魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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分かりあえない互いの気持ち

 

~零夜side~

 

 

 

「フェイト!」

 

「フェイト!今すぐそれから手を離して!」

 

「ぐぅぅぅぅぅぅぅ!」

 

今目の前ではフェイトが発動中の。と言うか暴走中のジュエルシードをつかんで抑え込んでいる姿があった。

何故こうなったかは少し前の出来事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈零夜、ジュエルシードが強制発動した!〉

 

「こっちでも確認してるよ!ユーノは結界をすぐに張って!」

 

〈わかった!〉

 

僕はジュエルシードの捜索中、突然の魔力流とジュエルシードの発動を感じた。

そしてその場所に向かっている最中にユーノから念話が来た。

 

「仕方無い、ステラ、いくよ!」

 

《わかりましたわ!》

 

僕はブレスレットを掲げステラメモリーに言う。

ブレスレットが蒼白い閃光を輝かせる。光が治まると僕は蒼銀コートのバリアジャケットと白い杖が現れる。

 

「いくよ!」

 

《ええ!》

 

僕はかなり近い場所から立ち上るジャケットシードの光に向けてステラを構える。

 

「ステラ、封印形態!」

 

《わかりました。封印形態に移行しますわ!》

 

そう言うとステラの先の部分が変形し細長くなり照準がついた。

 

「ステラ!」

 

《ええ!》

 

僕の放った蒼白色のレーザーを放つ。

すると他の2方からもレーザーが放たれた。

 

「まずい!ステラ、今すぐ中断!」

 

《わかりましたわ!》

 

僕はとっさの判断で封印を中断しステラの形態をもとに戻す。

 

「今のはなのはとフェイトの魔力・・・・・・」

 

僕は視線の先のジュエルシードの目映い光にそう呟いた。

 

《マスター》

 

「取り敢えずジュエルシードのところに行こう。多分そこになのはとフェイトがいると思うから」

 

僕はステラにそう言うと歩いてジュエルシードのところに向かった。

ジュエルシードのもとにたどり着くとすでに全員揃っていた。ユーノはアルフの相手を。なのははフェイトに話し掛けていた。

 

「なのはの目・・・決心がついた目をしてる」

 

僕はなのはの目を見て言う。今のなのはの目はアリサとすずかと出会って友達になったときと同じ目をしていた。

 

「私なのは。高町なのは。私立聖祥大付属小学校3年生」

 

《Scythe form》

 

なのはがフェイトに自己紹介するなか、フェイトのデバイス。バルディシュが発声する。

バルディシュになのははレイジングハートを構える。

しばしの沈黙後、フェイトがバルディシュを構え飛び上がってなのはに迫った。

 

《flier fin》

 

その攻撃をなのはは空に飛び上がってかわす。

 

「あれ~・・・もしかして僕忘れられてる?」

 

僕は空に飛び上がって魔法砲撃を繰り出して攻撃しているなのはとフェイト。アルフの相手をしているユーノを見て僕はジュエルシードの近くでそう呟いた。

 

「う~ん、今封印してもいいけどさすがにそれは二人に悪いしな~」

 

上空で連続で魔法砲撃を放つ二人に僕はそう独り言を言う。

高速で動き回るフェイトになのははギリギリなんとか追い付いて攻撃している。フェイトが眼にも止まらぬ早さでなのはの背後に回ると。

 

《Flash move》

 

なのはも高速移動魔法でフェイトの背後を取り、レイジングハートの先をフェイトに向け。

 

《Divine Shooter》

 

桃色の魔力砲撃。ディバインシューターを撃つ。

対するフェイトもバルディシュをなのはに向けて。

 

《Defensor》

 

高速自動防御魔法でディバインシューターを防ぐ。

なのはとフェイトはディバインシューターとディフェンサーで少し押し返されるが空中で上手く姿勢を保ちながらデバイスの先を互いに相手に向ける。

 

「フェイトちゃん!」

 

するとなのはがフェイトの名前を大きな声で僕にも聞こえる声で呼んだ。

その瞬間、フェイトの表情に同様が走ったのに気づいた。

 

「話し合うだけじゃ、言葉だけじゃ足りないって言ってたけど・・・・・・だけど話さないと、言葉にしないと伝わらないことだってきっとあるよ!」

 

なのはは自分の想いをフェイトに伝えようとしていた。

 

「ぶつかり合ったり、競い合うことになるのはそれは仕方無いことなのかもしれないけど。だけど、なにも知らないままぶつかり合うのは、私イヤだ!」

 

なのはの言葉の中にはなのは自身の想ってる、フェイトに対する感情や気持ちが含まれているのが伝わってくる。

 

「私がジュエルシードを集めるのはそれがユーノくんの探し物だから。ジュエルシードを見つけたのはユーノくんで、ユーノくんはそれを元通り集め直さないといけないから!私はそのお手伝いで!だけど、お手伝いをするようになったのは偶然だったけど・・・・・・今は自分の意思でジュエルシードを集めてる!自分の暮らしてる街や、自分の周りの人たちに危険が降り掛かったら嫌だから!これが・・・私の理由!」

 

「私は・・・」

 

「フェイト!答えなくていい!」

 

なのはの理由にフェイトが答えようとすると近くからアルフの声が聞こえてきた。

見てみるとユーノも一緒にそこにいた。

 

「優しくしてくれる人たちのところでぬくぬく甘ったれて暮らしてるガキンチョになんか、なにも教えなくていい!私たちの最優先事項はジュエルシードの捕獲だよ!」

 

アルフの言葉にはどこか必死さが含まれていた。

でもその言葉に僕は何故か共感のようなものが走った。

 

「ああ、そうか。少しだけ似てるんだ前世の僕と・・・・・・」

 

この世界に来る前の僕は全てにおいて絶望していた。理由は言わずとも分かってる。今でも思い出すからだ。

 

「でも、フェイトにはアルフがいるんだよね・・・・・・」

 

僕はフェイトとアルフを見てそう呟いた。

 

《マスター・・・》

 

《零夜くん・・・》

 

《大丈夫ですかマスター・・・》

 

その呟きにステラ、レイ、リンカが念話で話してきた。

 

「大丈夫・・・」

 

僕はそう言い視線をなのはとフェイトに移す。

 

「なのは!」

 

「大丈夫!」

 

アルフの近くでユーノが心配そうに声をかけ、なのはは元気よく返事する。

しばらく二人とも動かなかったが、フェイトが急反転したかと思うとものすごい早さでジュエルシードに向かって降りていった。

 

「あっ!」

 

そのあとをなのはも追い掛ける。

ジュエルシードに着いたのは二人同時だった。

二人はジュエルシードを中心に互いのデバイスを交差するようにした。

 

「あ・・・」

 

「え・・・」

 

ユーノとアルフの声が聞こえてきた。

そのまま交差しているとなんと言うことか二人のデバイス。レイジングハートとバルディシュに罅が入った。

 

「なっ!?」

 

僕はその光景に唖然と驚きを浮かべた。

そして。

 

「キャアアアアアアアアアアア!」

 

「くっ・・・ウッウウウウウウ!」

 

ジュエルシードを中心に目映い閃光と魔力の奔流が二人を襲った。

 

「フェイト!」

 

「なのは!」

 

「なのは!フェイト!」

 

ユーノ、アルフ、僕が二人を呼ぶ。

なのはとフェイトはジュエルシードの魔力の奔流に押し出されながらも体勢を整え、なのはは地面に着地しフェイトは空中で上手く止まる。

 

「大丈夫、バルディシュ。戻って」

 

《Yes sir》

 

フェイトの方を見るとバルディシュをデバイスの待機状態に戻していた。バルディシュの待機状態はフェイトの右手の甲のグローブに嵌まったようだ。

少しだけバルディシュを見たフェイトは目の前のジュエルシードを見つめた。

 

「フェイト?」

 

フェイトの表情が焦りを出していたのに気づいた僕は怪訝な表情をしてフェイトを見る。

ジュエルシードと同じ高さにまで高度を下げるとフェイトはクラウチングスタートのような体勢を空中でとり、思いっきりジュエルシードに向けて飛んでいった。

 

「なっ!?ま、まさかフェイト・・・・・・!」

 

僕はフェイトの行動に嫌な予感がした。

 

「まずい!フェイト、それだけはダメだ!」

 

僕は慌ててフェイトに言うが時既に遅し、フェイトはジュエルシードの目の前にまで迫り、両手で掴み握り締めた。

するとフェイトの手の間から青い目映い光が漏れた。恐らくジュエルシードが暴走しているんだ。

 

「フェイト!」

 

「フェイト!ダメだ危ない!」

 

僕とアルフはフェイトにそう声掛けをするが、フェイトは両手に掴み締めたジュエルシードを離そうとせずに、ジュエルシードの暴走を抑え込んでいた。

 

「止まれ!止まれ、止まれ!」

 

フェイトの足元に魔方陣が描かれジュエルシードの魔力暴走を強引に抑え込んでいるのが分かる。

けど、あのままじゃフェイトが危ない。

 

「アルフ、協力して!」

 

「な、何をするつもりだい!?」

 

「フェイトを助ける。だからアルフも手伝って!」

 

「わ、わかった!」

 

「お願い、レイ!」

 

《了解、零夜くん!》

 

僕の身体が光、バリアジャケットとデバイスが展開された。

 

「フェイト!それを離して!」

 

「フェイト!」

 

アルフがフェイトをジュエルシードから引き離す。

フェイトの手は怪我を負って血が出ていた。

ジュエルシードは未だに魔力暴走をし続けていた。

僕は懐から一枚の特殊固有武器(アーティファクト)カードを取り出し。

 

「―――来たれ(アデアット)―――エンシス・エクソルキザンス(ハマノツルギ)!」

 

一振りの剣を召喚する。

 

「ハアアアアアアアアッ!!―――ヴォーパル・ストライク!」

 

ハマノツルギを肩の高さに構え、カタパルトのように右腕を折り畳みクリムゾンレッドの輝きがまとったハマノツルギを全力で撃ち放つ。

 

「セヤアアアアアアアア!!」

 

ジュエルシードを打ち砕かんとするばかりに全力で撃ち放つ。ジュエルシードから漏れでる魔力がハマノツルギの魔法無効化とヴォーパル・ストライクの威力で徐々に消えていく。やがて、魔力暴走が収まり元のジュエルシードの状態になったジュエルシードを左手で掴んだ。

 

「ハア、ハア、ハア・・・・・・」

 

さすがに疲れた僕はハマノツルギを下ろして息を吐いて呼吸を整える。

そこへ。

 

「そんな・・・暴走していたジュエルシードを元に戻すなんて・・・・・・」

 

「なんてやつだよ・・・・・・」

 

「零夜くん・・・・・・」

 

ユーノとフェイトを抱えるアルフ、なのはが有り得ないと言わんばかりの感じで言うのが耳に入った。

 

《大丈夫ですかマスター!?》

 

《大丈夫零夜くん!?》

 

《マスター、お変わりありませんか!?》

 

「大丈夫、だよ。ハア・・・去れ(アベアット)

 

デバイスの三人に心配されながら、ハマノツルギをカードに戻して懐にしまってフェイトとアルフに寄る。

近寄るとフェイトはアルフの腕の中で気絶していた。

僕はフェイトの側に寄り、

 

「―――治癒(クーラ)

 

治癒魔法でフェイトの怪我をある程度治療する。

これで特に目立った外傷はないと思う。

 

「あ、あんた・・・」

 

「はい、これ・・・・・・」

 

アルフが何か言いたげに言うなか僕はジュエルシードをアルフに渡す。

 

「零夜!?」

 

「ごめんユーノ、今回は彼女たちに渡すよ。なのはもいい?」

 

「う、うん。零夜くんが言うなら・・・・・・」

 

「ありがとう・・・。アルフ」

 

「あ、ああ」

 

アルフは気絶したままのフェイトを抱き抱えながらジュエルシードを受け取った。

 

「それと、アルフ」

 

「な、なんだい?」

 

「フェイトに言っといて。外傷は治したけど体力や魔力までは回復できてないって」

 

「う、うん」

 

「それと、無理はしないようにって、ね」

 

「わ、わかった。そ、それと、フェイトを助けてくれてありがとう」

 

アルフはそう言うとフェイトを抱えてその場から立ち去った。

二人が立ち去ったのを見送り、僕はバリアジャケットを解除して元の服に戻った。その瞬間、少しよろめいたがなんとか両足で立った。

 

「だ、大丈夫なの零夜くん・・・?」

 

「あ、うん。なんとかね」

 

そう言いながら僕は近寄って来たなのはに微笑み頭を優しく撫でた。

 

「あ・・・///」

 

何故かなのはの顔が赤くなったが何かあったのかな?

 

「大丈夫なのは?顔赤いけど、熱?」

 

「う、ううん!なんでもないよ大丈夫!」

 

「そう?ならいいけど」

 

僕はなのはの頭を撫でながら心配そうに言う。

 

「とにかく帰ろうか」

 

「うん!」

 

「はい」

 

ユーノが結界を解除し、空間を元に戻してなのはとユーノは高町家へ、僕は自分の家へと帰った。

その道中。

 

《マスター、近くの空間に未確認飛行物体があります》

 

「未確認飛行物体?」

 

《ええ》

 

「それとの遭遇確率は?」

 

《恐らくほぼ100%かと》

 

リンカと会話しているとステラが捕捉してきた。

 

《マスター、データ参照完了しましたわ。その未確認飛行物体は艦船ですわね。艦船名はアースラ。所属は時空管理局ですわ》

 

「時空管理局?たしかユーノがジュエルシードを持っていこうとしたところも時空管理局だったけ?」

 

《ええ。恐らくですが先程のジュエルシードが発した次元振動を感知したのでしょう》

 

「次元振動、ね」

 

僕はさっきジュエルシードが発した暴走した魔力を思い出した。

恐らくなのはとフェイトのデバイスもジュエルシードの膨大な魔力に当てられて破損したんだろう。

幸いにもデバイスには自己修復能力があるから明日には治っているとは思うけど。

 

「時空管理局、ね~。厄介なことにならないといいんだけどね」

 

自宅へと通じる道に僕は独り言を呟いた。

その独り言は誰もいない虚空への中へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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