魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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夜天の魔導書

 

~なのはside~

 

「あれ、零夜くんなの・・・・・・?」

 

アースラに転移された私たちは、アースラのスクリーンに映っている映像に呆然としていた。

 

「間違いあらへん・・・・・・零夜くんや・・・・・・せやけど・・・・・・」

 

私の問いに、リインフォースさんに抱き抱えられてるはやてちゃんが言った。

そこにエイミィさんが。

 

「零夜君、魔力ランク測定不能!さらに魔力が上昇しています!」

 

驚愕の声を上げていった。

信じられないと思っていたそこにシグナムさんが。

 

「リインフォース、あの魔法はなんなのかわかるか?」

 

「すまないが、私にも分からない。ただ、我らの使う魔法とは全く違う魔法だということはわかった」

 

「だろうな。あたしから見ても零夜の魔法はあたしらとは違う系統だ」

 

「炎に氷に雷。少なくとも零夜は三つの・・・・・・もしかしたらそれ以上の変換素質を持っているのかもしれないな」

 

「変換素質持ちなんて、管理局に百人もいないのに・・・・・・。それこそ、二つ持ちでも十分珍しいのにそれ以上だなんて」

 

「しかも個人でアルカンシェル並の砲撃を放てますからね」

 

「質量消滅魔法・・・・・・ね」

 

スクリーンに映る零夜くんはデバイスのリンカーネイトさんたちを駆使して、闇の書の闇と闘っていた。

零夜くんの姿は白く光輝いていて、目にも留まらぬ速さで闇の書の闇と相対し、連続で魔法を使っていた。

正直言って、私たちと次元が違いすぎる。

 

「次元が違いすぎるな・・・・・・」

 

「ええ。けど、かなり身体に負担が掛かっているはずよ」

 

シグナムさんとシャマルさんがスクリーンを観ながらそう呟いた。

その瞬間、スクリーンの映像が目映く光り、ブラックアウトしたかと思った数秒後、零夜くんがデバイスを満身創痍の闇の書の闇に向けていた。

 

「どうやら決着がついたそうだな」

 

クロノくんがそう言ったその瞬間。

 

『≪ディメンション・イクリプス・ゼロエミッション!≫』

 

零夜くんと、確か聖良ちゃん?の声が聞こえ、零夜くんの持つデバイスから白と黒の砲撃が放たれ、闇の書の闇を呑み込んだ。

次にスクリーンには闇の書の闇はどこにも映ってなかった。

そこに。

 

「対象・・・・・・反応ありません!完全消滅確認!周囲の空間に異常なし!」

 

エイミィさんからの声に一瞬の間が明いた次の瞬間、あちこちから歓声が上がった。

 

「無事か零夜?」

 

そんななかクロノくんは通信ウインドウを開き零夜くんに話しかけていた。 

 

『これが無事に見える、クロノ?』

 

「いや、まったくだな」

 

『でしょ?悪いんだけど回収してもらっていい?』

 

「わかってる、エイミィ」

 

「了解!ちょっと待ってね零夜君」

 

エイミィさんがコンソールを操作すると、後ろの転移装置が光り、そこから満身創痍の零夜くんが表れた。

 

「零夜くん、大丈夫?」

 

私は、心配して零夜くんに声をかける。

が、零夜くんからなんの反応もなかった。

不安に思ったその時。

 

「零夜お兄ちゃん!」

 

零夜くんのユニゾンが解け、零夜くんの目の前に私たちと同い年ほど小さい女の子が現れ、倒れてきた零夜くんを支えた・・・・・・・・・・ん?

 

『『『『零夜お兄ちゃん?!』』』』

 

私たちは一斉にそうツッコんだ。

クロノくんなんか珍しく目を見開いている。

私たちがそんな反応していると。

 

「やれやれ、相変わらず騒がしいですわね」

 

「まぁまぁ。聖良ちゃんの言葉に驚いているんだから?」

 

「なんでそこで疑問符が着くの~?」

 

零夜くんのデバイスが光り、そこから三人の女の人が出てきた。

 

「え、ええ?」

 

「えっと・・・・・・どちら様?」

 

「あ、これは失礼しました。はやてちゃんたち以外は初めましてですね。マスター・・・・・・零夜くんのデバイス、リンカーネイトこと、天ノ宮凛華です」

 

「私は、レイオブホープこと、天ノ宮澪奈だよ!」

 

「同じく、ステラメモリーこと、天ノ宮星夜ですわ」

 

どうやらこの人たちは零夜くんのデバイスみたい。

うん、どういうこと?

はやてちゃんやヴィータちゃんたちは知ってるみたいだけど、リンディさんやプレシアさんは驚きを醸し出していた。

 

「って、そうじゃなくて!零夜くん大丈夫なの!?」

 

唖然としていた私は思い出したかのようのに言った。

 

「大丈夫か大丈夫じゃないか、と言われたら、大丈夫じゃないですね」

 

「「「「えええぇぇぇぇぇぇっ!?」」」」

 

凛華さんの言葉に私とフェイトちゃん、はやてちゃん、ヴィータちゃんが声をあげる。

 

「まぁ、しばらく休ませたら大丈夫だよね?」

 

「ええ。今は魔力の過剰行使による魔力不足と、闇の魔法(マギア・エレベア)、行使によって身体が動かないだけですから」

 

「ってな訳で、零夜くんをベットに運びたいんですけど・・・・・・」

 

「あ、はい。こちらです」

 

聖良ちゃんと澪奈ちゃん?に支えられながら、リンディさんの案内のもと零夜くんは艦橋から運ばれていった。

私たちはそれを呆然と見ることしか出来なかったのであった。はっきり言って、処理が追い付かないよぉ~!!

 

~なのはside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~聖良side~

 

「―――どういうことだ?」

 

「消えるのは私だけだと言うことです」

 

私は目の前にいるリインフォースさんたちにそう告げた。

 

「闇の書の防衛プログラムは私という意思が無くなったことと、コアが消滅してもまた新しく防衛プログラムを作ってしまうでしょうね」

 

そう言うと私は闇の書の背表紙を撫でた。

 

「やっぱり、破損は致命的な部分にまで至っています」

 

「やはり、そうなのか?」

 

「はい」 

 

私たちが居るのはアースラ内部の会議室のような部屋。

 

「防御プログラムは停止しましたけど、歪められた基礎構造はそのままなんです。夜天の魔道書、本体は、遠からずまた新たな防御プログラムを生成して、また暴走を始めるでしょう。今度は、予備動作なしではやてさんも取り込むはずです」

 

私の言葉に、辺りは沈黙が覆った。

 

「修復はできないんですか?」

 

リンディさんが思案顔で訪ねてきた。

私はそれに首を横に振って答えた。

 

「無理です。管制プログラムであるリインフォースさんの内部データからも。私も、ナハトヴァールと呼ばれた防衛プログラムによって、夜天の魔道書、本来の姿は消されてしまってます」

 

「元の姿が分からなければ、戻しようが無いという事か」

 

「その通りです」

 

ザフィーラさんの問いに私は静かに答える。

 

「けど、零夜はそれを・・・・・・闇の書を夜天の魔導書に戻せるって言っていたぞ?」

 

ヴィータさんは思い出したかのようにそう言った。

それに対して答えたのは。

 

「確かに零夜くんの魔法なら、闇の書を改変される前の夜天の魔導書本来の姿に戻すことが出来ます」

 

「けど、現時点ではそれは出来ませんわ」

 

「凛華さん、星夜さん、どういうことですか?」

 

「零夜くんはここ最近の無理が多々って、しばらく動けないんだよ」

 

リンディさんの疑問に、澪奈さんが答えた。

 

「確かに、ここ最近、我らの変わりに零夜が蒐集の大部分を補っていた」

 

「ええ。学校を休んでまで蒐集してくれていたものね」

 

シグナムさんとシャマルさんがどこか悲観めいた感じで言う。

 

「そんな・・・・・・!」

 

「そんなに・・・・・・!」

 

「私のために・・・・・・・」

 

事情を知らなかったのであろう、なのはさんとフェイトさん、そしてはやてさんが悲痛の趣で言う。

 

「さらに、零夜くんははやてちゃんが魔法を使っても大丈夫なよう、はやてちゃんに魔力を宇宙に上がる前のあの時に譲渡しています。今の零夜くんの魔力はほぼゼロです」

 

「最短でも、一週間は目を覚まさないと思うよ」

 

「そんな・・・・・・っ!」

 

はやてさんが驚愕めきながら言う。

そこに、シグナムさんとザフィーラさんが問い掛けてきた。

 

「だが、それでおまえだけが消えると言うのはどういうことだ?」

 

「我らも消えるのではないのか?」

 

「いいえ。私は、闇の書の内部から出るとき、管制人格のリインフォースさんと守護騎士であるシグナムさんとシャマルさん、ヴィータさん、ザフィーラさんを、別プログラムとして闇の書から切り離しました。今のみなさんは、プログラムではなく、はやてさんと同じ存在です」

 

私がそこまで言うと、管制人格のリインフォースさんはなにかに気づいたかのように私を見てきた。

 

「ま、まさかと思うが・・・・・・・」

 

「ええ。闇の書のすべてを私一人が背負っているんです」

 

「?どういうことなんリインフォース?」

 

「聖良は・・・・・・闇の書の本体でもあると言うことです主」

 

『『『『『!!??』』』』』

 

今の私は、闇の書の防衛プログラムなのではなく、リインフォースさんの変わりに闇の書の本体を管理している、情報管制端末でもあるのだ。

 

「じゃ、じゃあリインフォースはなんなん?!」

 

「リインフォースさんはシグナムさんたちと同じで騎士という存在です。はやてさんとユニゾンは問題なく出来ます」

 

私がそう言うとリインフォースさんは驚いたように自分を見た。

 

「そして、闇の書が新しく防衛プログラムを作り上げるのにそう猶予はありません。予測であと五日・・・・・・」

 

幾ら防衛プログラムのコアを破壊したとはいえ、それは私のプログラムであったコアだ。また新しく作られてしまえばそこに上書きされる。そうなってしまえば、私という存在は消滅してしまうだろう。

そうなったら、あの苦しみを新しい私に味合わせることになる。それだけは絶対に阻止したい。私は話ながらそう思った。

 

「その前に私を・・・・・・なのはさん、フェイトさん、はやてさん。三人の魔法で私を闇の書ごと消してください」

 

「そんなのダメだよ!」

 

「できない!」

 

「そうや!零夜くんが悲しむ!」

 

なのはさんたちがそう言ったそのとき。

 

「なに勝手に消えようとしてるの聖良!」

 

『『『『『!?』』』』』

 

部屋の入り口からよく響く声が聞こえた。

声の発生場所を見ると、そこには。

 

「零夜お兄ちゃん・・・・・・」

 

私服姿の零夜お兄ちゃんがいた。

 

~聖良side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~零夜side~

 

「ん・・・・・・」

 

目を覚ましてまず最初に目に入ったのは、アースラの天井だった。

 

「ったたた・・・・・・・よっと」

 

身体があちこち痛いが、少し寝たため動けないほどでもなく、寝ていたベットから降り医務室らしき部屋を後にする。

 

「あれ、凛華たちどこにいったのかな。クレハ、知ってる?」

 

《いいえ。行き先までは不明です》

 

「じゃあ探そっかな?」

 

クレハの答えに僕はちょっと苦笑して広範囲索敵魔法を使う。

 

「見つけた、会議室かな?」

 

僕は凛華たちの反応があった部屋へと向かった。

扉の前に立った僕は、中から聞こえてくる声に眉を寄せた。

 

『なのはさん、フェイトさん、はやてさん。三人の魔法で私を闇の書ごと消してください』

 

「聖良?」

 

僕は聖良の言った言葉が瞬時には理解できなかったが、その一秒後理解できた。聖良が闇の書、夜天の魔導書ごと消えようとしていることに。

さすがにこれには僕も怒る。

そう思いながら中に入り、

 

「なに勝手に消えようとしてるの聖良!」

 

僕は聖良に向かってそう言った。

 

「零夜お兄ちゃん」

 

「なんで、僕に相談もなく消えようとしてるの!」

 

僕は聖良の前に立ってかなり本気で怒っていた。

なのはたちが驚いているがそれは視界に入らない。

 

「聖良はもう僕たちの家族なんだよ!天ノ宮聖良って言う、ちゃんとした名前があるの!」

 

「零夜くん落ち着いてください」

 

「凛華」

 

「聖良ちゃんの話を聞いてあげてください」

 

凛華の制止の声に僕は声を止め、聖良を見る。

 

「だって、お兄ちゃんが目を覚ます頃にはもう無理だと思ったから・・・・・・」

 

聖良はうつ向きながら涙声で言ってきた。

 

「はやてさんにもリインフォースさんにも、お兄ちゃんにも迷惑かけないためには私が・・・・・・・・・私自身の罪でもある闇の書と一緒に消えないと・・・・・・・!」

 

「聖良・・・・・・」

 

「最後に、聖良っていうちゃんとした名前を貰えて、お兄ちゃんたちと一緒に闘えて、空を飛べてよかった。だから・・・・・・!」

 

僕は聖良の涙声で言う言葉を抱き締めて無理矢理止めさせた。

 

「大丈夫。大丈夫だから。聖良の罪は僕も背負っていくから。一人で消えようとしないで・・・・・・・!お願いだから勝手にどこかに行かないで!もう、家族がいなくなるのは嫌だから・・・・・・!」

 

聖良を抱き締めながら、僕は心に思っていた本心を言う。せっかくの新しい家族が、また消えるのは嫌だから。そんな辛い思いをするのはもう嫌だから。

 

「零夜・・・お兄ちゃん・・・・・・」

 

僕の言葉に聖良はさらに強く抱き締め返してきた。

そした頬に、少し冷たい聖良の涙が流れているのが伝わってきた。

 

「ごめん・・・なさい・・・・・・ごめんなざいお兄ちゃん・・・・・・ご()んなじゃ()い」

 

「うん。うん」

 

嗚咽声を上げながら、涙を流す聖良に僕は赤子のように優しく背を叩いて、頭を撫でた。

幼い聖良は今まで耐えてきた涙を吐き出すように泣き続けた。僕はそれを優しく抱き締めたまま聖良の好きなようにさせるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと。それじゃあさっそく始めちゃいましょうか」

 

僕はアースラの中にある訓練室でそう言った。

聖良が泣き終えたあと、僕はリンディさんに話し、この訓練室を借りたのだ。この場にいるのはリンディさん、クロノ、エイミィさん、クライドさんたちアースラ乗組員。なのはやフェイト、はやてにユーノたち。そしてグレアム叔父さんとリーゼ姉妹だ。この事件の関係者ほぼ全員が訓練室の壁際に並んで立っていた。

 

「だ、大丈夫なの零夜くん?!」

 

「大丈夫だよなのは」

 

心配そうに聞いてくるなのはに、僕は微笑み返して宙に浮かぶ闇の書もとい、夜天の魔導書を見る。

 

「お兄ちゃん」

 

僕の傍に立って不安げに見てくる聖良に、僕は聖良の髪を撫で微笑み返す。

 

「大丈夫だよ」

 

「・・・・・・うん!」

 

そう言うと聖良はニコッと笑い返してくれた。

 

「さあてと。凛華、澪奈、星夜、最後の一仕事張り切っていくよ!」

 

「はい!」

 

「うん!」

 

「ええ!」

 

人形の凛華たちにそう言い、僕はバリアジャケットを身に纏う。

 

「聖良、いくよ!」

 

「うん!お兄ちゃん!」

 

「「ユニゾン、イン!」」

 

聖良とユニゾンしたことにより、僕の長い黒髪が白銀に染まり、両目がそれぞれ右が蒼、左が紅と、オッドアイになった。身長は変わらなく、バリアジャケットも少し丈が伸びたりとしただけで、変化はあまりない、決戦の時と同じ状態だ。

 

支配領域(インペルマジェスター)!」

 

僕はさっそく支配領域で夜天の魔導書を囲う。

 

「澪奈、結界構築!星夜、情報解析!凛華、情報整理!」

 

《うん!》

 

《はい!》

 

《わかりました!》

 

支配領域の領域結界を澪奈が増強し、星夜は夜天の魔導書内部の情報を解析し、凛華が星夜の解析した情報を整理する。そして、それを僕が内部構造を把握し防衛プログラムの本体を捜し出し、それを分離する。

流石にこれは僕一人だけでは無理だ。凛華たちの能力が合ってこそだ。

しばらくして――――

 

「見付けた!」

 

防衛プログラムを分離してそのプログラムを防壁で囲う。

 

「クレハ、セットアップ!」

 

《イエスマスター!》

 

そしてクレハを展開して。

 

「内部干渉・・・・・・完了。領域を固定」

 

《干渉確認、いつでも行けます》

 

「それじゃあいくよ。クレハ!」

 

《イエス!》

 

「クレハ、コキュートス発動!」

 

《イエス。コキュートス、発動します!》

 

クレハに搭載した防衛プログラムを完全に破壊する魔法。それがコキュートス。このコキュートスは人体にも有効だが、それを支配領域で改変、防衛プログラム内部に干渉して発動させる。

 

《防衛プログラム、内部凍結破壊を確認》

 

《内部凍結破壊完了まであと、47%》

 

「了解、三人ともそのままそれを維持!」

 

凛華と星夜の解析にそう指示を出して、コキュートスの発動を確認し続ける。

防衛プログラムもコキュートスに抗っているみたいだが無駄になってる。このコキュートスは如何なる防護プログラムも無効化し、それを凍てつかせる。凍てつかせた先にあるのは破壊と永遠の死。それは人だろうと無機物だろうとシステムだろうとプログラムだろうとなんだろうと関係ない。外部から凍り付かせるのではなく内部から凍り付かせるのだ。

 

《内部凍結破壊完了まで、残り5%》

 

《内部凍結完了しました。凍結破壊を開始します》

 

内部が完全に凍りついたのを確認し、内部凍結破壊を実地する。夜天の魔導書と分離し本体を破壊するのだからこれにより、新たに防衛プログラムが作られることもない。

 

《防衛プログラムの完全破壊を確認しました》

 

《夜天の魔導書内部に防衛プログラムの反応はありません》

 

「了解。クレハお疲れさま」

 

クレハの展開を解除してクレハに言う。

防衛プログラム関連以外のプログラムやシステムは全て処理、整理済みだ。内部修復を行い破損を改変させる。

 

来たれ(アデアット)―――時律の双銃(クロノス・デュオピストリス)

 

眼に意識を集中させて喚び出す。両手に黒と白銀の銃が現れ、左手の黒の銃の銃口を夜天の魔導書に向ける。

 

「時律の双銃、時間遡行改変弾(クロノ・プラエテリトゥムバレット)

 

時律の双銃の黒の銃の時間遡行(タイムバック)の能力をフルに発動。夜天の魔導書が改変される前の姿に戻す。防衛プログラムの本体がないため問題なく可能だ。

放たれた黒金に輝く一発の時間遡行の弾丸は夜天の魔導書に命中し、虹色の輝きが夜天の魔導書を包み込んだ。

目映い虹色の輝きは一瞬で終わったが、これで夜天の魔導書が闇の書に改変されたという事象は改変された。改変された事象を支配領域で固定する。

 

「澪奈、結界解除」

 

支配領域の領域結界を解除し、支配領域だけにする。

支配領域の中心に浮かぶ夜天の魔導書を手に取り。

 

「支配領域、解除」

 

展開していた支配領域を解除する。

手に持つ魔導書は、闇の書の原本夜天の魔導書の姿になって、闇の書が醸し出していた禍々しさは無くなっていた。

 

「ふぅ。成功した」

 

夜天の魔導書の背表紙を撫でて僕は小さく呟いて、なのはたちの方を向いて一言。

 

「おわったよ」

 

そう言った。

それと同時に、バリアジャケットから元の私服に、聖良とのユニゾンを解除した。

 

「はい、はやて」

 

「え・・・・・・?」

 

「これははやての魔導書だよ。闇の書じゃなくてちゃんとした、夜天の魔導書。まあ、リインフォースはユニゾンできるけど夜天の魔導書の管制人格じゃなくなっちゃったから、また今度夜天の魔導書のユニゾンデバイスを作らないといけないとだけどね」

 

僕は夜天の魔導書をはやてに渡してそう言った。

はやては夜天の魔導書を大事に抱え込みながら僕を見た。

 

「ありがとう零夜くん!」

 

「うん」

 

はやての礼に僕は微笑み返して、グレアム叔父さんを見る。

 

「これでやっと闇の書事件が終わりましたねグレアム叔父さん」

 

「ああ。わたしたちの悲願は遂に叶ったよ。ありがとう零夜君」

 

「ありがとう零夜」

 

「零夜、ありがとう」

 

グレアム叔父さんとリーゼ姉妹もお礼を言ってきたため、僕は少し恥ずかしくなった。

 

「さてと。後はクロノに任せていいかな?」

 

「はぁ。まあいい。僕も父さんを助けてもらったからな。感謝する零夜」

 

「それは聖良に言ってあげて。聖良がクライドさんを護ってあげたんだから、って、と。リンディさん、クライドさんちょっと動かないでくださいね」

 

「え?はい」

 

「はい?」

 

僕は思い出したかのようにリンディさんとクライドさんにそう言うと、時律の双銃の黒の銃の銃口リンディさんに向けて射った。

 

「よしと。次は」

 

リンディさんに射ったあとら、もう一つの白銀の銃の銃口をクライドさんに向けて射つ。

 

「これで完了っと。リンディさんとクライドさんの歳をそれぞれ六歳ほど変えました。クライドさんにはすみませんが、六歳ほど歳を取ってもらいました」

 

僕は以前アリシアとプレシアさんにした同じことを二人にしたのだ。これまで一緒に要られなかった時間をこれから作ってほしいからね。リンディさんだけだとちょっと違和感があるから二人に射ったのだ。

当の二人は驚いていたりしていた。

 

「ところでさ」

 

『『『『『???』』』』』

 

「はやて、病院に戻らなくて大丈夫なの?なのはは桃子さんたちが心配すると思うし、プレシアさんはアリシアを放ったらかしですか?」

 

『『『『『あ!』』』』』

 

僕の問いにみんなようやく動き出したのだった。

まあ、驚いたりしているが、はやては病院に、なのはとフェイト、アルフ、プレシアさんはアリシアの所へと、僕らはそれぞれ帰ったのだった。

 

 

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