魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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最後の戦い

 

~零夜side~

 

「・・・・・・!この感じ・・・・・ヤバイかな」

 

軌道上を目指すため、大気圏を昇っている僕は、行き先から感じ取れる魔力を感じとり、そう声に出した。

そのまま軌道上に到達すると、目の前にはリインフォースと似た姿の人影があった。

そしてその人影からはとんでもない魔力とプレッシャーが感じ取れた。

 

「やっぱり、か・・・・・・聖良の言った通りだったね」

 

ユニゾンしている聖良が言った通りになったことに少々驚きながら、目の前のナハトヴァールを見ていると。

 

『こ、この声は零夜君!?』

 

空間ウインドウが開き、そこにリンディさんが映った。

後ろを見ると、アースラが滞空していた。

僕はそのままナハトヴァールを見ながらアースラにいるリンディさんにウインドウ越しに警告する。

 

「リンディさん、今すぐその場から離れてください。巻き添えを食いたくないでしょう?」

 

そう言うと僕は一方的に通信を切った。

通信を切るのと同時に、年のためにアースラに魔力障壁を施しておく。

 

《零夜くん、対象の魔力ランク測定不能です》

 

「測定不能・・・・・・ね・・・・・・」

 

星夜からの分析結果に僕は冷や汗を流せながら見据える。

 

「・・・・・・やるしかないね」

 

静かにそう呟くと、少しの間目を閉じて、カッと見開いてナハトヴァールを鋭く見据え唱える。

 

「リク・ラク・ヴィシュタル・ヴォシュタル・スキル・マギステル。契約に従い、我に従え、高殿の王。来たれ、巨神を滅ぼす燃え立つ雷霆。百重千重と重なりて、走れよ稲妻!」

 

周囲にはバチバチと雷が飛び散る。

 

千の雷(キーリプル・アストラペー)固定(スタグネット)!!掌握(コンプレクシオー)

 

千の雷の魔力を放出せずにその場に固定して、体内に取り入れる。

千の雷を取り入れた僕の身体は眩い輝きを放って、白く光はじめた。

 

術式兵装(プロ・アルマティオーネ)、雷天大壮!!」

 

僕のとっておきにして奥の手の一つ、闇の魔法(マギア・エレベア)。知智お姉ちゃんたちが手伝ってくれた、僕の魔法の奥の手の一つだ。ちなみに前世にあったマンガでのこれの弱点は明莉お姉ちゃんが何とかしてくれたらしい。してくれたらしい、ってのは具体的に何をしたのか聞いてないからだ。聞きたかったがただ笑うだけで聞かないほうが得策だと判断したからだ。

一応まだ奥の手のはいくつかあるが、今はこれで。

 

「さあ。―――決着をつけよう!」

 

術式兵装を身に纏い、クレハはカード状態の待機形態にして、星夜は背中の双翼形態に、凛華と澪奈はそれぞれ片手剣形態の僕に対面するナハトヴァールは奇声をあげた。

 

≪零夜くん、あれはコアをなんとかしないと無限に回復するよ!≫

 

「わかったよ聖良。じゃあ、なんとかしようか!」

 

ユニゾンしている聖良に話し、僕は先手必勝とばかりにナハトヴァールに攻撃を仕掛ける。

 

「はああっ!」

 

千の雷を取り込んだ、雷天大壮の効果により、スピードが上がり、一瞬でナハトヴァールの正面に接近して右手の凛華を横薙ぎに振りかぶる。

雷天大壮の効果によって得た雷速機動は雷の速度で移動することが出来る。思考反応速度は上がらないが、その点は知智お姉ちゃんとの訓練で身に付いてる。

一瞬。一閃の合でナハトヴァールの脇腹には切り傷がついていた。

しかし。

 

「あの程度じゃ、大したダメージにならないんだ・・・・・・」

 

「―――――――――!!」

 

耳障りな断末魔の声を上げて、ナハトヴァールは傷を治していた。

それと同時に僕を睨み付けながらドス黒いオーラを纏い殺気を出すと、自身の周りに魔力スフィアを大量に出してきた。

 

「フェイトになのは、ヴィータの魔法かー・・・・・・」

 

≪あれは今まで蒐集してきた魔法の全てがつかえてるよ!≫

 

「あー・・・・・・やっぱりそうなんだ」

 

ハマノツルギで消すことも出来るが、ハマノツルギの無極而大極斬(トメー・アルケース・カイ・アナルキアース)は全方位ではなく、正面にしか出来ないから無理だ。

 

「なら・・・・・・魔法弾には魔法弾でね!」

 

僕はそう言うと周囲に複数の魔方陣を展開させる。

展開させ終わるのと同時に、ナハトヴァールは僕に攻撃してきた。

そして。

 

「―――魔法の射手・連弾・精霊の1001矢(サギタ・マギカ・セリエス・スピリトゥス)!」

 

僕もオリジナルの魔法で攻撃する。

精霊の矢は魔法の射手の雷や氷、光、闇、などのすべての攻撃を合わせた魔法だ。まあ、魔力はかなり持っていかれるが、こういう複数の攻撃には効果的だ。

 

「やあぁぁっ!」

 

そしてそれと同時に断罪の剣を付与した凛華と澪奈でソードスキルで攻撃する。

だが。

 

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「まあ、僕の魔法も使えるんだからそりゃ使えるよね・・・・・・。―――断罪の剣を」

 

ナハトヴァールは手刀にした右手から闇色に輝く断罪の剣を見せて、僕の攻撃を受け止めた。

 

「なら―――氷爆!」

 

氷爆で攻撃すると、ナハトヴァールはそれをギリギリのところで上に避けた。

そこへ。

 

「―――雷氷の戦鎚!」

 

オリジナル魔法の氷でできた巨大な球体に雷を纏わせた氷球を落とす。

しかしナハトヴァールは、落下してくる雷氷の戦鎚を一刀両断して真っ二つに切り裂いた。雷氷の戦鎚は単純な物理攻撃であるからこういう風に対処されるのは予測済みだ。

 

「―――戒めの鎖(レージング)!」

 

雷氷の戦鎚を切り裂いたところに拘束魔法、戒めの鎖で縛り上げて拘束する。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「嘘でしょ・・・・・・」

 

しかし、ナハトヴァールは戒めの鎖を強引に引き千切って攻撃してきた。とっさに避け、距離をとり、星夜に指示を出す。

 

「星夜、スタービット!」

 

《了解ですわ!》

 

双翼形態の星夜から八つの小型砲撃機(ビット)が飛び出しナハトヴァールを囲むように飛び回る。

 

「スタービット、飛星剣(フェグラディア)!」

 

飛び回るスタービットからナハトヴァールに向けて剣のように光弾が放たれる。

 

「澪奈、形態変更(チェンジ)細剣(レイピア)!」

 

《うん!》

 

澪奈にそう指示をして、刀身の形を細身の剣。細剣にして、細剣ソードスキル《シューティングスター》でナハトヴァールに迫って貫かせる。

 

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

シューティングスターの突進力と雷速機動によって一瞬でナハトヴァールの背後に回る。ナハトヴァールは左手に傷を負って甲高い声を上げるがすぐに傷を治した。

ナハトヴァールはそのまま幾重の魔法陣を起動させると攻撃を仕掛けてきた。

 

「くっ!」

 

正直言って面倒。

魔法陣から放たれる魔力弾や、魔法の射手などを捌きながらそう悪態つく。

 

「っ!?」

 

視界にナハトヴァールの姿がないことに驚いて辺りを見渡すと。

 

「がっ・・・・・・・!」

 

後ろから衝撃がきて吹き飛ばされた。

 

「えぇーいっ!」

 

吹き飛ばされながらも、雷槍や氷槍を飛ばして攻撃する。しかし、それは当たる直前に障壁によって防がれ、逆にこっちが拘束された。

 

「(この魔法はユーノとアルフの・・・・・・)星夜、バインドブレイク!」

 

《はい!》

 

星夜が魔法の解析をして、僕が支配領域(インペルマジェスター)でバインドを破壊した。

その間にナハトヴァールは。

 

「―――契約に従い、我に従え、炎の覇王。来たれ、浄化の炎、燃え盛る大剣。ほとばしれよ、ソドムを焼きし火と硫黄。罪ありし者を死の塵に」

 

「なっ!?ヤバッ!」

 

炎系統の最上位魔法を詠唱していた。

 

「スタービット、星盾(スクレーティア)!」

 

八つのビットを一つに合わせて正八角形の盾を作り出して障壁を発生させる。

 

「凛華、障壁お願い!」

 

《わかりました!》

 

ハマノツルギを出して防いだり、雷速機動で避ける時間も無いため、僕は瞬時に障壁を張って防御に備えるが、どこまで持つかわからない。

障壁を張り終えるのと同時に。

 

「―――燃える天空(ウーラニア・フロゴーシス)

 

ナハトヴァールの広範囲焚焼殲滅魔法が放たれ、焚焼が僕を襲う。

 

「くっ・・・・・・!!」

 

障壁を張ってなんとか防ぐが、威力が高い。

そのまま障壁ごと僕は、焚焼に包み込まれ、爆発が起こった。

しばらく耐えると爆発が収まり、視界が張れた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ。・・・・・・障壁を張ってなかったらヤバかったね。みんな大丈夫?」

 

バリアジャケットが所々破かれながら、僕は凛華たちに聞く。

 

《大丈夫です!》

 

《私もなんとか!》

 

《平気ですわ!》

 

≪わたしも大丈夫だよ!≫

 

クレハはカード状態の待機形態にしてポケットにしまっているから安全だが、凛華たちはなんとか無事みたいだ。

 

「それにしてもあれは僕を挑発してるのかな?」

 

正直、僕の知識と記憶した魔法と戦闘技術をコピーしているとしか思えないナハトヴァールの戦いにイラついていた。

 

「断罪の剣だけでなく、燃える天空や魔法の射手まで・・・・・・さらにはソードスキルまで使ってくるなんて・・・・・・・」

 

そう、幾分か打ち合ったりしている最中、ナハトヴァールは手刀にした右手の断罪の剣からソードスキルを出してきているのだ。

 

「・・・・・・・・・・ふざけんな」

 

「ッ!!?」

 

目付きを鋭くして殺気を出してナハトヴァールを見ると、ナハトヴァールは威圧感に気落とされたように少し後ろに下がった。

 

「その魔法とスキルは僕とお姉ちゃんと華蓮を繋ぐための大切な能力だ。なにもしらないヤツが使うなよ」

 

静かにそう言う僕に、ナハトヴァールは脅えたように下がる。

 

「もうここからは手加減しない。全力全開で、手加減なしでお前を滅ぼす。覚悟しな」

 

口調が荒くなっているが気にせず、僕は左手を広げ、新たな詠唱をする。

 

「リク・ラク・ヴィシュタル・ヴォシュタル・スキル・マギステル。契約に従い、我に従え、氷の女王。疾く来たれ、静謐なる、千年氷原王国。明けぬ夜、吹きすさぶ冬の嵐。咲き乱れ、舞い散れ、永遠の白き薔薇園!」

 

辺り一体を絶対零度の氷点下が包むなか、僕は終の一言を発する。

 

千年氷華(アントス・パゲトゥ・キリオン・エトーン)!!固定(スタグネット)!!掌握(コンプレクシオー)

 

 

千の雷と同じように、千年氷華の魔力を放出せずにその場に固定して、体内に取り入れる。

千年氷華を取り入れた僕の身体は眩い輝きを放って、蒼白く輝きはじめ、周囲は吹雪と放電が吹き荒れる。

 

術式兵装(プロ・アルマティオーネ)!天雷氷華!」

 

千の雷と千年氷華を取り込んだ術式兵装。

僕の現時点での奥の手中の奥の手。それが天雷氷華。

天雷氷華の能力は雷速機動。氷と雷系統の上級までの無制限行使。最上級は詠唱しなければならないが、上級までは無詠唱で行使可能だ。

 

「まずはこれだよ」

 

「ッ!!」

 

そう言うと僕はナハトヴァールに向けて魔法の射手の雨を降らせ、氷槍と雷槍で攻撃する。

 

「来たれ炎の精。穿きたる鋭き槍となりて敵を焼き尽くせ!連槍・炎の52槍!」

 

さらに炎の槍でナハトヴァールを攻撃する。

防御に全力を注いでいるナハトヴァールは攻撃する暇もなく、防御に手を回していた。

 

「言ったでしょ?全力全開、手加減なしでお前を滅ぼす、って?この程度はまだ序の口だよ!」

 

そう言うと僕はスタービットを飛ばしてナハトヴァールを囲むように指示を出す。

 

「スタービット、星砲(スティングーラ)!」

 

スタービットの砲口から強力な光の砲撃がナハトヴァールに浴びせられる。

さらにそこに。

 

「凛華、砲撃形態(シューティングモード)!」

 

《はい!》

 

「カートリッジロード!―――ルミナスバスター!」

 

凛華のカートリッジを2発ロードした、純白の魔力砲撃がナハトヴァールに当たった。

ナハトヴァールに当たると爆発が起き、宇宙空間なのに煙が立ち上がる。

 

《零夜くん、現在の天雷氷華が維持できるのはあと8分!》

 

そこに凛華からの警告が入った。

まだ天雷氷華は未完成なのだから仕方がないのだが、僕は凛華に返事を返す。

 

「了解。それまでにあれを倒す!」

 

視線の先の煙が徐々に晴れてくると。

 

「っ!」

 

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ナハトヴァールは突進して僕に攻撃してきた。

しかも、左手にも断罪の剣を出していることと、さっきのライトエフェクトからソードスキルだとわかる。

 

「それの元をしらないお前がソードスキルを使うな!」

 

僕は凛華と澪奈を片手剣形態にし、≪二刀流≫カウンターソードスキル《スペキュラー・クロス》で攻撃してきたナハトヴァールの攻撃を受け流して、逆に斬りつける。そしてそこから連続で攻撃を始める。

 

「ぜりゃあ!」

 

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

二刀の光速の連続攻撃をナハトヴァールはギリギリのところで捌く。しかし、徐々にその反応も遅れていっていた。

 

「はああっ!」

 

両手の断罪の剣を破壊して、怯んだところに連続でソードスキルを叩き込む。

 

「スターバースト・ストライク!」

 

ラストにスターバースト・ストリームとヴォーパル・ストライクを合わせたオリジナルのソードスキルを叩き込む。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

既にボロボロで、所々から闇のオーラが洩れているナハトヴァールは絶叫を上げ、そのまま僕に魔法攻撃をしてくるが。

 

「遅い!」

 

ナハトヴァールの足元から氷の石柱を出現させる。

そしてそこに。

 

「―――術式解放(エーミッタム)こおる大地(クリュスタルザティオー・テルストリス)奈落の業火(インケンディウム・ゲヘナエ)冥府の(ホ・モノリートス・)石柱(キオーン・トゥ・ハイドゥ)白き雷(フルグラティオー・アルビカンス)!」

 

連続で上級魔法を連発する。

ナハトヴァールの足元には氷の槍が出来上がっていて、ナハトヴァールを闇色の炎が包む。その上からは物質による巨大な石柱が降り注ぎ、白い雷がナハトヴァールを襲う。

 

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ナハトヴァールは絶叫しながら、天地万雷の魔法の数々を防ぐがその障壁にも皹が入る。

 

「まだだ!―――術式解放!燃える天空(ウーラニア・フロゴーシス)引き裂く大地(テッラ・フィンデーンス)千年氷華(アントス・パゲトゥ・キリオン・エトーン)!」

 

そこに保存(ストック)しておいた最上級魔法を連続で放つ。

超高温の焚焼がナハトヴァールを焼き、大地からの奔流がナハトヴァールを襲い、絶対零度の氷の華園がナハトヴァールを閉じ込める。

 

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「これで!―――術式解放!千の雷(キーリプル・アストラペー)!」

 

千年氷華の氷の華園に閉じ込められたナハトヴァールに強力な雷が降り注ぐ。

 

「はぁ、はぁ、はぁ」

 

ここまで連続で魔法を行使したのは始めてなためさすがに息が上がった。

ナハトヴァールの方を見るとすでに構成されていた身体はボロボロで何時崩壊してもおかしくないほどだった。

 

「もう、静かに眠れ」

 

そう言うと僕は凛華たちを合わせたデバイスの砲口をナハトヴァールに向ける。

 

《ごめんね・・・・・・今まで苦しかったよね。そして、ありがとう》

 

聖良はお別れの言葉を言い、僕はナハトヴァールに。

 

「お疲れさま、そして、安らかな、幸せな眠りを」

 

そう静かに言った。

 

「聖良」

 

《うん》

 

「《ディメンション・イクリプス・ゼロエミッション!》」

 

聖良と同時に、質量消滅魔法を言い、砲口から白と黒の混じった魔力砲撃がナハトヴァールを貫き包み込んだ。

そして――――

 

「・・・・・・・・・・おわったね」

 

ナハトヴァールをコアごと消滅させ、もう反応が無いのを確認した僕は、ナハトヴァールがいた場所を見ながらそう言った。

ナハトヴァールが消滅する最後、僕は脳裏にありがとう、とナハトヴァールからの声が聞こえた気がした。

 

《零夜くん》

 

「なに聖良?」

 

《あのね、さっきあの子からありがとうって聞こえたよ》

 

「うん。僕も聞いたよ」

 

《零夜くんのお陰で終わったの。だから、ありがとう零夜お兄ちゃん》

 

「零夜お兄ちゃん、か。はは、少し嬉しいかな」

 

聖良にお兄ちゃんと呼ばれて少し照れ恥ずかしくなり、頬を掻いて言う。

それと同時に、術式兵装の天雷氷華が解除され、聖良とユニゾンした状態に戻った。

そうなったのと同時に、僕の身体が痛いくらい悲鳴を上げた。

 

「くっ!さすがにやり過ぎたかな・・・・・・」

 

術式兵装の雷天大壮。そして、未完成とはいえ、術式兵装、天雷氷華。さらにオリジナルソードスキルと、魔法の連続行使。普通の人なら脳が耐えきれなくて焼け死んでいるだろう。明莉お姉ちゃんたちのお陰でなんとかなっている感じだ。

そう思っているところへ。

 

『無事か零夜?』

 

クロノから連絡が来た。

 

「これが無事に見える、クロノ?」

 

『いや、まったくだな』

 

「でしょ?悪いんだけど回収してもらっていい?」

 

『わかってる、エイミィ』

 

『了解!ちょっと待ってね零夜君』

 

クロノとエイミィさんの声が聞こえたかと思うと、不意に目眩が訪れ視界が揺らいだ。次に目を開けると、そこはアースラの艦橋だった。

そう視界に入り、一安心したところに一気に身体が重くなり、意識を失った。最後に聞こえたのは、聖良のお兄ちゃんと、呼ぶ声だった。

 

 

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