魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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上層部

 

~零夜side~

 

 

【特殊執務管理室第0課】通称、特務0課に入ってから、僕は与えられた仕事をすべてこなしていた。特務0課は今は公に公表されておらず、一部の管理局員。ミゼットさんたち数名しかしらない。2、3年は表向きはグレアム叔父さんの部下として働くらしいが、裏は、特務0課室長として動く。僕らが調べ、黒か白を付けて裏付け調査をして黒だと分かった上層部や高官は、執務官であるクロノに捕縛させてる。僕が捕縛しない理由は、今はまだ執務官の資格を持ってないからだ。一応グレアム叔父さんから提案を承け、お願いはしているが。

そして今も。

 

「星夜、裏付けの方はどう?」

 

「こっちの方は白ですわね」

 

「ってことは押し付けられた?」

 

「恐らくは」

 

僕たちは管理局内情調査をしていた。

 

「零夜くん、情報改竄の痕跡があったよ」

 

「オッケー澪奈。サルベージ出来る?」

 

「う~ん、ちょっと時間がかかるかも」

 

「そうか・・・・・・。取りあえずサルベージして、改竄前の情報を引き出しといて」

 

「任せて~!」

 

「お兄ちゃん、この書類は?」

 

「あ、それはこっちにお願い」

 

「うん!」

 

「マスター、グレアムさんから伝言を承けたまってます」

 

「?」

 

「え~と。執務官試験の件は了解した。残りの件は追々話す。だそうです」

 

「オッケー。ありがとう紅葉」

 

「零夜くん、ミゼットさんから電話が入ってるよ」

 

「了解。凛華、繋げて」

 

凛華にそう言うと僕の目の前に空間ウインドウが現れ、そこからミゼットさんが映し出された。

 

『こんにちは天ノ宮君』

 

「こんにちはミゼットさん」

 

『グレアム特別顧問から聞いていますけど、早速お手柄そうですね』

 

優しそうに、お祖母ちゃんのように言うミゼットさんに僕は少し照れながら答えた。

 

「そんなことないですよ。基本的に、検挙はクロノに任せてますし。みんなが居てくれるから出来ることですし」

 

『なるほど。天ノ宮君は家族想いなんですね』

 

「まあ、女の子ばかりですけど、それでも一緒に生活してますから」

 

ミゼットさんにそう言うと凛華たちの顔が真っ赤に染まっているのが視界に入った。

不思議に思ったが、今はミゼットさんからの用件を聞くことを優先することにした。

 

「ところでなにかようですか?」

 

『実は、グレアム特別顧問が上層部から天ノ宮君の呼び出しがあると連絡を受けまして』

 

「上層部?もしかしてその上層部って」

 

『はい。予測していると思いますがその上層部は非人道的な事をしていると噂されている一派です』

 

僕はすく様星夜に目配せをして情報を集めてもらった。

 

「確認しました。なるほど・・・・・・。星夜、ミゼットさんにもデータを」

 

「かしこまりました」

 

星夜に言うと、瞬時にスクリーンウインドウに映るミゼットさんの前にウインドウが表示させた。

 

『これは・・・・・・』

 

「ミゼットさん、裏付けも完了してますけどどうせなら実質的証拠を持って捕らえませんか?」

 

『・・・・・・わかりました。では特務0課に命令します。直ちにこの者たちを捕縛なさい!手段は問いません。但し、物的証拠を得てから確保するように。補佐としてクロノ執務官を向かわせます』

 

「「「「「「了解!」」」」」」

 

ミゼットさんの指示に僕らは同時に敬礼して返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

 

 

 

クロノとグレアム叔父さんと相談したりして翌日。僕は予定通り管理局上層部に呼び出されていた。

しかし、部屋にいるのは僕だけだ。呼び出した張本人たちはウインドウの向こう側にいる。しかしその顔は見えないようにされていた。

 

「本日は一体なんのご用でしょうか?」

 

僕は冷静に問いた。

 

『今日君を呼び出したのは他でもない。君の能力を我々のために役立ててもらいたいのだ』

 

「それはどういう意味でしょうか?」

 

『これを見たまえ』

 

そう言う一人の上層部の高官は僕の周囲に様々なデータのウインドウを表示させた。

そこに表記されているデータはすべて非人道的な実験や実験結果の内容だった。

 

『君にはここにかかれているプロジェクトに参加してもらいたい』

 

「ほう・・・・・・。まさかと思いますがあなた方が考えて行っているプロジェクトですか?」

 

『当たり前だ。何をいっているのだ?』

 

「管理局の上層部がこんなことしていいんですか?」

 

『正義に犠牲は付きものだ。むしろ、我々の正義の礎になるのだから誇らしく思いたまえ』

 

『その通り。今の管理局には必要なのだ』

 

周囲に浮かぶスクリーンに映る上層部の面々が次々に言う。正直言うと呆れてきた。

 

「はぁ」

 

『なんだねその声は?』

 

「いえ。余りにも呆れたので。あ、言っときますけどあなた方に対する答えはNO、ですよ」

 

『ほう。では、君の家族や知り合いを人質にとったらどうかな?』

 

「は?」

 

上層部の一人が言った言葉に間の抜けた声が飛び出た。

今この人なんて言った?

家族や知り合いを人質に取るって言った?

 

『君の家族や知り合いは調べ済みなのだよ。さすがの君も家族や知り合いがどうにかなってもいいのかね?』

 

「はぁ・・・・・・。あのさ、あんたら僕を怒らせてるわけ?」

 

『幾らここで喚こうが外には聞こえんよ』

 

「知ってるよ?けど、あなた方を捕まえることはできる」

 

『何をいっているのかね?』

 

周囲のスクリーンに映る上層部の面々の怪訝そうな表情に、ニヤッと含み笑いを浮かべる。

 

「では、改めましてここで僕の役職を言いましょうか。まあ、どうせ二度と会うことはありませんけど」

 

『何を言っているんだ?』

 

「僕は【特殊執務管理室第0課】通称、特務0課の室長、天ノ宮零夜です。あなた方全員、管理局法違反の重罪で捕縛させていただきます」

 

『『『なにっ!?』』』

 

僕のその声と同時に、宙に浮かぶスクリーンの6つからそれぞれドアが開く音が聞こえた。

 

『そこまでだ!管理局法違反の重罪で逮捕する!』

 

『な!?』

 

『あなたを逮捕させていただきます!』

 

『なに!?』

 

『抵抗はしないで投降してくださいね』

 

『なぜここがっ!?』

 

上からクロノ、凛華、星夜の声が聞こえた。そして残り三つからも紅葉と澪奈、聖良の声が聞こえてくる。

 

『貴様っ!』

 

「あなた方のことは初めから調べ済みなんですよ」

 

『おい!ソイツを始末しろ!殺せ!』

 

捕縛されながらも指示を出す上層部の一人の声と同時に、後ろと前の入り口から武装した局員が数十人流れ込んできた。

 

『零夜、そいつらも全員捕縛してくれ』

 

「オッケー、クロノ。クロノは凛華たちと合流して」

 

『わかった』

 

捕縛した上層部を動けないようにしてクロノが僕にそう言って、ウインドウを閉じた。

 

「さあ、それじゃ、やりますか」

 

僕はそう言うと無詠唱の雷系統の魔法の射手を一斉に、全方位に放った。

 

「ふふ。僕を相手にしたいならもう少し努力しなさい。それと、君たちは相手の力量を測れないのかな?」

 

そう言うと、辺りからドサドサと人が倒れる音が立て続けに起こった。

 

「バインド」

 

動けない人をバインドで縛って拘束して武装を取り上げる。

 

「やれやれ、管理局上層部がここまでとはね」

 

僕は物的証拠として小型カメラを起動させていた。さらに、上層部が出した悪戯非道の非人道的な実験などのデータをすべて保存した。これで彼らは言い逃れはできないはずだ。

倒れている全員を縛り上げて数分して、グレアム叔父さんとアリアさんとロッテさんが部屋に入ってきた。

 

「グレアム特別顧問。無事終わりました」

 

「お疲れ様だね零夜君。アリア、ロッテ」

 

「はーい」

 

「ええ」

 

アリアさんとロッテさんが拘束されてる局員を連れて部屋から出ていき、僕とグレアム叔父さんも部屋から出ていった。

 

「グレアム叔父さん、これが彼らの行っていた実験のデータです」

 

「ふむ・・・・・・。なるほど、人体実験に禁忌とされてる生命操作・・・・・・。ありがとう零夜君、これで彼らは言い逃れできないな」

 

「いえ。しかしその中で少し気になるのが」

 

「ん?」

 

「詳しく調べられなかったのですが、管理局の地上本部と繋がってる形跡があったんです」

 

「なに?」

 

周囲に人がいないのを確認して、僕は小声でグレアム叔父さんに言った。

 

「生命操作は彼らはだけでなく、一部の上層部も行ってるらしいんですがその中で地上本部との繋がりが幾つか。ですがどれだけ調べても地上本部との繋がりが幾つかあるってだけでそのパイプ先が誰なのかまでは・・・・・・」

 

「ふむ・・・・・・。わたしら海と陸は常に啀み合っているのだが・・・・・・」

 

「恐らくすべての黒幕が地上本部にいるのかと」

 

「それもかなり高い権力の持ち主ってことかい?」

 

「ええ」

 

本局内部の調べでも、地上本部と本局は長年啀み合っているのが分かる。まあ、それも一部の局員だけみたいだが。調べていくなかで地上本部の何者か。それも高い権力の持ち主が隠蔽している。

 

「この事はミゼット統幕議長たちにも知らせたほうが良さそうだな」

 

「ええ」

 

「零夜君、わたしの予感だが現状ではあまり深入りしないほうがいいと思う」

 

「ええ、僕もそうかと」

 

嫌な予感がした。今のままこれに深入りすると何かとてつもないものを敵に回すのではないかと思ったのだ。今の自分の地位や魔法では恐らく足りない。ランクはSSSだろうが、そんなの関係なく経験の問題だ。魔法も知識も人脈も何もかもが今の僕には足りない。

そう思いながら歩を進めていき。

 

「それではわたしはこれで。零夜君も気を付けくれたまえ」

 

「はい。グレアム叔父さんも気を付けて」

 

グレアム叔父さんと分かれた僕は凛華たちの待っている特務0課の部屋へと戻った。

 

「ただいま~」

 

特務0課に戻ると、既に凛華たちが戻ってきていた。そしてそこにはクロノもいた。

 

「お疲れ様クロノ」

 

「君もな零夜」

 

軽く拳をぶつけ合って僕とクロノはそう言った。

 

「しかし零夜。ここ最近無理してないか?」

 

「そう・・・・・・かな?闇の書・・・・・・いや、夜天の書の頁蒐集のときは不眠不休だったけど」

 

「それはそれで問題だが・・・・・・」

 

クロノは引き笑いを浮かべながら言った。

 

「それに僕はまだ入局して半年も経ってないからね」

 

「いや、正直なところ零夜の検挙数は入局半年の局員なのに対してかなり高いぞ?そもそも普通はこんな3提督直属の部隊になんか配属されないんだからな?」

 

「うん、それは僕も驚いているよ」

 

正直こんな直属の独立部隊に、しかも室長として配属されるなんて夢にも思わなかったのだ。

 

「けど、今にしてみればミゼットさんには感謝しかないよ」

 

僕は部屋の端の方で楽しく談笑しながらお茶をしている凛華たち家族を見る。

 

「そういや君は・・・・・・」

 

そんな僕をクロノは影が落ちたような悲痛の眼差しで見てきた。

 

「そう言えばクロノたちには話したんだっけ」

 

クロノやなのはたちには僕の家族のことを話していた。

 

「ああ」

 

「クロノが気にすることじゃないよ。まあ、会えないのはすごく哀しいけど、ね」

 

凛華が淹れてくれた紅茶を飲みながら、カップの紅茶に視線を落として言う。

 

「ところでクライドさんは元気?」

 

「父さんは相変わらず母さんとやってるよ」

 

「はは。それは良かったよ」

 

闇の書事件のあと、クライドさんは管理局員として復帰したあとリンディさんの補佐として入ったのだ。まあ、グレアム叔父さんがクライドさんをそこに配属させたのだが。

 

「そういや零夜は執務官試験を受けるんだったか?」

 

「あはは、まあね。あった方が良いって言われたから。あとは戦技教導官の資格と司令官の資格とデバイスマイスターかな?」

 

「あいかわらず君はチートだな。只でさえ無限書庫の司書の資格も持っているのにな」

 

「ふふ。明莉お姉ちゃんからもらったこの二度目の命。自分や誰かのために使いたいからね」

 

「君らしいな。ところですずかとアリサのデバイスの方は大丈夫か?」

 

「8割がたは出来上がってるよ」

 

「は、速いな」

 

「あー、星夜と紅葉に手伝ってもらったからね。フレームとかのパーツは僕がクロノから貰ったのを使って作成したけどシステム面は星夜がやってくれたよ」

 

「ほんと、君は夜天の主みたいだな」

 

「はやてと一緒にしないでよ」

 

クロノの言葉に僕は苦笑して返した。

そこで僕は思い出したかのようにクロノに聞いた。

 

「はやてといえば、なのはたちの方はどう?」

 

「なのはたちは今地上の訓練校に短期講習を受けにいってるよ」

 

「まさかなのはたちも入るなんてね」

 

「まあ、そうだな」

 

「アリサとすずかと僕が教えてるし、ほんと僕の知り合いは魔法適正が高いね」

 

「まったくだ。僕はここ最近君に原因があるのでは、と思うようになってるぞ?」

 

「はは。僕も少しそう思ってたよ」

 

「ところで彼女たちが付けていた武器はなんだ?」

 

そこにクロノが凛華たちのほうを見て、ふと気付いたことを聞いた。

 

「ああ。あれは僕が作成した凛華たちのデバイス・・・・・・ってより、補助装置みたいなものかな?」

 

「補助装置だと?」

 

「うん。凛華たちの魔法を使うときの補助かな。一応、近接戦闘にも対応してるけど」

 

「なるほどな。まったく君というヤツは」

 

苦笑して紅茶を飲むクロノに肩を竦めて無言で返した。

そのあとは簡単な業務連絡等をして、僕は管理局を後にして自宅へと転移し、いつも通りの日常を終えた。

 

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