魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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え~、コホン。どうもソーナです。
ここ最近悩みがあります。それは、A,s編が終わってから全く感想が来ないと言うことです!!
出来れば感想とか欲しいので、よろしくお願いします!


ジェイル・スカリエッティ

 

~零夜side~

 

ある日の休日、といってももう冬休みを迎え新年の始まりを迎えようとしているが。

そんなある日の夜。僕と夜月は転生者同士で話をしていた。

話の内容は今どうなっているかなど、原作の知識を持つ夜月に聞いてる。そんななか夜月からある名前が出た。

 

「ジェイル・スカリエッティ?」

 

「うん」

 

「ジェイル・スカリエッティって確か広域指名手配されてる次元犯罪者だよね?」

 

以前見た次元犯罪者のデータベースを思い出しそう答える。

 

「こっちの世界でもそうなんだ・・・・・・」

 

「ということは原作でも?」

 

「うん」

 

どうやらジェイル・スカリエッティという人は原作の世界でも、そしてこのIFの世界でも同じらしい。

 

「で、その人がどうかしたの?」

 

「あのね、私ジェイルさんを助けたいんだ」

 

「どういうこと?」

 

理解できずに夜月に訪ねると、夜月は原作での知識で教えてくれた。

曰く、ジェイル・スカリエッティは今から約10年後のStrikerS編の敵でそれと同じくナンバーズと呼ばれる女の人たちもいるらしい。で、その女の人たちは戦闘機人と呼ばれるものらしく並大抵の魔導士では相手にならないらしい。さらに言うと、原作ではSランクのゼストさんを一対一で倒したとか。で、そのジェイル・スカリエッティという人は管理局地上本部にいると思われる最高評議会という組織がアルハザードの技術を使って作り出した人造生命体、プロジェクト【アンリミテッド・デザイア―無限の欲望】の研究で作り出された存在らしい。

 

「―――なるほどねぇ。最高評議会の連中か黒幕は」

 

夜月の言葉で今まで辿り着けなかった黒幕の正体に辿り着けた。僕の調べでも管理局の上層部に影響がある人物としか分からなかったが、さすが原作の知識保持者。

 

「うん。だから今ならまだジェイルさんたちを助けられないかなって。それに味方にも出来るかもしれない」

 

「確かに。そんなにすごい人なら僕たちの陣営に加わればかなりの戦力になるかも」

 

今の僕が保持してる手札(カード)はミゼットさんたち三提督にレジアス中将やゼストさんたち一部の地上部隊、そして聖王教会の教会騎士団所属にして管理局の少将としての地位を持つカリム・グラシア。あとはマリーさんたち技術部、リンディさんやレティ提督たちだ。まあ、一応僕も特務三佐や星戦級魔導士としての地位もあるが。ちなみに夜月も星戦級魔導士の資格を保持してる。というより、半ば強引に付けられた。まあ、それは僕もなんだけど。

 

切り札(ジョーカー)はお姉ちゃんたちだけどお姉ちゃんたちの力は借りられないし」

 

「姉さまも、さすがにこの世界に干渉することは出来ないって。まあ、私たちがいることですでに干渉しているみたいだけど」

 

「あー、うん、確かに」

 

僕らというイレギュラーな存在のため、この世界では不確定要素が多数存在する。その中でも最大のイレギュラーが原作にも存在しなかったという天翼の終焉研究会(ラストヘブンオーダー)だ。

 

「でも、姉さまたちがいうには、この世界の切り札は私とレイくんだって言ってたよ」

 

「確かに、僕と夜月が闘ったら星一つは無くなるよね」

 

「全力でやればね」

 

「お姉ちゃんたちもこの世界に干渉するのは何らかの事態、邪神とかが出たときだって言ってたし」

 

「邪神・・・・・・ね。レイくんはその邪神についてどのくらい知ってるの?」

 

「え~と、神とか神聖なものが反転した存在で邪神がいると世界どころか次元すらも崩壊するってことぐらいかな」

 

「私も同じ。だから、邪神が現れた際は早急に、速やかに対処しなくてはならないって言ってた」

 

「でも、邪神なんて滅多に現出しないでしょ?」

 

「うん。何万年かに一度とかそんな割合だって」

 

「まあ、そんなのに出くわしたくないけどね」

 

「同感だよ」

 

僕と夜月は溜め息を吐いてそう願った。

 

「そう言えばどうしてなのはちゃんたちにレイくんの魔法教えたの?」

 

不思議そうな顔をして夜月がティーカップを片手に聞いてくる。

 

「最初は教える気は無かったんだけどね」

 

「そうなの?」

 

「うん。只でさえ僕の魔法は扱いが難しいから」

 

「この世界では、自分の魔力と周囲に漂うエレメントに干渉してるんだっけ?」

 

「うん。夜月の天使も霊力じゃなくて魔力でしょ?」

 

「ええ」

 

僕の魔法も然り、夜月の天使や霊装はこの世界に適応される形で成り立っている。

 

「そもそも明莉お姉ちゃんから教えてもいいって言っていたから教えたんだよね」

 

「どういうこと?」

 

「この世界は僕らが入り込んだことによってIFの世界でしょ?現に原作になかった敵や存在がいる」

 

「聖良ちゃんや研究会のこと?」

 

「うん。だから考えた。そして、なのはたちの今の魔法では何れ限界が来るって分かった」

 

まあ、それは僕が別次元の強さを持っているからというのもあるだろうが。

 

「まあ、そりゃそうでしょうね。レイくんの魔法は汎用性が高いし。防御にも攻撃にも、支援にも、回復にも適して万能だから」

 

「だから、少しでも自衛の為にね」

 

「ふぅ~ん。それで、なのはちゃんたちは使えるようになったの?」

 

「一応、上級までの一部は教えたし使えるようになったから使用許可は出したよ。但し、それは補助的なものだと考えてって言ったよ」

 

「補助的なもの、ね~」

 

「ん?」

 

半目で見てくる夜月に疑念の視線を向ける。

 

「いえ、レイくんの魔法は補助的というより主魔法になるんじゃないかなって」

 

「それは僕だけだよ。なのはたちは本来なら僕の魔法を使えないはずなんだけど、どんな因果かこの世界だと使えるみたいだけど。もっともなのはたちには適正属性ってのがあるみたいだし」

 

「適正属性?」

 

「うん。なのはとユーノなら風、はやてなら光と闇、フェイトとアリシアなら雷、すずかは氷と水、アリサは炎、クロノは氷ってね」

 

「・・・・・・あー。なるほどね」

 

何となく分かったのか夜月は納得したようにうなずいた。

 

「あ、レイくん一つ提案があるんだけど」

 

「なに?」

 

そのあと夜月の言った言葉に僕は驚愕するも同意し、明莉お姉ちゃんと弓月さんの協力もあって僕と夜月は――――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数ヵ月後。

 

 

「ここは―――」

 

「戦闘機人プラント?」

 

僕と夜月は二人である世界にある戦闘機人プラントらしき場所に来ていた。すでに戦闘体勢は万全で、僕は聖良とのユニゾンは疎か凛華たちを装備、夜月はメイガスモードと霊装を合わせた霊魔装を着ていた。

 

「アリサちゃんたちがいなくてよかったね」

 

「だね。アリサたちにはまだ早い」

 

当たりに散らばってる、僕と夜月が破壊した機械の残骸を見て言う。

 

「アリサたちはまだここまで対応できないからね」

 

「ええ。それにしてもこの機械もしかして」

 

「たぶんそうだろうね」

 

僕と夜月がそういうと同時に。

 

「あら~?僕たちそんなところで何してるのかしら」

 

後ろから女の人の声がした。

 

「どうしたクアットロ――――ん?何者だ?」

 

「チンク?クアットロ?――――ん?」

 

さらに二人の声も。

 

「(夜月、後ろの三人ってもしかして)」

 

三人の声に僕は念話で夜月に訪ねる。

 

「(うん。恐らくナンバーズ3のトーレ、ナンバーズ4のクアットロ、そしてナンバーズ5のチンク)」

 

念話で意思疏通をしていると。

 

「おい、聞こえてないのか?お前たちこんなところで何をしている?」

 

チンクと思わしき声が再度聞こえてきた。

僕と夜月は目線で意思疏通をして頷き。

 

「僕は時空管理局特務0課所属、特務官の天ノ宮です」

 

「同じく時空管理局特務0課所属、桜坂。あなた方こそここで何を?」

 

「管理局だと!?」

 

「おいクアットロ、特務0課ってまさか・・・・・・」

 

「ええ、恐らくあの特務0課でしょうね」

 

どうやら特務0課というのはかなり有名らしい。

 

「ああ、妄りに動かない方がいいよ」

 

僕がそう言うと。

 

絶滅天使(メタトロン)

 

夜月が天使、絶滅天使(メタトロン)を顕現させて、三人を囲むようにして飛び交い、砲口を三人に向ける。

 

「この状況ではどっちが優勢かわかるよね?」

 

「こんなもので私たちを止められると?」

 

「なら、これなら?」

 

トーレの言葉に僕は三人に濃密な殺気と魔力を放つ。

 

「「「っ!?」」」

 

「こ、これは・・・・・・」

 

「あんな子供がこんな・・・・・・」

 

「くっ・・・動けない・・・・・・」

 

まるで金縛りにでもあったように膝をつく三人。

 

「わかった?僕としてもあまりやりたくなかったんだけど。まあ、いっか。さて、僕たちの質問に答えてもらうよ」

 

「し、質問だと?」

 

「君たちの保護者、ドクタージェイル・スカリエッティはどこ?」

 

単刀直入に聞いた。

 

「な、なぜドクターを知って・・・・・・!」

 

「それは秘密だよ。トーレさん」

 

「!?」

 

「僕たちはジェイル・スカリエッティと話がしたい」

 

「話だと?」

 

「うん」

 

僕がそう言うと。

 

 

『ふむ。その年でトーレたちを膝まつかせるか。さすが最年少で時空管理局の左官になっただけあるね』

 

 

僕たちと彼女たちの間に空間ディスプレイが開きそこから一人の男が出てきた。

 

「まさか本人が出てきてくれるとは・・・・・・。あなたがジェイル・スカリエッティですね?」

 

 

『いかにも。わたしがジェイル・スカリエッティだ。君たちは?』

 

 

「ああ、失礼しましたね。僕は天ノ宮零夜、時空管理局特務0課所属の特務官です」

 

「同じく時空管理局特務0課所属の桜坂夜月よ」

 

 

『なるほど。君たちが管理局で噂のオーバーSSSの魔導士コンビ。―――星戦の魔王(メイガス・オブ・ロスティライズ)魔天使の女王(クイーン・オブ・マギアエンジェリック)か』

 

 

僕と夜月に付けられた二つ名を知ってるみたいだ。まあ、さすがに有名になりすぎたかな?

 

 

『まあ、構わないだろう。トーレ、クアットロ、チンクへの殺気らを納めてくれないかね?』

 

 

「話し合いを応じますか?」

 

 

『ああ、もちろん。但し、君たちに聞きたい』

 

 

「なんですか?」

 

出していた濃密な殺気と魔力を納めディスプレイに写るジェイル・スカリエッティに訪ねる。

そこで僕たちは予想外のことを聞かれた。

 

 

『君たちは―――天翼の終焉研究会(ラストヘブンオーダー)に属する者か?』

 

 

「なに?」

 

「え?」

 

ジェイル・スカリエッティの質問に僕と夜月は戸惑いの声を出す。

 

 

『すまないがこれだけは聞いておきたくてね。どうなんだい二人とも』

 

 

「・・・・・・天翼の終焉研究会は僕らの敵ですよ」

 

「同じく。私たちの部隊が追ってる組織ですね」

 

 

『嘘は吐いてないみたいだね。・・・・・・トーレ、彼らを私のもとに連れてきてくれたまえ』

 

 

「は!」

 

 

『では、後程会おうか。星戦の魔王(メイガス・オブ・ロスティライズ)、そして魔天使の女王(クイーン・オブ・マギアエンジェリック)

 

 

ジェイル・スカリエッティがそう言うとディスプレイが消え、僕らとトーレたち五人になった。

 

「まずは謝罪しておこう。すまなかった」

 

「え?」

 

「なぜ?」

 

「かの星戦の魔王(メイガス・オブ・ロスティライズ)魔天使の女王(クイーン・オブ・マギアエンジェリック)の噂は私たちにも届いている」

 

「かの者たちは魔王にして女王。この次元世界最強の二人とね」

 

「そして、たった二人だけの星戦級魔導士」

 

「我らの中でもそなたらに勝てるはずはない」

 

「先程の殺気と魔力でわかった。次元が違うとな」

 

「ドクターが言ってました。この二人は恐らくこの世界の希望なのだろうと」

 

「希望?」

 

「私とレイくんが?」

 

予め夜月から聞いていたトーレたちと態度が違い僕たちは戸惑う。

 

「(夜月、これってもしかして)」

 

「(うん。彼女たちから悪意が感じられない)」

 

「(また、世界が違うってことか)」

 

IFの世界だからか原作と違うみたいだ。

それからトーレたちとともに転移し、ジェイル・スカリエッティの居ると思われる場所に来た。

 

「ここは・・・・・・」

 

「着いてきてくれ」

 

チンクの後ろを着いていきしばらくすると。

 

「ようこそ。はじめまして星戦の魔王(メイガス・オブ・ロスティライズ)魔天使の女王(クイーン・オブ・マギアエンジェリック)

 

ドクタージェイル・スカリエッティが現れた。

 

「こちらこそはじめまして、ドクタージェイル・スカリエッティ」

 

「会うことができて嬉しいよ」

 

「わたしも同じさ。かの星戦の魔王(メイガス・オブ・ロスティライズ)魔天使の女王(クイーン・オブ・マギアエンジェリック)に対面してるんだからね」

 

なぜか知らないが好印象てきなジェイル・スカリエッティと握手をする。

 

「トーレ、クアットロ、チンクすまないが席を外して貰ってもいいかな?」

 

「わかった」

 

「は~い」

 

「了解した」

 

ジェイル・スカリエッティの台詞にトーレたちが返事をしてその場から立ち去る。

残ったのは僕と夜月、そしてジェイル・スカリエッティとその傍らに秘書のように立つ女性の4人だけとなった。ちなみに凛華たちはすでにデバイスの待機形態だ。

 

「まずは聞かせてもらおうか。君たちはあそこで何をしていたんだい?」

 

「僕たちに与えられた任務は戦闘機人のプラントと思われる場所の調査です」

 

「なるほど」

 

「それを私たちに言っても良いのですか?」

 

「ええ。大丈夫ですよウーノさん」

 

「なぜ、私の名前を?」

 

「ああ、それは・・・・・・」

 

夜月に視線を向けて。

 

「おいで―――囁告篇帙(ラジエル)

 

夜月は天使を顕現させた。

 

「私のこれは私が知りたいと思っていることを教えてくれます。いわゆる超々高性能な検索エンジンですね」

 

「それでわかったと?」

 

「ええ。それに、あなた方のことは・・・・・・」

 

今度は夜月が僕に視線を向けてきた。

 

「この本。いどのえにっきで筒抜けですから」

 

事前に展開しておいた特殊固有武装(アーティファクト)が一つ、いどのえにっきを見せる。

 

「まあ、それは置いといて。今度はこちらの質問です」

 

「ああ」

 

「彼女たちトーレは彼処で何をしていたんです?」

 

「彼女たちには君たちと同じく戦闘機人プラントの破壊をお願いした。そして、研究会の者が関わっているかどうか調べさせていたのさ」

 

「レイくん?」

 

「嘘は吐いてない。ジェイル・スカリエッティの言っていることは事実だよ」

 

夜月に確認を迫られ、僕はいどのえにっきからの回答を答える。

 

「私からいいかな?」

 

「どうぞ」

 

「そこにいるウーノさんも、トーレさんたちもあなたが作った戦闘機人で間違いない?」

 

「!・・・・・・さすがだ。そんなことまでわかるのか。確かに、ウーノをはじめ彼女たちはわたしが作った戦闘機人だ」

 

「目的は?管理局を滅ぼすため?」

 

「確かに、管理局にいや、正確には最高評議会の連中を滅ぼしたいと思っている。だが、調べていく過程ですべての元凶が研究会にあるとわかった。今のわたしの目的は研究会を潰すことだ」

 

「「!!?」」

 

慌てていどのえにっきを見るが、そこに記述されてるのは今ジェイル・スカリエッティが言った言葉と同じだった。

つまり嘘を吐いてないと言うことだ。

 

「君たちのことだ、当然わたしの事についても知っているのだろう?」

 

「ええ。最高評議会が行ったプロジェクト。プロジェクト名【アンリミテッド・デザイア―無限の欲望】その人造生命体、それがあなた、ジェイル・スカリエッティ」

 

「その通りだ」

 

ウーノも知っていたのかあまり変化は見られない。

 

「なら、これは知っているかい?―――プロジェクト【エターナル・ルーラー―永遠の支配者】」

 

「プロジェクト【エターナル・ルーラー―永遠の支配者】・・・・・・?」

 

聞いたことないプロジェクト名に僕と夜月は戸惑う。

 

「レイくん知ってる?」

 

「いや・・・・・・夜月は?」

 

「私も知らないよ」

 

「やはりかそうかい」

 

僕と夜月の反応にジェイル・スカリエッティは嘆息したように、予想通りだとでも言うような反応をした。

 

「ドクター、私も【エターナル・ルーラー―永遠の支配者】などというプロジェクトはじめて聞いたのですが?」

 

「ああ。すまないウーノ、君にも言うのを忘れてたよ」

 

「はあ・・・・・・」

 

「では、説明しよう。プロジェクト【エターナル・ルーラー―永遠の支配者】というのはわたしが作り出された【アンリミテッド・デザイア―無限の欲望】の対となるプロジェクトだ」

 

「あなたの?」

 

「ああ。【エターナル・ルーラー―永遠の支配者】の目的はそのプロジェクトの名の通り、変わらない今の世界の永遠な支配者を作り出すこと。それはわたしと同じくアルハザードの技術によって作り出された。そして作り出された存在のコード名は、ルフィア・エルヴァレスタン。そしてこのプロジェクトで生み出された人造生命体はわたしの妹だ」

 

「「「!?」」」

 

僕とウーノはともかく夜月までも驚いているということは原作にない展開なのだろう。

 

「無限と永遠。対をなすプロジェクト。わたしと彼女は、実際の血の繋がりはないが確かに妹だ」

 

「では、ドクター。ドクターが以前から行っている研究はもしかして・・・・・・」

 

「その通り。彼女、ルフィアを目覚めさせるためだ」

 

「どういうことです?」

 

「ルフィアは今は眠ってる。もう何年もね。彼女はプロジェクトの名の通り、永遠な支配者となるべく脳に過剰なデータを最高評議会の連中にインプットされた。そしてそれが原因で眼を覚まさなくなってしまったのだ。わたしは、妹を守るためにウーノをはじめとした彼女たちを作り出した。わたしはただルフィアが目覚めてくれればそれでいい。わたしのことを兄と慕ってくれる彼女の顔をもう一度見たいのだ。その為ならわたしは何にだって手を出す」

 

「もしかしてその為にプロジェクトFを?」

 

「それを知っているのか。・・・・・・ああ、プロジェクトF、記憶転写型クローン技術は元はと言えばそのためだった。しかし、基礎理論は出来ても上手くはいかなかった。プレシア・テスタロッサが行ったのと同じくね。もっとも、わたしはクローンを造り出しはしなかったが」

 

思い返すように言うジェイル・スカリエッティ・・・・・・長いからジェイルさんでいいか。ジェイルさんに僕はどこか似ているような気がした。そう思っていると。

 

「では、もしかしてこれまでの犯罪は・・・・・・・」

 

「ドクターはなにも悪いことはされてません!あなた方の知っているドクターの罪は最高評議会によるものです!」

 

「ありがとうウーノ」

 

「ドクター・・・・・・」

 

声を荒げたようにいうウーノをジェイルさんは手で制す。

 

「わたしから以上だ。それで、君たちはなぜわたしと話がしたかったんだい?」

 

「ドクタージェイル・スカリエッティ、我々特務0課はあなたをスカウトしに来ました」

 

「ほう」

 

「特務0課の後ろ楯は統幕議長をはじめとした三提督です。そして、僕と彼女は星戦級魔導士の称号を持ってます。更に言うと、僕と彼女は特務0課の室長兼部隊長と副部隊長です」

 

「!?まさかあなた方二人が特務0課を率いているとは・・・・・・」

 

「さすがのわたしも驚いてるよ」

 

「ええ。なので、外部の者はそう簡単に手を出せません」

 

管理局の上層部や高官は僕ら特務0課を恐れてるからだ。統幕議長直属の部隊にして、星戦級魔導士がいるからだ。

 

「ここでドクタージェイル、あなたには選択肢があります」

 

「選択肢かい?」

 

「ええ。一つ目は、今のまま広域次元犯罪者として追われる身のまま過ごす」

 

「二つ目は私たちの元に来るか」

 

「そして三つ目は、僕らと協力関係を結び特務0課に属せず別々に行動する。もちろん、僕らは強制はしません。ドクタージェイル、あなたが選んでください」

 

僕と夜月はそれぞれ交互に言いジェイルさんに聞く。

 

「ふむ・・・・・・・・・・・・・・・・・ならば我々は第3の選択肢を取ろう」

 

「ドクター!?」

 

「落ち着きたまえウーノ。今は、だよ」

 

「つまり、後で僕たちの元に来ると?」

 

「ああ。その方が君たちにとっても我々にとっても今はまだいい」

 

「・・・・・・なるほど、確かにそうかもしれませんね」

 

ジェイルさんの言葉に僕はうなずく。確かに、今ジェイルさんたちが来たら恐らく特務0課にとっては痛手だ。何故なら、ジェイルさんは広域次元犯罪者だからだ。例え事実とは違っているとしても周りがそうとは思わないだろう。

 

「では、現時点では僕たちとジェイルさんたちは別々で動くということで」

 

「ああ」

 

「協力関係は結ぶということでよろしいですね?」

 

「それはこちらとしても願ってもないよ」

 

こうして僕らとジェイルさんたちの間に秘匿同然の協力関係が出来上がった。

そこに。

 

「―――レイくん、もしかしたら私の刻々帝(ザフキエル)ならルフィアさんを目覚めさせられるかも」

 

なにか思い付いたように夜月が言った。

 

「なに?」

 

「刻々帝?・・・・・・・・・・あ!四の弾(ダレット)!」

 

「うん!」

 

刻々帝の能力を思い出す。

 

「ジェイルさん、もしかしたらルフィアさんを目覚めさせられるかもしません」

 

「本当かいそれ!」

 

「確証はありませんけどやってみる価値はあるかと」

 

「わかった!ウーノ、彼らを連れてきてくれたまえ!」

 

「え?ちょ、あ、ドクター!?」

 

慌てたように飛び出してどこかにいくジェイルさんにウーノは眼をパチクリさせて戸惑う。

 

「あ、えっと、取り敢えずこちらへ」

 

「あ、はい」

 

「は、はい」

 

まあ、その戸惑いは僕らもなんだけど。

まあ、そんな戸惑いつつ僕と夜月はウーノに連れられて奥に向かった。

奥に向かうと、広い場所に出た。そこはあちこちに医療機械があり、すべてのコードが真ん中のベットに向かっていた。そしてジェイルさんがそのベットの傍に立っていた。

ベットの中には僕らとあまり変わらない少女が眠っていた。

 

「ジェイルさん、もしかしてその娘が・・・・・・?」

 

「ああ。わたしの妹だ」

 

生きてはいるのだろうけど仮死状態か植物状態。正直、見ていられない。これならジェイルさんが必死に目覚めさせようとするのも分かる。

 

「ジェイルさん、今から私がやることはルフィアちゃんの時間を戻すことです」

 

「時間を戻す?」

 

「はい。それで、ルフィアちゃんに過剰インプットされたことを無かったことにします」

 

「わかった。お願いする」

 

「はい。レイくん」

 

「うん。夜月、いける?」

 

「たぶん・・・・・・」

 

「僕も協力する。二人でやろう」

 

「うん」

 

ジェイルさんとウーノが少し離れるのを確認し、僕と夜月は魔方陣を展開する。

 

「おいで!―――刻々帝(ザフキエル)!」

 

夜月の背後に機械仕掛けの巨大な時計が現れ、両手に古式の銃が現れる。僕は夜月に魔力を流すため、夜月の左腕に触れる。

 

刻々帝(ザフキエル)四の弾(ダレット)

 

夜月の左手に持つ短銃から一発の弾丸が放たれ、ベットで眠ってるルフィア・エルヴァレスタンに命中する。

僕たちの予測通りなら、これでルフィアさんに施された過剰なデータをインプットされる前に戻したことになる。つまり、彼女はただの少女になるということだ。

 

「ぅ・・・・・・」

 

「夜月、大丈夫?」

 

「うん。でも、かなり魔力を持ってかれた」

 

「え!?」

 

僕と夜月の魔力は明莉お姉ちゃんと弓月さんのお陰でEXランクだ。いくら刻々帝の使用代償が魔力とはいえ夜月の魔力なら半分も減らないはずなのだが、今の夜月の魔力は半分を切っていた。というか、僕の魔力と掛け合わせて半分以下だ。つまり、ルフィアさんが眠ってから10年以上は経過しているということになる。

そう脳裏によぎらせてると。

 

「ん・・・・・・」

 

ルフィアさんから小さな、ほんの小さな声が聞こえた。

 

「っ!ルフィア!」

 

声が聞こえたのかジェイルさんはベットの端に駆け寄る。

 

「ルフィア!」

 

ジェイルさんの呼び掛けに答えるかのようにルフィアさんは眼をゆっくりと開けた。

 

「お・・・・・・にい・・・・ちゃん・・・・・・?」

 

「ああ、兄だ!もう大丈夫だからなルフィア!安心してくれ!」

 

「う・・・ん・・・・・・」

 

そう小さくいうと再びルフィアさんは眠りについた。いや、寝たきりだった身体が今ので限界だったのだろう。

ジェイルさんは顔をクシャっとさせて涙を流していた。そしてルフィアさんの手を握り「良かった・・・・・・本当に良かった!」と言った。

それを見て僕や夜月はもちろんウーノも目尻に涙を浮かべていた。それから数時間後。

 

「では、そちらに合流する際はこちらから連絡を入れよう」

 

「わかりました」

 

ジェイルさんはルフィアさんの検査やらをし、僕と夜月はウーノたちとともに時間を過ごした。

 

「それと、プレシア・テスタロッサに伝えてほしい」

 

「?」

 

「すまなかった、と」

 

「え・・・・・・」

 

「彼女の気持ちを知りつつあの、プロジェクトFを教えたことずっと後悔していた」

 

「わかりました」

 

「では、また会おうか零夜君、夜月君」

 

「ええ」

 

「はい」

 

そう言い、僕と夜月は転移でジェイルさんのアジトをあとにした。あ、ちなみにプライベートアドレスは教えてある。

それから本局に戻りミゼットさんに通信ではなく直接伝え、家に戻った。

その夜。

 

「夜月、あれは・・・・・・」

 

みんなが寝静まった深夜僕と夜月は話し合いをしていた。

 

「うん。この世界の歴史とかが少しおかしくなってる。原因は恐らく研究会、そして―――」

 

「僕たち」

 

「ええ。本来の歴史からかなり外れてるよ」

 

「このまま何もなければいいんだけど」

 

「そうね」

 

そう言って話していき夜が過ぎ去っていった。

 

 

 

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