魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語 作:ソーナ
衝突
~零夜side~
なのはのフォーミュラカノンで元に戻ったらしいはやてたちは、ダメージを負いつつも油断しないようにイリスを見ていた。
その間に。
「
あるアーティファクトを顕現させ、
「
イリスの本当の名前を問う。
「な・・・・・・っ!?」
僕の事に驚愕したイリスは目を見開いて僕に対面して顔を見る。
僕の右人差し指に装備されてるアーティファクト、『
「
と書かれた。
どう考えても人の名前じゃない。そう思っていると。
「イリスさん!わたしたちと来てください!困っていることがあるなら力になりますから!」
レイジングハートの先端を向けてるなのはがイリスにそう言った。まあ、なのは的にはイリスを助けたいんだと思うんだけど・・・・・・。
「ユーリ」
イリスはと言うと興味無いようにユーリに命令する。
イリスに命令されたユーリは服装がかなり露出の激しいものになり、羽のように付き添っていた機械が変形して、大きな両腕アームになった。さらに。
「あれは・・・・・・!」
ユーリの中心から樹木林が現れた。その樹木は青白く光りを放っていた。範囲を広げていく樹木に僕はすぐに全員に指示をする。
「全員、その場から離れろ!その樹木に触れないで!」
僕の指示にその場を離れ、上に上がって距離を取っていく。
「困っていることも助けて欲しいことも無い!私は離脱する、危険度が高い順に排除して」
イリスの言葉にユーリは無表情で話す。その言語を聞いたはやてたちたちは驚く。何故なら。
「
「っ!?ベルカ語?!」
ユーリの言語がベルカ語だけらだ。
アインスからユーリについては聞いてなかったようで、はやてだけでなくシャマルたちも驚いていた。
「
ベルカ語で言うユーリは一瞬なのはに視線を向けたあと、僕に視線を向けて身体を僕の方に向けてきた。
「
「ユーリちゃん・・・・・・」
「ユーリ」
「
そう言うとユーリはものすごい速度で僕に迫ってきた。
「っ・・・・・・!」
瞬時に多重障壁を張りユーリの突進を防ぐが。
「なっ!?」
ユーリは多重障壁を数枚破壊して一直線に僕に突き進んで来る。
「くっ・・・・・・!星夜、スタービット展開!
ユーリの突進を受け止めるように、
「うっ・・・・・・!ユーリ、少しの間だけ我慢して!」
ユーリの攻撃を受け止めながらそう言い。
「
虹色の魔力砲撃をぶちかます。
砲撃が直撃し、ユーリの両腕アームは破壊されたと思ったら、すぐにまた修復して元通りになった。
「自己修復機能?!」
予測していたとはいえ驚いているところに。
「───バースト!」
左側から魔力砲撃がユーリに向かって放たれた。
「!なのは!」
「手伝うよ零夜くん!」
「・・・・・・わかった!言っとくけど、なのはは後でお説教するからね!」
「なんで!?」
「理由は自分が1番知ってるでしょ!って、そんなこと言ってる場合じゃない。なのは!
「え!?あ、うん!了解!───
僕はなのはに限界突破の使用を許可する。何故かと言うと、さっきなのはが限界突破使ったからだ。なら、大丈夫だと判断して言う。
そこに。
〈レイくん!イリスは私とアミタさんが追ってるよ!〉
夜月から念話で通信が来た。
〈了解!〉
「零夜くん、イリスさんはアミタさんが───」
「知ってる!夜月から聞いたから───来るよ!」
「っ!」
僕の言葉に、なのはは再び砲撃を撃つ。しかし、その砲撃をユーリはギリギリの所で避け。
「
かわりに、赤白い矢のような魔法攻撃を仕掛けてきた。
「っ!」
「(数が多い!全部を斬るのは・・・・・・!)リク・ラク・ヴィシュタル・ヴォシュタル・スキル・マギステル!───
障壁を張って防ぎながらユーリに魔法の射手を撃つ。しかしユーリの魔法攻撃範囲は僕となのはだけでなく。
「我が主!」
「っ!シャマル!」
「はい!」
包囲していたはやてたちにも被害が行った。はやてたちはの攻撃は、シャマル達が障壁を全員の前に張り防ぐ。
「ちっ!凛華、ユーリの洗脳を解くことは出来る?!」
《今のユーリちゃんは、恐らくイリスちゃんの使うフォーミュラシステムの行動強制プログラムでコントロールされてます!なので、それを上書きすれば!》
「了解!なら、まずはユーリを止めないとね!」
デバイス状態の凛華に訊ね、凛華の言葉を聞いた僕はさらに脳のギアを上げた。
「はあああああっ!!」
認識範囲を拡張したため、相手がどこにいて、味方がどこにいるのかすべてを把握出来る。正直、脳の処理が足らなかったらパンクしてたかも。
ユーリの周囲にスタービットを配置し、光弾を放つ。しかしそれは全て避けられる。
「しかたない、最上位魔法で一掃するか」
ボソッと、そう呟くと。
「零夜くん、それだけはダメだからね!?」
なのはが本気で言ってきた。
「え、冗談だよ?」
「零夜くんのは冗談に聞こえないよ!?」
冗談なのに本気にされた。解せぬ。
そう思いながらも、無詠唱の高等魔法を連発し、ソードスキルを撃ち込む。対するユーリはというと。
「わたしと零夜くん、二人がかりでやってるのにユーリちゃんどれだけ強いの!?」
両腕アームとその後ろの翼のようなものを使い、さらにベルカ式の魔法を乱用して僕となのはの二人に立ち回っていた。
「なのは、連携で行くよ!」
「!うん!」
左右に分かれてからの同時攻撃を仕掛ける。
「はあああああ!」
「やあああああ!」
僕の純白の砲撃を避けたところに、反対側からなのはが砲撃を放つ。
「───っ!」
「せええええいっ!」
動きを止めたところに、縮地で接近し剣形態の凛華と澪奈を振るう。僕の剣戟とユーリの両腕アームがぶつかる度に衝撃波が発生する。
「天陽流剣技───
ホワイトブルーのエフェクトを煌めかせて、ユーリに向けて放つ。風と氷属性の二つを合わせて、斬撃を繰り出す。風のように素早く、雪が舞い散るかのように斬られる。ユーリには僕の動きが複数あるように見えてるだろう。風を纏い、雪華のごとく斬り、幻影をみせているような剣技。それが、天陽流剣技が一つ、『華幻風雪』。
「───白き雷!」
華幻風雪から続けて、白き雷を放つ。白き雷をユーリは障壁で防ぎ対象を僕からなのはに移した。
「っ!」
なのはは接近してきたユーリの両腕アームをレイジングハートに付属して付いた盾で防ぐ。
「───闇の吹雪!」
なのはとユーリの距離が空いたところに一発放ち。
「なのは、稼動限界まであと何分?!」
「あと2分!」
「了解!それじゃあ、2分でやるよ!」
「うん!」
ユーリの作り出した、海上の森林の中を飛びユーリの動きを翻弄する。そんな中。
「っ・・・!ああああああああぁぁぁぁぁっ!!」
なのはは身体にかなり負担のかかるやり方でユーリを相手にしていた。1歩間違えれば危ういというのに、それを平気でやってのけていた。
「なっ!?バカなのは!」
いくら限界突破で能力が上がっているとはいえ、なのははまだ完全とは言い難い。正直言って、なのはの限界はとっくに超えていた。
「ちっ!───
僕はすぐに奥の手の闇の魔法の術式兵装を使用した。
「させないっ!」
「なのは!ユーリは僕が引き付けるからフルチャージの一発お願い!」
「で、でも・・・・・・!」
なのはが問答していると。
「零夜!連携行くぞ!」
「ヴィータちゃん!」
ヴィータが飛んできた。僕はすぐに指示を出す。
「ヴィータは上から!」
「おう!」
「フェイトとアリサは左右から動きを止めろ!」
「うん!」
「まかせなさい!」
「アリシア!すずか!はやてはユーリが動きを止めたところを攻撃しろ!」
「了解!」
「はい!」
「わかったで!」
ヴィータたちに指示を出すと、すぐにユーリの動きを阻害する。
「リク・ラク・ヴィシュタル・ヴォシュタル・スキル・マギステル!来たれ氷精、爆ぜよ風精!
「ッ!」
手加減無しの氷爆を繰り出しユーリの動きを止める。
そこに。
「今だ!」
「はあああああっ!!」
「クラウ・ソラス!!」
「
「
「
フェイト、はやて、すずか、アリサ、アリシアが魔法を放ち、ユーリを下の樹木らに墜す。
「くっ・・・・・・!」
「はああああ!」
そして、シグナムがボウガンフォームのレヴァンティンでユーリをその木に縫い付ける。
「っ!」
縫い付けられたユーリはそこから先程と同じ矢を連続でシグナムたちに撃ってきた。それは。
「ううっ!!」
「はあっ!!」
ヴィータとシャマルが防御障壁を張って、ユーリの攻撃を受け止めていた。
その間、僕となのははと言うと。
「───うおおおおおおおおッ!!」
僕は上空でデバイスで、片手剣の凛華と澪奈に深紅のライトエフェクトを輝かせて魔力を練り込んでいた。
「(普通の
周囲のエレメントに干渉し、両のデバイスに魔力を充填させる。
「凛華!澪奈!カートリッジロード!」
《はい!》
《うん!》
「星夜、ビットを全部出して正面に集めて!」
《分かりました!》
そう言うと、両のデバイスからガシャン!ガシャン!と弾丸がロードされる音が響く。星夜のビットが僕の正面に集まり。
「よし・・・・・・!」
はやてたちの攻撃で動きが止まってるユーリの真上に移動し、
「───エクシーズ・ストライク!!」
深紅に染まった剣による純粋魔力砲撃を撃った。その威力はブレイカーに匹敵するほどの威力でもあった。
ビットにより、1箇所に集まったエネルギーを砲撃として撃ち放つ。基本ベースは片手剣ソードスキル、ヴォーパル・ストライクだ。エクシーズ・ストライクは、ヴォーパル・ストライクの倍以上の威力を有し、魔法と剣技を融合させた技だ。欠点があるとすれば、それは放つまでにしばしのチャージご必要だという事だ。そして、これはかなりの魔力を必要とする。正直、これは奥の手のひとつでもある。他にも幾つか奥の手はあるが、最大の奥の手である、あれはあの時出来て以来、一度も使ってない。なにせあれは、威力を軽く抑えても半径数十キロに被害を及ぼすからだ。
僕の放ったエクシーズ・ストライクはユーリの張った障壁を破壊、貫通し。
「ぁぁぁぁぁぁっ!!」
純粋魔力によるダメージを与えた。そして、そこに畳み掛けるように。
「───エクシード!・・・・・・ブレイカー!」
なのはがユーリの真上からブレイカーを放った。
「(あー・・・・・・オーバーキルかも・・・・・・)」
なのはのブレイカーを見て、僕はふとそう思った。幾らなんでもやりすぎたかも。
はやてたちによる足止めの魔法に、僕の魔力砲撃、そして止めのなのはのブレイカー。
「(うん。これ、ユーリがトラウマにならないかな・・・・・・)」
実行した当人だが、そう思わざるをえなかった。
なのはのブレイカーはユーリを呑み込み、ユーリの作り出した樹木を全て焼き付くし消滅させた。巨大な白い光の球体が僕たちの視界を塞ぎ。
「・・・・・・・ん・・・・・・」
再び視界が開けると、そこには樹木もなく、あるのは気絶しているユーリとその周囲を保護するかのように浮かんでいる紙・・・・・・夜天の書の頁だけだった。
「あれは・・・・・・!」
「夜天の書ページ!」
「ユーリ!!」
僕とはやて、アインスはすぐにユーリの元に向かった。それに続いて、ディアーチェ、シュテル、レヴィが来る。
「聖良!」
「うん!」
聖良とのユニゾンを解き、実体化する。
なのはたちはユーリを囲むように、上で待機する。
「ユーリ!」
「ユーリ、大丈夫!?」
「ユーリ」
「おい、ユーリ!」
アインス、僕、はやて、ディアーチェがユーリに声を掛ける。やがて、ユーリは軽く身動きをし。
「ぅ・・・・・・」
少しずつ瞼を開けた。
「ユーリ、大丈夫か?」
はやてが訊ねると、ユーリはディアーチェたちの方を向き。
「まさか・・・・・・ディアーチェ?・・・・・・シュテル。・・・・・・レヴィ。それにあなたたちは・・・・・・」
「八神はやて、夜天の書主です」
「天ノ宮零夜、この子の兄だよ」
ユーリに名前を教えて、隣に立つ聖良を紹介する。
「この子・・・・・・」
「ユーリ、私がわかる?!」
「あなたは・・・・・・もしかして・・・・・・・ナハト・・・・・・」
話したことないと言っていたが、どうやらユーリは聖良のことを知っていたみたいだ。
「うん。今は聖良って名前だよ」
「聖良・・・・・・」
慈しむように聖良を見て。
「ユーリ・・・・・・」
「あ・・・・・・黒羽・・・・・・」
アインスを見てそう言った。
アインスを見たユーリは起き上がり、僕とはやてに1枚の紙片を出して言った。
「はやて!そして零夜!お願いがあります!ディアーチェたちをどうか・・・・・・そして、イリス・・・・・・」
そうユーリが言い終える前に。
「っ!」
「ちっ!」
ユーリの背後にいきなり現れたイリスの剣を受け止めた。しかし。
「邪魔をしないでくれるかしら!」
「うぐっ・・・!」
「あがっ!!」
イリスの突き出した剣に障壁が貫かれ、僕とユーリの腹に剣が突き刺さった。
「お兄ちゃん!」
「零夜くん!」
「ユーリ!零夜!」
「「「っ!?」」」
突然のことに驚くはやてたち。
「(くっ!まさか物理攻撃で障壁を貫かれるなんて!)」
腹を貫かれながら、僕はそう頭で言う。
正直、障壁が貫かれるなんて思わなかった。そう思いつつ。
「くっ・・・!イリス!」
「あなたは危険ね。今ここで排除しといた方がいいかもしれないわね。それと、ユーリ。嘘はもう聞きたくない。いい加減黙ってなさい」
「それは!」
イリスの取り出した本を見て目を見開く。
「便利な本よねぇ。用済みになるまで使わせてもらうわ」
「そうは・・・させるか!」
「その体でどうやってかしら?」
「こうするんだ、よ・・・・・・っ!!」
「っ!?」
支配領域を展開し、一瞬のうちに僕はイリスの手から夜天の書を回収し、イリスの剣に貫かれた状態から抜け出す。さすがにこの傷ではユーリまでとはいかなかった。
「はぁ・・・・・はぁ・・・・・・・はぁ」
「まさかそんな手で逃げるなんて。予想外ね」
正直、今の僕では上手く戦えない。魔力が底を尽きかけてるのだ。魔力の大半を傷の治癒に移してるためさすがに長時間は無理だ。
「まあ、いいわ。取り敢えずユーリは貰っていくわね」
「待て!イリス!」
「逃がすか!」
「させない!」
イリスの撤退宣言の直後、はやて、アインス、聖良の魔法がイリスを襲う。が。
「私がなんの対策もしてないと思う?」
ユーリの手には新たな本が握られていた。
「なっ!?夜天の書をコピーしたのか!」
「ええ、そうよ。時間はあったもの」
イリスの言葉で確信した。
先程の障壁貫通は、夜天の書の知識から得たものだと。
「うっ・・・・・・イリス・・・・・・」
ユーリが最後そう言うと、眩い閃光が走り、僕たちの目を眩ませた。次に目を開けるとそこにはユーリとイリスはいなく、ユーリが渡そうとしてきた夜天の書の頁の切れ端が飛んできた。
逃げられたことに、僕は拳をにぎりしめ。
「くっ!!」
悪態を吐きながら、奥歯を噛みしめた。その僕の掌には、ユーリからの紙片が握られていた。