魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語 作:ソーナ
~零夜side~
「いらっしゃ~い、はやて、リインフォース」
ある日の休日。正確には夏休みにすでに入ってるのだが。時間が物凄い速さで過ぎ去っていきます。
「お邪魔するな~零夜くん」
「お邪魔する零夜」
とまあ、それは置いといて。今、我が家にははやてとリインフォースが来ている。シグナムたちは今日は局で仕事だ。
「さっそくで悪いんだけど夜天の書持ってきてる?」
「もちろんや。ほらここに」
地下のメンテナンスルームに移動し、僕の声にはやては夜天の書を収納している剣十字のペンダントを取り出して、そこから夜天の書を取り出した。
「ちょっと借りるね」
「うん」
はやてから借りた夜天の書をコンソールの横にある装置に入れる。
「――――――やっぱり、夜天の書のデータの大半は?」
「ああ。ナハトヴァールの消滅と共に大半が無くなってしまった」
「そう・・・・・・」
時間があるとき、はやてやリインフォース、聖良とともに夜天の書を解析してるが、闇の書事件の際に大半のデータは消えてしまった。さすがの聖良もデータを保全することは出来なかったのだ。さらに言うと、時間改変でも失われた物を元に戻すのは困難を極める。しかもそれが大量なデータたとしたら尚更だ。
「さて、二人に今日来てもらった理由は、ついに完成したからだよ」
「もうできたん!?」
「うん。聖良~」
『はーい。なぁ~にお兄ちゃん』
僕の声にウインドウが表示されて、そこから聖良が出てきた。
「あの娘を連れてきてくれる?」
『うん。任せて~』
聖良との通信を切って1分後。
「お兄ちゃん、連れてきたよ~」
聖良が小さな50センチほどのカプセル型のポットを持ってやって来た。
「ありがとう聖良」
「えへへ~」
聖良からポットを受け取り、聖良の頭を撫でる。
そんなほのぼのしいところに。
「なにシスコン、ブラコンスキル発動させてるんや!?」
はやてのツッコミが貫いた。
「我が主、そこはツッコミを入れてはダメかと。最早零夜のシスコンは重症なので」
「それもそうやな」
「ちょい待ちやリインフォース!重症ってなにさ!はやてもそれもそうやな、じゃないわ!」
リインフォースとはやてにツッコミを入れながらも聖良を撫でるのを止めない。
「というかなんでずっと聖良ちゃんのこと撫でてるんや!?」
「え?・・・・・・いや、だって聖良可愛いし、妹だから?」
「なんやその、俺ガイルの某主人公の台詞は!?」
「我が主、それはメタ発言かと・・・・・・」
「リインフォース、その発言は少しおかしい」
ちなみにこんなやり取りをしている間も聖良は気持ち良さそうに、頬を少し赤くして照れていた。
とまあそんなこんなで閑話休題。
「はい。この娘が夜天の書の新しい管制融合騎だよ」
僕がはやてに見せたポットの中には、サイズが30センチほどの水色の髪の、小さなリインフォースに似た娘がいた。
「ちなみに、設計担当は僕で、AI部分はリインフォースと聖良が、
「わぁぁい♪」
僕の声に聖良はどこから出したのか、紙吹雪を舞い上がらせて拍手する。というか、その紙吹雪以前澪奈たちが持っていたものと同じような・・・・・・。
「ついでに、はやてのデバイスも完成しました」
「ついでなんかい!」
はやてのツッコミをスルーして、はやてのデバイスを取り出す。
「元は闇の書事件の際の最終決戦のときにはやてが使っていた錫杖のデバイスと同じだよ」
そう言うと、デバイスを起動してはやてに渡す。
「これが私の・・・・・・」
「デバイス名はシュベルトクロイツ。ストレージ型の夜天の書と連携デバイスだね。はやては魔力量が多い分、魔力操作が上手くないようだからね」
はやての基本魔法はベルカ式のため仕方ないのだが。ベルカ式はミッド式に比べて、広範囲への魔力操作があまり得意でない。まあ、リインフォースはある意味例外だが。はやてはデバイス無しでは広範囲の攻撃はあまり得意でないのだ。
はやてが渡したシュベルトクロイツを持って感覚を確かめている間、僕は夜天の書の背に触れた。
そのとき。
「っ!?」
何処からかとんでもない魔力反応を感じた。
はやてとリインフォース、聖良を見る限り今の魔力反応を感じたのは僕だけみたいだ。
「(今のはいったい・・・・・・。夜天の書とリンクした魔力反応を感じたけど・・・・・・・いや、違うね。リンクしたのは夜天の書本体じゃなくて夜天の書の中身か・・・・・・)」
考えながら今感じことを思う。
「(なにかある・・・・・・この夜天の書のなか。僕でも見つけられなかったってことは相当奥深くにあるのか・・・・・・もしくは封印されてるのか。どちらにせよ、リインフォースか聖良に聞いてみるか)」
そう思いながら夜天の書から手を離した。
その時、海鳴市沖の海底で一つの巨大な赤紫色のクリスタルが不規則に光輝いていた。それは、まるでなにかに反応しているように。
それがなんなのか、そして零夜たちが知り、会合するのはそう遠くない、1年後のことだった。
「それじゃ、リインフォースははやてに融合騎にリンカーコアを入れることについて説明しといて」
「わかった。我が主、まずは自分のリンカーコアをですね――――――」
リインフォースがはやてに説明している間、僕は融合騎の最終チェックを行った。
それから約30分後。
「―――あ、ところでこの娘の名前どうするの?」
僕が思い出しようにはやてとリインフォースに聞くと。
「それなんだがな―――」
「零夜くんに付けてほしいんよ」
「え?僕?」
「うん。リインフォースと相談してな、新しいその子の名前は絶対、零夜くんに付けて貰おうと決めてたんよ」
「え、でも、僕なんかでいいの?主のはやてかこの娘のお姉さんのリインフォースがつけた方がいいんじゃ」
「我の名前は主から頂いたものだけど、それ以前に零夜は我や主、騎士たちのために身を削るようにしているのだろう。あのときも今も・・・・・・」
「な、なんのことリインフォース?蒐集のことなら僕がはやてたちを助けたいからやったことだから・・・・・・」
リインフォースの言葉に僕はドキッとした。
何故なら、闇の書事件の、真実を知る管理局上層部らにはやてが下げ荒まれたり酷いことを受けているのを知っているからだ。本局でもそうだが、地上本部に出向していたときも何も知らないくせに、はやてのことを悪く言ったり、保身のためにシグナムたちを使ってやらせていたとか、身も蓋もないことばかり聞こえていた。最も、それも一部の人間だけだが、真実を・・・・・・いや、闇の書事件をひきおこした僕としては我慢ならなかった。レジアス中将も最初ははやてのことを余り悪くは言わなかったが、所々批判しているところがあり、僕はレジアス中将に本当の事を話した。レジアス中将も初めは驚いていたが理由を話すと納得してくれた。武闘派と言われてはいるがそれに見合わずレジアス中将は知能的だ。常に先の事を考えており、人々の平和を願ってる。正直、そこまでの信念を抱える人を僕はあったことがない。闇の書事件の本当の事を知っているのは3提督と、レジアス中将、オーリスさん、ゼストさん、そしてあの場にいたアースラ乗務員と僕らだけだ。そして、ミゼットさんにあることをお願いしていた。それは公にされていなかったことを伝えることだ。そうすればはやてたちに非難がいくことは少なくなるはずだ。
ちなみに、はやてのことを悪く言った人間は徹底的に調べて、真っ黒だったらクロノを通じて査察官らに捕縛させたり、僕自身が捕らえにいく。まあ、はやてのことを悪く言った人間の99%が真っ黒なんだけど。はっきり言って、やれることなら僕はあいつらを―――
跡形もなく消し炭にして殺してやりたかった
「っ!」
ハッと今何を思ったのか分からなかった僕は頭を振った。
「(なんで今、あんな黒い感情が出たんだろう・・・・・・)」
愛奈美お姉ちゃんや華蓮、家族以外のことであんな風に黒い感情が出たことは昔だったらあり得なかったことだ。
「(・・・・・誰かにはやてをあんな風に思われたり・・・取られたく無かったから・・・・・・?)」
愛奈美お姉ちゃんや華蓮、家族以外で感じたことない気持ちに僕は少しだけ戸惑っていた。前世の僕は愛奈美お姉ちゃんと華蓮、そして僕の家族と華蓮の家族、叔父さんと叔母さんさえ入れば他のことなんてどうでもよかったのだ。けど、今の僕は凛華たちに明莉お姉ちゃんたち家族。なのはやフェイト、はやて、アリシア、アリサ、すずか、クロノ、ユーノ、そして今まで関わってきたすべての人を思うようになっていた。
そう不思議に思っていると。
「大丈夫か零夜くん?」
管制融合騎の娘に自身のリンカーコアを入れたはやてが心配そうに見てきた。
「あ、うん、大丈夫だよはやて」
気を取り直すようにして思考をもとに戻す。
「え、え~と、それでこの娘の名前は本当に僕が付けていいの?」
「うん!」
「ええ」
はやてとリインフォースから言われ、僕は名前を考える。
「(リインフォースの妹だから・・・・・・・・・・あ!これにしよう)」
この娘の名前を決めた僕は、システムウインドウを開く。
「よし。それじゃあさっそく起動させるね」
ポットの中の女の子を取り出して、システムを起動させる。
あ、ちなみにこの娘はすでに服は着てます。
「―――システムの起動を確認しました。名称―――未登録。
「え~と、名称は―――リインフォース
音声で夜天の書の管制融合騎―――リインフォースⅡの設定をし。
「はやて、手を」
「うん」
差し出されたはやての手を取り、リインフォースⅡに触れさせる。
「お目覚めの時間だよ。新たなる祝福の風、リインフォースⅡ」
そう言うと、リインフォースⅡの体が光、眼を開けた。
リインフォースⅡの眼は綺麗な青い瞳をしていて、瞳の色は違うが聖良に似ている雰囲気を感じた。
「マスター認証完了。個体名リインフォースⅡ、起動します」
リインフォースⅡが無機質にそう告げ一度目を閉じる。
再び目を開けると。
「・・・・・・」
眼をパチリとさせて辺りを見渡し。
「おはようございますマスターはやて!これからよろしくお願いしますです!」
はやてを見てそう言った。
「はやて」
「うん。おはようなリイン。あとそんなに堅苦しくしなくてええよ」
「えっと、じゃあ、はやてちゃん?」
「うん。そうやでリイン」
「はいです!」
うん。はやてとリインはすぐに打ち解けたみたいだ。
「あ、リインフォース」
「ん?」
「はやてたちにも言っておくけど、リインフォースとリインフォースⅡは姉妹だから、Ⅱの方はリインって呼んでリインフォースは
「アインスか・・・・・・。いいぞ」
「うん。それと、聞きたいことがあるんだけど」
「?」
一瞬はやてとリインの方に視線を向ける。聖良もはやてとリインの輪の中の入って楽しそうに話しているを見て僕はアインスに聞いた。
「この夜天の書に誰か付き添っていなかった?」
「!」
小声でアインスに聞くと、アインスは眼を見開いて僕を見た。
「ああ。確かに、付き添っていた人物がいた。・・・・・・いや、人物というより、彼女は私と同じ存在か」
「彼女ってことは女の子?」
僕の問いにアインスはコクりとうなずいた。
「名前は?」
「彼女の名前は――――――
――――ユーリ・エーベルヴァイン。心優しい、夜天の書の付添人だ」