰しています!〉

 

〈ハッキングの追跡は〉

 

〈無理です。逃げれました〉

 

エイミィさんたちの声を聞きながら僕は星夜に念話を送る。

 

〈お疲れ様星夜〉

 

《いえ。零夜くんのアーティファクトのお陰です》

 

エイミィさんたちの妨害をしたのは僕だ。そして、星夜にはアーティファクト、力の王笏(スケプトルム・ウィルトゥアーレ)を渡していた。

もちろん、星夜だけでなくグレアム叔父さんにお願いしてアリアさんとロッテさんにも手伝ってもらった。

グレアム叔父さんには基本裏方。サポートをお願いしている。そうじゃないとこのあとの予定が大変だからだ。

 

〈アリアさんとロッテさんにもお疲れ様ですって言っておいて〉

 

《わかりました》

 

僕は星夜とのやり取りを終え、リンディさんとアリシアに掛けていた障壁を解く。

 

「零夜くん」

 

「ごめん、逃げられた」

 

「みたいだね。それにクロノたちの方も何かあったみたいだ。クロノ、大丈夫?」

 

〈すまん零夜!対象を逃した!〉

 

「そう。じゃああとはクロノに任せるね。僕たちはリンディさんと帰るから」

 

〈わかった〉

 

僕はクロノにそう言うと、なのはたちの方を向いて。

 

「取り敢えず、家に帰ろうか」

 

そう言った。

 

 

 




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