魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語 作:ソーナ
~零夜side~
『それじゃ、今から試験始めるよ』
「わかりましたエイミィさん」
正月が過ぎ、冬休み終了間際のある日、僕はミッドチルダにある時空管理局地上本部の試験フィールドにいた。
理由は僕の入局試験とランク測定の為だ。
『まずは試験の内容を説明するね。零夜君はここからゴールのある場所まで
「了解です」
『ちなみに試験官は五人いるので、頑張ってね~』
「それどんな無理ゲーですか!?」
エイミィさんの最後の言葉についツッコミを入れてしまったのは絶対間違ってないはずだ。一人でベテラン五人相手は無いと思う。
『ちなみに発案者はクロノくんだからね』
「クロノ!?」
クロノは僕になにか恨みでもあるのだろうか。僕はそう思いながらエイミィさんの告げた
『デバイスの使用制限はないけど、天災級の魔法は使わないでね』
「使いませんよ!」
たぶんだけどエイミィさん、悪ふざけで言っている気がする。まず第一に質量消滅魔法は論外だし、千の雷や千年氷華などの最上級魔法はなのはのSLBより強いので使用不可。それ以前に周囲一体が大変なことになる。
つまり使用できるのは上位魔法までということになる。
『とまあ、内容は以上になるよ。で、破壊する的はこれね。それと破壊しちゃダメな的もあるからそれは破壊しないでね』
そう言って出てきた空間ウインドウに表示された二種類の的を覚える。
『他に質問はあるかな』
「特には無いです。あるとすればクロノに伝言をお願いします」
『?いいよ』
「えっと、じゃあ。クロノ、あとで覚悟しといてね~。以上です」
『あはは。了解、一字一句違えずにクロノくんに伝えるよ』
僕の伝言にエイミィさんはひきつり笑いをしながら言った。
『それじゃあ、始めるよ』
エイミィさんがそう言うと、目の前の空間ウインドウにカウントダウンのタイムが流れた。
「さてと、凛華、澪奈、星夜、紅葉、聖良、往けるね」
《はい!》
《もちろん!》
《いつでも行けますわ!》
《問題ありませんマスター》
《大丈夫だよお兄ちゃん》
すでにバリアジャケットを装着して聖良とユニゾンしている僕はみんなに声をかけて確認する。
凛華と紅葉は通常の杖状態で、澪奈は片手剣形態で腰の鞘に、星夜は背中に双翼形態として準備万端だ。
そうこうしている内に、カウントは五秒を切っていた。
「それじゃ・・・・・・・・・・行くよ!」
カウントがゼロになるのと同時にスタートラインから飛び立ち移動する。
「さっそく・・・・・・星夜、スタービット展開!」
《はい!》
背中の双翼形態の星夜から十個の
「スタービット、
スタービットから放たれた砲撃は一直線に標的に向かい、標的を貫く。
「
星砲で狙えない場所を魔法の射手で狙い標的を破壊する。
「っと!危ない危ない」
《試験開始から5分経過ですマスター》
「了解紅葉」
紅葉からの試験経過時間を告げられ、さらに標的を破壊していく。
そのまま続けて行くこと数分、僕はゴール近くの広場らしき場所に立っていた。
「四・・・・・・いや五人。これが試験官でいいのかな」
僕は周囲を探り、人の気配を感知する。
「出てきてください。そこにいるのは分かってます」
僕がそう呼び掛けると、数人から驚きの気配が漏れでたのがわかった。だが、ただ一人だけ驚きの気配が漏れでてなかった。
「あ、出てこないなら問答無用で攻撃しますね」
そういうのと同時に僕はスタービットを二機ずつ配置し、
「―――
スタービットから光弾を剣のように撃つ。
同時に相手に命中すると、
「「ちょっと待ってくれてもいいんじゃないかな~!?」」
「え、アリアさんとロッテさん!?」
上からアリアさんとロッテさんが降りてきた。
そして、それと同時に薙刀のデバイスを構えた男の人と両手足にアームドデバイスを装備した女の人と両手に手甲のようなグローブを身につけた女の人が出てきた。
「アリアさんたちが試験官なんですか!?」
「いや~、実はそうなんだよね」
「クロ坊に頼まれちゃってさ~。それに私も零夜の実力、この身で味わってみたかったからね」
「あ、そ、そうなんですか」
アリアさんとロッテさんの答えに呆気に取られながら返し、残り三人の人に視線を向ける。
「それで、この方たちは?」
僕がそう訪ねると。
「俺はミッド地上首都防衛隊所属のゼスト・グランツだ。こっちは部下のメガーヌ・アルピーノとクイント・ナカジマだ」
薙刀型のデバイスを持った男の人が答えた。
「首都防衛隊?」
「あー、ミッドチルダの防衛部隊だよ」
「なるほど」
僕の疑問にはアリアさんが答えてくれた。
「それで、これは一対一で闘うんですか?」
「あー、いやー・・・・・・」
「すまんが、君には俺たち五人を一度に相手してもらう」
「あー、やっぱり」
嫌な予感的中。
僕は思っていたことが当たり、あとでクロノへのお話を長くすることにした。
「さっそくで悪いが、始めさせてもらう」
「わかりました」
「言っとくけど、手加減しないからね零夜!」
「ええ。こっちも手加減無用です!」
ロッテさんと僕のその言葉を皮切りに、ゼストさんとアリアさんが僕に迫ってくる。そしてその後ろから。
「行くわよ!ウイングロード!」
クイントさんが地面に右の拳をぶつけたかと思いきや、そこからベルカ式の魔方陣が展開され、帯のようなものが出てきた。
「メガーヌ、俺とクイントに身体強化頼む」
「わかりました」
「はあっ!」
「せあっ!」
ゼストさんの薙刀の一撃を凛華で受け止め、
「せりゃっ!」
横から来るアリアさんの拳を紅葉で受け止める。
「はああっ!」
迫り来るクイントさんの拳をゼストさんとアリアさんの攻撃の軸をずらして避け、クイントさんの拳を掴んでカウンターでアリアさんへ薙ぎ飛ばす。
「うわっ!」
「なっ!」
「スタービット、星砲!」
魔法で援護射撃してくるロッテさんとメガーヌさんの二人にスタービットで牽制する。
「―――
ロッテさんの足元に氷爆を発生させて攻撃する。
そこに。
「よそ見をしていていいのか」
ゼストさんが薙刀を振るってきた。
「凛華!」
《はい!》
僕はすぐさま凛華を剣形態にして薙刀の刃を受け止める。
「その歳でその技量。さすがに驚いたぞ」
「いえ、それほどでも」
鍔迫り合いを行いゼストさんと会話する。
鍔迫り合いをして分かったことがあった。それは。
「(この人とんでもなく強い!シグナムより強いんじゃないかな・・・・・・)」
ゼストさんの薙刀の。剣の重みが強いと言うことだ。生半可な訓練や覚悟じゃこの重みにまでいかない筈だ。それくらい、ゼストさんが剣に込める想いが強いということなのだろう。
「(見た感じこの薙刀はシグナムやヴィータと同じアームドデバイス。つまり、ベルカ式の魔導師)」
鍔迫り合いの最中観察しながら僕はそう考察する。
するとゼストさんが。
「すまないが、俺一人で戦ってもいいか?」
アリアさんたちにそう言った。
「「隊長!?」」
「「ゼスト!?」」
そこにクイントさんたちからの驚きの声が入る。
「コイツ。いや、天ノ宮と言ったか?天ノ宮の実力が知りたい」
「いやいや、これ一対一の戦闘じゃないんですよ!?」
「一対一なら私もやりたいわ!」
「クイント~!?」
なんだろメガーヌさんがツッコミキャラになってる気がする。この人絶対ツッコミキャラじゃない筈だけど・・・・・・。
「まあ、 時間はまだあるけど・・・・・・」
さすがにこの展開にアリアさんとロッテさんは互いの顔を見合わせる。そこに。
「あの~、あとで手合わせってことでいいのでは?」
僕が気まずそうに提案する。
「ではそうすることにするか。クイントもそれでいいな」
「ええ」
「え~・・・・・・」
「じゃあ試験の続きってことでなんだけど・・・・・・」
「?なんでしょうアリアさん」
「いや、零夜本気じゃないでしょ?」
アリアさんの質問に視線を少しずらして答えた。
「いや、まあ、さすがに
「?使ってもいいけど」
「いや、使ったらアリアさんたちすぐに終わっちゃいますから」
さすがに試験でそれはダメだろうということで闇の魔法は使ってないのだ。
「すまないが天ノ宮。その闇の・・・魔法?というものも使ってくれ。そうでなければ意味がない」
「え、えっと、そのクイントさんとメガーヌさんもいいですか?」
ゼストさんがそう言うが、一応僕はクイントさんとメガーヌさんにも聞く。
「いいわよ」
「ええ。噂の能力を見てみたいわ」
二人もそう言うことみたいなので、僕はゼストさんたちから少し離れた。
「わかりました。では―――」
眼を閉じて、意識を集中させカッと眼を見開いて詠唱する。
「―――
周囲を小さな雷が飛び散り、冷気が漏れでる。両の掌には千の雷と千年氷華の魔力の塊がある。そしてそれを。
「
二つ同時に体内に取り入れる。
それと同時に、僕の身体から眩い輝きが辺りを照らし、蒼白く輝きはじめる。そして周囲は吹雪と放電の魔力余波が吹き荒れる。
「
そう最後の式句を述べた。
「それでは・・・・・・・・・・行きます!」
そう言うのと同時に、僕はメガーヌさんに一瞬で迫り。
「―――
紫色の鎖で拘束して動けないようにする。
「っ!?」
ようやく気づいたみたいなアリアさんたちは驚愕の表情で僕の方見てきた。ロッテさんはすぐさま攻撃魔法を放ってきたが。
「―――
支配領域を展開して攻撃魔法を解析、構築を分解して消す。
「なっ?!」
「すみません。
メガーヌさんを睡眠魔法で眠らせて、ロッテさんに雷槍を翔ばす。
「メガーヌが一撃だと!?」
「これが噂の・・・・・・!」
ゼストさんとクイントさんが驚くなか、アリアさんは拳を握りしめて
「これならどう零夜!」
「ふふ。遅いですアリアさん!」
僕はアリアさんの拳を避け、一瞬で背後に回り込む。
「アリア後ろ!」
「ハッ!」
ロッテさんが警告するが時既に遅し。
「――
威力を弱めた白き雷でアリアさんを麻痺させて気絶させる。
「そんなアリアまで・・・・・・」
「行きますよロッテさん!」
「くっ!」
「これ以上させないわ!」
ロッテさんに向かっていくと途中でクイントさんが脚のローラーブレードで滑って素早く迫ってきた。
「はあっ!」
「せあっ!」
クイントさんの蹴りを受け止め、クイントさんのお腹に掌底を喰らわせる。
「ぐっ!」
「大丈夫かクイント」
「大丈夫です隊長」
「俺が天ノ宮の動きを止める。その間にロッテとともに攻撃しろ」
「了解!」
「オッケー、ゼスト!」
「うおおっ!」
「!」
ゼストさんは薙刀に炎を纏わせて迫ってきた。
「(フェイトやアリシアと同じ変換素質持ち?!しかも炎熱属性!)澪奈!」
《うん!》
驚きながらもゼストさんの攻撃を避けずに受け止める。
「ぐっ!」
とっさに氷属性の付与を澪奈の刀身に施したが、ゼストさんの炎熱と互角だった。
「クイント!」
「はい!」
ウイングロードと呼ばれた移動拡張魔法で、その帯の上をローラーブレードで滑りながらクイントさんは両手のガントレットを握りしめて殴ってくる。
「ブレイズカノン!」
そして後ろからはロッテさんが魔法攻撃をしてきた。
「ふぅ・・・・・・」
呼吸を整え、意識を極限にまで集中させる。
まずは目の前のゼストさんの薙刀の軌道を横に滑らせて、足元を氷で動けなくさせる。そして迫り来るロッテさんのブレイズカノンを無詠唱の
この一連の動作を五秒も経たずに終わらせた。
「なに?!」
「うわっ!」
「にゃっ!?」
上からゼストさん、クイントさん、ロッテさんが驚きの悲鳴をあげる。
「にゃぁ!?」
ロッテさんのブレイズカノンを打ち消した雷の暴風はそのままロッテさんにせまり、ロッテさんは雷の暴風に呑み込まれ、眼を回して気絶していた。
「せあっ!」
次に動きを軽く阻害されて、凭れたクイントさんの背後に一瞬で回り込んでアリアさんと同じように弱めた白き雷で麻痺させて動けなくさせる。もうスピードで突っ込んでくる相手には足元に簡単な罠を仕掛けておくのが一番の効果的だ。クイントさんは僕が支配領域で構築した地面の揺れを軽く体感してよろめいたのだ。
「クイントまで倒されたか」
「あとはゼストさんだけですね」
「ああ」
「では、参ります!」
僕は魔法は使わず(天雷氷華はすでに魔法なのだが)純粋な剣での勝負をゼストさんとし始めた。
ゼストさんの薙刀の突きを右手の凛華の剣の腹で受け止め、左手の澪奈で薙ぎ払う。だが、それは薙刀の長束の変則ガードで防がれる。
「はあっ!」
「てりゃあ!」
あちこちで金属音が鳴り響く。
戦闘の舞台は地面だけでなく、空中でも行われた。八の字を描くように、丁度交差位置でぶつかり合う。
「りゃあ!」
「うおおっ!」
幾度となく打ち合わせていくと、残り時間が短くなっていた。
「はあ、はあ、はあ。時間がないね」
《大丈夫、お兄ちゃん?》
「大丈夫だよ聖良。サポートお願いね」
《うん!》
聖良にそう言い、両手の凛華と澪奈に
「ぜあっ!」
「ぬうんっ!」
ゼストさんは《ソニックリープ》を受け止めるが、顔を険しくさせた。
「まだです!」
そこから連続攻撃を絶え間なく、交互に繰り出していく。二刀流ソードスキルと片手剣ソードスキルを駆使して息の吐かせる間もなく放つ。
「ぬおっ!?」
「(いまだ!)ヴォーパル・ストライク!」
ついに崩れたゼストさんの体勢に、ゼストさんのデバイスの薙刀の刃先に向けて片手剣ソードスキル《ヴォーパル・ストライク》を撃ち込む。
「なに!?」
ヴォーパル・ストライクを受けた薙刀の刃は二つに分かれた。軽く動揺しているその間に。
峰打ちでゼストさんの身体を打つ。
肺の中の空気があっという間に出て、ゼストさんは前のめりに倒れた。
「見事だ」
そう言うとゼストさんは地面にへと落下していった。
「危ない!」
僕はとっさにゼストさんの手を取り、ゆっくり安全に地面に寝かし付けた。
それと同時に、天雷氷華が解けたようで身体は元に戻った。
「うーん、このままにしておくわけにはいかないし・・・・・・」
僕は気絶させて戦闘不能にしたアリアさんたちを集めて治癒魔法をかけながらそう呟いた。
「
この試験ではアーティファクトが使用できないそうなので今アーティファクト類は明莉お姉ちゃんのところにあるのだ。
どうしようか考えていると。
「あたた」
「あ、アリアさん」
アリアさんが目を覚ました。
「やられたよ零夜。さすがね」
どうやらもう戦闘するつもりはない様子で、起き上がってそう言った。
「そ、そんなことないです。アリアさんたち強かったですし。僕のはちょっとチートですから」
正直闇の魔法は使わないつもりだったのだが、ゼストさんたち促されてつい使ってしまった。もし、闇の魔法が無ければ恐らく僕は負けていた筈だ。
「そんなことないさ。それより速くゴールに行ったら?時間なくなるよ。ここは私が見ておくからさ」
「じゃ、じゃあすみませんがお願いします!」
アリアさんにゼストさんたちを任せて僕はゴールにへと飛んでいった。
一分程とんで、ゴールに辿りついた僕を待っていたのは。
「ク~ロ~ノ~!」
「うわっ!ちょっ!いきなりなにするんだ!」
無理ゲーを押し付けたクロノだった。
僕はゴールに着くさま、クロノを発見し次第すぐに魔法の射手で攻撃をした。
「問答無用!そこに正座!」
「え、エイミィどうにかしてくれ!」
「いや~、今回はクロノくん自業自得だと思うよ?」
「さて、クロノ。よくもアリアさんたち五人を一度に相手にさせてくれたね!」
「勝ったんだから良いじゃないか!」
「そういう問題じゃないわぁ!」
逃げ待とうクロノをエイミィさんとこの試験を見ていたリンディさんとその親友らしいレティさんは苦笑していた。
あのあと結局クロノは僕の凍結魔法に捕まり、氷付けにされそこから僕のお話と言うOHANASHIが始まったのだった。
ちなみに試験結果は。
「文句なしの合格ね。というかこれで不合格なら見てみたいわ」
「ええ。首都防衛隊のS+ランク魔導師にAAランク魔導師二名。そして、教導官最強と言われてるアリアとロッテを倒したのだから当然といやそうね」
らしい。リンディさんとレティさんからはじめて知った事実に僕はゲンナリした。というかよく勝てたと、思った。
「それにランクは空戦魔導師としても陸戦魔導師としてもSSS」
「総合ランクはSSSね」
「魔力ランクは測定不可。EXランクかしらね」
「でしょうね」
ということらしい。はっきり言っていいなら、不幸だぁぁぁぁぁぁ~!!と、学園都市の誰かさんみたいに叫びたい。
理由としてはS+ランク魔導師とAAランク魔導師二名と教導官の二人を倒したからのと、標的がすべて破壊されているかららしい。
こうして僕の不安混じりの管理局入局の試験が終わったのだった。