魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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序列二位智天使(ケルビム)と敗退

 

~零夜side~

 

「お待たせ、夜月」

 

「もう・・・・・・遅いよレイくん。ちょっと心配したよ」

 

「はは。ゴメン」

 

現れた僕は、霊装とメイガスモードを掛け合わせた霊魔装を着ている夜月に近づいて会話をする。

 

「それで、アリシアたちは待機?」

 

「うん。念のため、星夜ちゃんと澪菜ちゃん、紅葉ちゃんもね」

 

「まあ、三人にはお姉ちゃんたちの護衛任せたからね」

 

「そう言えばなんで遅れたの?」

 

「ああ。実は――――――」

 

研究会序列一位熾天使(セラフィム)のクルト・ファレウムから聞いたことを手短に伝える。

 

「なるほど。それより、どうするレイくん。キリエちゃん、まだ何かやるつもりみたいだよ」

 

「みたいだね」

 

視線の先では、はやての凍結魔法で氷付けのまま浮いているキリエとアミタさん、そしてそれを囲んでいるシグナムたちの姿があった。そんなところに。

 

「(ん?なんだ、この禍々しいまでの気配・・・・・・ナハトヴァールのよりは低いけど・・・・・・これ、人間じゃ・・・ない・・・?)」

 

結界内に妙な気配を感じた。

 

「レイくん」

 

「気付いた?」

 

「うん・・・・・・なに、これ」

 

夜月の声が僅かに震えてるのを感じ、僕は気配を更に探る。

そんなところに。

 

「―――イリスがくれた・・・・・・最後の奥の手・・・・・・・っ!!」

 

キリエがそう言うのが聞こえた。

そして、それと同時に嫌な予感が過った。

 

「―――システムオルタ・・・・・・」

 

キリエがそう声に出したのと同タイミングで、術式を解放する。

 

「―――術式解放(エーミッタム)千の雷(キーリプル・アストラペー)!」

 

そしてさらに。

 

固定(スタグネット)掌握(コンプレクシオー)!!」

 

高速詠唱し。

 

術式兵装(プロ・アルマティオーネ)!!(ヘー・アストラペー)(・ヒューペル・ウーラヌー)太壮(・メガ・デュナメネー)!」

 

「―――バーストドライブ!!」

 

同時に終を終えた。

僕からは金色のオーラが、キリエからは水銀色のオーラがそれぞれを覆った。

 

「キリエ!あなた・・・・・・っ!」

 

アミタさんがそう言い。

 

「夜月!」

 

「うん!おいで、刻々帝(ザフキェェェル)!」

 

「シグナム!ヴィータ!シャマル!ザフィーラ!下がれ!」

 

僕はシグナムたちとキリエの間に入った。

 

「零夜!?」

 

「シグナム、はやてたちを!」

 

「っ!わかった!」

 

シグナムは僕の言いたいことが分かったのかすぐにはやてたちのところに向かった。

 

「さて、と」

 

正面を向くと、かなり体に負荷が掛かっているのか手足が小刻みに振るえているキリエがいた。

 

「っ!」

 

一瞬激しい風が巻き起こると、キリエは物凄い速さで動き出した。速さは僕の雷速に匹敵するほどだ。

それに伴って僕も雷速で動く。

 

「はあっ!」

 

「なっ?!イリスから貰ったこれに追い付けるなんて!」

 

雷速同士のぶつかりに衝撃波が起こる。

 

「くっ!」

 

「キリエ!止めてください!」

 

僕とキリエの戦いを見ていたアミタさんがキリエに制止の声を掛けるが。

 

「お姉ちゃんは黙ってて!」

 

「なっ!?きゃあっ!」

 

「アミタさん!」

 

一瞬でアミタさんの背後に回ったキリエはアミタさんをそのまま蹴り飛ばした。とっさにアミタさんを受け止め、魔法の射手で牽制する。

 

「ちっ!」

 

「あ、ありがとうございます零夜さん」

 

「いえ。大丈夫ですか?」

 

「はい、平気です」

 

アミタさんと会話していると。

 

「っ!?」

 

いきなり、途轍もない悪寒が走った。

 

「・・・・・・っ!夜月!」

 

「うん!―――刻々帝(ザフキエル)一の弾(アレフ)!」

 

僕の声を聞いた夜月はすぐさま自分に一の弾を撃ち込み、キリエの突進を受け止める。

 

「邪魔を・・・・・・しないでっ!!」

 

「うそっ!?」

 

しかし、キリエは速度を更に上げ、夜月を一瞬で追い越し。

 

「させないっ!」

 

はやての前に現れたところを雷速瞬動で追い越してはやての前に立つ。そこに。

 

「ガハッ!?」

 

後ろからの攻撃が直撃し、僕のお腹を穿った。

 

「(なっ!?今のは高密度のAMFを凝縮して圧縮した弾丸!?僕の多重防御魔方陣を貫通させるなんて!)」

 

僕の常に展開している多重防御魔方陣はなのはの砲撃やフェイトの電撃、シグナムの斬撃やヴィータの物理攻撃をすべて防いでる。もちろん、それにも例外はある。それは。

 

「(まさかさっき、多重防御魔方陣が一瞬薄くなったところを狙った?!)」

 

そう常時展開しているとはいえ、障壁がいつも万全に展開している訳ではない。しかし、そんな万全ではない障壁など、時間にしてみれば一秒にも満たない、0.5秒程だ。それを一転の曇りもなく狙い打つとなると。

 

《お兄ちゃん!!》

 

「零夜くん!」

 

「っ!?」

 

聖良と凛華の声が上がる。

いきなりの狙撃にキリエを始めとした全員が動きを止め、僕の方を見る。

 

「レイくん!―――刻々帝、四の弾(ダレット)!」

 

瞬時に夜月が刻々帝の四の弾、時間戻しの弾丸で戻してくれたが、流れ出た血までは戻せない。

 

「っ!誰だ!」

 

僕が墜ちたことに狙撃位置を見てシグナムが声を上げる。

シグナムの視線の先には一つの何かがあった。

 

「な、なんだあれは・・・・・・!」

 

「なに・・・・・・・あれ・・・・・・!」

 

視線の先には巨大な機械人形が浮いていた。

 

「―――――――――」

 

機械人形からの機械のような声に、治癒力を高めて立ち上がって見る。

 

「っ!夜月、今すぐ全員をこの場から転移させて!」

 

感じ取れた気配に僕はすぐに夜月に言った。

 

「零夜くん?」

 

怪訝そうな顔をするなのはの方を向かずにシグナムに聞く。

 

「シグナムから見てあれはどう」

 

「あれは異質だ。ナハトヴァールと比べたら幾分か低いが・・・・・・」

 

「少なくともあたしらが勝てる確率は低い」

 

「そう。シグナムたちもなのはたちと一緒にここから離脱して!」

 

「零夜はどうする?」

 

「僕はあれを対処する」

 

「わかった。無理はするなよ」

 

「分かってるよ」

 

そう会話していると。

 

「キリエ!」

 

「っ!?」

 

この隙にキリエがはやてから夜天の書を強奪していた。

はやては気絶しているのか倒れていて、その近くにはリインが倒れ付していた。

 

「キリエ、今すぐ返しなさい!」

 

「少し借りるだけ!終わったらすぐに返す!だから、邪魔しないで」

 

キリエはそう言うとアミタに向かって光弾を放ち、自分が乗って来たと思わしきバイクに跨がって走り去っていった。

 

「させるか!――――っ!?」

 

そこに浮遊していた機械人形から攻撃が仕掛けられキリエへの攻撃を止められた。

 

「――――――!!」

 

「邪魔をするなぁ!!」

 

僕はすぐに目の前の機械人形に標的を移し、攻撃を仕掛ける。

 

「――――――!!」

 

「くっ!」

 

「レイくん、転送準備できてるよ!」

 

「了解!シグナム、向こうに行ったらはやてとリイン、アミタさんの治療、それからクロノに連絡を!」

 

「わかった!全員退くぞ!」

 

シグナムの号令でなのはたちは夜月の展開した転移魔方陣に乗り。

 

「零夜くん!」

 

「零夜!」

 

「夜月!」

 

「うん!」

 

なのはとフェイトの方を向かずに夜月に転移を促して転移させた。

そしてこの場には僕と凛華、夜月、それから目の前の機械人形だけになった。

 

「レイくん、まだあまり動いちゃダメ!」

 

「そう言ってられない!目の前のこれが奴らからなのなら死ぬ気で行かないと殺られる!」

 

そう言うと、機械人形の放ってきたビームを上に翔んでかわす。

 

「夜月、あれの動きを止めて!凛華、デバイスモード!」

 

「はい!」

 

「任せて!さあ、いくよ!―――刻々帝(ザフキェェェル)!―――七の弾(ザイン)!」

 

夜月の古式銃から放たれた時間を止める弾丸が機械人形に当たり、機械人形の動きが止まった。

 

「レイくん!」

 

「ああ!はあああああっ!」

 

凛華をデバイス形態の、二刀流にし、ライトエフェクトを煌めかせて機械人形を攻撃する。

 

「ぜりゃあああっ!」

 

アインクラッド流二刀流ソードスキル、《ジ・イクリプス》を放ち細切れにした。そして機械人形の時間が動きだし。

 

「――――――!!?」

 

機械人形は原型を止めず地に附した。

 

「はあ、はあ、はあ」

 

「レイくん!幾らなんでもあんなに血が出たあとにそのソードスキルは身体に負担が!」

 

「大丈夫。それに知ってるでしょ夜月も。僕らはもう普通には死ねない・・・・・・死ぬことはないって」

 

「そういう問題じゃないよ!」

 

地面に片膝を付きながら夜月から言われると。

 

「ほう。さすが特務0課の者だけあるな」

 

頭上から声が聞こえた。

 

「誰!」

 

視線を向けるとそこには一人の人間がいた。

 

「ふふふ」

 

そしてその手には禍々しい剣が握られている。

 

「あなた誰?武装を解除して所属世界と名前をいいなさい!」

 

「我の名はガハト・レグリスタ。天翼の終焉研究会(ラストヘブンオーダー)序列二位智天使(ケルヴィム)に属する者だ。平伏すがいい!」

 

「な・・・・・・っ?!」

 

まさかこんなところで研究会が出てくるとは思わず僕と夜月は目を見開く。

 

「ふっ。安心するがいい。今日は貴君らに挨拶に来ただけだ」

 

「挨拶?」

 

「そうだ。いけ好かないクルトの野郎に対等でやり合った貴君らにな」

 

「挨拶に来ただけだけでレイくんのお腹に穴を開けたっていうの!」

 

「その点に関しては謝罪しよう。だが、我らもあの少女の目的とやらの物が必要なのでな」

 

「永遠結晶を!?」

 

「永遠結晶か・・・・・・・あれは永遠結晶なんかではないのだが、貴君らは知っているのだろう?」

 

「ええ」

 

「ふっ。では、我はここで失礼しよう。次会うときは―――――」

 

そう区切るとガハト・レグリスタは殺気を出して。

 

「――――存分に殺し合うとしよう、星戦の魔王(メイガス・オブ・ロスティライズ)魔天使の女王(クイーン・オブ・マギアエンジェリック)よ」

 

禍々しい剣を突きつけてそう言い、蜃気楼のように薄れて消えていった。

 

「智天使のガハト・レグリスタ・・・・・・・かなりの実力者ね」

 

「そう・・・・・・だね・・・・・・」

 

ガハト・レグリスタが去っていき残された僕たちは会話をする。が、さすがの僕も限界だった。

 

「お兄ちゃん!」

 

「零夜くん!」

 

「レ、レイくん!しっかりして!」

 

ユニゾンが解除された聖良とデバイスから人型になった凛華が慌てて僕を支え、夜月が治癒を施してくるが僕の意識はそこから遠のいていった。

 

~零夜side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~夜月side~

 

 

「レイくん!」

 

私の腕の中で倒れるようにして気絶したレイくんに私は必死に呼び掛けた。

 

「だから言ったのに・・・・・・」

 

私とレイくんは姉さまたちの眷族になったことによって普通に死ぬことは無くなった。いや、今はまだ半神半人だから死ににくい体なのかな?とにかく、私とレイくんは基本的に死ぬことがない。寿命自体もなく、今はまだ体は成長しているが20歳ぐらいになったら成長は止まるらしい。その辺りは個人差らしい。

 

「急いで帰らないと」

 

「夜月ちゃん、転移魔方陣はもう出来てるよ!」

 

「ありがとう聖良ちゃん!」

 

私は、凛華ちゃんと一緒にレイくんを支えて聖良ちゃんの構築した転移魔方陣に入り、その場から姉さまたちのいるホテルに戻っていった。

再び目を開けると、そこはホテルの一室だった。

 

「夜月、大丈夫かしら!?」

 

「ええ、私は大丈夫姉さま。でも、レイくんが・・・・・・」

 

「話は聞いてるわ。零夜くんはこっちで寝かせましょう」

 

「うん」

 

レイくんを姉さまが抱き抱え、寝室の方に連れていった。

そこに。

 

「弓月、零夜くんは!」

 

「大丈夫よ明莉。傷は夜月が時間を巻き戻して無かったことにしたから、ただ、流れ出た血は元に戻らないけど」

 

「そう。ありがとう夜月ちゃん」

 

「ううん」

 

レイくんの事を姉さまたちに任せ、私はなのはちゃんたちのいる部屋に向かった。

 

「夜月ちゃん!」

 

部屋に入ると、なのはちゃんが声をかけてきた。

 

「なのはちゃん、大丈夫?」

 

「うん。私とフェイトちゃんは大きな怪我はしてないから」

 

「そう、よかった」

 

なのはちゃんから怪我とか聞いていると。

 

『夜月、零夜の様子はどうだ?』

 

「今は眠ってるよ。まあ、さすがに流れ出た血までは戻せないから、貧血状態だけど」

 

『そうか』

 

「そう。それで、なにか情報はあるクロノ君?』

 

画面にクロノ君とエイミィさんがいた。

 

『ああ。アミタと呼ばれた少女は今、本局の医務室で治療を受けている』

 

「怪我の様子は?かなり重症だったけど」

 

『今のところ命に別状はないそうだ』

 

「了解」

 

『零夜はこっちじゃなくていいのか?』

 

「大丈夫、今聖良ちゃんたちが治癒魔法で治してるから」

 

『そうか』

 

「それに、本局だとなにかと厄介でしょ」

 

『確かに、な』

 

私とレイくんの事情を知っているクロノ君は苦笑して同意する。

 

「それで、現状どのくらいまで把握してるの?」

 

『現時点では以下の通りだ』

 

クロノ君の表示したウインドウにはこれまでの出来事のデータが記述されていた。

それを一通り閲覧し。

 

「なるほどね」

 

『ああ』

 

そう言った。

そこに。

 

「クロノ、そこに追加。・・・・・・研究会がこれに動いてる」

 

後ろから声が聞こえてきた。

 

「レイくん!?」

 

『零夜!?』

 

「零夜くん!」

 

「零夜!」

 

声のした後ろを向くと、少しだけ顔色が悪く壁に寄りかかってこっちを見ているレイくんの姿があった。

 

~夜月side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~零夜side~

 

 

「クロノ、そこに追加。・・・・・・研究会がこれに動いてる」

 

「レイくん!?」

 

『零夜!?』

 

「零夜くん!」

 

「零夜!」

 

眼が覚めて、夜月たちのところに向かうと丁度クロノと話していた声が聞こえた。

 

『怪我の方はいいのか!?』

 

「まだ本調子じゃないけど、問題ないよ」

 

『ならいいが・・・・・・』

 

納得がいかないと言う感じの表情のクロノに僕は苦笑いを浮かべる。

 

「正直、僕の多重障壁がぶち抜かれるなんて思わなかったよ」

 

『夜月から聞いた。高密度のAMFを込めた弾丸らしいな』

 

「うん。しかも不意打ちだったからね・・・・・・予め備えていれば幾つかは破壊されただろうけど、肉体に当たることはなかったと思う」

 

『そこまでなのか?』

 

「あれは研究会が作ったものだからね・・・・・・。まさか、研究会にあんなものを作る知識があったなんて」

 

『そうそれだ。研究会が動いているとはどういうことだ?』

 

「・・・・・・さっき、研究会序列二位智天使のガハト・レグリスタにあった」

 

『なっ!?』

 

僕と夜月を除く全員がその言葉に眼を見開いた。

 

「目的は彼女たちと同じみたいだけど、なんか違う気がする」

 

『そうか・・・・・・』

 

「現時点で研究会相手に立ち回れる武装隊ってどのくらい?」

 

『本局からの増援も考えれば・・・・・・・結界魔導師部隊と防衛部隊、索敵部隊・・・・・・』

 

クロノが考えるようにブツブツと呟く。

 

「地上本部からは来れないの?」

 

『あ~、実はだな・・・・・・』

 

クロノが言いにくそうにしていると、突然僕の目の前で空間ウインドウが開いた。

そこに映っていたのは。

 

「レジアス中将?」

 

ミッド地上首都防衛部隊代表のレジアス中将だった。

 

『いきなりですまないな天ノ宮特務三佐』

 

「その敬称で言うと言うことはそちらでなにかあったのですかレジアス中将」

 

僕の事を特務官ではなく本部敬称の階級である特務三佐と呼んだことに僕は立ち合いを直す。

 

『天ノ宮特務三佐、地上本部の首都防衛隊代表として、貴殿の所属する特務0課に協力要請を願いたい』

 

「何があったのですか」

 

『テロだ』

 

「テロ?」

 

『うむ。その為、星霊武装(アストラルウェポン)が一つ、【星罪の剱槍(アスティカル・ジ・グライムスピア)】の使用許可をもらいたい』

 

レジアス中将の言葉に僕と夜月は眼を見開いた。

星霊武装(アストラルウェポン)とは、僕と夜月が主軸として本局の技術部のマリーさんたちとともに共同開発した武装だ。この武装の設計コンセプトは使用者の強化と補助だ。現在この星霊武装は全部で10。その内の6つは僕たちが所有している。残りの4つの内、2つは地上本部に。そして、残す2つは聖王教会に。それぞれ所有者は、地上本部はゼストさんとメガーヌさん。聖王教会はシスターシャッハと騎士カリムだ。ゼストさんは槍、メガーヌさんは手甲、シスターシャッハは双短剣、騎士カリムは魔導書だ。

星霊武装――――それは何時か来るべき戦いに備えた武装。使用者は僕と夜月、もしくは武装自体が選ぶ。デバイスでいうのならインテリジェントデバイスだ。そして、認められた使用者(マスター)、もしくは制作者である僕ら以外は使用出来ない、唯一(ワンオフ)の武装。現在、使用するには僕らの承認が必要だ。何せ、この武装は現在のデバイスの世代を何世代も越えた能力を持っているからだ。例えば今でた、【星罪の剱槍(アスティカル・ジ・グライムスピア)】の能力は切断。この槍はありとあらゆる物を切断することが出来る。それは、木や鉄、鋼などはもちろんのこと次元渡航艦もだ。そして、ありとあらゆる物を切断するということは、空間も切れるということになる。もっとも、理論の上なだけなため今のゼストさんは無理だけど。それでもこれ一つあれば大抵の敵は簡単に制圧できる。この他にも、メガーヌさんの手甲型の【星蘭の聖奏者(スターズ・レイ・シンフォギア)】、シスターシャッハの双短剣型の【星断の嵐双剣(オプティカル・ジ・スターブレイク)】、そして騎士カリムの魔導書型の【星詠の預言書(プリディクション・オブ・ステラ)】がある。この星霊武装の特徴は、どの武装にも【星】を有する名が入っていることだ。

故に星霊武装は別名、(スター)シリーズと呼称されている。

 

「わかりました、【星罪の剱槍(アスティカル・ジ・グライムスピア)】の使用を承認します。ついでに、【星蘭の聖奏者(スターズ・レイ・シンフォギア)】の使用も承認しときます」

 

夜月と素早く意思疏通し、星霊武装の承認をする。

 

『すまない、助かる』

 

「いえ」

 

『後程、星霊武装のデータを送る』

 

「助かります」

 

『そっちも大変みたいだが、すまない。こちらは局員を遅れる状況ではなくてな・・・・・・・・』

 

「わかりました」

 

『すまないな。では』

 

そう言うと僕はレジアス中将との通信を切りクロノに向き直る。

 

「―――みたいだねクロノ」

 

『ああ』

 

「研究会が出てきたら僕と夜月が対処する」

 

『わかった。キリエ・フローリアンらの方はこっちでやる』

 

「了解。それと、クロノにこれ送っとく」

 

『ん?』

 

そう言うと僕は異空間に収納していた一つの杖をクロノに転送した。

 

『これは?』

 

「星霊武装と対をなす武装、月雫武装(ルナティアルウェポン)が1つ、月雫杖装(ルナティアルワンド)。銘は―――【煌月の氷月華(ザ・ルナティシクル・ムーンライト)】」

 

『【煌月の氷月華(ザ・ルナティシクル・ムーンライト)】・・・・・・』

 

月雫武装は星霊武装の対をなす武装だ。

もっともとこの月雫武装は僕と夜月による完全なワンオフだ。そしてこの武装は別名、(ルナ)シリーズ。すべての武装に【月】を有する銘が入っている。現在の月シリーズは全部で4つ。【煌月の氷月華(ザ・ルナティシクル・ムーンライト)】はその一つだ。

 

「クロノならそれ、使いこなせるでしょ?」

 

『使ってみないとわからないが・・・・・・これの能力はなんだ?』

 

「それの能力は大気中の水と氷、光の操作。まあ、デュランダルのサポートみたいなものだね。もっとも、デュランダルのエターナル・コフィンよりも凄い術式がその中には入ってるから、扱いには気を付けてね」

 

『おい、今物騒な言葉が聞こえたが・・・・・・。わかった、借りるよ』

 

「うん」

 

それからクロノと僕、夜月で作戦を立て。

 

「それじゃあ全員出撃準備に入って!」

 

『フェイトとアリシアは別室であの少女から聴取を頼む』

 

「みんなの武器は改装済みだから、それぞれの班で空の上で受け取ってね」

 

僕、クロノ、夜月の順に傷が癒えたなのはたちに言う。

あ、ちなみにお姉ちゃんやなのはのお母さんたちは全員僕の家に居てもらってる。士郎さんたちも後で僕の家に居てもらうつもりだ。何故かというと、そこが一番安全だからだ。

 

「それと、なのは、フェイト、はやて、アリシア、アリサ、すずか。6人ともムンドゥス・マギクス式使っていいよ。但し、あまり無理しないように」

 

「「「「「「了解!」」」」」」

 

「アインスさんとユーノ君もすぐ来るそうだから安心してね」

 

アインスは今、ちょっとした野暮用で本局のほうにいる。ユーノは結界魔導師としてこっちに来るみたいだ。

 

「それじゃ、各員出撃!」

 

僕の声でフェイトとアリシアを除いた全員が空に上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、天ノ宮家のある一室で。

 

 

 

「あら、目が覚めたのね」

 

「えっと・・・・・・」

 

「これは・・・・・・」

 

「ふふ。はじめましてかしらふたりとも。私の名前はアフロディーテ、ここでは美咲って名前よ。こっちはガブリエル、この世界では翼よ」

 

「えっと、私の名前は――――――です」

 

「私は――――――」

 

 

 

 

 

 

眠っていた二人の少女が今、目を覚ましたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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