魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語 作:ソーナ
~零夜~
「な、ななななななななにこれぇぇええええええええええええええ!!?」
どうもこんにちは。朝から近所迷惑になるのではないかと思うほどの驚き声を発した天ノ宮零夜です。何故、近所迷惑になるのではないかと思うほどの声を出したのかと言うと。
「なんで性別が変わってるのーーーー!!??」
僕の性別が男の子から女の子になってしまったからです。
元々女の子の声に近かった声が完全に女の子のような声を発して目覚めたばかりの思考をフル活用して考えてます。そんな僕の声で目が覚めたのか―――
「んん・・・・・・。お兄ちゃん、朝からどうしたの~?なにかあった・・・・・・・の―――――え?」
一緒に寝ていた聖良が眠気眼を擦りながら僕の方を見てきた。
聖良は眼をパチクリとして何度も僕を見直した。
「あ、あれ、あの、どちら様でしょうか・・・・・・?」
「聖良僕だよ!僕!零夜だよ!」
「え?お兄ちゃん?え?えええ!?起きたらお兄ちゃんがお姉ちゃんになっていて、そのお姉ちゃんがお兄ちゃんで・・・・・・イミワカンナイヨ~!」
混乱して聖良の眼が回り始めるその時。
「朝からどうしたの零夜くん―――――え?」
「零夜くん近所迷惑になるわよ―――――へ?」
「どうしたんです澪奈ちゃん、知智。零夜くんと聖良ちゃんがどうかした――――――あら?」
澪奈と知智お姉ちゃんとエプロンをした明莉お姉ちゃんが扉を開けて部屋に入ってきた。
「あ、明莉お姉ちゃんこれなんとかならないかな!?」
僕はすぐさま明莉お姉ちゃんに切羽詰まった様子で聞いた。
「あ、あの、もしかして零夜くんですか?」
「そうです・・・・・・」
「え?この女の子が零夜くん!?」
「あ、あああ明莉、それほんとなの!?」
「ち、知智、貴女ならわかるはずでしょう」
「いえ、その。ごめんなさい、動揺しすぎて忘れてたわ」
「ま、まあ、それには同意するけど・・・・・・取り敢えず零夜くんはそのままで下に行きましょう」
「うん」
聖良は澪奈に任せて、僕は着替えられないため寝巻着のまま一階のリビングに向かった。
「―――――明莉ちゃん、どうなったら澪奈くんが女の子になるのでしょう?」
一通り事情を説明した僕は凛華たちはともかく、翼お姉ちゃんちゃんたちはなんとも言えない表情をしていた。
「う~ん。たぶん、零夜くんの中にある膨大な魔力が暴走してそうなったと思います」
美咲お姉ちゃんの言葉に明莉お姉ちゃんが僕を検査してわかったことを言った。
「魔力が暴走ね~」
「そう言えば明莉。零夜くんをここに転生させるとき何かしなかったかしら?」
「何か?」
「ええ。例えば・・・・・・
「!?」
知智お姉ちゃんの言葉に明莉お姉ちゃんたちは眼を見張った。
「神霊力?」
「知智さん、神霊力とはなんですか?」
星夜が僕たちを代表して聞いてくれた。
「――――神霊力とは、わたしたち神々が持っている力の事よ。神霊力はそれぞれ神々によって違うの。例えば、わたしは知と戦略の神霊力を。美咲は美と武の。翼は空と生命。そして明莉は――――」
「――――私の神霊力は太陽と豊穣、そして干渉」
「干渉?」
「干渉とは、そのままの意味ね。下界の人間に干渉できるの。この"干渉"の権限を与えられてるのは
「さらに言うと、この干渉は干渉した人間を自分の眷属にできるのよ」
「え~と・・・・・・つまり、僕は明莉お姉ちゃんに転生させてもらって、その時に明莉お姉ちゃんの神霊力が僕に混じっちゃったってこと?」
知智お姉ちゃんと美咲お姉ちゃんの言葉を僕なりに解釈して聞き返す。
「たぶん意図したものじゃないはずよ。恐らく、零夜くんがわたしたちにも接触したから。いえ、わたしたちが零夜くんに接触したため混じっていた神霊力がこの世界に適応させるため魔力となったのよ」
今一知智お姉ちゃんたちの言葉はよく分からないけど、僕がこの姿になった理由はその神霊力が原因みたいだ。
「それに零夜くんが
「え!?」
「確か
「えっと・・・・・・うん。闇の魔法は元々人間が扱うことに長けてなく、例え扱うとしても副作用として人間では無くなるハイリスクがあるよ」
「それを明莉が副作用を無くしたのよね」
「ええ」
「ん~、ってことは知智ちゃん。明莉ちゃんの、無くしたはずの副作用が別の形で、零夜くんの魔力と神霊力が交じることになっちゃってこと?」
「わたしの予想だとね」
翼お姉ちゃんの言葉を知智お姉ちゃんは肩を竦ませて言った。
「も、もしかして零夜くん、私の眷属化となり始めちゃってる・・・・・・・?」
「まだそれはないと思うわよ―――って、言いたいのだけど・・・・・・」
「明莉ちゃんの緋色の神霊力が零夜くんにもあるね~」
「って、ことはもしかして・・・・・・」
「眷属化し始めちゃってるね」
翼お姉ちゃんたちの言葉に明莉お姉ちゃんは驚愕を受けたように膝を着いて倒れた。
「???どうしたの明莉お姉ちゃん?」
「その、私は零夜くんを私の眷属にしてしまったみたいです」
「・・・・・・・・・・え?」
明莉お姉ちゃんの言葉に、更に高い声で変な声を出してしまった。
「あはは。え~と、つまりね、今の零夜くんは明莉の眷属に成りかけてる。―――分かりやすく言うと、アマテラスである明莉の従属者に成りかけてるってことかな」
美咲お姉ちゃんの言葉に僕は、静かだった凛華たちに視線を向けてしばらくして。
「マジですか」
一言そういった。
「はい。マジなのです」
「ちなみに眷属化って具体的には・・・・・・」
「具体的に言うと、ある程度成長したらもうそこからは成長しないんです。さらに言いますと何らかの形で死なない限り死ぬことはなく、寿命の限界が無くなります」
「まあ、明莉の眷属ってことになるわけだからね。それに今はまだ半神化かな?半分人間、半分従属神ってなるかな」
明莉お姉ちゃんと翼お姉ちゃんの説明に理解していると。
「でもこうなると、向こうの方はかなり騒ぐんじゃないかしら?」
知智お姉ちゃんがそう言った。
「あー。確かにそうかも」
「確かに、今まで明莉が眷属を作ったことは有りませんでしたからね~」
「まあ、大丈夫だと思うわ。何せ、わたしたちがいるのだからね。下手に刺激してきたりはしないはずよ」
「ま、それもそうですね」
よくわからない会話に首をかしげていると。
「あ、取り敢えず、零夜くんは今日一日その姿ね」
「え!?」
知智お姉ちゃんが言い忘れたかのように伝えてきた。
「明日になったら元に戻ってると思うわ。それと、たまに時々またその姿になると思うけどその辺りはごめんね」
「あ、はい」
どうやら僕は今日一日この姿でいることになるらしい。
まあ、最悪
「ところで僕は何を着たら良いのかな?」
僕がそう言うと。
『『『それはもちろん私の服を!』』』
Orz状態の明莉お姉ちゃんを除いて、その場にいた全員が同時に同じ言葉を言った。
「零夜くんは私の服を着ますから安心してください」
「違うよ凛華ちゃん!零夜くんは私の服を着るんだよ!サイズも丁度ピッタリだもん!」
「何を言ってるんです二人とも。着るのは私の服です」
「いいえ、マスターの服は私が用意します」
「零夜くんの服は私とお揃いが一番よ」
「いいえ、私だよ知智ちゃん!」
「違います、わたしです」
あたふたしている聖良を他所に凛華たちは激しく言い争っていた。
明莉お姉ちゃんもひきつり笑いを浮かべていた。
「聖良、ごめん。聖良の服貸してくれる?」
「うん♪持ってくるねお兄ちゃん!あ、お姉ちゃん・・・・・・の方がいいかな」
「お兄ちゃんでお願い」
「うん♪」
聖良に服をお願いして、僕は明莉お姉ちゃんが持ってきてくれたホットミルクを一緒に飲んだ。
「今日は休日だからいいけど、はやてたちに知られたらどうしよう」
「あれ、でも零夜くん今日は確かはやてちゃんたちとお出掛けじゃありませんでしたか?」
明莉お姉ちゃんのそんな言葉に僕はサアッ、と顔を青ざめた。
「(マズイマズイマズイマズイマズイマズイッ!!超激ヤバマズイッ!!)」
今日は久しぶりになのはやはやてたちと出掛ける予定なのだ。幸いにも時間はまだあるから大丈夫だけど、さすがに今の姿はマズイ。
そう思っていると。
『いらっしゃいです、はやてちゃん♪!』
『ごめんな聖良ちゃん。零夜くん向かいに来たんやけど居てはる?』
『うん、お兄ちゃんちゃんならいる・・・・・・よ?なのかな?』
『どうして疑問形なんや?それにその服はいったい』
『う~ん、見てみれば分かると思うよ』
『???』
インターホンの音がなり、扉を開け聖良とはやての声が聞こえてきた。
「あ、あああ明莉お姉ちゃん、なんとかならない!?」
「ごめんなさい零夜くん。その・・・・・・ムリかも」
明莉お姉ちゃんがそう言い終えると同時にリビングの扉が開き、聖良とはやてが入ってきた。
「お邪魔します、零夜くんは居てはります?」
「いらっしゃいはやてちゃん。零夜くんならそこに・・・・・・あれ?」
いつの間にか口争論を止めていた凛華たち。知智お姉ちゃんが僕の方に視線を向けるが、ギリギリで僕は気配を極力消して隅の方にいた。そのままリビングから出ようとしたのだが。
「あ、お兄ちゃん、服持ってきたよ」
聖良に見つかってしまった。
既にお気付きだろうが僕の家族の中で聖良は一番天然だ。純粋無垢と言うのか、なんと言うか、悪気はないのだろうが聖良はふとした瞬間に突拍子のことをたまに言うのだ。
聖良に見付かってしまった僕は動きを止め、そこを。
「来たで零夜くん・・・・・・・んんんっ!!?」
はやてにも見付かられてしまった。
「ま、まさか零夜くんなんか・・・・・・?」
「う、うん。そうだよはやて」
諦めた僕の頼り無い声にはやては眼をパチクリ物凄い速さですると。
「なのはちゃん、いますぐすずかちゃんたちと一緒に零夜くんの家に来てほしいんや!」
はやてが一瞬でスマホを取り出してなのはに連絡していた。
「はやてさん!?」
あわててはやてに近寄りスマホを取り上げようとするが、はやてはタヌキのように逃げ回った。
「ちょっ、はやて!」
「はよ来てななのはちゃん!」
僕とはやてがリビングで追い駆けっこをしている間、凛華たちはソファに座ってのんびりしていた。はやてがそのままスマホをしまい止まり、僕も止まろうとしたが。
「あ・・・・・・」
足が縺れてはやてに向かって転んでしまった。
「「ふにゃぁ!」」
猫のような鳴き声を出して僕と僕に巻き込まれるような形ではやては転んだ。
ドタンッ!と大きな物音がして、リビングの床に僕とはやては倒れていた。
「あらら、昼間からお盛んね零夜くんとはやてちゃんは」
「何言ってるのよ美咲・・・・・・」
美咲お姉ちゃんの声が聞こえ前を見ると。
「「え?」」
目の前にははやての顔があった。
「れ、れれれ零夜くんんっ////!!!??」
「あれ、なんではやての顔が目の前に・・・・・・」
言っている最中で、僕は今の自分の状況を確認した。
目の前にはやての顔。そして床のフローリング。倒れた。つまりここから導き出される答えはただ一つ。
「(あれ、この体勢って僕がはやてを押し倒しているように見えない?)」
そう思うと同時に。
「お兄ちゃん、はやてちゃん倒れてるけど大丈夫?」
聖良の一言が貫いた。
すべてを認識した僕はあまりの処理量の多さにエラーを起こし。
「ふ・・・・・・・」
「零夜くん!?」
はやてに体を預けるようにして気絶した。
あれ、普通気絶するのって逆じゃないっけ?そんなことが過ったのは気のせいだと思う。
~零夜side out~
~聖良side~
こんにちは!お兄ちゃんの妹の聖良です!
今、私の目の前では、お姉ちゃんになったお兄ちゃんがはやてちゃんを押し倒している姿があります。
「二人とも怪我してない?」
不安に思った私が訪ねると、お兄ちゃんが糸が切れたかのようにはやてちゃんの上体に倒れました。
「零夜くん!?」
「お兄ちゃん!?」
あわててお兄ちゃんに寄ると、お兄ちゃんははやてちゃんの上で気絶してました。
「なんやろ、普通逆やないかな」
はやてちゃんの言葉に明莉お姉ちゃんたちが頷いているのが見えますけどよくわからないです。
首をかしげながら私はお兄ちゃんの頭を私の膝に持ってきてそのまま乗せました。女の子みたいな顔は今は完全に女の子になっていてその寝顔はとても可愛かったです。
~聖良side out~
~零夜side~
「んん・・・・・・」
目を覚まして周囲を見渡すと、そこは何もなくただ白い空間だった。
「この感じ、もしかしてここって夢遊空間?」
体が少し軽いのを感じて起き上がりながらそう呟いた。
「確かはやてと倒れて、はやてに覆い被さるようになって・・・・・・」
声に出しながら思いだしていると。
「まったく、相変わらずね零夜は」
「あはは。仕方ないよ華蓮ちゃん。私の弟だもん」
「まあ、愛奈美お姉ちゃんもそうだったもんね」
「自分で言ってなんだけどね」
後ろからとても聞きなれた声が聞こえてきた。
後ろを振り向くと、そこには。
「愛奈美お姉ちゃん!?華蓮!?」
「ヤッホー、零夜く~ん♪」
「久しぶりね零夜」
前世での僕の大切な二人がいた。
「なんで二人がここに!?」
「言っとくけどここは零夜の精神の中よ。夢遊空間じゃないわ」
「言うなら精神空間かな?」
「そ、そうなんだ。―――じゃなくてなんで二人がここに!?」
「何でって言われてもね~」
「零夜くんの精神。つまり、零夜くんの霊魂の中に私と華蓮ちゃんの魂があるからかな」
愛奈美お姉ちゃんの言葉に僕は愕然とした。天地が引っくり返るほどの驚きだ。
「それにしてもまさか零夜が転生してこの【魔法少女リリカルなのは】の世界に来るなんてね」
「しかも家族がいっぱいいるみたいだもんね」
「ちょ、ちょっと待って二人とも、二人はどこまで知ってるの?」
「「全部(だよ)」」
「もしかして二人ともずっと僕のなかにいたの?」
「そうだよ~」
「まあ、こうして零夜と会話ができるのはあの明莉お姉ちゃん?。いや、アマテラスさんのお陰なんだけどね」
「明莉お姉ちゃんの?」
「うん。アマテラスさんの神霊力と零夜くんの魔力が交じりあったお陰で、私と華蓮ちゃんがこうして零夜くんとお話しできるようになったの」
「ま、予期せず事態だったけどね」
「そうね~」
「あ、相変わらず二人はほのぼのとしてるな~」
変わらない二人に優しい眼差しを向けてそう言った。
「それで、浮気してる零夜くんはなにか言いたいことありますか?」
のだが、いきなりムスッ、とした表情で愛奈美お姉ちゃんがそう言ってきた。
「ま、愛奈美お姉ちゃん!?浮気ってなにさ!?」
「だって今の状況、八神はやてちゃんを押し倒しているんだよ零夜くん。誰がどう見ても浮気でしょ」
「ちょいまち凛華!転んだの見てたよね!?」
「うん、見てたよね。けどそれとこれは別だよ。それに愛奈美お姉ちゃんへのシスコンレベルが、聖良ちゃんっていう可愛い妹が出来てさらにシスコンレベルがランクアップしてない?」
「ソ、ソンナコトハナイヨ」
「口調が変よ。片言だし」
「うっ・・・・・・!」
無自覚だと思いつつ、愛奈美お姉ちゃんへのシスコンもだが、聖良や澪奈へのシスコンもランクアップしてるのは気のせいじゃなかった。
「しかも、高町なのはちゃん、だっけ?他にもフェイト・テスタロッサちゃんやアリシア・テスタロッサちゃん、月村すずかちゃん、アリサ・バニングスちゃんも無自覚に落としてるでしょこの朴念仁唐変木、零夜」
「グハッ!なんかよくわからないけどとてつもなくバカにされてる気がするよ!?」
「当然でしょ?」
「そこは嘘でも否定しようね華蓮!?」
「ふふふ。二人はほんと仲がいいよね」
そんなこんなで姉と幼馴染みによる尋問のようなお話から数時間後。
「さてと、そろそろ時間かな」
華蓮がそう告げた。
「時間?」
「そ。この空間にいる、ね」
「まあ、私と華蓮ちゃんの魂魄はすでにこうして零夜くんの霊魂とパイプが出来たから何時でも話せるよ」
「そうなんだ・・・・・・」
「どうしたのよ零夜。嬉しくないの?」
「嬉しいけど・・・・・・実体で話せないからさ」
「大丈夫だよ零夜くん。私と華蓮ちゃんは何時でも零夜くんの側にいるから」
「そうだよ。それにもしかしたらまた話せるかもしれないでしょ。私と愛奈美お姉ちゃんの霊魂はあるんだから」
「そう・・・だね・・・・・・」
「ふふ。零夜に何かあっても必ず私と愛奈美お姉ちゃんが助けてあげるから。それに今の零夜は独りじゃないでしょ?」
「そうだよ。特典として私と華蓮ちゃんの好きなあの二つの能力を持ってるんだから」
「それに、寂しくなったら頭の中で念じたり、夢の中で出会えるから」
「うん・・・・・・」
「もお、ほらシャキッとして零夜くん。零夜くんは私のたった一人の弟なんだから」
「それと、私と愛奈美お姉ちゃん二人の彼氏、なんだからさ」
「そうだね。お姉ちゃん、華蓮。―――よし!頑張るよ!そして決めた!絶対愛奈美お姉ちゃんと華蓮を僕のいる現実に来させる!」
「ふふ。その意気よ零夜」
「うんうん。やるっと言ったらやる。それが零夜くんだもんね」
その瞬間、僕の体が白く光、霧のように解れていくのを感じた。
「それじゃ、またね零夜」
「零夜くん、またね。全力ファイトだよ♪」
「なんかその台詞デジャブだよお姉ちゃん・・・・・・。またね、お姉ちゃん、華蓮」
そう告げると、僕の意識は上へと昇って行った。
「んん・・・・・・」
「あ、やっと起きた」
「はやて?」
目を覚ますと、そこにははやての姿があった。
「あれ?」
起きた僕は、体に違和感があるのを感じ右手を持ち上げた。
右手を持ち上げると、まず最初に目に入ったのは、服の袖だった。
「これって聖良の服?」
「そうですよ零夜くん」
さらに上を見ると明莉お姉ちゃんがいた。
「どのくらい寝てたの?」
「30分ほどやね」
「そう」
起き上がり自分の格好を確認する。
薄い蒼色のトップスに、紺のパンツスタイルだった。
「そろそろ行かないと遅れる?」
時計を見てそう言うと。
「その必要はないわよ零夜」
「へ?」
すぐ近くからほぼ毎日聞いている声が聞こえてきた。
「可愛いね零夜くん、その服装」
「にゃはは。なんだろう、女の子として負けた気分」
「な、なのは落ち着いて、大丈夫だから・・・・・・・多分?」
「フェイト~、それさらに止め刺してるよ」
壊れた機械のような、ギギギと音が出てるみたいに首をそっちに向けると、そこにはなのはたちがこっちを見ている姿があった。もちろんみんな私服姿だ。
「な、ななななんでなのはたちがここにいるの!?」
「はやてちゃんに零夜くんが面白い姿になってるって言ってたから」
「それで来てみたら、はやてに覆い被さって気絶してるあんたの姿があったわけよ」
「ちなみにお着替えは私と聖良ちゃんがやったよ」
なのは、アリサ、すずかの言葉に僕は顔が真っ赤になった。
口をパクパクと呼吸する魚みたいな反応を思わず取っていると。
「それにしても違和感がまったくないわね」
「ほんと。どこからどうみても女の子だね」
「素体が女の子みたいやからな~」
「しかも家事が出来るしね」
「優良物件」
「婿と言うより嫁にほしいね」
アリサたちが次々にそう言っていた。
瞬時に高速演算してこの場を乗りきることを探し、背に腹は代えられず。
「と、取りあえず出掛けようよみんな!そのために来たんでしょ!?」
まあ、前世でもたまに、よくたまーに愛奈美お姉ちゃんと華蓮の着せ替え人形になっていたためなんとかなる。うん、なれって怖いね、ほんと。
「それもそうね。それじゃ、行きましょうか」
アリサのその一言で僕はなのはたち出掛けていった。
その際、明莉お姉ちゃんたちが苦笑いを浮かべていたのが視界に入った。それと同時に知智お姉ちゃんと星夜らがこそこそとなにか話していたのを見付けた。耳を済ませてみると、着せ替え人形やら女装、やら不穏な言葉が飛び交っていたため全力でスルーした。
その後、翌日には無事にもとに戻れたが、その日は僕にとってとんでもなく疲れる一日になったと伝えておこう。