魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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バレンタイン

 

~はやてside~

 

「―――よし!これで完成や」

 

トッピングをして、箱に詰めてリボンをして完成したものを私は満足気に微笑む。

 

「ふふ。喜んでくれはるかな零夜くん」

 

みんなが寝静まった静かな家の台所で私は目の前にある、今しがた自分が作ったものを見る。そこには水色の包装紙で包まれ、白いリボンテープでラッピングされた一つの箱があった。

 

「今年のはいつもと違うからなあ~」

 

零夜くんのお陰で治った足を視てそう呟く。

 

「みんなにも作ってはるけど零夜くんのだけは特別製や」

 

そう静かに呟くと、私はカレンダーを見る。

そのカレンダーの2月の欄にある14日の場所には決戦日と書かれていた。

 

「明日は本番やし、それに零夜くんたちが家に久しぶりに泊まりに来てはるからな楽しみや」

 

時刻は夜11時。

明日の乙女の聖戦(戦い)まで残りあと僅か。そして、会うまで残り約17時間。すべてはこの想いがあるから。

 

「絶対に負けへんよ・・・・・・!」

 

誰にも聞かれることなく、私の言葉は虚空へと消えた。

 

~はやてside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~なのはside~

 

「お母さん、これで大丈夫なのかな?」

 

「ええ。上手に出来てるわ」

 

今私は自宅のキッチンでお母さんに教わりながら明日の準備をしている最中です。

 

「零夜くん、喜んでくれるかな~」

 

「大丈夫よ。零夜君も喜んでくれるはずよ」

 

「だといいなあ~」

 

目の前に出来上がった物を見ながら不安そうに呟きます。

 

「お。完成したのかなのは」

 

「お父さん。うん、出来たよ」

 

「そっか。明日は頑張れよ」

 

「うん!」

 

元気にうなずいて答える私をお母さんとお父さんは微笑ましそうに眺めていました。明日は絶対に負けられない日になりそうです。

 

~なのはside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~プレシアside~

 

「お姉ちゃん、出来た?」

 

「うん、出来たよ~!フェイトは?」

 

「わ、私も一応・・・・・・」

 

私の視線の先では今娘のアリシアとフェイトの二人が仲良くキッチンに立って明日に備えた準備をしていた。

そんな愛娘二人を見ていると。

 

「―――プレシア、アリシアとフェイトを見るのは良いですけど、せめて鼻血を拭いてください」

 

使い魔のリニスがティッシュを持ってそう言ってきた。

 

「アルフも手伝ってください」

 

「りょ~かい」

 

アルフも苦笑いをしながらリニスを手伝っていた。

そこに。

 

「あらあら。プレシアは絶賛親バカ発動中みたいね」

 

「だってリンディ!私の可愛い娘たちが仲良くキッチンで明日の準備をしているのよ!母親として嬉しいわ!」

 

「そ、そうね」

 

「こうしちゃいられないわ。カメラとビデオカメラの準備をしないと。それと、明日二人がちゃんと渡せるか確認しないと・・・・・・」

 

「はぁ。いい加減にしてくださいプレシア」

 

明日のことを考えていると呆れた顔でリニスが言ってきた。

 

「(明日は頑張るのよ、アリシア、フェイト)」

 

~プレシアside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~アリサside~

 

「よしっ!これで完成!」

 

厨房に立って目的のものを作り上げたあたしは自信満々で言った。

 

「零夜はどんな反応してくれるのかしら」

 

あたしは目の前に置かれたものを見ながら楽しそうに零夜のことを思いながら微笑んだ。

 

「け、けど、いつ渡そうかしら・・・・・・」

 

そこであたしは一番重要なことに気付き悶々とするのだった。

 

~アリサside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~すずかside~

 

「上手に出来た、かな」

 

目の前に置かれたものを見ながら不安そうに私は呟いた。

すると。

 

「大丈夫ですよすずかちゃん!すずかちゃんが一から作ったんですから絶対零夜君も喜んでくれますよ!」

 

ファリンが自信付けるように言ってくれた。

 

「そうよね。うん。ああ、早く明日にならないかなあ~」

 

後ろの窓から見える月を眺めて私は楽しそうに言ったのでした。

 

~すずかside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

 

~零夜side~

 

「ううっ・・・・・・やっぱり寒いなぁ」

 

私立聖祥大附属小学校の制服の上からコートとマフラーを着けてはいるが、やはりこの季節は寒い。

天気は少し曇りがかっているが天気予報では雨や雪などの心配はないと言っていた。

 

「それにしても、なのはたち今日は珍しく早く行ったなあ~。まあ、いいけど。今日の夜ははやての家にお泊まりだし、久しぶりだな~」

 

明日の休日は久し振りに管理局の仕事はオフだ。

今僕たちは地上本部の首都防衛隊のゼスト隊に出向している。まあ、ロストロギアの回収任務はここ最近余程のことがない限り出撃しない。

 

天翼の終焉研究会(ラストヘブンオーダー)のヤツらの動きはここ最近無いみたいだけど・・・・・・警戒は必要だね」

 

最近はアリサとすずかの魔法練習やなのはたちの【ムンドゥス・マギクス式】の練習にも付き合っている。やはり、この世界の魔法と僕の使う【ムンドゥス・マギクス式】は系統が違うためかかなり苦戦している。【ムンドゥス・マギクス式】は【ミッド式】や【ベルカ式】とは違い、デバイスは発動媒体。使いこなせればデバイスを使わなくても可能だ。そして【ミッド式】と【ベルカ式】、【ムンドゥス・マギクス式】の最大の違いは前者の【ミッド式】と【ベルカ式】と後者の【ムンドゥス・マギクス式】は術式の根本が根本的に違うと言うことだ。前者の【ミッド式】と【ベルカ式】が自動だとするならば、後者の【ムンドゥス・マギクス式】は手動だ。

僕自身は、主本が【ムンドゥス・マギクス式】に加えなのはたちと同じ【ミッド式】や【ベルカ式】の魔法を行使できる。しかし、魔法の練習を始めたアリサとすずか、はやて、魔法のブランクのあるアリシアはなんとかなるが、なのはとフェイトに関してはかなり厳しい。機械を使って作業していた人がいきなり、機械ではなくすべて手作業でするようなものだからだ。【ムンドゥス・マギクス式】は周囲に漂うエレメントに干渉して発動する魔法だ。対して、【ミッド式】と【ベルカ式】はプログラムに記述されたものを行使している。用は、前提条件から違うと言うことだ。

そんなこんなでやってはいるが、なのはたちが【ムンドゥス・マギクス式】を習得できるのは早くても半年はあとだろう。

しかし。

 

「なんかここ最近なのはが焦っているような気がするんだよなぁ~。なんど言ってもあのハードワークを止めないし・・・・・・なにかに取り憑かれてるみたい」

 

なのはの異常なまでの過剰訓練に僕はどこか恐れを持っていた。なにかに取り憑かれてるみたいに、自分のことを犠牲にしている気がする。正月が明けてから今に至るまでそう感じていた。

 

「ただでさえなのはは無茶しているのに・・・・・・しかも集束魔法なんて身体にかなり負担が掛かるのに」

 

何時かとんでもないことが起こりそうな気がした僕は、これからのなのはの動きに気を付けることにした。

 

「・・・・・・クロノとユーノには相談しておいた方がいいかな」

 

数少ない男の親友二人を思い出して、僕はボソッと呟いた。

この時僕はその予感がまさかあんな形で当たることになろうとは誰も知らなかった。そして、それがあんな悲劇をもたらすことになろうとは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は過ぎて放課後。

 

 

「―――これ、どうしよう・・・・・・」

 

目の前には袋一杯に詰まった箱があった。箱はどれも大きくても両手サイズで、小さくて掌サイズだ。しかし、数が以上にあった。

そう、僕は今日がなんの日かすっかり懸念していたのだ。

 

「はぁ・・・・・・今日がバレンタインってことすっかり忘れていたよ」

 

バレンタイン。つまり、目の前にある箱の中身は女子からのチョコだ。

 

「凛華がこの袋持たせてくれて良かったよ・・・・・・」

 

目の前にある袋は今日の朝、凛華が渡してくれたものだ。

渡された当初は疑問符を浮かべたが、学校に着いて周囲の異様なまでの異質感。特に男子。男子の行動と、昇降口にある僕の下駄箱にギッシリ詰まった箱と教室の机の下に入っていた箱と、他学年他クラスの女子に呼ばれて手渡された箱と、なのはたちの様子、そして仲の良いクラスメイトの言葉でようやく気付いたのだった。

 

「う~ん、やっぱりここ最近疲れで日付の感覚が鈍ってるのかも・・・・・・」

 

正直、あまり笑えない状況に僕はなんとも言えなかった。

なにせ、クラスメイトに教えてもらって気付いたときに今日がなんの日なのか忘れていたことを言ったらクラスメイト全員が転け、ツッコミとなんとも言えない顔で見られたらだ。

 

「それよりどうやって帰ったら良いのかな・・・・・・」

 

この袋を持って帰るとしたら絶対に目立つ。悪い意味で目立つ。

なにせ今日はほぼすべての男子から威圧されていたからだ。まあ、一応クラスの男子からは同情的とも言えるなんとも言えない視線もあったが。

 

「異空間にしまった方がいいかな・・・・・・あ、でもそれだと疑われるか・・・・・・うん、ホントどうしよう。これじゃ帰れない・・・・・・」

 

僕が困惑して悩んでいると。

 

「まだいたの零夜?」

 

「アリサ」

 

後ろから声がかけられた。後ろには今日の日直だったアリサが呆れた眼差しで見ていた。

 

「それにしても・・・・・・スゴいわね、量が」

 

「うん・・・・・・どうやって持って帰ろう」

 

そう悩んでいると。

 

「去年も悩んでなかったかな零夜くん」

 

もう一つの扉から声が聞こえてきた。

 

「すずか!」

 

「あれ、すずかまだいたの?てっきり帰ったのかと思ったよ」

 

「ひ、酷いよ零夜くん。零夜くんを待っていたのに・・・・・・」

 

「え、あ、え、ちょっ、泣かないですずか」

 

「零夜~、女の子を泣かせるのはよくないと思うよ」

 

「アリサさん!?」

 

なぜかアリサに弄られ、僕はさらに困惑する。

そしてさらにそこに。

 

「零夜~・・・・・・ってなんですずか泣いてるの!?」

 

アリシアがやって来た。

その後ろには。

 

「お、お姉ちゃん、早いよ・・・・・・」

 

「アリシアちゃん廊下走っちゃダメだよ」

 

フェイトとなのはがいた。

なにこの混沌(カオス)。とっさに僕はそう思い浮かんだ。

それからうそ泣きだったすずかがアリシアに説明し、アリサはすずかがうそ泣きだったと言うことが分かっていたみたいで爆笑していた。で、なのはは苦笑いをして、フェイトはおろおろしていた。

 

「明日のアリサとすずかの特訓は倍にしようかな」

 

そう呟くと。

 

「「ごめんなさい!!」」

 

瞬時に謝ってきた。冗談なのに。

 

「それで・・・・・・なのはたちまだ帰らなかったの?」

 

「う、うん」

 

訪ねると、なのはたちは言いづらそうに視線を泳がしていた。

 

「と、ところで零夜くん、今日何人の女の子からチョコもらったの?」

 

「え?えっと・・・・・・分かんないけどたぶん50は越えてると思う・・・・・・」

 

なにせ今日は休み時間になるたびに呼び出されたり、下駄箱や机の下に入れられていたのだ。正直数えるだけで頭が痛い。

 

「そ、そんなに・・・・・・」

 

「去年より増えてないかな」

 

「ってことは来年はさらに増えるの!?」

 

去年や一昨年のことを知っているなのは、すずか、アリサの三人は呆れ半分驚き半分で答えた。

 

「というか、もらっても困るんだよな~」

 

「なんで?」

 

「いや、今年は凛華たちがいるから良いけど、去年までは一人だったからさ、全部を食べるのに苦労したんだ。それに保存も大変だった」

 

僕は去年と一昨年のバレンタインを思い出して遠い目をして言った。一応全部食べたけど。

 

「それにしてもなんで僕に渡すんだろ?」

 

不思議に思っていたことを声に出して言うと。

 

「あー、え~と・・・・・・」

 

「あ、あはは・・・・・・」

 

「何て言ったらいいのかな・・・・・・」

 

なのは、アリサ、すずかが戸惑っていた。

なんでなのはたちが戸惑うのか疑問に思っていると、なのはたちが突然後ろを振り向いて円を組んだ。

 

「ねぇ、零夜ってずっとああなの?」

 

「う、うん」

 

「もしかして零夜ってかなり鈍感なの?」

 

「いやいや、鈍感ってレベルじゃないでしょ」

 

「むしろ超が10個付くほどの無鈍感かも」

 

「あ、でも、零夜くんはやてちゃんにはかなり優しいみたいだよ。よく泊まりに行っていたみたいだし」

 

「はあ!?」

 

「ええっ!?」

 

「???」

 

「そ、そうなの!?」

 

「う、うん。はやてちゃんが言ってたよ。一緒に寝たこともあるし旅行にも行ったことあるって」

 

「二人で旅行!?」

 

「そ、それってもしかして零夜ははやてのことが好きってこと!?」

 

「うわぁ。すごいよ。ってフェイト、顔が真っ赤だよ!?」

 

「お、お姉ちゃん、零夜ははやてのことが好きではやても零夜のことが好きで・・・・・・・・・・ふわぁ」

 

「フェ、フェイト~!?」

 

「フェイトちゃんの頭から煙が出てるよ!?」

 

「処理が越えたみたいね」

 

「それよりなのはちゃん、旅行行ったときって零夜くんとはやてちゃんの二人だけ?」

 

「それよりってすずか、あのね・・・・・・・」

 

「あはは・・・・・・。旅行に行ったのはヴィータちゃんたちも一緒みたいだよ」

 

「へぇー、そうなんだ~」

 

「て言うかさ、今更だけど零夜ってかなり優良物件よね」

 

「確かに・・・・・・家事スキル高いし」

 

「見た目が女の子みたいだし」

 

「料理が上手いもんね」

 

「零夜の料理食べてから私と姉さん母さんに料理教わってるけど未だに零夜に勝てる気がしないよ」

 

「たぶん、零夜に料理で勝てるのってはやてぐらいじゃないかしら?」

 

「う~む、今のところはやてちゃんがトップってことだよね」

 

「勝ち目あるかな・・・・・・?」

 

「が、頑張るしかないわ・・・・・・!」

 

「そ、そうだよね!」

 

なにかヒソヒソと話してるけど時々寒気が走るのは何でだろ?

不思議そうな眼でこそこそ話しているなのはたちを見てると。

 

「―――って、思い出した!」

 

突如アリサがそう言った。

アリサはカバンをごそごそすると。

 

「はい、零夜」

 

ラッピングのかかった掌サイズの箱を渡してきた。

 

「?これは?」

 

僕が何時ものように聞くと。

 

「気づきなさいよバカ!」

 

呆れた表情で少し怒りながらアリサが言った。

 

「バレンタインのチョコよ。まったくもお、去年と一昨年も渡したでしょ」

 

「あ、そう言えばそうだった。ごめんアリサ」

 

「はい!お返しは三倍返しでお願いね♪」

 

「うぇ!?」

 

「冗談よ♪」

 

「ア、アリサが言うと冗談に聞こえないよ・・・・・・。けど、ありがとう、アリサ」

 

「~~っ!///い、いいわよ別に!そ、それと男だと零夜だけなんだからね渡したの!」

 

「?うん、ありがとう」

 

顔を真っ赤にして言うアリサの後半部分がよくわからなかったけど、お礼を言った。

よく分からないままお礼を言うとアリサは微妙に呆れていた。なんでだろう?疑問符を出していると。

 

「あ、あのさ、零夜、渡したいものがあるんだけど・・・・・・いいかな?」

 

フェイトがもじもじとしながら言ってきた。

 

「いいけど・・・・・・?」

 

そうフェイトに返すと、

 

「はい。えっと、バレンタインのチョコ・・・・・・。お姉ちゃんと一緒に作ったんだけど、始めてだったから上手くいってるか分からないけど・・・・・・・。あ、味の方は保証するから大丈夫だよ!」

 

「あ、ありがとうフェイト。まさかフェイトからもらえるなんて思ってなかったから嬉しいよ」

 

「う、うん///喜んでもらえてよかった」

 

軽く微笑んで言うと、フェイトは赤面して言った。

 

「もお~、フェイトったら~。はい、零夜、私からのバレンタインチョコだよ」

 

「ありがとうアリシア」

 

「どういたしまして♪」

 

フェイトに続いてアリシアからもバレンタインチョコを貰えるとは思ってなかったからかなり驚いた。そんな心中のなか。

 

「零夜くん」

 

「すずか?」

 

「はい。私からのバレンタインチョコだよ」

 

「あ、ありがとうすずか」

 

「うん!どういたしまして♪」

 

すずかからもバレンタインチョコを貰うと。

 

「零夜くん、これ」

 

なのはが一つの箱を渡してきた。まあ、大体状況からわかるけど。

 

「えっと・・・・・・もらってもいいの・・・・・・?」

 

「うん!」

 

「ありがとうなのは。嬉しいよ」

 

「っ~~///!その顔は反則だよ~・・・・・・・」

 

「???」

 

少し微笑んで見つめ返しただけなのに、なぜかなのはは顔を真っ赤にしていた。

そのあと僕は、なのはたちからもらったチョコを自分のバッグに入れ、なのはたちと校舎をあとにした。

で、家に着くと。

 

「お帰りなさい零夜くん・・・・・・・・・・・ず、ずいぶんとたくさんありますね」

 

「え・・・?あ、明莉お姉ちゃん!?」

 

明莉お姉ちゃんがいた。

 

「なんで明莉お姉ちゃんが!?」

 

僕がそう驚きながら言うと。

 

「あ、零夜くんヤッハロー♪」

 

「ヤッハロー・・・・・・・って!違うでしょこの挨拶~!」

 

翼お姉ちゃんが手を振ってどこかの由比ヶ浜さんのような挨拶をした。

 

「あはは!すごいツッコミね零夜くん」

 

「やれやれ」

 

「知智お姉ちゃんも美咲お姉ちゃんも、いるんだったら連絡ぐらいしてよ~」

 

「ごめんね零夜くん。翼と明莉に押しきられちゃったのよ」

 

「あぁー・・・・・・・」

 

美咲お姉ちゃんの言葉になんとも言えなくなり、苦笑しかできなかった。

 

「それでなんで明莉お姉ちゃんたちがこっちの世界に?」

 

リビングで荷物を置いて、はやての家に行く準備をしながら聞くと。

 

「今日はバレンタインじゃないですか」

 

「え、あ、うん」

 

「なので、私たちからも零夜くんにバレンタインチョコを渡しに来たんです♪」

 

そう明莉お姉ちゃんが言うと、翼お姉ちゃんたちがラッピングされたチョコを渡してきた。

 

「あ、ありがとう翼お姉ちゃん、知智お姉ちゃん、美咲お姉ちゃん」

 

「どういたしまして~♪」

 

「凛華ちゃんたちと一緒に作ったんだけど上手くいってるかは分からないから・・・・・・」

 

「不味かったらごめんね」

 

「ううん。そんなことないよ、ありがとう。ていうか凛華たちと作ったんだね」

 

驚きのカミングアウトに余ったチョコでホットチョコを飲んでいる凛華たちに視線を向けた。

 

「はい、零夜くんのために心を込めて作ったよ」

 

「マスターのために作りました」

 

「お兄ちゃんのために作ったんだ。受け取ってくれるかな?」

 

「うん。ありがとうみんな。とっても嬉しいよ」

 

僕はニコリと微笑んで言うと、凛華たちは嬉しそうにはしゃいだ。これを見てると愛奈美お姉ちゃん、華蓮からもらったバレンタインのことを思い出す。毎年二人とも僕に内緒で手作りのチョコを作っていたのだ。しかもお母さんたちも巻き込んで。ちなみに僕のお父さんと華蓮のお父さんには秘密にされていた。その事でお父さん二人が酌を交わしていたのは恒例の日々となっていたのを覚えてる。

 

「(愛奈美お姉ちゃんと華蓮に会いたいな・・・・・・。会って、今の僕の家族を紹介したい)」

 

凛華たちを僕は微笑ましそうに見ながら不意にそう思った。

 

「じゃあ、私たちは帰りますね」

 

「あ、うん。またいつでも来てね明莉お姉ちゃん、翼お姉ちゃん、知智お姉ちゃん、美咲お姉ちゃん」

 

そう言うと、明莉お姉ちゃんたちは目の前に現れた純白の扉のなかに入って天界へと帰っていった。

 

「それじゃ、僕たちははやての家に行こうか」

 

明莉お姉ちゃんたちが帰って、僕はみんなから貰ったチョコを冷蔵庫に入れてはやての家に、凛華たちともに向かっていった。

はやての家に着くと。

 

「いらっしゃい零夜くんにみんな」

 

「お邪魔するねはやて」

 

車椅子から起き上がって、歩けるようになったはやてが迎えに来てくれた。

 

「今日は来てくれてありがとな」

 

「大丈夫だよはやて。リインフォースたちは?」

 

「みんないるで」

 

はやてはそう言って、リビングの扉を開け中に入った。僕らも続けて中に入ると。

 

「ああ、来てたのか零夜」

 

「いらっしゃいみんな」

 

「よっ、零夜」

 

「久しぶりだな」

 

「シグナム、シャマル、ヴィータ、ザフィーラ、久しぶり・・・・・・かな?」

 

確かにここ最近忙しくてあってなかったから久しぶりになるのかな?そう考えていると。

 

「あ、主はやて、この格好は一体・・・・・・」

 

「あ!よう似合ってるで」

 

キッチンの方から声が聞こえた。

声が聞こえた方を向くと。

 

「元気そうだねリインフォース」

 

「れ、零夜。あ、ああ、一応な」

 

「それと、似合ってるよそのエプロン」

 

エプロンを着たリインフォースがいた。

するとヴィータが。

 

「最近リインフォースのやつ、はやてに料理を教えてもらってるんだ」

 

「へぇ。じゃあ今度僕も教えてあげようかな」

 

「いいんじゃねぇか?あたしも少し教わりてぇしな」

 

「ヴィータは料理の腕いいから教え外があるよ」

 

「まあ、シャマルがあんなんだしな」

 

「な、なんですかヴィータちゃん、零夜君!私だって努力してるんですよ!」

 

「なら、お前は調味料を間違えないことから覚えて方が良いだろうな」

 

「シグナムだってこの間野菜をレヴァンティンで切ろうとしてたじゃない」

 

「そ、それはだな・・・・・・!」

 

いつもの、あの時と変わらない様子に僕は嬉しかった。

 

「ははは。みんな元気そうでなによりだよ」

 

「まあな~。それより零夜くんもかなり管理局で噂になってはるよ」

 

「噂?」

 

「ああ。そう言えばあたしも零夜の噂聞いたことあるな。確か、上層部を一人で壊滅させたとか」

 

「はい?」

 

「そう言えば私も聞いたわね。確か、ロストロギアを単独回収したとか」

 

「唯一つのSSS魔導士だとか、聞いたことあるな」

 

「なにそれ・・・・・・・」

 

まさか入局して間もないうちに噂されているとは思いもよらなかった僕は膝をついて嘆いた。

 

「ま、まあ、そんなことより零夜くんは私らにとっては大切な友達や。気にすることあらへんよ」

 

「ありがとうはやて」

 

「うん」

 

そのあと、僕とはやて、サポートでリインフォースと凛華で夕食を作り、いつもより合勢なご飯を食べ、ヴィータたちからバレンタインのチョコをもらった。ヴィータはともかく、シグナムもとは驚いたがはやてに促されたそうだ。で、問題はシャマルのチョコだったけど、その点ははやてがきっちり監修したそうで問題ないはずだ、とザフィーラから教えられた。うん、よかった。それと、リインフォースからももらった。なにげに、リインフォースも聖良と仲良くく、今までの闇の部分がなくなり明るくなっていた。

その光景を見た僕とはやては年を食ったかのように笑った。

最後に、はやてからははやての自室で二人きりの時に渡された。

なのはたちから連絡が来てたのか、僕が学校でもらったチョコのことで朗らかに楽しそうに笑いながら話した。それからはやてが学校に行くことについても聞いた。来学期の4月から、僕たちの通う私立聖祥大附属小学校に通うそうだ。今は、これまでの勉強のお復習と、体育でも動けるようにするためリハビリを頑張っているそうだ。そのことを庭に面するベランダで聞き、僕は今までのことが報われたのか嬉しかった。それと同時に、今度こそは大切な友達を守ろうと誓ったのだった。

 

 

 

 

 

 

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