魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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激戦

 

~零夜side~

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

空に上がって小一時間が過ぎ、僕は海鳴市の高高度上空で索敵をしていた。そしてその隣には。

 

「見つけた?」

 

「ううん、いないよレイくん」

 

夜月がいた。基本的に僕と夜月はコンビを組むことが多い。理由は色々あるが、もっともな理由としては相性がいいのだ。もちろん僕と夜月、二人とも単独行動は可能だ。何故相性がいいのかという

と、二人とも万能型だからである。遠近両方とも高度にこなせる僕と夜月は相性がなのはたちよりも高い。一応、僕も夜月もなのはたち全員との相性はいい。しかし、それが殺し合いのようなものとなると話が変わってくる。なのはたちは元のこと、危機的状況になったときの対処がまだ甘い。というかそのときの反応が遅いのだ。そのため、星戦級魔導師である僕と夜月が組まされているということだ。

 

「そう言えば夜月、今航行艦整備部と一緒になにか新しい艦作ってるんだって?」

 

そこで僕は思い出したかのように夜月に聞いた。

 

「うん。ミゼットお祖母ちゃんに言われてね、私たちの課専用の次元航行艦はどう?って聞かれたんだ」

 

「ミゼットさんに?」

 

「うん。そこで折角だから私たちだけの航行艦を作ろうってことになって」

 

「それで今航行艦整備部の人たちとやってるってことね」

 

「そういうこと~」

 

「ちなみに聞くけど、まさかその艦って【フラクシナス】とかじゃないよね」

 

「ギクッ」

 

「え・・・・・・?!」

 

半ば適当に言ったのだが、夜月の反応を見る限り当たりだったようだ。

 

「ま、まさか本当にフラクシナス作製してるの?」

 

「い、いや~、え~と・・・・・・・」

 

あからさまに目を逸らす夜月に、僕はジト目になる。

 

「夜月?」

 

「あ~、え~と、その~・・・・・・・はい、デアラのフラクシナスです」

 

「マジで?」

 

「マジです」

 

夜月の嘘なし、冗談なしの表情に僕は天に仰いだ。

 

「正式名称はXL級次元航行艦【フラクシナスEX】です、はい」

 

「頭が痛い・・・・・・・」

 

まさかのフラクシナスEXに僕は頭が痛い。

 

「ていうかミゼットさんもこのこと噛んでたの?」

 

「うん。レイくんには秘密にしときましょうって言ってたよ。今バレちゃったけど」

 

「ミゼットさぁぁぁんっっっ!!??」

 

お茶目なミゼットさんに僕は全力でツッコんだ。というかここでツッコミをしたのは間違ってないはずだ。

そこに。

 

「ん?」

 

「どうしたの?」

 

「いや、この魔力・・・・・・ああ、これが(ディアーチェ)殲滅者(シュテル)襲撃者(レヴィ)か」

 

僕の超広範囲索敵スキャンに三つの巨大な魔力反応が出たのだ。

 

「あ、私も感じたよ」

 

どうやら夜月も感じ取ったようだ。

 

「なのはたちは大丈夫かな」

 

「多分大丈夫じゃないかな?だってなのはちゃんたちみんな、レイくんとあれ(・・)したでしょ?私もだけど」

 

「うぐっ・・・・・・・」

 

夜月の言葉に今度は僕がバツが悪いように視線を逸らす。

 

「それにしても、あれ(・・)をなのはちゃんたちとするとはねぇ~」

 

「べ、別に僕はしなくても良かったんだけど・・・・・・!」

 

「まあ、あのときのを見てたらね~」

 

「・・・・・・夜月、何か楽しそうだね」

 

「そんなことないよ~♪」

 

「やれやれ」

 

夜月の笑みに僕は呆れ半分の気疲れ半分の視線で言った。

そこに。

 

「二人とも緊張感が無さすぎだぜ」

 

「まあ、何時も通りと言いますかなんといいますか・・・・・・・」

 

「もう、見慣れた光景ですわね」

 

「ほんとね。あ、紅茶のおかわりはこっちだよ」

 

「わぁーい!凛華ちゃんありがとう!」

 

「あ、私もお代わりを」

 

実体化と人型の凛華たちがのんびりと過ごしている会話が流れた。

 

「そういう凛華たちも何時も通りだね」

 

「そりゃそうだろうな」

 

「子は親に似るって言いますからね」

 

ソラとイリアの返しに僕と夜月は微妙な表情をとった。

そして。

 

「――――来る」

 

「!」

 

突如現れた多数の反応に僕は目付きを鋭くする。

 

「さあて。お仕事はじめようかみんな」

 

『『『『はい!』』』』

 

僕と夜月はすぐさまバリアジャケットと魔霊装を展開し、装備をフル装備に換装した。

 

「いくよ、夜月!」

 

「うん!レイくん!」

 

僕と夜月はそう言い、接近してきた多数の機械人形を破壊し始める。

 

「はああっ!」

 

「やああっ!」

 

一機、二機と迫り来る研究会の機械人形を破壊する。

 

「凛華、カートリッジロード!」

 

〈はい!〉

 

「―――ルミナスバスター!」

 

「ソラ、やるわよ!」

 

〈おうよ、マスター!〉

 

「―――紅星峻厳柱(スカーレット・ゲブラー)!」

 

僕の純白の砲撃が機械人形を数機貫き、夜月の紅の魔力の放流が機械人形を呑み込む。

 

「かかってきなさい」

 

「僕と夜月はそう簡単に落とされないよ」

 

そう言うと僕と夜月は背中合わせに並び立ち。

 

「「撃っていいのは、撃たれる覚悟のあるヤツだけだ(だよ)!!」」

 

そうハッキリと、宣言するように告げた。

それと同時に。

 

「「合技(コネクティブ)!――――エクスカルペイト・ザ・バスター!!」」

 

僕と夜月の合技魔法で一瞬ですべての機械人形を塵に変えた。

 

「さて・・・・・・残りは――――」

 

今来た機械人形全てを消し炭にした僕は視線を頭上に向ける。そこには数人の魔導師が浮かんでいた。

 

「さすがというかなんと言うか・・・・・・。いやはや、噂に違わぬ能力だな」

 

拍手をして降りてきた先頭の魔導師が僕と夜月にそう言う。

 

「ありがとうって言うべきかしら?」

 

「そうだね」

 

「いやいや。これでも褒めているのだよ。さすがあのクルトとやり合っただけのことはある」

 

「それはどうも。それで、僕たちとやると言うことでいいんだよね?―――ガハト・レグリスタ」

 

降りてきた魔導師。研究会の序列二位智天使(ケルビム)の位を持つガハト・レグリスタと再び対面した。

 

「ああ」

 

一言。ただそう言うと、ガハト・レグリスタは手に持っていた剣を構えた。その剣は血のように赤く、不気味な雰囲気を露にしていた。その視線に気づいたのか、ガハト・レグリスタは。

 

「これはロストロギアの一つ、≪破血の鋭業剣(ダインスレイヴ)≫だ」

 

そう答えた。

 

「っ!?ロストロギア!?」

 

「しかも≪破血の鋭業剣(ダインスレイヴ)≫!?」

 

破血の鋭業剣(ダインスレイヴ)≫とは、同種のロストロギアである、≪天の操槍(ヘブンリィスピア)≫と同クラスのロストロギアだ。しかも指定捜索ロストロギアなのだ。

能力は≪天の操槍(ヘブンリィスピア)≫より派手ではないが、対人戦となるとかなり強い。何故なら。

 

「我が所有する≪破血の鋭業剣(ダインスレイヴ)≫は敵対する者の血を獲るまで止まらぬ。もっとも、これを操作するのにかなりの時間を要したがね」

 

「くっ!」

 

「なんてこと・・・・・・!」

 

「さあ、始めようか。我々の血塗られた舞台を!妖艶なる殺し合いを!」

 

ガハト・レグリスタがそう高らかに言うと、背後にいた魔導師が魔法を放ってきた。

 

「夜月、僕はガハト・レグリスタの相手をする!」

 

「うん!残りは任せて!」

 

二手に散開して僕と夜月はそれぞれの相手をとる。

 

星戦の魔王(メイガス・オブ・ロスティライズ)が我の相手か」

 

「ええ」

 

ガハト・レグリスタに視線を向けながら、特殊固有武装(アーティファクト)の鉄砕牙を展開する。

 

「では・・・・・・」

 

「よかろう。掛かってくるが良い!」

 

「参ります!」

 

鞘に鉄砕牙を納刀したまま腰だめに構え、一気に振り抜く。

 

「ふっ!」

 

破血の鋭業剣(ダインスレイヴ)≫と鉄砕牙の鍔迫り合いが起き、接近戦が始まる。

 

「ふむ・・・・・・≪破血の鋭業剣(ダインスレイヴ)≫と互角に切り結ぶその刀、余程の業物と見える」

 

「それはどうも!」

 

礼を言いながら、鍔迫り合いから大きく後ろに翔んで風の傷を放つ。

 

「ははっ!面白いっ!」

 

しかしそれは寸前に張られた障壁で防がれる。

 

「なら、これはどうですっ!」

 

鉄砕牙の刀身を金剛石と宇宙を掛け合わせた刀身に変化させ。

 

「―――冥剛鋭槍破!」

 

冥道斬月破と金剛槍破を合わせた、本来ならあり得ないことをやってのけた。

冥道の槍が一直線にガハト・レグリスタに向かう。

 

「むっ!」

 

ガハト・レグリスタは直感的に嫌な予感がしたのか障壁は張らず、迎撃の魔法弾や≪破血の鋭業剣(ダインスレイヴ)≫の斬撃を跳ばしてきた。

ガハト・レグリスタの放った魔法弾や斬撃に当たった冥剛鋭槍破はぶつかると、小さな冥道を開き連鎖反応で爆発し、閉じていった。

 

「なるほど。今のは喰らうとさすがの我も一溜りも無いようだな」

 

今のを見てガハト・レグリスタが警戒するようにして言う。

 

「へぇー。さすが、研究会の序列二位の智天使筆頭だ。今のを避けるでもなく相殺するなんて」

 

「お褒めに預かり光栄だ。―――さて、遊びの時間はもう終わりだ。ここから先は、全力で往かせてもらおう」

 

「では、僕も本気でやりましょう」

 

鉄砕牙をしまい、凛華たち全てのデバイスを展開し、星夜は双翼形態、凛華と澪菜の片手剣形態の二刀流にし、紅葉は待機形態のカードとなってしまってる。

対するガハト・レグリスタも≪破血の鋭業剣(ダインスレイヴ)≫を構える。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

互いに身動きせずタイミングを見計らい。

 

「「!」」

 

近くで起きた爆発音とともに動き出した。

 

「ハアアアッ!」

 

「うおおおっ!」

 

接近戦からの遠距離戦と、遠近両方を行っていく。

 

「ハアアアッ!―――――蝴蝶焔乱舞(こちょうえんらんぶ)!」

 

幾多の魔法とともに、無数の斬撃を放ちガハト・レグリスタを攻撃する。知智お姉ちゃんに教えてもらった剣技の経験を生かして、僕自身が編み出した剣技の一つ。魔法と斬撃が蝶のように舞い、焔が踊っていることから付けた名前。それが、僕のオリジナル剣技の一つ。天陽流(てんようりゅう)剣技、蝴蝶焔乱舞だ。

 

「なんのっ!」

 

ガハト・レグリスタはギリギリのところを避ける。

そしてさらに。

 

天陽流(てんようりゅう)剣技――――蒼天嵐舞・炎獄(そうてんらんぶ・えんごく)!」

 

風と水、炎を合わせた合技と剣技(ソードスキル)、片手剣剣技ハウリング・オクターブを放つ。

そしてさらに、天陽流は明莉お姉ちゃんからもらった剣技と魔法を融合させた魔導剣技が含まれているのだ。これはその一つだ。

 

「ぬおっ!?」

 

「やあああっ!」

 

風の檻に閉じ込められたそこに、水と炎で足止めをし、足止めをしたところに高速の剣技を放つ。

蒼天嵐舞・炎獄を喰らったガハト・レグリスタはそのまま真下へと墜ちていった。幸いにも関東全域に広域結界を張ってあるため一般人はもちろん、現実の建造物とかに影響はない。

 

「ふぅ。やっぱりまだ荒いなあ」

 

蒼天嵐舞・炎獄を思い返してそう呟く。天陽流の剣技は殆どがまだ未完成なのだ。もっとも、魔法と剣技を融合させるというのが未完成の原因なのだけど。

そう思っていると。

 

《お兄ちゃん下!》

 

「ハッ!?」

 

聖良からの忠告と魔力反応でとっさに多重障壁を張った。

魔力弾と思わしきものを防ぐと。

 

「後ろががら空きだぞ!」

 

背後から声がした。

 

「っ!?」

 

瞬時に自身の魔力を多重障壁に注ぎ、背後からの攻撃を受け止める。僕の多重障壁は幾重にも曼陀羅に防御魔方陣を敷いたものだ。そう簡単に破壊されたりはしない。

現に。

 

「なっ!?一枚も破壊できなかった、だと?」

 

後ろで≪破血の鋭業剣(ダインスレイヴ)≫を振り切った状態のガハト・レグリスタは目を見開いていた。

 

「危ない危ない。とっさに障壁に魔力を注いどいて正解だったね」

 

空間転移を使って少し離れた場所に現れて僕はそう言う。

 

星戦の魔王(メイガス・オブ・ロスティライズ)、貴様、本当に人間か?」

 

「人間ですよ。少なくとも、分類学上的にはね」

 

「だが、この力・・・・・・あの方に匹敵・・・・・・いや、それ以上の・・・・・・・!」

 

ガハト・レグリスタはぶつぶつと、どこか恐れているとでも言うような狼狽えを見せた。

 

「仕方ありませんね・・・・・・我々は一度退かせてもらおう」

 

「逃がすと思ってる?」

 

僕がそう、ガハト・レグリスタに言ったその瞬間。

 

「!?」

 

とてつもない魔力の波動を感じた。

 

「今のは・・・・・・」

 

魔力の波動を感じた方に視線を向けると、そこには一筋の光の柱が現れていた。

 

「あれは・・・・・・」

 

思わずそう呟き、ガハト・レグリスタの方を向くと。

 

「なっ!?いない・・・・・・!」

 

いつの間にか、ガハト・レグリスタは影の形すら無かった。逃げ足は速いみたいだ。そこに。

 

「ごめん、レイくん。何人か逃げられた」

 

数人を拘束術式を幾重にも展開して捕縛した夜月がやって来た。

 

「いや、僕もガハト・レグリスタには逃げられた。逃げ足が早いやらなんやら・・・・・・」

 

肩を竦めて夜月にそう告げる。

 

「それで、あれは・・・・・・」

 

「うん。あれは・・・・・・・あの娘だね」

 

僕と夜月はうなずいて。

 

「お願いねレイくん」

 

「うん。まかせて」

 

夜月に後をまかせて、僕は光の柱が現れた場所に飛んでいった。

 

~零夜side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は零夜と夜月が研究会と戦う少し前に逆上る。

 

 

 

 

 

 

~フェイトside~

 

 

〈シグナム班、上空に注意してください!上空から巨大な質量反応が・・・・・・!〉

 

シグナムと合流した私とアリシアは、東京支局からのオペレーターからによる通信に空を見上げた。

見上げると、そこには雲に隠れているが確かな巨大な質量物。蒼い光を光らせながら堕ちてくる隕石があった。

 

〈落下予想地点は・・・・・・オールストン・シー、エリアD!〉

 

「私が止める!」

 

オペレーターの言葉にシグナムはスピードを上げ、隕石の落下コースの前に立ち。

 

「行くぞレヴァンティン!」

 

改装したデバイスのレヴァンティンをボーガンフォームに変えた。

弓となったレヴァンティンの弦を引くと、そこに一本の長い矢が現れた。

 

「駆けよ、隼!」

 

《Sturmfalken.》

 

シグナムの放った一筋の炎の矢は一直線に隕石に向かい、隕石を中心部から貫き、破壊した。

シグナムにより破壊された隕石は海上に堕ち、私たちもシグナムに追い付いた。そこに。

 

「!?」

 

「なんだよもぉ~。せっかく運んできた僕の鉄団子を壊してくれちゃってさあ~。何者だ?!名を名乗れ!」

 

一筋の蒼い雷が降り注いだかと思うと、隕石があった場所から声が聞こえた。

 

「時空管理局本局魔導師シグナムだ。大規模破壊現行犯で逮捕する」

 

「あなたの出身世界と氏名は?」

 

「武装を解除して投降して」

 

シグナムに続いて、私とアリシアが声をかける。

 

「どこから来たかだって?そんなの僕だってしらない。誰が呼んだかしらないが・・・・・・!僕の名は、レヴィ!雷光のレヴィとは、僕のことさ!」

 

レヴィと名乗った、蒼い髪の少女の姿に私たちは驚いた。

なぜなら。

 

「どういうこと、フェイトそっくり・・・・・・」

 

「あ、ああ・・・・・・」

 

レヴィと名乗る少女は、私と似ていたからだ。髪の毛の長さと、バリアジャケットの色など、違うところもあるけど。

そう思っていると。

 

「そして、僕がわざわざ運んできた僕のしもべ!海塵のトゥルケーゼ」

 

レヴィの言葉に、シグナムが落とした隕石から巨大な機械人形のようなものが現れた。

 

「さあ、遊んで上げるよ~!」

 

そう言うと、レヴィは私たちと戦い始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

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