魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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公開

 

~零夜side~

 

「・・・・・・・・・・・」

 

夏休みのある日、僕はミッドチルダ管理局地上本部のある部屋にいた。そして隣には。

 

「大丈夫ですか、天ノ宮君?」

 

僕の上司のミゼット提督がいた。

 

「はい・・・・・・大丈夫です」

 

「・・・・・・ほんとうに、よろしいんですね」

 

「はい。はやてへの非難は、元はと言えば僕が原因ですから」

 

「わかりました・・・・・・出来る限り私たちも擁護しますので、無理はしないでください」

 

「ありがとうございます、ミゼット提督」

 

僕がここにいる理由は、今日特務0課を公に公表するからだ。それと同時に、今回の闇の書事件の首謀者であるということを発表する。秘書の役割を兼ねている凛華は一緒にいるが聖良やアリサたち部員は特務0課の室内にいる。

さらに言うと、階級もいつの間にか昇格して三佐になり特務官並びに特務三佐となっていた。ちなみにこの事は今日さっき伝えられた。さすがにそれには僕も唖然としたけど。というか、まだ10歳なのに階級がオーリスさんと同じ三佐でいいの!?と思った。

とまあ、そんなこんなで時間は過ぎていき特務0課公開の時間になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、時間は過ぎていき今僕の目の前には。

 

 

「ふざけんな!」

 

「そんなのその小娘が命じただけだろ!」

 

「ガキの癖になぜ一部隊を率いているのだ!」

 

「ミゼット統幕議長、それは職権濫用になるのではないですか!」

 

 

と僕に対する罵詈雑言の嵐が飛び交っていた。

そのなかにははやてや守護騎士たち、ミゼットさんに対するものも入っていた。

 

「はぁ・・・・・・・・・・」

 

溜め息を吐き、壇上の横の席にいるミゼットさんたちにチラリと視線を向け、うなずいたのを確認して僕は言葉を発する。

 

「―――いい加減黙りなさい!」

 

『『『『『!!!?』』』』』

 

僕のその一言に罵詈雑言の嵐が収まり、一斉に視線が僕に向かった。

 

「まず、第一に今回の闇の書事件の主犯はこの僕だ!はやてや守護騎士たちじゃない!僕が命じさせてやったことだ!言いたいことがあるなら直接この僕に言え!」

 

相手の階級が上だろう歳上だろうが関係なく言った。正直、もう我慢の限界だ。

 

「はやてたちをそんなに悪く言うのは何故?決まってるよね、そんなの。―――あんたたちから見たらはやては悪者なんだろ。・・・・・・まだたった10歳の女の子・・・・・・魔法の魔の字も知らなかった女の子にどう対処しろって言うんだ!危険なロストロギアを持っているだけで犯罪者呼ばわり・・・・・・いい加減にしろよ!!」

 

口が悪くなっているがもうどうでも良い。大切な友達をバカにされたり、悪く言われるのはもう嫌だから。

 

「今まで何回チャンスがあった?闇の書をどうにかするチャンスが管理局には一体幾つあった?何度もチャンスがあるのに毎回毎回、アルカンシェルで蒸発させて・・・・・・・それで何度悲劇が起きた!前回ではギル・グレアム提督やリーゼロッテ姉妹、ハラオウン家など、様々な人が悲しい、辛い思いをした!こんな結果を招いたのは管理局の対処が甘かったからじゃないのか!?口先だけの、上辺だけの言葉なんて意味なんて無いんだよ!実際に行動に移した者だけがそれを口にできるんだ!それこそ、常にミッドチルダの平和と安全を願い行動しているレジアス中将や、ミゼット統幕議長たちだ!そこにいるあんたたちの内、何人がこの人たちと同じくらいの信念を持ってる!言っておくけど、僕が知らないと思う?管理局上層部はどす黒いってことを!禁忌とされてる生命操作に、人体実験や汚職。自分の正義が正しければ何をしても良いと思ってるのか!そんなの天翼の終焉研究会(ラストヘブンオーダー)の奴らと何も変わってない!法と秩序を守る、それが時空管理局じゃないのか!」

 

僕がそう言い、一息入れると。

 

「なにも知らないガキが意気がるんじゃねえよ!」

 

ある席からそんな声とともに魔法弾が放たれた。

 

『『『『『きゃあぁっ!』』』』』

 

『おい!君!』

 

魔法弾を放った人の周囲から悲鳴が上がり、制止する声が上がるが遅く、放たれた魔法弾は一直線に僕に向かってきた。

そのまま当たるかと思われるがしかし。

 

「零夜くんに危害を加えさせません」

 

傍にいた凛華がすぐさま魔法弾を消滅させた。

 

「なっ!?」

 

防がれるでもなく、かわされるでもなく、消滅させられたことに驚いたのか魔法弾を放った人物は目を見開いて唖然としていた。

 

「ありがとう凛華」

 

「いえ、もっとも、私がやらなくても零夜くんならなんとかなりましたね」

 

「ふふ、まあね」

 

軽く会話をし、無詠唱で立ったまま唖然としている人物を拘束する。

 

「まさかこんなところで魔法を放ってくるなんて・・・・・・予想はしてたけど、まさかほんとうに当たるとはね」

 

そう言うと。

 

「その者をすぐに連れていきなさい。他のものはそのまま座わるように」

 

ミゼットさんの凛とした声が響き渡った。

すぐに係の者が来て、魔法弾を放った人物を連行していき会場はもとに戻った。

 

「さて、迷惑な人が居たが別に僕は気にしない。僕に言いたいことがあるならハッキリ言えばいい。何を怯えているの?僕が管理局初めてのSSSランクの魔導師だから?星戦級魔導師だから?それとも、ミゼット統幕議長たちがいるから?なんなの?影ではこそこそ言っていて、光のある場所ではなにも言わない。ずいぶんと姑息だね。改めて言う!己を考え直せ!自分が何のために管理局に入ったのか!陸と海、確かに事情がそれぞれあるのは分かるが、それだけでいざこざを起こすな!海の人間は陸の人間のことをちゃんと見ろ!陸の人間は海の人間に負けないようにすればいい!自分が何のために、どうしてここに居るのか今一度考えろ!――――――以上を持って私から言葉は終わりにします」

 

そう告げ壇上から降り、凛華とともにミゼット提督の傍による。

すると。

 

『『『『『――――っ!!!』』』』』

 

辺り一面から拍手の音が響き渡った。

 

「「!?」」

 

まさかの展開に僕と凛華は目を見張る。

一部の人間は憎悪を醸し出して僕を見るが、この会場にいる殆どの人が立ちあがり、拍手をしていた。

訳が分からず驚いていると。

 

「いい言葉でしたよ天ノ宮君」

 

ミゼットさんが孫を誉めるかのような眼差しで見詰めながら言ってきた。そしてその隣のラルゴ元帥とレオーネ相談役もミゼットさんと同じようにうなずいていた。しかも、レジアス中将もその厳めしい顔を和らげて頷いていた。護衛としているゼストさんたちも満足気な表情だ。

 

「貴方は今までの誰も言わなかったことをこのような大衆の面前でハッキリと、恐れることなく言いました。まさかまだ子供の貴方にそう言われるとは思わなかったのでしょうね。私が目を付けただけの事はあります」

 

ミゼットさんはそう言うと立ち上がり、壇上へと上がっていった。

 

「さて、今の天ノ宮特務三佐に私たち大人は何を感じましたか?歳端もいかない彼に言われたのです、我々も少しずつ改善するべきではないのでしょうか。私たち三提督は天ノ宮特務三佐たちを全目的に支持します。今こそ、陸と海が互いに手を取り合うべきなのです!」

 

ミゼットさんのその言葉でさらに拍手のボリュームが膨らみ、あちこちから割れんばかりの拍手が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

 

「ふぅ~。緊張した~」

 

会議が終わり、会場から特務0課の室内に戻っていた僕は今まで張り詰めていた緊張した空気を吐き出した。

 

「お疲れさまでした零夜くん」

 

「うん。凛華もありがとうね」

 

凛華の淹れてくれた砂糖多めのミルクティーを飲んで一息つく。

そこに。

 

「まったく・・・・・・あんな大勢の前で啖呵切って、本当に大丈夫なんでしょうね?」

 

「アリサちゃんの言う通りだよ。いくら、はやてちゃんのためだからって・・・・・・・」

 

「ミゼット統幕議長が零夜くんを支持してくれるっていっても限度があると思うよ」

 

アリサ、すずか、アリシアの言葉を紡ぐ。

 

「そうだね~。もう少し立場を上げないとね」

 

そう言う僕に。

 

「あのな、普通その歳で三佐なんてあり得ないんだからな!?まあ、確かに零夜の力量とこの半年の成果を上げたら仕方ないとは言えるが・・・・・・」

 

いつの間にか居たクロノが突っ込んできた。

 

「さすがツッコミのクロノ」

 

「僕はそんな変な名前じゃないぞ!?」

 

ツッコムクロノと僕に。

 

「あんたたちはなんで毎回毎回コントしてんのよ!」

 

アリサがツッコミを入れた。

 

「「コントしてないわ!」」

 

「その返しはおかしいでしょ!?」

 

僕とクロノの返しにもアリサはツッコミを入れる。

 

「さっきまでシリアスはどこにいったのかな・・・・・・」

 

「あははは!何時ものことだね」

 

そこにすずかとアリシアが呑気にそう呟いたのが聞こえた。

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

「―――これで君は執務官の資格も手に入れたか・・・・・・はぁ、君はどんだけチートなんだい」

 

ヤツレた様子のクロノは溜め息をついて言う。

クロノが言ったとおり、僕はつい先日執務官試験に合格したのだ。しかも一発合格だ。実技の方は問題なかったが(リミッターをかけて威力はかなり落としたけど)筆記の方はかなりギリギリだった。グレアム叔父さんやロッテさんやアリアさんから教えてもらわなかったら落ちていたと思う。いや、絶対落ちていた。グレアム叔父さんたちの教えは分かりやすく、要点を纏めたりなど細かいところまで教わった。まあ、さすがに現実時間じゃ足りなかったからダイオラマ球を使って勉強時間を伸ばした。ダイオラマ球の中では時間の流れが違うため、現実の一時間がダイオラマ球の中では一日なのだ。時間魔法と空間魔法の複合魔法の品物だが、これは僕が創ったのではなく、元から在ったものなのだ。

そんな試験の前のことを思い出していると。

 

「まったく、さすがね貴方は。難しい執務官試験に一発で合格するのだから」

 

「ええ。しかも入局してまだ一年未満の子供ですからね」

 

「か、母さ・・・・・・艦長!?」

 

「あれ、ママ?」

 

プレシアさんとリンディさんが扉から入ってきた。

 

「ママどうしたの?」

 

入ってきたプレシアさんにアリシアが不思議そうな顔をして尋ねた。

それに答えたのは。

 

「マスター、まだ言ってなかったのですか?」

 

「?どういうこと紅葉さん?」

 

「今から言うところだよ。―――実はプレシアさんには特務0課(ここ)の非常勤の部隊員として所属してもらうことになったんだ」

 

「ええ!?そうなのママ!?」

 

「黙っててごめんなさいアリシア。アリシアの驚く顔が視たかったのよ」

 

「ぶ~~」

 

膨れるアリシアの表情を見たプレシアさんはドッキリ大成功とでもいいそうな表情を浮かべていた。

 

「まあ、基本はプレシアさんは自身の研究の方に行っちゃうけど、メンテナンスや武装の更新とかはプレシアさんに任せてるんだ。ちなみにリニスさんも一緒だよ」

 

「ええ!?リニスも!?」

 

またまた驚愕したアリシアは目が飛び出るほど驚いていた。

そこにカメラ音が貫いた。音のした方を見ると。

 

「アリシア、もう一回今の表情してちょうだい!」

 

プレシアさんがどこか取り出したのか、一眼レフを持ってアリシアを撮っていた。うん、いつの間に。ていうかどこから出したんですそれ?

 

「ちょ、ママ、止めてよ!恥ずかしいから!」

 

手で顔を被うがプレシアさんの勢いは止まることなくどんどん一眼レフの連写速度が上がっていっていた。

 

「「「「・・・・・・・・・・」」」」

 

あまりの光景にポカンとしていると。

 

「いい加減にしてくださいプレシア!」

 

「アイタッ!」

 

またまた何処から現れたのか、ハリセンを持ったリニスさんが現れプレシアさんの頭をハリセンで叩いた。

 

「リ、リニス!?」

 

「まったく、あなたと来たら娘のこととなると本当に周りが見えないんですね!この間もフェイトとアリシアの後を着けていって警察沙汰になりかけたのを忘れてますか!私がギリギリのところで情報操作したから良かったもののしなかったらあなたは今頃警察に捕まってますからね!罪状はストーカーですかね?私の主がストーカーとか恥ずかしくて表を歩けませんよ!そもそも、プレシアは自分のことよりフェイトとアリシアの事ばかり考えてます!別に考えてるのは構いませんがそれであなたが体調を崩したら元も子もないですよね!だいたいプレシアはですね―――――――――」

 

『『『『『・・・・・・・・・・・・・・・・』』』』』

 

突如始まったリニスさんによるプレシアさんへのお説教に僕らは目を点にする。というか今リニスさんから警察沙汰って言葉が聴こえたような・・・・・・。呆然とするなかプレシアさんの娘のアリシアは顔を真っ赤にして俯いていた。

 

「ま、まあ、向こうは置いといて。昇進おめでとう零夜君」

 

「置いとくんですね・・・・・・・。あ、ありがとうございますリンディさん」

 

「いえいえ。それにしても史上最年少で左官になった局員としてこれから零夜君はかなり注目されるでしょうね」

 

「ええ。まあ、一気に階級が上がったのは本気で驚きましたけど」

 

「これなら一気に将クラスに上がるんじゃないか?」

 

「そうなると前線に出れないよ」

 

「まあ、基本的に左官や将クラスの者は後方で指揮を執るからな。艦長がそうだし」

 

「はぁ~・・・・・・やりにくくなりそう」

 

「まあ、君ならなんとかなるだろ?最大の後ろ楯の3提督が付いてるんだから」

 

「あまりミゼットさんたちには迷惑かけたくないんだよね」

 

「今更か!?」

 

「???」

 

「ミゼット統幕議長には迷惑かけたくなくて、僕には迷惑かけても良いって言うのか!?」

 

「だって、クロノだし」

 

「なんだそれは!?」

 

僕とクロノの会話をリンディさんは微笑ましそうに見守り、凛華たちは見慣れた様子でお茶を飲んでいた。

ちなみにプレシアさんとリニスさんは・・・・・・・・

 

 

「これを機にですね、少しは改めてください!他にもですね――――――――――」

 

「うぅ・・・・・・」

 

 

 

プレシアさんが正座して未だにリニスさんのお説教を受けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

 

 

 

ドガンッ!!

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・出来た」

 

自宅に帰り、ダイオラマ球の中に入った僕はすぐに未完成だった術式を完成させた。もっとも基礎構造は既に出来ており、イメージ構成が巧くいかなかっただけなのだが。

 

「ついに出来た・・・・・・僕の新しい魔法」

 

魔力がほぼゼロになり息を調えながら今自分が引き起こした魔法の惨状を見る。

そこは、だだっ広いクレーターが出来ており、クレーターを中心に氷の華園があちこに広がり、その華園を虹色の雷が静電気を放電するかのように迸り、陽炎のように燃え上がる薄紅の炎が氷の華園を照らした。炎に当たりながらも氷の華園は一向に熔ける気配がなかった。さらに放電する雷と燃え上がる炎が合わさりどこの魔界かと言われるような惨状になっていた。

 

「これが最上位魔法を複合(コネクティブ)した最上位を越える新たなる魔法―――、―――――――。」

 

正直、もう最上位なんて越えてるほどの魔法だ。その分魔力消費が激しいけど。

 

特殊固有武装(アーティファクト)の方も問題なく使えるし、明莉お姉ちゃんには感謝しかないよ」

 

そう呟くと。

 

「―――完成したんですね零夜くん」

 

明莉お姉ちゃんが建物の中から出てきた。

 

「うん」

 

「流石ですね。この魔法は正直―――クラスです。私の神霊力(デウニウム)と魔力を結合させて、ですね?」

 

「うん。明莉お姉ちゃんの眷族だから」

 

「そう・・・・・・・ですね」

 

「どうしたの?」

 

「いえ、本当なら零夜くんには普通の人並みを過ごしてほしかったのですが」

 

「気にしないで明莉お姉ちゃん。明莉お姉ちゃんのお陰で今僕はここにいるんだから。それに、愛奈美お姉ちゃんと華蓮もいる」

 

「――――本当に五つ目の願いがそれでいいんですね」

 

「うん。二人の魂があるなら・・・・・・・・・・出来る?」

 

「ええ」

 

「なら、お願い明莉お姉ちゃん」

 

「分かりました。ですが、しばらく時間が掛かります」

 

「大丈夫だよ」

 

僕は今引き起こした魔法の惨状を見て明莉お姉ちゃんと会話しながらダイオラマ球の中にある建物の中に入っていった。

 

 

 

 

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