魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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物語の始まり

 

~零夜side~

 

 

「うそ。なんなのこれ!?」

 

なのはがバリアジャケットとデバイスを展開したのを上から見ていた僕は呆気にとられていた。

なのはの魔力値が高いと反応でたからだ。

なのはが手にもつ杖に驚いていると。

 

「来ます!」

 

フェレットがしゃべってそう言った。。

フェレットがしゃべったことに驚きながらも僕はあわててなのはの前に立つ。

それと同時に跳ね上がった化け物が墜ちてくる。

 

「―――風盾(デフレクシオ)!」

 

僕がなのはの前に立ち風の防御魔法を唱えるのと同時に、なのはのデバイスから。

 

《protection》

 

と機械音声が流れた。

それと同時に風盾の上からピンク色のバリアが張られた。

 

「くうぅぅ・・・・・・!」

 

「リンカーネイト!」

 

《イエス、マスター》

 

僕となのはがしばらく耐えると化け物は跳ね返り幾重にも散らばってあちこちに突き刺さったりした。

僕はなのはに気を配りながらも、散らばった化け物に注意深くする。

 

「なのは、無事?」

 

地面に降りてなのはの前にたった僕は視線をなのはに向けながら聞く。

 

「零夜くん!」

 

「とにかくここを離れるよ!」

 

僕はなのはの手をつかんで、風魔法で付与(エンチャント)して脚力をあげてその場から離れる。僕一人だけなら問題ないだろうが、なのはとフェレットを庇いながらだと少し部がわるい。

理由は単純に巻き込まれる可能性があるからだ。

なのはとフェレットを連れてその場から離れること数分、僕たちは住宅街の十字路に来ていた。

 

「取り敢えずしばらくは大丈夫だろうけど・・・・・・」

 

立ち止まり走ってきた方を見て言うと、フェレットが喋って言った。

 

「はい、すぐに追ってくると思います」

 

「だろうね。詳しく話を聞きたいけどその前にまずはあれを倒そう」

 

「う、うん。わかったなの」

 

「取り敢えずなのはに魔法を教えてくれるかな、フェレットさん?」

 

「は、はい。えっと、まず僕らの魔法は発動体に組み込んだプログラムと呼ばれる方式です」

 

僕はなのはが抱えているフェレットに視線を向けて言う。フェレットはすぐに返事を返してなのはに教えてる。

 

「そして、その方式を発動させるために必要なのが、術者の精神エネルギーです。そして、あれは忌まわしい力の元に生み出された思念体・・・あれを停止させるにはその杖で封印して、もとの姿に戻さないといけないんです」

 

「と、取り敢えずあれを何とかしないといけないのはわかったけど・・・どうすれば・・・・・・」

 

「さっきみたいに攻撃や防御などの基本魔法は心に思うだけで発動しますが、より大きな力を必要とする魔法には呪文が必要なんです」

 

「呪文?」

 

「心を清ませて・・・・・・心にあなたの呪文が浮かぶはずです」

 

フェレットの言葉になのはは目を閉じた。

どうやら心を清ませて集中しているみたいだ。

意識を少しそっちに向けながらも、僕は周囲への警戒を劣らない。まあ、索敵魔法を使ってるからすぐに分かるんだけどね。

なのはが目を閉じしばらくして。

 

「・・・・・・・・・・来た」

 

僕の範囲内に気配を感じた。

物凄い速さでこっちに迫ってきてる。

化け物が見えると、その化け物はジャンプし、毛むくじゃらの体から触手のような物を四本だして、僕らに向けて伸ばした。

僕は焦らず右手を伸ばし、

 

風盾(デフレクシオ)

 

風盾で防御する。

すると左隣のなのが杖の先を僕の右手に列べるように差し出した。

そして杖から。

 

《protection》

 

機械音声が響き風盾を覆うようにピンクのバリアが張られた。

四本の触手はピンクのバリアと風盾の前に憚れ、僕となのはには届かない。

触手が全て消え去ると、

 

「―――リリカル、マジカル」

 

「封印すべきは忌まわしき器。ジュエルシード!」

 

なのはと足元のフェレットが唱えた。

 

「ジュエルシード、封印!」

 

《Seling mode Set up》

 

なのはの杖の宝石が光ると、機械音声が響いた。

さらに、なのはの杖から一対の翼のようなものが現れた。

 

「へぇ。可変可能型なんだ」

 

僕はなのはの杖を見てそう呟く。

なのはの杖から幾本のピンクの帯が化け物に迫ると、帯が化け物を縛り上げた。

すると化け物の額に【ⅩⅩⅠ】の文字が現れた。

そう言えばさっきのにもあの化け物と同じ文字が現れていた。

 

《standby redy》

 

「リリカル、マジカル。ジュエルシード、シリアル21・・・・・・封印!」

 

《Seling》

 

なのはの杖からさらにピンクの帯が現れ、その帯は化け物の体を刺し貫いた。

化け物は耳障りな悲鳴をあげるとその体が光り、つきの瞬間には、その場に何もなく消え去っていた。

 

「あれは・・・・・・」

 

化け物が消えたところには一つの宝石のようなものが落ちていた。それはさっき僕が拾った宝石と同じやつだった。

 

「レイジングハートで触れて」

 

なのはがその宝石に近づき、フェレットの声になのはが杖。レイジングハートと言うらしきデバイスを前に出すと、宝石が浮かび上がるとレイジングハートの中に入った。

 

《licensing No.ⅩⅩⅠ》

 

レイジングハートの機械音声が答えると、なのはの身体が目映く光り、バリアジャケットからさっきまでの私服姿に戻っていた。レイジングハートも同様に杖から宝石の待機形態へと戻っていた。

さらに結界が解除されたみたいだ。

 

《マスター、結界が解除されました》

 

「ありがとうリンカーネイト」

 

《どういたしまして》

 

「あ、あれ。終わった、の?」

 

「はい。あなたのお陰です。ありがとう・・・・・・」

 

フェレットはかなり無理をしていたのか、その場に倒れてしまった。

 

「ちょっと!ねえ!大丈夫!?」

 

なのははフェレットに声をかけるが、そんな中僕の耳にパトカーや消防車のサイレン音が聴こえてきた。

 

「なのは、その前にここを移動しないと」

 

「え、う、うん。そうだね・・・・・・・ふぇ!?」

 

僕はなのはの右手を掴むと、飛行魔法でなのはとフェレットを連れてその場から素早く立ち去った。

なのはが途中驚いていたが取り敢えず今は我慢してもらおう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

化け物と戦闘した区域から離れ、なのはの家の近くの公園に降り立った僕はバリアジャケットとリンカーネイトを解除して、制服姿に戻る。

 

「ふぅ。ここまで来れば大丈夫かな。なのは、大丈夫?」

 

「もうなにがなんだか・・・・・・」

 

なのはは理解が追い付いていない見たいで頭を押さえていた。

 

「あはは、まあ、突然魔法なんかに出会ったらそうなるよね。さて、そろそろ話してもらえるかな、フェレットさん?一体これはどういうことなのかな?」

 

「は、はい」

 

意識を取り戻していたフェレットにそう聞くと、フェレットは素直に答えてくれた。

 

「僕の名前はユーノ・スクライア。スクライアは部族名なのでユーノって呼んでください」

 

「ユーノくんって言うんだ。私の名前は高町なのは。家族や零夜くんたち友達はなのはって呼んでくれるよ」

 

「僕の名前は天ノ宮零夜。零夜って呼んでほしいかな」

 

「はい」

 

「それでユーノ、あの化け物とあの宝石は何か知ってるの?」

 

「全てお話しします・・・」

 

フェレット・・・・・・いや、ユーノは自分が別世界の人間だということ。そして、この種の形をした宝石のようなものはジュエルシードといって高魔力の結晶体。ジュエルシードは人の願いなどに反応し、あのような姿になるということ。ユーノは発掘したジュエルシードを管理局と呼ばれる場所に輸送しようとしていたらしいが、途中で事故に遭い、その影響で21個のジュエルシードがこの海鳴市の周囲にばらまかれたということ。そして、ジュエルシードの一つを封印しようとしたが怪我を負い力がなくなってしまいフェレットの姿になり、なのはの協力をもってジュエルシードの一つを封印出来たということ。全てを話してくれた。

 

「なるほどね。これはジュエルシードっていうんだ」

 

僕はポケットからジュエルシードを取り出して見せる。

 

「はい」

 

「なのははどうするの?」

 

「どうするのって?」

 

「このジュエルシード集めに協力するの?ってこと」

 

「うん。ユーノくんを助けたいし、またあんなのが現れて周りの人が被害にあったら大変だから・・・・・・」

 

なのはは決意に満ちた瞳と趣で答えた。

じゃあ、僕のやることは決まりだね。

 

「なら、僕も手伝うよ」

 

「え!いいの!?」

 

「うん。なのはだけだと無理しそうで心配だからね。それにあんな化け物を野放しにできないよ」

 

「ありがとう零夜くん!」

 

「そう言うことだけどいいかな、ユーノ?」

 

「あ、ありがとうございます・・・・・・」

 

フェレットが頭を下げると言うのもなんかおかしいけど、取り敢えず僕となのははユーノのジュエルシード集めを手伝うこととなった。

 

「ところでなのは」

 

「なに零夜くん?」

 

「いや、なのは時間大丈夫なの?」

 

「へ?」

 

僕はずっと疑問に思っていたことをなのはに聞いた。

するとなのは公園内の時計を見て顔を青ざめた。

 

「もしかして・・・・・・誰にも言わないで来てたり・・・・・・?」

 

「うっ・・・・・・・!」

 

図星らしい。

なのはらしいって言えばらしいけど。

 

「だと思ったからここはなのはの家の近くの公園だよ」

 

「ほんと!?ありがとう零夜くん!」

 

嬉しいのは良いんだけど、急に抱きつかれるのは未だに少しなれない。

 

「ところでユーノはなのはが引き取るの?」

 

「うん。お母さんたちもいいって言ってるから」

 

「了解」

 

「それじゃまた明日ね~!」

 

なのははユーノを連れて公園の出口へ行きそこから高町家へと帰っていった。

 

「それじゃあ僕も帰ろうかな」

 

僕は辺りを見渡して、家へと転移して帰った。

こうして僕らのジュエルシードを巡る事件が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なのはが魔法に出会って数日のある日の休日。

僕は家の地下のトレーニングルームでなのはの魔法の練習のアシストをしていた。ここでなら周囲に被害がないからだ。

 

「それじゃもう一回」

 

「わかったの」

 

なのははレイジングハートを待機状態にさせたまま自身の周囲にピンク色の球体を作り出していた。

今の練習は魔力操作と配分と把握能力の向上だ。

このあとは体力向上のトレーニングがある。

 

「今のところ集めたジュエルシードは4つ、か~」

 

「はい」

 

僕はクリアな床にいるユーノに言った。

 

「残り17個・・・・・・次はどこなんだろ」

 

「わかりません。発動するまで分からないので」

 

そうジュエルシードは発動すると高密度の魔力を放つからすぐ分かるが、発動していない状態だと何故か見つけにくいのだ。

 

「ところでユーノから見てなのははどう?」

 

「彼女は才能があるかと。この間の直射砲撃魔法には驚いたので」

 

「だよね~」

 

なのははこの間の4つ目のジュエルシード捕獲の際、遠距離からの砲撃でジュエルシードを封印したのだ。しかもとてつもない高密度の魔力砲撃を放って。ある意味これには驚いた。

 

「(あのときの砲撃、中位クラスの魔法と同レベルの威力だったな~。これは鍛えたらかなりすごい魔導士になるかも)」

 

なのはの練習を見ながら僕は不意にそんなことを思った。

 

「さてと、僕もトレーニングしようっと」

 

僕はなのはから少し離れたところに移動し、ターゲットの的を標示させる。ちなみに僕の家の地下のトレーニングルームは何故かかなり広い。しかもこういうオプションまで付いているのだ。アマテラスさんには感謝しかない。

 

「あれ、零夜くんもやるの?」

 

「まあね」

 

するとなのはは僕のトレーニングが気になったのかこっちを見ていった。

的の数は100。しかも移動している。

僕のトレーニングはこの的全てをどのくらいの時間で落とせるかだ。

僕の耳にルーム内のカウントダウン音が入る。

ポン・・・ポン・・・ポン、となりアラームが鳴った。

 

「リク・ラク・ヴィシュタル・ヴォシュタル・スキル・マギステル。光の精霊100柱。集い来たりて、敵を射て」

 

僕は自身の周囲に光の球を出し、

 

魔法の射手・連弾・光の100矢(サギタ・マギカ・セリエス・ルーキス)!」

 

それを100個の的に向けて飛ばした。

100個の的は動き回るが、僕は一つ一つを操作して追尾させるようにして的を撃ち抜く。

やがて全ての的を撃ち終え、終了のアラームと掛かった時間が表示された。

 

「12.6秒か~。もっと反応速度とか上げないとな~」

 

僕がそんなこと呟くと、

 

「す、すごい・・・・・・」

 

「こ、これは・・・・・・」

 

なのはとユーノの唖然のする声が聞こえた。

ん~、やり過ぎたかな?

 

「れ、零夜くん、あんなに魔力弾放ったのに大丈夫なの?」

 

「え?うん、あんまり魔力は減ってないよ」

 

魔法の射手(サギタ・マギカ)系や氷爆(ニウィス・カースス)などの魔法なら大して魔力は減らない。まあ、魔法の射手を500程出したらさすがに少しは魔力は減るけど、最上位クラスならいざ知れず、中位クラスまでなら問題ない。

 

「ほ、他にどんな魔法が出来るの」

 

「う~んとね・・・・・・」

 

僕はなのはの問いに少し考えてから詠唱する。

 

「―――来たれ雷精、風の精!!雷を纏いて、吹きすさべ、南洋の嵐!」

 

僕は右手を正面に出して、

 

「―――雷の暴風(ヨウィス・テンペスタース・フルグリエンス)!」

 

 

中位クラスの魔法を壁に向かって放った。

雷の暴風は風属性と雷属性の二つを合わせ持つ。強力な旋風と稲妻を発生させて攻撃する魔法だ。

恐らくこの間、なのはが放った直射砲撃魔法と威力は同程度だろう。

 

「こんなのかな?」

 

「わ、私のより強力かも・・・・・・」

 

なのはは僕の雷の暴風を見て肩を落としたようなった。

 

「いやいや、なのはもトレーニングすれば大丈夫だから!そう気落ちしないで、ね!」

 

「零夜くんがそう言うなら・・・・・・///」

 

僕はなのはの頭を撫でて言った。

その際なのはの顔が若干赤らんだのが気になった。

 

「それじゃあ続きを・・・・・・って、もうこんな時間だ」

 

時計を見ると時間はすでに午後17時を越えていた。

 

「それじゃあ今日はここまでね」

 

「はーい」

 

僕はなのはとユーノともにトレーニングルームをあとにし、なのはとユーノを見送る。

 

「それじゃまた明日ね」

 

「うん。あ、明日はすずかちゃんの家でお茶会だからね」

 

「了解。じゃ、また明日、なのは、ユーノ」

 

「うん、またね零夜くん!」

 

なのははフェレットのユーノを連れて高町家へと帰っていった。

 

「さてと、僕ははやての家に行かないと」

 

中に戻った僕は着替えなどの入った鞄を持って、戸締まりをしっかりとしてはやての家、八神家へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八神家

 

 

八神家に着いた僕はインターホンを鳴らした。

 

「待っとったよ零夜くん」

 

「約束通り来たよはやて」

 

玄関から現れたはやてはいつもと変わらず車イスに乗っていた。

なのはの家の高町家にも何度かお泊まりしたことあるが、依然としてこういうのに慣れてない僕である。

 

「ささ、早うなかに入ってぇな」

 

「うん。お邪魔しま~す」

 

現在八神家ははやての独り暮らしの状態だ。

車イスのはやてのために家のあちらこちらにスロープや2階に通じるエレベーターがある。

 

「治療の方はどう?」

 

「依然として変わらんよ」

 

「大丈夫なの?」

 

「ん~、まあ、石田先生も経過を見てみないと分からん言うとるしな」

 

「そうか~」

 

リビングに入ると、夕飯の支度をしていたのか、まな板の上に野菜と包丁が置かれていた。

 

「ほな、少し待っててな」

 

「あ、手伝うよ」

 

鞄をソファーに置き、はやてと協力して夕飯を仕上げ、夕飯を食べ終えると順にお風呂に入り、はやての部屋に向かった。

 

「ありがとうな零夜くん」

 

「気にしないで」

 

はやてを車イスからベットの上に寝かせた僕はベットの端に腰掛けた。

 

「それにしても・・・・・・」

 

「ん?どないした?」

 

「いや、はやての部屋って本が多いな~って」

 

「まあ、そりゃ私の趣味やからね」

 

「僕もかなり本持ってるけどね。ん?」

 

僕ははやての部屋を少しだけ視線で見渡し、机の上に置いてあった本に注目する。

 

「はやて、あの本って?」

 

「ああ、あれな。生まれたときからあるんやけど・・・・・・」

 

その本は鎖で封印のようにされており開ける状態ではなかった。

 

「見ての通り何故か読めんのや」

 

「へぇー」

 

僕は視線をその本に置きながらも答えた。

 

「(あれって魔導書?でも・・・・・・)」

 

僕は魔導書らしき本を思考しながらリンカーネイトと思念する。

 

「(リンカ、あれから魔力って感じる?)」

 

《僅かにですが魔力らしきものを感じますね》

 

「(そう。ステラとレイはどう?)」

 

《リンカと同じですわね》

 

《私も同じだよマスター》

 

僕はステラメモリーとレイオブホープとも思念通話する。

ちなみにリンカーネイトはリンカ。ステラメモリーはステラ。レイオブホープはレイと呼んでる。

僕はその魔導書が少し気になったが特に害は無さそうなのでそのままにした。実際、その魔導書が使えるか分からないし、それで壊れたりしたら大変だからだ。

そのあとはやてと読書したりお話ししたりして気が付くと日付を跨ぐ頃合いだった。

 

「それじゃあ僕は一階のソファーで寝るから」

 

そう言って立ち上がると、

 

「零夜くんも一緒にここで寝たらいいやん」

 

はやてが服の裾を掴んで言ってきた。

なんだろ前になのはにもされたような気がするような・・・・・・。

僕ははやての行動にそんなことを思った。

 

「ダメ、かな?」

 

「うっ・・・・・・・!」

 

さすがにこの状態のはやてにイヤと言えるわけもなく。

と言うよりなのはのこれにも断れないのだが。

僕って単純なのかな・・・・・・?

 

「はやてがいいなら・・・・・・」

 

僕がそう言うと、はやての曇っていた表情がパアッと明るくなった。

 

「ほな、一緒に寝よ」

 

「ちょっ、はやて!」

 

僕ははやてに引っ張られベットに横になった。

 

「そんじゃ電気消すで」

 

「う、うん」

 

「ほな、お休みな」

 

「お、お休み」

 

はやてが電気を常夜灯にすると部屋が薄暗くなった。

女子と二人、一緒に寝ている僕が眠れるはずもなく、なんとか寝ようとしていると。

 

「・・・・・・・零夜くん、まだ起きとる?」

 

はやてが声をかけてきた。

 

「なに、はやて・・・・・・」

 

「私な、こうやって零夜くんと一緒に寝れるの嬉しいんや」

 

「どうして・・・・・・?」

 

「お母さんもお父さんがお星さまに成ってもうてから私はずっと一人やったんや。けどな、図書館で零夜くんと出会ってから私は今までの日々が変わって見えるようになったんよ」

 

「変わって見える?」

 

「せや。何て言うんやろ、零夜くんといると心がこう、落ち着くんや」

 

「そう、なんだ・・・・・・・」

 

「やからね零夜くん。お願いや」

 

「お願い?」

 

「うん。私をまた一人にせんといて欲しい。また、大切な人を失うのはイヤや。やから、お願いや零夜くん」

 

「・・・・・・わかった。はやてを一人にしないよ、約束する。と言っても、僕が出来ることなんて限られるけどね」

 

「構わへん。零夜くんがいてくれるだけでいいんや」

 

「出来る限りのことはするよ」

 

「約束や」

 

「うん。約束」

 

はやての差し伸ばした右手を僕は左手を伸ばして握る。

はやての気持ちは分かる。僕も一人だったから、ずっと。

やがてはやては手を握ったまま眠ってしまった。

僕は苦笑しながらもその手を離さず、僕も眼を閉じ眠ることにした。すると、案外すんなりと眠りに堕ちていった。

その光景を見守るのは正体不明の魔導書と僕の身に付けてるデバイスのみだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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