魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語 作:ソーナ
~零夜side~
「!」
「どうしたの夜月?」
明莉お姉ちゃんの運転する車の後部座席に座っていたそのとき、隣の夜月の身体が一瞬ビクンと震えたのを見逃さなかった僕は夜月に訪ねる。
「今、見えたの・・・・・・」
「見えたって・・・・・・まさか未来視?」
「うん」
夜月の希少スキルの一つである未来視は発動条件が不明なためいつ発動するのか分からない。そもそも、発動させるためのプロセスすら分からないのだ。そして、夜月の未来視はかならず当たる。
「何が見えたの」
「はやてちゃんが倒れるところ・・・・・・」
「はやてが!?」
「うん。今の世界はReflectionとDetonationの世界だけど、それで見たのとは違う・・・・・・・」
「どういうこと?」
「世界が不安定だから未来視が分からない・・・・・・。見えたのははやてちゃんが倒れていてそこに何か太いワイヤーみたいなものが絡み付いていたところ」
「一応、用心しておくとしようか」
「うん」
一応はやてたちに渡してある、あのブレスレットは僕のブレスレットとリンクしており、危険だということもすぐに分かる。もっとも、ブレスレットに付与しているのは簡易的な障壁と装備者が危なくなったら分かるということだけだが。この事に関しては予めはやてたちには伝えてある。過保護かもしれないけどね。
「夜月、何かあったときはやての方には僕が行く。だから・・・・・・」
「うん。なのはちゃんたちのことは任せて」
「お願い」
そんな会話をして、僕たちはオールストン・シーへと向かっていった。
オールストン・シー 駐車場
「お待たせしました。遅れてすみません」
先に着いていた桃子さんたちに明莉お姉ちゃんが運転席から降りてそう言う。
「い~え~。私たちも今着たところですから」
「お久しぶりです明莉さん、弓月さん」
「ええ。久しぶりですね春菜さん」
お姉ちゃんたちは桃子さんたちと保護者談義をし始めていた。というか、ママ友とでもいうような雰囲気だ。
そんな気恥ずかしくもなっているところに。
「それじゃ、早速見て回ろうか」
デビットさんが苦笑を少しだけして車から降りた僕らに言った。
『『『『『はぁーい!』』』』』
デビットさんの台詞に僕たちは元気よく返事をして、デビットさんのあとに続いてオールストン・シーの内部へと入っていった。
入ってまず案内されたのは近くにある水族館のエリアだ。
「うわぁ~!お兄ちゃん!お兄ちゃん!スゴいよ!お魚がいっぱい!」
「うん。スゴいね」
隣で無邪気にはしゃぐ聖良と写真を撮りながら目の前の水槽を見る。
「そう言えば聖良って水族館初めてだっけ?」
「あ、うん。近くに水族館が無かったってのもあるんだけど、中々日程があわなくてね」
アリサの言葉に僕はそう返す。
そう言う僕も水族館などかなりの久しぶりなのだが。
「なら、今日はたくさん観ていくと良いよ」
「はい。ありがとうございますデビットさん」
眼を輝かせてるのは聖良だけでなく凛華たちもで、夜月の方は。
「お!すげーなマスター!」
「ええ!こんなにたくさんの種類の魚はじめてです」
「マスター、あの魚は食べられるのですか?」
「いえ、食べれないと思いますよジュデッカ」
ソラたちと一緒に観ていた。
まあ、ジュデッカへのカイーナのツッコミに笑ってしまったが。
「はやてとリインも来れたら良かったのに」
「仕方ないよアリサ。今日は病院の検査とかあるんだから」
今はやては海鳴大学病院で定期検診を受診している。一応はやての足は闇の書の呪いが解けたことにより治ってはいるが、その後遺症が無いとは限らないため今もこうして時々、病院で石田先生の検診やカウンセリングを受けているのだ。今日はアインスが付き添っているはずだ。何故僕が付き添ってないのかというと、はやてからこっちを優先してと言われたからだ。まあ、はやてはこのあと本局の技術部でリインのチェックにも行かなければならないのだが。というわけではやてが僕たちに合流するのは夜からなのだ。
そのまま、僕たちは係りの人の説明を聞いたりして写真をスマホやカメラで撮ったり、その写真を本局の資料部無限書庫司書のユーノに送ったりとした。
次に僕たちが訪れたのは180度前面が巨大なアクリル板に遮られた水槽と部屋の中央に巨大な紫色の鉱石がある場所だった。
「これがこの水族館の目玉の一つ。海鳴沖で発掘された巨大鉱石!」
「私たちの会社が、発見したの!」
「すごい」
「こんな大きな宝石はじめて見た!」
「研究のテーマにいいかもしれないね」
「うん!」
なのはたちが鉱石を見て興奮してるなか夜月だけは少し違った。
「夜月?」
然り気無く傍により、小声で聞く。
「この鉱石がどうかした?」
「あ、うん。実はこれ鉱石じゃないの」
「え?」
「この中にはユーリ・エーベルヴァインっていう女の子がいるの」
「ユーリ!?」
夜月の言葉に小さな声で僕は驚く。ユーリというと、夜天の魔導書に付き添っていたという子だ。アインスから、今ユーリがどうなっているのかは分からないって聞いてはいたけどまさかこんな身近なところにいるなんて。
「この事、誰にも言っちゃダメたからね。原作が変わっちゃうから。みんなには私たちはただの転生者ってことにしてるんだから」
「わかってる。それで未来が余計に変わるのは不味いからね」
僕と夜月は小声で会話をし、なのはたちとともにその場をあとにした。
次に僕らが来たのは。
「で、水族館の次はこっち。地上の遊園地エリア!」
「オールストン城でーす!」
『『『『わぁ!』』』』
水族館から出て、地上の遊園地エリアだ。
奥には大きな西洋風のお城が見える。
「遊園地ゾーンも今日は関係者だけの貸し切りモード!」
「まあ、アトラクションやライドはあんまり動かせないんだけど・・・・・・」
「ごめんね~!」
「とんでもないです!」
「寧ろ、自由研究のテーマとしては今の方が」
「確かにそうかも」
「さあ、取材やっちゃいましょ!」
『『『『おーう!』』』』
アリサの声に僕ら小学生組は元気よく返事して、デビットさんのあとに着いていった。僕らが取材やらなんやらやっていたその間お姉ちゃんたちはというと。
~零夜side out~
~明莉side~
零夜くんたちが社会科見学というのにいっている間、私と弓月はなのはちゃんたちのお母さんたちと、近くのカフェでお茶をしていました。世間で言うママ友談義と言うやつですね。と言っても、このようなママ友談義というのは経験したことないんですけどね。
「それにしても、みんな楽しそうですね」
「ホントね。フェイトとアリシアがああいう風にはしゃぐなんて久しぶりに見たわ」
「なのはもです。あまりこういうところに連れてきてあげられませんでしたから」
「家もです」
「私も同じですね。明莉さんと弓月さんはどうですか?」
「そうですね・・・・・・私たち自身こういう場所に来たことはなかったんですけど、零夜くんたち楽しそうです」
「ええ。夜月も零夜君の他にも友達がたくさんできて嬉しかったみたいだし、昨日は楽しみですあまり眠れなかったみたい」
「あらあら。なんともまあ、微笑ましいですね」
「はい」
手元にある紅茶の入ったティーカップのソーサーを持って紅茶を飲みます。
「そう言えば、テスタロッサ家とハラオウン家が合併族してしばらく経ちましたけど、フェイトちゃんとアリシアちゃんどうですか?」
そう、テスタロッサ家とハラオウン家は名前は違うが家族となったのだ。説明はめんどくさいと言いますかややこしいので端折りますが、クロノ君はフェイトちゃんとアリシアちゃんのお義兄さんとなったわけです。
「まだ少しぎこちない感じがあるわね。まあ、仕方ないといや、そうなんだけどね」
少し苦笑してプレシアさんが答えました。
そのまま談笑していると。
「あら、会社から。ちょっと失礼しますね」
「はーい」
「あらら、あたしも」
春菜さんとジョディさんの携帯が鳴り、二人は席を立って通話をした。
そこに。
「ん?」
「翼から?」
私と弓月の携帯に翼からのメッセージが届きました。
メッセージには、異世界渡航者についてと、この世界にない、正確にはこの地球にはないエネルギーを感知したとのことです。
そのあと、電話が終わった春菜さんとジョディさんから会社の工事車両が盗まれてることと、リンディさんに掛かってきたクロノ君の言葉から何らかの事件が起こっていること聞いたのでした。
~明莉side out~
~零夜side~
オールストン・シーに来て数時間後。僕らは水族館エリアから遊園地エリアへと移動し、社会科見学を満喫?(でいいのかな)をした。
そして、今はオールストン・シー近くのホテルに滞在していた。
「んん~。楽しかったね~」
「ええ」
ホテルのベランダで夜月と一緒に夜景を眺めていると。
「ん?」
室内のテレビから、ニュース速報が聞こえてきた。そしてそれと同時に。
「っ!」
「レイくん?」
「夜月、なのはたちのことお願い。お姉ちゃんとクロノたちにも説明しといて」
「ハッ!わかったわ。気をつけてね」
僕の言葉の意味がわかった夜月はうなずいた。
「(聖良、凛華、僕と一緒に行くよ。澪奈と紅葉はここに残ってお姉ちゃんたちの警護。星夜は情報収集をお願い)」
凛華たちに念話で伝え、凛華と聖良がベランダに出てくるのを確認し。
「聖良、ユニゾンいくよ!」
「うん!」
「「ユニゾン、イン!」」
すぐさま聖良とユニゾンし。
「夜月、あとお願い!」
「うん!」
夜月にあとを任せユニゾンした聖良と凛華ともにその場から転移した。
転移し、次に目を見開くと。
「れ、零夜くん!?」
「なっ!?」
そこには数両の工事車両らしき車両と、その工事車両の上に乗った赤い髪の女の子がいた。そして後ろには、倒れ伏しているはやてがいた。