魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語 作:ソーナ
~なのはside~
私の名前は高町なのは。
今私は一人で公園にいるの。公園にいる理由は、お父さんがある事故で大ケガをして入院しちゃって、お母さんとお姉ちゃん、お兄ちゃんは最近開店した"翠屋”という喫茶店のお仕事を手伝っていて大忙しだからなの。
それで、お母さんたちに迷惑を掛けないようにしないと思って一人で公園のブランコに座っていたら、いきなり知らない子に話しかけられて驚いたの。私は急に声を掛けられて俯かせていた顔を上げてその子を見たの。
「どうしたのキミ?」
「にゃ!?わ、私のこと?」
「うん」
私はその子を見てまず始めに思ったのは綺麗で可愛い子だなって思ったの。長い黒髪で線が細く肌が白かったの。私と多分同い年だと思うんだけど女優さんみたいなの。そのままその子を見ていると。
「どうかしたの?」
その子が首をかしげて私に尋ねてきたの。
少し凝視しすぎちゃったみたい。
~なのはside out~
~零夜side~
偶々立ち寄った公園の中でたった1人でブランコに顔をうつむかせているツインテールの女の子を見つけた僕は少し声をかけてみた。
「どうしたのキミ?」
「にゃ!?わ、私のこと?」
「うん」
女の子は驚いたみたいで俯いていた顔を上げた。
僕はその女の子に頷いてかえすと、女の子はなにも言わないで僕のことをジッと見た。
僕は首をかしげながら尋ねた。
「どうかしたの?」
「う、ううん。なんでもないの!」
「そう?」
「うん」
「急に声を掛けてごめんね。驚かせちゃったかな」
「ううん。大丈夫」
「ありがとう。あ、僕の名前は天乃宮零夜。零夜って呼んでくれると嬉しいな。キミの名前は?」
僕は取り敢えず自己紹介をした。
「私の名前は高町なのは。なのはって呼んでほしいの」
「よろしくね、なのはちゃん」
「なのは、でいいの」
「うん。よろしくね、なのは」
「こちらこそ。よろしくなの零夜ちゃん」
あれ?なのはって言う名前に少し聞き覚えがある気もするけど・・・・・まあ、気にしないでおくとしよう。
僕はそう思い考えるのをやめた。
そこで僕はなのはにちゃんと呼ばれたことに不思議に思った。もしかして僕が女の子だって思っていたり・・・・・・
「零夜ちゃん?」
「うん」
「え、え~と、なのは。もしかして僕のこと女の子だって思ってたりする・・・・・・?」
「え?そうだよ」
予感的中。
「あのね、僕これでも女の子じゃなくて男の子なんだけど・・・・・・」
「・・・・・・・・・・ええっ!?そうなの!?」
「うん・・・・・・」
少し慣れてきているとはいえ未だに初対面の人に、僕は女の子だって間違えられる。
その度になのはと同じような反応が返ってくるのだ。
「ご、ごめんね。てっきり女の子だと思ってたの」
「気にしないで。ところで隣、いいかな?」
「え。うん、いいよ」
「それじゃあ、失礼するね」
僕はなのはの隣のブランコに座って、なのはを見て聞く。
「なのははどうして1人でここにいるの?お母さんやお父さんは?」
「えっと、その・・・・・・実はね―――――」
僕がなのはから1人でいた理由を聞いた。
なのはのお父さんがある事故で大ケガをして入院してしまい、なのはのお母さんとお姉ちゃん、お兄ちゃんは最近開店したらしい喫茶店、"翠屋”のお仕事を手伝っていて大忙しらしい。それで、お母さんたちに迷惑を掛けないようにしないと思って1人でここにいたらしい。
「―――それで、零夜くんに話し掛けられたの」
「なるほどね。そういうことだったんだね」
「うん・・・・・・」
なのははまた寂しそうに顔を俯かせて地面を見ていた。
「でも、なのはは寂しくないの?」
「それは・・・寂しくないとのって言われると寂しいけど・・・・・・」
「なら家族にその事を伝えようよ」
「で、でも・・・・・・」
「だってなのははまだ子供なんだから。家族に甘えないと。遠慮しちゃダメだよ」
「・・・・・・うん、そうする」
なのははしばらく迷ったように考えたけど、小さく頷いて答えくれた。
「なら、早速行こうよ」
僕はブランコから立ち上り、なのはの前に立って右手を差し伸ばす。
「うん」
なのはも僕の差しだした右手を掴んで立ち上り、案内をしてくれた。
その道中。
「そう言えば零夜くんはなんで私に声を掛けてくれたの?」
「え?なんでって言ってもなぁ・・・・・・。なのはが哀しそうで寂しそうだったから、かな」
「そんな理由?」
「そうだよ」
そんなことを話しているとあっという間に目的地の"翠屋"という喫茶店に辿り着いた。
「ここが"翠屋"?」
「うん・・・・・・」
なのはは少しモジモジと躊躇うようにしていた。
「なのは、ぶつからないと伝わらないこともあるよ。だから大丈夫、僕も一緒にいるから、ね」
僕はなのはに優しく微笑んで言った。
「うん・・・そうだね。ありがとう、零夜くん」
「どういたしまして、かな?」
僕はなのはの手に引っ張られて"翠屋"の店内に入った。
お店の中に入ると、中にお客さんは誰もいなく眼鏡をかけた女の店員さんがテーブルを拭いている姿があった。
どうやら閉店準備をしているらしい。
「あのすみません、もう本日は閉店となってしまって――――――って、なのは!」
眼鏡をかけた女の店員さんは、なのはを見て驚いた声をだした。
なのはの知り合いかな?
「お姉ちゃん・・・・・・」
どうやらなのはのお姉さんみたいだ。
確かにどことなくなのはと似ている感じがする。
「なのは、どうしてここに・・・・・・」
「どうしたんだ美由季?何かあった――――――って、なのは!」
なのはのお姉さんの声につられて厨房辺りの方から1人の男の人が来た。
恐らくこの人は、なのはのお兄さんなのだろう。
「お兄ちゃん・・・・・・」
「なのは、どうしてここにいるんだ?」
「そ、それは、その・・・・・・」
なのはが言い淀んでいると。
「どうしたの二人とも?早くしちゃいなさい。って、あら?なのは?」
新たに出てきたのは女の人だった。
随分と若いけど、なのはのもう1人のお姉さんかな?
僕がその人を見ていると、隣のなのはから。
「お母さん・・・・・・」
そんな声が聞こえてきた。
えっ!?お母さん!?若っ!えっ!ちょっ!若すぎませんか!?これで子供3人の母親!?お姉さんの方がしっくり来るんだけど!?て言うか歳いくつ!?
僕はなのはのお母さんらしき人を驚きながら見る。
「ウフフ。はじめまして、なのはの母の桃子です」
「は、はじめまして、僕は天乃宮零夜です」
「よろしくね零夜ちゃん」
「こんにちは零夜ちゃん。私はなのはの姉の美由季って言うの。よろしくね」
「俺はなのはの兄の高町恭也だ。よろしくたのむ、零夜ちゃん」
なのはの母の桃子さんが挨拶すると、お姉さんとお兄さんも挨拶してきたんだけど・・・・・・
「あの・・・・・・僕、女の子じゃなくて男の子なんですけど・・・・・・」
何故か、ちゃん付けで呼ばれた。
多分なのはと同じように僕が女の子だって思ってる。
僕が桃子さんたち3人にその事を言うと・・・・・・
「「「ええぇぇぇええええええええ!!?」」」
案の定、3人から驚きの声が上がった。
もう泣いていいかな?これで今日何度目だろう?あれ、目から水が出てきたよ。
僕は床に座り込んで鬱状態になっていた。そこへ苦笑いを浮かべて背中を優しく擦るなのはの姿があった。
その10分後
「え、えっと、零夜君?でいいのかしら?」
「はい・・・・・・」
僕らは閉店した"翠屋"の店内の椅子に座って桃子さんたちと対面していた。隣にはなのはが座っている。
「ごめんなさい、てっきり女の子かと・・・・・・」
「いえ。気にしないでください、慣れてますから・・・・・・」
そう言う僕の目に少し涙が出てきた。
その僕へなのはが再び背中を撫でてくれた。
桃子さんと美由季さんは戸惑い、恭也さんは苦笑を浮かべながらも僕を見ていた。
僕は涙を拭い去り、僕は桃子さんたちを見て伝える。
「あの、実は、なのはから桃子さんたちに聞いてほしいことがあるそうなんです」
「聞いてほしいこと?」
「はい。さ、なのは」
「うん・・・・・・あのね、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん。私、みんなに聞いてほしいことがあるの・・・・・・」
そのあと、なのはは自分の気持ちを桃子さんたち3人に伝えた。寂しかったことや悲しかったこと、辛かったことを全て吐き出して伝えた。それを聞き途中からお母さんの桃子さんとお姉さんの美由希さんは涙を流してなのはを抱き締めて謝り、お兄さんの恭也さんは悔しそうに自分を責めるように拳を静かに握りしめながら黙々と涙を流していた。
「よかったね、なのは」
「うん!これも全部零夜くんのお陰だよ!ありがとうなの零夜くん!」
なのは、始めて見せる満面の笑みを浮かべて僕に抱き付きながら言った。
その際恭也さんからすごい殺気が来た感じがしたんだけど・・・・・・気のせいかな?
「私からもお礼を言わせてちょうだい。ありがとう零夜君。零夜君のお陰でなのはの本当の気持ちが知ることができたわ」
「いえ、気にしないでください。僕はただなのはの背中を押しただけですから。結果的にはなのはが自分で決めたことですし」
「それでもよ、本当にありがとう」
「私からも、ありがとう零夜君」
「俺からも言わせてほしい。ありがとう零夜。君のお陰だ」
僕は桃子さん、美由季さん、恭也さんにお礼を言われ少し赤くなりながらも戸惑った。
始めてお礼を言われたのだ、戸惑うのも無理ない。
「ねえ、零夜くん」
「ん?なに、なのは?」
「私と・・・・・・友達になってくれる?」
「え?友達?」
「うん」
「えっと、僕なんかでいいなら」
「ありがとう零夜くん!これから私と零夜くんは友達なの!」
「うん、僕となのはは友達」
僕となのはは笑顔で言い合う。
転生して始めて出来た友達に僕は嬉しさが走った。
そこで思い出した、この世界の名前は≪魔法少女リリカルなのは≫そしてこの子の名前は、高町なのは。つまり、この子が≪魔法少女リリカルなのは≫の主人公、なのは、だということを。
けど、それより今は僕に始めて出来た友達のなのはに嬉しかった。
「あ、そろそろ帰らないと」
壁に掛けてあった時計を見て僕は不意にそう言った。
いくら一人暮らしだからと言ってもあまり帰りが遅くなるのはヤバい。
「え、もう帰っちゃうの?」
「うん、時間も時間だしね」
今にも泣き出しそうな表情のなのはに少し罪悪感が生まれるが時間だから仕方ない。
するとそこへ。
「なら、零夜くん。家でご飯、一緒に食べないかしら?」
「え?」
「そうだよ!そうしようよ零夜くん!」
「え、えっと・・・・・・」
「ダメ・・・・・・かな?」
「うっ・・・・・・!」
なのはのウルウルとした瞳に見られては断ることもできず。
「そ、それじゃ、お邪魔します」
「やった~!」
僕の了承になのはは嬉しそうにその場で跳び跳ねて、その光景を桃子さんと美由季さんはなのはを喜ばしそうに見ていて、恭也さんは肩をすくめてなのはを優しく見ていた。
こうして僕は高町家で夕飯を食べることになった。それで帰れるかと思ったのだが・・・・・・・
「夜も遅いし今晩は泊まっていったらどうかしら?」
と桃子さんに言われ、時間を見ると時間は9時を指していた。
「け、けど、今日始めてあった人の家に泊めてもらうわけには・・・・・・」
「私は大丈夫よ」
「ええ、私も賛成よ」
「俺も賛成だな。なのはは・・・・・・聞くまでもないか」
「え?」
「零夜くん、今日泊まってくれないかな・・・・・・?」
なのはをはじめ、桃子さんたちにも言われてはさすがに断ることもできず、この時間を僕1人で帰るのは危険だと思い、
「それじゃ、今晩お世話になります」
急遽高町家に泊まることとなった。
高町家で泊まることとなったのだが・・・・・・何故か僕はなのはの部屋でなのはと一緒にベットで寝ることとなった。
まあ、同い年だし別にいいかなと思ってはいるが。
「――――――なの。それでね――――――」
「へぇ。なるほど―――――」
僕は久しぶりに長々と会話をし、気付いたときにはすでに時間は11時を回っていた。
さすがに眠くなり、僕は少し恥ずかしくなりながらもなのはと一緒に寝た。
そして翌朝、また会う約束をなのはとして高町家をあとにし、自宅へと帰った。