魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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事後処理

 

〜零夜side〜

 

 

短かったようで、長かったような一日が終わり、僕らは帰還した。

戻ってから待っていたのは検査だった。

僕は火傷などの治療、なのはも同じく。はやてたちは特に無く。

大まかな事後処理はクロノやリンディさん、レティ本部長が担当してくれた。まあ、僕も書類やらなんやらをしたけど。

そして、エルトリア勢についてはというと。まず、重患者であるアミタさんは夜月によって、撃たれる前に戻ったが、念の為検査のために本局の医務室で入院することになった。キリエとイリス、ディアーチェ、レヴィ、シュテル、ユーリもしかり、それぞれ検査をしたりして本局預かりとなった。イリスに関しては騙されていたとはいえ、事件の主犯格なため本局による事情聴取が。裁判やなんやらで別室で拘束され警備が厳重だ。無断でこちらの世界にやってきたキリエとアミタさんに関しては一応、事情聴取を形という形で行い、特にお咎めはなしだ。

ユーリについても同様で、シュテル、レヴィ、ディアーチェは多少検査に時間がかかった。なにせ、三人とも子供の姿になってしまったから。どうやら、魔力が回復するまでしばらくはその身体とのことらしい。

そんなこんなで、全てがようやく片付いたのは七月下旬を過ぎた頃になった。

そして僕は今───

 

 

「天ノ宮君、お疲れ様でした。体調の方は問題ありませんか?」

 

「はい。ご心配おかけしました、ミゼットさん」

 

本局の特務0課の室内でミゼットさんと話していた。

今この場にいるのは僕とミゼットさんの二人だけだ。他のみんなは出払ってもらってる。

 

「今回の件、ご苦労様でした。研究会のメンバーの捕獲は喜ばしいことです」

 

「いえ。彼らを率いていたガハト・レグリスタは邪魔が入り取り逃しました。喜べるものでは・・・・・・」

 

「そんなことありませんよ。研究会のメンバーを捕えられたのですから」

 

「はい・・・・・・」

 

ミゼットさんが労ってくれるが、僕としてはまだまだだと感じていた。

 

「あの、ミゼットさん」

 

「はい」

 

「クルト・ファレウムについてなんですけど」

 

僕はあの時出会ったクルト・ファレウムについて語った。

 

「───なるほど。そんなことが」

 

「はい。僕らはなにか根本的なことを見落としてるような気がするんです」

 

クルト・ファレウムのあの眼が頭から離れずにいた。あの眼は固い。決心を。決意を込めてる眼だ。

 

「少しこちらで調査をしてみましょう」

 

「お願いします」

 

その手の情報を集めるなら統幕議長であるミゼットさんが動くのが得策だろう。

 

「さて。天ノ宮特務三佐。現状、人員が足りてないと思ってませんか?」

 

「はい。アリサたちも頑張ってくれているんですが・・・・・・」

 

確かに、現状特務0課の人員は少ない。

室長兼部隊長である僕。副長兼副隊長である夜月。僕のデバイスである凛華、星夜、澪奈、紅葉、そして聖良は僕の固有戦力であり、一応管理局に登録はしているが、基本的は僕の指揮下にある。それは夜月のとこの、ソラとイリアもしかり。部隊員であるアリサ、すずか、アリシア。開発部はプレシアさんとリニスさん。そして、諜報員の二乃さんことデューエ。以上がこの特務0課の人員だ。

僕としても、出来ればもう少し人員を増やしたい。

 

「では、スカウトをしてみてはどうでしょう?」

 

「スカウト・・・・・・ですか?」

 

「はい。もちろん、相手が承諾すればですが・・・・・・」

 

「・・・・・・わかりました。一応、何人か心当たりがいるので声を掛けてみようと思います」

 

「ええ。それがいいでしょう。これから、次元航行船に乗って別世界に行くことが多くなる思いますから。もちろん、現状そこまで行ってもらうことは無いようにします。天ノ宮君達はまだ子供ですからね」

 

ミゼットさんは最後の方を柔らかく、おばあちゃんのように言った。

 

「あ、それと、特務0課専用の次元航行艦、あと一週間ほどで完成するとの事のようですよ」

 

「へっ?」

 

「ですが、どうやら他の次元航行船と違うみたいでかなり特殊なようですよ・・・・・・」

 

「(そう言えば夜月が次元航行艦を次元航行整備課の人たちが作ってるって言ってたっけ。しかも、モデルがフラクシナス)」

 

XL級次元航行艦【フラクシナスEX】。それが、僕たちの船になるらしい。時空管理局の技術ってホントすごいね。

そう思いながら、僕はミゼットさんと話して行った。

世間一般的なことから、研究会、管理局の内情など。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

 

 

 

「っ!あ、天ノ宮特務三佐!?」

 

僕は本局のとある部屋にいた。

そこには、数人の局員と、真っ白な服を着た少女がいた。

僕の姿を見た局員たちは、全員その場に直立不動の姿勢を取り、驚いた声を上げた。

僕は局員たちに苦笑しながら手を軽く上げ。

 

「彼女───イリスと話をさせてくれないかな?」

 

と言った。

 

「え、あ、彼女とですか?」

 

「うん。出来れば、二人だけで話がしたいから全員退出してくれると助かるな」

 

「で、ですが・・・・・・」

 

僕の言葉に局員たちは少し戸惑ったような感じをする。

 

「君たちも少し休憩してきたらいいよ。まだ、休憩を取ってないでしょ?ここは僕に任せて」

 

「そ、それでしたら・・・・・・」

 

しぶしぶと言った様子で局員たちは一礼して部屋から出ていった。

 

「さて。これでようやく落ち着いて話せるね、イリス」

 

局員たちが部屋から出ていったのを確認した後、僕はイリスの前に座った。

 

「あんた、ここでかなり地位があるのね」

 

「あはは。まあね。僕自身も驚いてるよ」

 

管理局のネームタグをホロウインドウでイリスに見せて言う。

 

「特務三佐・・・・・・って。あんた、佐官なの!?」

 

「うん。まあ、そういうの興味ないんだけど、なにかと便利だからね」

 

「いや、ちょっと待って!あんた、今歳幾つ!?」

 

「今年で11だよ(肉体はね)」

 

「じゅっ・・・・・・!?」

 

愕然としたように目を見開くイリスに、僕は持ってきたお弁当を渡す。

 

「はい」

 

「これは・・・・・・?」

 

「まだお昼食べてないでしょ?一応、僕の手作りだよ」

 

「はぁ。万能すぎるわねあんたって」

 

「ありがとう」

 

お昼は簡単に摘めるサンドイッチだ。

これなら、食べながら話せるし、手も汚れない。

 

「それで?わざわざ、これを届けに来ただけじゃないでしょ?」

 

「まあね」

 

そう言って僕はイリスと向き直る。

 

「イリス、僕は君を、僕の部隊。特務0課にスカウトしたいと思う」

 

「はっ?」

 

何言ってるんだとでも言いたげな表情をするイリス。

 

「君のそのテラフォーミングの力を僕のところで活用してみないか?」

 

そう言う僕は、一つの部隊を率いる長としての威厳と風格を醸し出していた。

 

「つまり、あんたはこのあたしを、あんたの部隊に引き入れたいってこと?」

 

「そうだね」

 

「あのね!あたしはあんた達を沢山傷つけた!あんた達の住んでいる場所や星にたくさん迷惑なことをしたの!そのあたしをなんで引き入れようとするわけ!?」

 

「特に理由はないよ?」

 

「はあっ!?」

 

「強いて言えばそうだね。君が欲しいからだね」

 

「は?」

 

「強さとか能力とかそんなのどうでもいいんだよね。僕は、イリス。君という人物が欲しいんだ」

 

「あんた、何言ってるの・・・・・・」

 

「この世界には数多の次元世界がある。中には貧困に満ちた世界があるだろう。別世界の人間に破壊されるかもしれない場所がある。僕はそれを防ぎたい。まあ、本音は僕のところの人員が少ないから僕に手を貸して欲しいってことなんだけどね」

 

あはは。と笑いながら惚けにとれるイリスに言う。

 

「もちろん、強制はしない。君自身が考えて欲しい」

 

サンドイッチを一切れ取って、口に含んで言う。うん、我ながら美味しくできてるね。

 

「・・・・・・少し考えさせてくれないかしら」

 

「もちろん。さ、堅苦しいはなしはこれでおしまい!なにか聞きたいことはある?」

 

掌をパンっ!と叩いて話を変える。

イリスはサンドイッチを一切れ手に取って僕に聞いてきた。

 

「ねえ、あんたって一体何者?」

 

「何者って?」

 

「あの機動外郭を塵も残さずに消し飛ばしたり、ユーリの能力を寄せ付けなかったり・・・・・・天ノ宮零夜君、あんたは一体何者?本当に人間?」

 

イリスの言葉に僕はなんて答えようか考えた。

 

「一応人間だよ。ただ、使う魔法や魔力が他の人たちと違うだけさ」

 

表情に曇りを入れて返す。

イリスもそこまで詮索せず、そうと言って聞いてこなかった。

 

「・・・・・・ねえ。ユーリやキリエたちはどうなるの?」

 

「キリエとアミタさんについては、形だけの事情聴取だけだよ。ユーリやディアーチェたちは特にないかな。ああ、ディアーチェたちは今子供の姿になってるんだっけ」

 

「子供?」

 

「そっ。魔力の使いすぎで、一時的に身体が子供の・・・・・・うーん、ちょっと小さくなったって言った方がいいかな?」

 

「そう」

 

「みんな、今は地球に滞在してもらってるよ。あと、一週間は居てもらうかな」

 

六人とも、現在は僕の家に一時的に暮らしてる。

なのはたちの家で暮らすことも上がったが、諸々の事情で僕が預かることになった。幸い、部屋はまだあるし、地下には研究室やメンテナンスルーム、トレーニングルームなどもあるから何かあった時にはすぐに対処できる。

ちなみに、僕の家は凛華たちにもそれぞれ個別の部屋があって、明莉お姉ちゃんたち地上での部屋もある。まあ、聖良と澪奈は僕の部屋で寝ることが多いいけど。あ、ちなみに、お姉ちゃんと華蓮も一緒に暮らしていたりする。うーん、ほんと、ウチって女子の比率が多いいよね。学校だったら男子の友達もいるんだけど。

そう考えていると。

 

「所長・・・・・・フィル・マクスウェルは・・・・・・?」

 

恐る恐るとイリスが聞いてきた。

 

「・・・・・・フィル・マクスウェルは、今回の事件の最重要容疑者として本局の特別監獄に収容されてるよ。手足も一応、復元したから歩いたり動けたりは出来るけど・・・・・・やっぱり気になる?」

 

「・・・・・・」

 

僕の質問にイリスは小さく頷いた。

イリスの記憶には四十年前の記憶があるのだ。楽しかったり、悲しかったりした記憶が。そして、フィル・マクスウェルはイリスの形とはいえ生みの親だ。もし、四十年前、エルトリア政府が委員会を継続させていたら、もしかしたらこんな事は起こらなかったのかもしれない。イリスとユーリが敵対することもなかったし。悲劇は起きなかった。そう考えると、一応フィル・マクスウェルも被害者なのかもしれない。けど、データからはフィル・マクスウェルによっ

て、いろんな人が殺害されてる。そうなると、なんとも言えない感じがする。

 

「・・・・・・フィル・マクスウェルに逢ってみる?」

 

「え」

 

「レティ本部長に頼めばやってくれると思うけど・・・・・・どうする?」

 

「・・・・・・」

 

「少し考えてから答えを出してほしい」

 

僕はそう言うと立ち上がり。

 

「また話したい時は局員の人に言って。僕と何時でも話せるようにしとくから」

 

そう言って僕は部屋から退出した。

部屋から出ると。

 

「天ノ宮君」

 

「レティ本部長」

 

レティ本部長が部屋の前の壁に寄りかかっていた。

 

「彼女───イリスの様子はどう?」

 

「特に変わった様子はありませんね。ただ、付き物が取れたような感じです」

 

「そう。天ノ宮君は彼女を引き入れたいと思うのかしら?」

 

「ええ、まあ」

 

「まあ、確かにあなた程の実力者なら問題無いでしょうけど」

 

レティ本部長は少し心配そうに見てくる。

 

「リンディも心配してたけど、大丈夫なの?今の重圧。統幕議長だって天ノ宮君には無理して欲しくないんじゃ・・・・・・」

 

「問題ありませんよ。では・・・・・・」

 

一礼して僕はそこから立ち去った。

後ろでは。

 

「・・・・・・なにがあなたをそこまで縛り付けているの天ノ宮君・・・・・・」

 

レティ本部長が心配な眼差しで見つめていた。

本局から地球の自宅に戻った僕はそのまま自室に戻り、軽く仮眠を取る事にした。さすがに身体が限界だったのだ。

なにせ、ここ暫くは書類整理や事後処理、デバイスのメンテナンス等など普通の小学生の日常をはるかに超えた激務だったのだ。

部屋に辿り着くと、僕は着替えも忘れてそのままベッドにダイブするように倒れ、あっという間に眠りについた。

 

〜零夜side out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜愛奈実side〜

 

 

「れーくん・・・・・・」

 

弟の部屋に入って中を見た私は、着替えもせずにベッドで横になっている弟を見て、優しく毛布を掛けた。

 

「やっぱり、身体が小学生の頃にまで戻ってるかられーくんを抱き抱えるのは無理なのね」

 

私と華蓮ちゃんは目が覚めた時、身体が小学生ぐらいにまで縮んでいたのだ。ま、れーくんと同じなのは嬉しいからいいけどね!

 

「私たちが居なくなったあと、れーくんはずっと一人だったんだね」

 

ここに来てからのことは明莉さんに聞いているが、それ以前のことは聞かなかった。いや、聞く必要がなかったって言うべきなのかな。

 

「ほんと、無理しちゃって」

 

ベッドに腰掛けながら、眠ってるれーくんの頭を撫でる。

前世では、髪はここまで長くなかったんだけど、今は私と同じで伸ばしてる。もしかしたら、髪を伸ばした理由は私とお揃いにするためなのかもしれない。

 

「久しぶりに一緒に寝ましょうか」

 

そう言って、私は眠ってるれーくんの布団の中に潜り込み、一緒に横になって、そのまま抱き締める。

 

「これからはずっと一緒だからね、れーくん」

 

大切な弟の頬を撫で、私も眠りについたのだった。

 

〜愛奈実side out〜

 

 

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