魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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みんなで海鳴温泉なの!

 

~零夜side~

 

 

すずかの家でのお茶会と悲しそうな瞳の女の子と遭遇した日から数日。

 

「どこからでも掛かっておいでなのは」

 

「うん。いくよ、零夜くん!」

 

僕の家の地下のトレーニングルームでなのはのトレーニングをしていた。

なのはの声とともに、なのはの周囲に浮いていた桃色の魔力弾が僕に向かって放たれる。

 

魔法の射手・連弾・光の5矢(サギタ・マギカ・セリエス・ルーキス)

 

僕はそれを魔法の射手で撃ち落とし相殺させる。

 

「は、速すぎるよ零夜くん」

 

「これでもかなり落としてるよ?」

 

「ええっ!?それで!?」

 

「うん」

 

実際僕は自身にリミッターを掛けてる。

掛けてる間は中位クラスまでの魔法なら問題なく使えるが上級は一部だけ、最上位魔法は使えない。まあ、使えるは使えるが威力は元の十分の一くらいだろう。というか上級はともかく、最上位は天災クラス場合によっては地形が変わるからおいそれと使えないしね。

 

「なのはも最初の頃に比べると速くなってるし魔力操作も上手くなってるよ」

 

「えへへ。ありがとう零夜くん」

 

「けど、まだあの女の子には追い付いてないかな」

 

「やっぱり?」

 

「うん。あの女の子の戦闘スタイルはスピードタイプだから攻撃は障壁で防いでカウンターで攻撃するか、こっちもあの女の子のスピードに追い付けるようにするか、だね」

 

僕はあの女の子の戦闘スタイルを見て思ったことをなのはに伝える。

なのははう~ん、と唸り考える。

 

「ユーノはどうしたらいいと思う?」

 

「僕はなのははカウンタータイプがいいと思うよ。なのはの防御は結構高いから」

 

「やっぱりユーノも僕と同じだね。そうなると近接戦闘も教えた方がいいかな?」

 

「そうかもだけど、僕、近接戦闘は・・・・・・」

 

「それなら僕が教えるよ、ユーノ。なのは!」

 

僕はユーノと話し終えるとなのはを呼んだ。

 

「なに零夜くん?」

 

「なのはにはこれから僕とちょっとだけ模擬戦をするよ」

 

「零夜くんと!?」

 

「うん。時間は10分で、基本的にあの女の子と同じ速度で動くから僕の攻撃を防御したり避けたりして僕に一撃でも当てられたらなのは勝ちだよ」

 

「わ、わかったの」

 

「じゃあやるよ。ユーノ、お願いね」

 

「わかった」

 

僕はなのはと距離をとり、レイオブホープの発動帯を握り締める。

 

「いくよ、レイオブホープ」

 

《うん!》

 

「レイオブホープ、セットアップ!」

 

《いくよ~!》

 

レイオブホープを起動すると黒く長いコートのバリアジャケットが現れる。そして右手には黒と白の織り混じった両刃の片手剣。柄と刀身の間にはレイオブホープの発動帯が埋め込まれている。

右手に握る剣を軽く振り、半身を傾けて構える。

 

「零夜くん、もう一個デバイス持っていたの!?」

 

「うん。それじゃあ、いくよなのは」

 

「う、うん!わかったの!」

 

なのははレイジングハートを両手で持ち杖先をこっちに向ける。

 

「・・・・・・!」

 

「っ!!」

 

《protection》

 

僕の上段斜め斬り下ろしはプロテクションで防がれる。

 

「やあぁっ!」

 

そして直ぐ様そこになのはからの魔法攻撃が来る。

だが、当たる直前に僕はその場にいなくなのはの横にいた。そして軽く横薙ぎに斬り払う。

 

「くっ!」

 

だが、それをなのはギリギリのところで反応して大きく飛び退った。

 

「速い・・・・・・けど、あの子もこれと同じくらいの速さ・・・・・・。零夜くん」

 

「なに、なのは?」

 

「もう少しだけ速く出来る?」

 

「え?出来るよ」

 

「じゃあ、お願いなの!私はあの子とお話をして聞きたい事があるの」

 

「・・・・・・わかったよ。なのはの決意ちゃんと受け止めたよ」

 

「じゃあ!」

 

「うん、少しだけ速くしてあげるね。でもねなのは・・・・・・」

 

そう言うと僕は一瞬でなのはの前に迫りレイオブホープの刀身を振り下ろす。

 

「お喋りばかりしていたらダメだよ。相手をキチンと捉えないと」

 

「う、うん」

 

僕はなのはの目前で剣を振り下ろすのを止めて言う。

 

「魔法も撃たないと意味ないよ」

 

「わかってる。レイジングハート!」

 

《Divine Buster》

 

「ディバインバスター!」

 

距離を取ったなのはからの魔法砲撃が来る。

 

「来たれ氷精、闇の精。闇を従え、吹雪け、常夜の氷雪。闇の吹雪(ニウィス・テンペスタース・オブスクランス)!」

 

なのはのディバインバスターと僕の闇の吹雪が中央でぶつかった。

しばらくそのまま耐えるとディバインバスターの桃色の魔力と僕の闇の吹雪が対消滅して消えた。

 

「やっぱり魔力高いな~」

 

「零夜くんこそ凄い魔力だよ」

 

「ありがとうなのは」

 

するとそこへ。

 

「二人ともそこまで!」

 

ユーノの声が聞こえてきた。

どうやら制限時間の10分経ったみたいだ。

 

「お疲れ様、レイ」

 

僕はレイオブホープを待機状態のネックレスに戻してバリアジャケットを解除する。

 

「今日はここまでにしようか」

 

「え、でも・・・・・・」

 

「体調の管理もしっかりしないといつか倒れちゃうよ?」

 

「わかったの」

 

しぶしぶなのはがバリアジャケットから元の服に、レイジングハートが待機状態のペンダントに戻ったのを見て僕は軽くうなずいて頬笑む。

 

「それじゃまた明日なの」

 

「うん」

 

玄関でなのはを見送り家の中に入り僕は夕飯の準備をして一人で食べて寝る。そして今日が終わった。

それから数日後。

 

「うわぁ~、綺麗だね、アリサ!すずか!」

 

「うん。空気が清んでいるね」

 

「ホントね~、新鮮で美味しいわ。なのはもそう思わない?」

 

「うん!そうだね!」

 

僕はなのはたちと海鳴市の森の中にある温泉宿に来ているんだ。

参加者は僕、なのはたち高町家の桃子さん士郎さん、恭也さん、美由紀さん。そしてアリサとすずか、忍さん、月村家のメイドさんのファリンさんとノエルさんだ。

あの女の子と会ってあれから僕らは1つもジュエルシードを見付けていなかった。

それもあって休息という名目で僕たちは今日この温泉宿でのんびり過ごせる手筈になっているのだ。

 

「早速温泉いきましょうよ!」

 

「うん!」

 

「わかったの!」

 

どうやらなのはたちは温泉に行くようだ。

 

「じゃあ僕も温泉に行こうかな?」

 

部屋で浴衣と着替えを持って、僕らはそう言うと温泉のある場所に向かった。

すると。

 

〈ちょ、零夜!お願い僕もそっちに連れてって!〉

 

なのはに抱かれているユーノが慌てた感じで念話してきた。

 

〈え?あー・・・・・・〉

 

僕はなのはたちとユーノを見て何となく事情を察した。

 

「あのね、なのは。ユーノを温泉に連れていくのは・・・・・・」

 

「え~、ユーノくん、連れてっちゃダメなの?」

 

「別にここ動物大丈夫よ?」

 

「え?そうなの?」

 

アリサの言葉に僕は問い返した。

 

「うん。犬とかそう言うのはダメみたいだけど、フェレットとか小動物ならお客さんの迷惑にならなければ良いって」

 

「そうなんだ~」

 

僕が説明してくれたすずかの言葉にうなずいていると。

 

〈お願い!零夜本当にお願い!僕を助けて!〉

 

かなり必死のユーノの声が念話越しに伝わってきた。

なのはを見る限りどうやらこの念話は僕だけにしか聞こえないらしい。

 

「あー、なのは、ユーノがなんか苦しそうだから僕が預かっておくよ」

 

僕は苦笑しながらなのはに言った。

 

「ええっ!?ユーノくん、大丈夫!?」

 

「きゅ~」

 

「よっと」

 

僕はなのはからユーノを預かり肩に乗っける。

 

「あ、どうせなら零夜も一緒に入ったらどうよ」

 

「へ?」

 

突如アリサの言った意味がわからず僕は変な声を出してしまった。

 

「あー、確かに。零夜くん、髪の毛長いし女の子みたいだから」

 

「え、えっと、それは・・・・・・」

 

「ちょ、ちょっと待って!僕は女の子じゃなくて男の子だからね!」

 

「ええ、知ってるわよ。男の娘でしょ?」

 

「漢字と言い方が違うよアリサ!?僕は男の娘じゃなくて男の子だからね!」

 

「ええ~、そうなの?」

 

「なのはまで!?お願いすずか、二人をどうにかして!」

 

「え、えっと、そ、その~・・・・・・」

 

僕の声にすずかはあたふたと戸惑う感じと、またいつもの感じになった。

結果としてユーノは僕と一緒にいることになったんだけど、僕は何故か温泉に入れなかった。理由は僕が女の子だからだそうだ。

って、なんですかその理由!?僕はちゃんと男の子なんですけど!?第三の性別の秀吉じゃないですよ!

僕がそう思っていると。

 

 

『儂は普通に男じゃ!』

 

 

何処からかそんな声が聞こえてきた気がした。

周囲を見渡すが何もなかったから気のせいだと思う。というか気のせいだと思いたい。

仕方なく僕は着ていた服から浴衣に着替え、なのはたちをユーノとともに待つことにした。ちなみにユーノからは肩を軽く叩かれて同情の意念を送られた。

そしてなのはたちが温泉から戻ってきてこの事を伝えると。

 

「プッ!」

 

「ククク」

 

「アハ、ハハハ・・・・・」

 

「そんなに笑わなくても良いじゃないアリサ、なのは」

 

「ごめんごめん。だってあんたここでもそうなの」

 

「学校も零夜くん専用の更衣室があるよね」

 

「そうなんだよね。もう勘弁してほしいよ」

 

「なら、後で入ったらどう?誰もいない時間帯なら問題ないはずよ」

 

「そうするよ」

 

僕は肩を落として気落ちした様子でアリサに返した。

その僕をすずかは慰めるように背中を優しく撫でながら苦笑いをしていた。

なんとか立ち直った僕はなのはとアリサ、すずかとこのあとどうしようかと相談しながら廊下を歩いていた。そしてしばらく歩いていたそのとき。

 

「ハァーイ!おチビちゃんたち」

 

前から来た額に宝石のようなものを付け橙色の長い髪のした僕らより年上の女の人が声をかけてきた。

 

「「「「???」」」」

 

僕らは突然声を掛けてきた女の人に驚いて足を止めその人を見る。

すると、その人はゆっくりとした足取りで近づいてきた。

 

「フンフン。キミたちかね?ウチの子をあれしてくれちゃってるのは?」

 

女の人は僕となのはの顔を見るとそう言ってきた。

そしてなのはの顔に自分の顔を近づけると。

 

「あんま賢そうでも強そうでもないし・・・・・・ただのガキンチョに見えるんだけどな~」

 

じっくりと何かを視るようにして言ってきた。

 

「でもってキミは・・・・・・」

 

その人はなのはから視線を外すと僕を見てきた。

 

「なるほどね~。確かにキミはこの子より強そうだね。どうりでウチの子が警戒するわけだよ~」

 

「ウチの子?」

 

僕はこの人の言ったウチの子と言うのが誰か分からなかったがだいたいの予想はついた。

僕がそう思っているとアリサが僕らの前にたって女の人を警戒心を露に威嚇するような視線で立ち塞がった。

 

「なのは、零夜。この人と知り合い?」

 

「ううん」

 

「う~ん、なんとなく知ってるかな?」

 

「え?」

 

僕の言葉にアリサとすずかはともかくなのはとユーノ、そして目の前の女の人は驚いた表情をした。

 

「あなた、あの子の知り合い、と言うより関係者、ですよね?」

 

僕はアリサの前に出て尋ねた。

 

「へぇー」

 

その人は興味深そうに目を細めて僕を見る。

すると。

 

〈なんで私があの子の関係者だって分かったのかな?〉

 

頭の中に目の前の女の人の声が響いてきた。

念話越しに話し掛けてきたみたいだ。

 

〈あなたは最初、キミたちかね?ウチの子をあれしてくれちゃってるのは、と言いました。ウチの子と言うのは僕らがこの前であったあの女の子のことで、あれと言うのは邪魔してくれちゃってるのは、という意味ですよね?〉

 

〈アハハハ。スゴいねキミ。それだけで私があの子の関係者だってわかったんだ〉

 

〈いえ、少しカマをかけましたよ。あなたは僕の言ったあの子の知り合い、と言うより関係者ですよね?という言葉に表情が驚いたようにしていたので。それで確信しました〉

 

〈ふぅ~ん〉

 

〈それで、一体なんのようでしょう?のんびり温泉に浸りに来ただけ、と言うわけでは無さそうですし〉

 

〈それは秘密だよ。まっ、温泉に浸りに来たってのはあながち間違いじゃないね。けど、キミはスゴいね~〉

 

〈それはありがとうございます〉

 

僕は目の前の女の人の念話に礼を言う。が、それは次の言葉で僕は動きを止めた。

 

〈みんなと同じ女の子なのに〉

 

〈はい?〉

 

みんなと同じ女の子なのに、ってもしかしてまた?

 

〈あの~、僕女の子じゃなくて男の子なんですけど〉

 

〈え?〉

 

僕の念話に目の前の女の人はこれまた一番驚いた顔を出した。

 

〈いやいやいや、そんなわけないでしょ~。キミみたいな女の子が男の子な分けないじゃん〉

 

〈いえ、本当です〉

 

〈・・・・・・・・・・ホントに?〉

 

〈はい・・・・・・〉

 

信じられない者でも見たような顔になった女の人に僕はもう泣きたくなった。

 

〈ま、まあ今は取り敢えず挨拶だけしておくよ〉

 

気を取り直したように女の人は念話で言う。

するとなのはとユーノの顔付きが変わった。

 

〈忠告しとくよ。子供はいい子にして、お家で遊んでなさいな。おいたが過ぎるとガブッといくわよ〉

 

「それじゃあね~」

 

念話で言い終えると女の人は肉声でいい、僕らが来た方向に歩き去っていった。

 

〈なのは・・・零夜・・・〉

 

〈うん・・・・・・〉

 

〈わかってるよ・・・・・・・〉

 

「なのはちゃん・・・零夜くん・・・」

 

「もう!なんなのあれ!昼間っから酔払ってるんじゃないの?気分悪!」

 

「アハハ、まあまあアリサ。ここは寛ぎの場だから。いろんな人がいるんだよ」

 

「そうだけど節度ってもんがあるでしょうよ!節度ってもんが!・・・・・・それより零夜。あんたあの人とどういう関係よ」

 

「零夜くん・・・・・・」

 

「う~ん、一言で言うなら僕のちょっとした知り合いの関係者、かな」

 

「ふぅ~ん」

 

「そうなんだね」

 

「うん。さっ、行こ、なのは、アリサ、すずか」

 

「そうだね」

 

「はーい」

 

「うん」

 

僕はなのはたちと旅館の探索に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそれから時間が過ぎ夜。

 

〈・・・・・・眠れないのなのは?〉

 

〈零夜くん・・・うん・・・〉

 

僕となのは、アリサ、すずかは同じ部屋で寝ていた。士郎さんたちに僕と男ですよ!?って言うと満場一致で問題なし、と言われた。と言うか恭也さんは止めてくれると思ったけど忍さんに言われてか何故か賛同側に回っていた。ちなみに桃子さんや美由紀さん、忍さん、ファリンさん、ノエルさんは何故かノリノリで一緒に寝たらいいよと言っていた。

ホント、ここ最近僕女の子と見られることが多いい気がする。

 

〈少しは眠っとかないと。もしかしたらなにか起きるかもしれないから〉

 

〈うん・・・・・・〉

 

〈・・・・・・昼間の人のこと?〉

 

〈・・・・・・うん。やっぱりあの人、あの子の関係者なのかな〉

 

〈それは間違いないと思うよ〉

 

〈零夜くんはなんで分かったの?〉

 

〈なんとなく、かな?まあ、ちょっとカマは掛けたけどね〉

 

〈そうなんだ・・・・・・〉

 

なのはと念話で会話しているそこに。

 

「「!!」」

 

〈今のは!〉

 

〈ユーノくん、この魔力・・・もしかして〉

 

〈間違いない、ジュエルシードが発動したんだ〉

 

ジュエルシードが発動したのを感じると僕らは手早く着替えこっそり旅館から出て反応があった場所に向かう。

 

「なのは、レイジングハートを起動して!」

 

「うん!お願いレイジングハート!」

 

《Standbyready Setup》

 

「僕もいくよリンカ」

 

《了解ですマスター》

 

僕となのははデバイスを起動させてバリアジャケットと杖を手に取る。

 

「リンカーネイト、いくよ」

 

《イエス、マスター》

 

「なのは掴まって、ユーノは振り落とされないようにね」

 

「「え?」」

 

頭上にハテナマークを浮かばせている二人を尻目に、僕はなのはの右手を握ると凄まじい速さで駆けた。

 

「~~~~っ!!!」

 

なのはが何か言っているがそれは後で聞くとして、とにかく今はあの場所へ。

そのまま駆けていくと蒼白い光が天に向かって走ったのが見えた。

 

「くっ!遅かったか」

 

僕は急ブレーキを掛けてその光を見る。

目的地まではもうすでに目と鼻の先だった。

 

「どうやら先を越されたみたいだね」

 

僕は目的地に着いてそこにいる、お昼に旅館で会った橙色の髪の女の人と以前であった悲しい目をした女の子がデバイス。バルディシュを持っていた。そしてその手にはジュエルシードが握られていた。

 

「あーらあらあら・・・・・・子供ははいい子で、って言わなかったけか?」

 

「それを・・・ジュエルシードをどうする気だ!それは、危険なものなんだ!」

 

「さあね。答える理由が見当たらないよ?」

 

「確かにあなたの言うとおり答える理由はないかもね」

 

「でしょ?それに私、親切に言ってあげたよね?いい子でないと、ガブッといくよって」

 

そう言うと否や女の人は目を見開き姿を人から狼へと変えた。

 

「やっぱり・・・あいつ、あの子の使い魔だ」

 

「使い魔?」

 

「へぇー」

 

「そうさ私はこの子につくってもらった魔法生命。製作者の魔力で生きる代わり、命と力のすべてを掛けて守ってあげるの!先に帰ってて、すぐに追い付くから」

 

「うん、無茶しないでね」

 

「オーケー!」

 

女の子にそう言うと狼になった女の人は僕らに向けて襲い掛かってきた。

 

風盾(デフレクシオ)!」

 

だが、それは僕の張ったバリアによって防がれる。

 

「さらに―――拘束(バインド)!」

 

「なにっ!?」

 

バリアで防ぎ動けないところに、拘束で動きを完全に止めた。

 

「零夜、そのまま動きを止めてて!」

 

「なにする気ユーノ?」

 

「あいつは僕が引き受ける。零夜は彼女となのはをお願い!」

 

「わかったよ!ユーノも気を付けて」

 

「もちろん!」

 

そう言うとユーノは動けない狼の足元に白い魔方陣を出し、自分とともに何処かに転移していった。

 

「あなた、いい使い魔を持ってる」

 

「ユーノくんは使い魔ってやつじゃないよ。私の大切な友達」

 

あらら。ユーノ使い魔って思われてるね。

僕がそう思っていると。

 

「で・・・・・・どうするの?」

 

「話し合いでなんとかできるってこと、ない?」

 

「私はロストロギア・・・・・・ジュエルシードを集めてる。そしてあなたたちもまたジュエルシードを集めてる。なら、私とあなたたちは敵同士」

 

「そういうことなくて!」

 

「言葉だけじゃ、伝わらないことだって・・・ある!」

 

交渉は決裂し、女の子がなのはに向けて攻撃を仕掛けてきた。

 

「僕がいるってこと忘れてない?」

 

僕はリンカーネイトを剣形態(ソードモード)にして女の子の薙ぎ払ってきた攻撃を受け止める。

 

「くっ!」

 

女の子はすぐさま後ろに飛び退る。

僕はリンカーネイトを左手に持ち右手を懐に入れあるものを取り出す。

それは一枚のカードだった。そして。

 

来たれ(アデアット)―――匕首・十六串呂(シーカ・シシクシロ)!」

 

僕はそのカードに記載されている武器。アーティファクトを呼び出す。

 

「なにっ!?」

 

「いけっ!」

 

僕は呼び出した16本の短刀を女の子に向けて放射状に攻撃する。

だが、さすがスピードタイプで当たる直前に避けたり、弾いたりして見事にかわしている。

匕首・十六串呂を持ち前のスピードでかわしつつ僕と撃ち合う。

 

「賭けて。お互いのジュエルシードを、一個ずつ」

 

「残念だけど、僕はジュエルシードを持ってないよ。だから賭けは不成立になるね」

 

「そう」

 

《PhotonLancer GetSet》

 

去れ(アベアット)―――魔法の射手・連弾・雷の25矢(サギタ・マギカ・セリエス・フルグラーキス)!」

 

女の子の魔力弾と僕の魔法の射手がぶつかり、女の子の表情が険しいものとなった。

 

「なら!―――これは!バルディシュ!」

 

《Thnuder Smasher》

 

下がり女の子は雷の砲撃を放ってくる。

 

「―――雷の暴風(ヨウィス・テンペスタース・フルグリエンス)!」

 

対する僕も雷の暴風で応戦する。

ぶつかった中心点でしばらく互いの砲撃が拮抗する。しばらくして拮抗が破れた。雷の暴風が女の子の雷の砲撃を掻き消したからだ。

だが、雷の暴風が当たる直前女の子は上空に昇っていきかわした。

 

《Scythe Slash》

 

やがてそんな機械音声が聞こえると上空からなのはに向けて雷の纏った鎌を振り下ろしてきた。

 

「なっ!?しまった!なのは!」

 

僕はその行動に隙を突かれなのはの元に急いで駆け寄るが、すでになのはの首元に鎌が置かれていた。

僕はリンカーネイトの刃を無くした状態でその女の子の首元になのはと同じように当てる。

 

「やるね」

 

「さすがにそれは僕も虚を突かれたよ」

 

僕は軽く女の子と話す。すると、なのはのレイジングハートから。

 

《Pull out》

 

そんな機械音声が流れ、レイジングハートからジュエルシードが一個出てきた。

 

「レイジングハート!なにを・・・・・・?」

 

「きっと主人思いのいい子なんだ」

 

そう言うとレイジングハートから出たジュエルシードを掴み、なのはの首に当てていた雷の鎌を退け解除した。それを見た僕は女の子に連なって、リンカーネイトを剣形態から通常形態(ノーマルモード)へと戻した。

空から地面に降りた僕に、女の子が聞いてきた。

 

「ねえ、あなた名前は」

 

「天ノ宮零夜。キミは?」

 

「フェイト。―――フェイト・テスタロッサ」

 

「フェイト、か。いい名前だね」

 

「ありがとう。零夜、一つだけ言っておく」

 

「なにかな?」

 

「できるなら、私たちの前にもう現れないで」

 

そう言うとフェイトは僕らに背を向けた。

 

「帰ろう、アルフ」

 

「さっすが、私のご主人様!じゃあね、おちびちゃんたち」

 

あの狼はアルフという名前なのか狼から人間の女の人の姿になったアルフはフェイトに駆け寄った。

 

「待って!」

 

「零夜にも言ったけど、もう私たちの前に現れないで。もし次現れたら、止められないかもしれない」

 

「その場合は僕が止めるよ。フェイト、キミに人を殺させない」

 

フェイトの言葉に僕は少し声を低くして言う。

 

「そう。なら、止めてみて零夜」

 

「もちろんだよ」

 

「あ、あの、私の名前は・・・・・・」

 

フェイトは僕の台詞を聞くとなのはの声に耳を傾けず、使い魔のアルフとともに立ち去っていった。

そしてあとに残ったのは意気消沈しているなのはと、戻ってきたユーノ、そして月を見ている僕だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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