魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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Magus×Sword maiden
刀使ノ世界ヘト


 

〜零夜side〜

 

「───ということですので、天ノ宮特務三佐以下特務0課はこのロストロギアの回収をお願いします」

 

夏休みが終盤に差し掛かったある日。

僕はミゼットさんの執務室でその指令を受けていた。

 

「分かりました。ちなみにですが、そのロストロギアの名称はなんでしょう?」

 

「ロストロギアの名前は───《赤羽刀》」

 

「《赤羽刀》・・・・・・」

 

「はい。場所は第103管理外世界。通称───地球」

 

「っ!?地球!?」

 

ミゼットさんの言葉に僕は驚愕した。まさか、地球が出るとは思わなかったのだ。だが。

 

「ですが、地球は第97管理外世界じゃ」

 

そう。僕らの星地球の番号は第97管理外世界のはずなのだ。

つまり、その第103管理外世界の地球というのは───。

 

「察してる通り、その地球は別世界の地球です」

 

「やはり・・・・・・」

 

この世界は数多の次元世界があるのだ。なら、僕らの星の地球に似た、別世界の地球があっても何のおかしくもない。

 

「詳細はこちらにあります」

 

渡されたクリアファイルを受け取り中身を確認する。

 

「それから、今回の回収の指揮は天ノ宮君が執ってください」

 

「っ!わかりました。最善を尽くします」

 

つまりフラクシナスでその世界に行くという事だ。

 

「それと、助っ人として高町なのはさんとフェイト・テスタロッサさん、八神はやてさんを同行させます」

 

「わかりました」

 

「指令は以上です。それでは検討を祈ります」

 

「ハッ!」

 

ミゼットさんの言葉に、僕は敬礼して応えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

「うわぁ〜!これが零夜くんたちの艦なんだね」

 

「もうめちゃくちゃやな」

 

「でも、スゴい・・・・・・!」

 

僕たちはなのは達とともにフラクシナスに乗って第103管理外世界の地球に向かっていた。

艦に乗ったなのはは興奮したように周りを見渡し、はやては呆れた様子で僕を見て、フェイトは目をキラキラ輝かせていた。

 

「あははは。鞠亜、後どのくらいで着きそう?」

 

僕が鞠亜にそう訪ねると。

 

『あと二時間半ほどで到着します』

 

とモニターから声が帰ってきた。

そこに追随するように鞠奈も。

 

『まあ、向こうについても時間帯は夜なんだけどね』

 

と言う。

 

「なるほどね。じゃあ向こうに着いたらまずは情報収集からかな?」

 

「?囁告篇帙(ラジエル)や世界図絵を使えば簡単なんじゃないの?」

 

「まあ、そうなんだけどね」

 

不思議そうに言う夜月に僕は苦笑して応える。

確かに囁告篇帙や世界図絵を使えば簡単だけど、その世界には赤羽刀というのは沢山あるらしいのだ。僕らの探してる赤羽刀はそのひとつということになる。つまり、世界図絵でも探すのは困難なのだ。そして囁告篇帙は夜月の魔力を使うからあまり使いたくない。有事の際に戦えなくなったら大変だからね。まあ、魔力不足なんて大規模な戦闘とかじゃないとならないけど。

つまるところ、なんでも万能ではないということだ。

そう思っていたところに。

 

「天ノ宮提督、ひとつ訊ねてもいいですか?」

 

僕のいる場所のすぐ下から声が聞こえてきた。

 

「はい。なんでしょうクライドさん?それと、僕は提督という程じゃないですよ」

 

最後の方を自虐気味に言って、質問者であるクライドさんに聞く。

 

「なので、僕のことはいつも通りでお願いします」

 

「わ、わかりました。では、天ノ宮君。天ノ宮君は何故自分をここに?」

 

「というと?」

 

「自分は特務0課の人間ではありません。全くの部外者です。なので───」

 

「自分がここにいるのはおかしい、と?」

 

「はい」

 

クライドさんの言葉に僕は。

 

「場所を変えましょう」

 

と言って夜月に目配せして艦橋からフラクシナス内にある執務室に向かった。

執務室に入り鍵をかけた僕はソファに座るとクライドさんに。

 

「話を続けましょう」

 

と言い。

 

「クライドさん。いえ、クライド・ハラオウン次長補佐。僕は形だけの役職を与えられてるだけに過ぎないんですよ」

 

ははっ、と乾いた笑みを漏らして応えた。

 

「本来なら提督などという役職についてないし、特務三佐なんて高階級が僕みたいな11歳の子供に与えられるわけないでしょう?」

 

「そんなこと!実際天ノ宮君の実績や能力ではすでに高階級で・・・・・・いえ、それすらまだ軽い───」

 

「ありがとうございます。ですが、僕が管理局の中でなんて呼ばれてるのか噂では知ってますよね」

 

「・・・・・・『魔王』」

 

「ええ」

 

こんな11歳の子供が『魔王』などと歳不相応な名前を付けられてる理由は僕が他の管理局員たちから畏怖されてるからだ。

特務0課は元々、ミゼットさんたちが僕のために作ったの課だ。理由は僕を御するのが誰も出来ないからだ。そして、闇の書事件を幾度となく引き起こしたナハトヴァールの意識体、聖良を隠す為でもある。もし、僕の家族に手を出そうなんてすれば僕は躊躇無く、その人物、組織を根こそぎ滅ぼし消し飛ばす。僕の目的はただ一つ、家族や友達。みんなで仲良くいつもと同じように過ごすこと。だから、その平穏な日々を破壊しようというものが現れるのなら、僕は躊躇わずにそれを排除する。それは僕の中で最優先事項だ。

 

「まあ、僕は別に『魔王』なんて呼ばれても気にしないんですけど・・・・・・」

 

僕自身は気にしてないが、何人かの人はそう呼ばれることを良くしない。

 

「注目の視線を自身に向けさせることで、彼女たちにいかないようにしてるんですか?」

 

「ええ」

 

僕たちの能力は管理局の中でもずば抜けている。

なのはは収束魔力砲スターライトブレイカー。フェイトやアリシアは電気変換資質や機動力。アリサは炎熱変換資質。すずかは氷結変換資質、等々。そしてはやてはロストロギア、夜天の魔導書の所持者。

管理局は一枚岩という訳では無い。現に僕の役割のひとつに管理局の内情調査がある。本来は管理局の監査部がするんだけど・・・・・・。僕は脳裏にひとりの監査員を思い浮かべた。

騎士カリムとクロノから紹介されたんだが、その人物はなんと言うか、優秀なんだが、不真面目というか。まあ、兎に角気苦労が耐えない人なのだ。ま、面白いからいいけど。

あ、ちなみにその人物とはすでに友人になってます。

 

「それに、僕がクライドさんを呼んだのは、僕が貴方を望んだからです」

 

「自分を?」

 

「ええ」

 

そこまで言うと僕は雰囲気を直し。

 

「クライド・ハラオウン次長補佐。貴方に、我々の特務0課への配属を希望します」

 

と室長たる趣で言う。

 

「現状、我々特務0課の人員は数足りません。フラクシナスの操作もフラクシナスの管理AIに任せています。正直、に言うと人手が欲しいんです。それも、僕が信用出来る経験者の人が」

 

最後の方を苦笑してクライドさんに告げる。

 

「この事はすでにミゼット統幕議長も承認済みです」

 

そう、今回僕はミゼットさんに誰か艦隊指揮経験のある人を。クライドさんを特務0課に配属してもらうように手配してもらったのだ。ま、僕が考えていることなんてお見通しだったみたいで、レオーネ相談役とともに既に手配していたのだ。

ホント、ミゼットさんたちには苦労を掛けます。すみません。

今度キール元帥もいる時に菓子折りでも持参しようと思った。キール元帥にもフラクシナスの件やらでなにかと手を煩わせてしまったからね。

 

「ですので、あとはクライドさんさえ承諾してくれれば大丈夫です。どうでしょう。引き受けてくれませんか?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

僕の言葉にクライドさんは少し思案顔になった。

予期せざる出来事で頭がこんがらがっているのだろう。

少しした後───

 

「こちらこそ、よろしくお願いします天ノ宮君」

 

クライドさんはそう言った。

 

「ありがとうございますクライドさん!」

 

僕はクライドさんの差し出した右手を掴み握手をした。

今ここに、僕らの新しい仲間がまた一人加わったのだった。

 

「───ところでなんですけど」

 

「はい」

 

「もしかして天ノ宮君、これのこと知らないんですか?」

 

「???」

 

クライドさんの質問に首を傾げると、クライドさんはウインドウを出しその一面を見せてきた。

 

「管理局新聞?」

 

「ええ。管理局の広報部が発行してるやつなんですけど」

 

そう言って見せてきた一面には。

 

「なぁっ!?!!?」

 

 

 

 

『時空管理局左官、最年少記録を更新!』

 

『全属性を使える最強の魔導師現る!?』

 

『若干10歳で伝説の三提督直属の部隊を率いる少年!』

 

『その姿は少年というより、少女か!?』

 

『ランクオーバーSSS!?EXランク者出現!』

 

 

 

 

などという見出しの元、僕の写真や戦闘時の姿が写っていた。

 

「な、なななな!なんですかこれぇぇぇーーーーーっ!?!?」

 

僕のその声は艦橋にいる夜月たちにも聞こえたらしく、後でめっちゃ心配された。

 

「こ、こんなの聞いてませんよぉ!?」

 

「あははは。まあ、実際これを見た時クロノも同じようなこと言ってましたからね」

 

クライドさんの言葉に僕は絶対それだけじゃないと思った。

あのクロノの事だ。絶対笑ったに違いない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零夜がそう思っていたその頃

 

 

 

「くしゅ!」

 

「大丈夫クロノくん?もしかして風邪?」

 

「いや、そんなはずは無いんだが・・・・・・」

 

「まったくもお。少しは休んだらどう?ここ最近、エルトリア事変の事後処理で働きっぱなしでしょ?」

 

「そういうがなエイミィ。僕はここの支局長だぞ?」

 

「ほらまた。こうなったら、零夜君にお願いしてクロノくんを強制的に休ませようかな?」

 

「お、おいおい!それはないだろ!?それと零夜にだけはやめてくれ!」

 

「クロノくん、すっかり零夜君のお話がトラウマになってるね」

 

「当たり前だ・・・・・・。あんな氷の中に閉じこめられて何時間もされたんだぞ」

 

「それはクロノくんの自業自得でしょ?」

 

「そ、それはそうだが・・・・・・」

 

「はぁ。とにかく、もうお昼だから食事ぐらいはとろう」

 

「ああ」

 

「はい。今日も作ってきてるから」

 

「いつもすまん」

 

「いえいえ〜」

 

 

 

地球の日本。東京臨時支局の支局長室でそんな会話がされていたとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とまあ、そんなこんなで色々あって時間は過ぎて───

 

 

 

 

第103管理外世界───地球

 

 

 

『当該世界。第103管理外世界───地球に到着しました』

 

「了解鞠亜。現在のフラクシナスの位置は?」

 

『第103管理外世界の地球の日本。その首都である東京からすぐ近くの神奈川県鎌倉市上空高度8000メートルの位置です』

 

『床に目下の画像を出すわ』

 

鞠亜の後に鞠奈が言い、鞠奈が言い終わると同時にフラクシナスの艦橋の床に鎌倉市の画像がリアルタイムで映し出された。

 

「OK。鞠亜、基礎魔力輪環装置(ベーシック・マギリックシステム)で生成した魔力を恒常魔導領域(パーマネント・マギアエリア)に回して。不可視迷彩(インビジブル)自動回避(アヴォイド)はそのままに」

 

『了解しました』

 

「さて。これから今回の任務について話すよ」

 

鞠亜に指示を出した僕は艦長席からたちなのはたちに説明する。

 

「今回僕たちの任務はこの世界にあるロストロギア《赤羽刀》の回収。けど、調べによるとこの世界にはそのロストロギアと同じ《赤羽刀》という錆びた刀が沢山あるらしい。僕たちが探してるのはそのうちのひとつ。データはそれぞれに送るね」

 

そう言って僕は今回の任務の詳細なデータをなのはたちに送った。

 

「なあ、零夜くん。この【荒魂】とか【刀使】ってのはなんや?」

 

「あ、それは───」

 

はやての質問に応えようとしたその時。

 

『実際に見てみれば分かるわよ?丁度今すぐ下でやってるみたいだし』

 

鞠奈がそう言ってきた。

 

「やってる?」

 

「どういうこと?」

 

なのはたちが首を傾げ。

 

「鞠奈、その映像を映して」

 

『ええ』

 

鞠奈に言うと、すく上のスクリーンモニターに映像が映った。

場所は森林だろうか、暗い中、禍々しい化け物のような赤い物が数体?いた。そしてその前には何人かの僕らとそう年の離れていない、学生服を着た女子たちが腰に刀を帯刀していた。

 

『あの禍々しい化け物のような物が【荒魂】です。そして、それに相対するのが、荒魂を祓い清める巫女【刀使】です』

 

「あれが荒魂と刀使・・・・・・」

 

モニターには常人では出せない速度で駆け、その手に握る刀で荒魂を斬る少女が映っていた。

 

「(へぇ。あの刀・・・・・・面白い)」

 

どうやらこの世界は結構波乱な世界らしい。

やがてモニターでは少女たちが刀を振るい、荒魂を全て討伐し終わった姿が映っていた。

 

「ほぇー。なんかカッコイイね」

 

「せやね。まるでヒーローみたいやわ」

 

「でも、荒魂ってお化けみたいで怖い」

 

なのはたちはそれぞれ思ったことを口に出して言っていた。

そこに、僕の副官的な位置に立つクライドさんが。

 

「天ノ宮君。現在の時間は現地時間で夜の二十三時過ぎです。探索は明朝からが良いかと」

 

「ですね。それに・・・・・・」

 

視線をモニターに向けて僕は一考する。

 

「クライドさん、明朝朝八時から探索にしましょう」

 

「はい」

 

特務0課では夜月が副室長だが、フラクシナスではクライドさんが副官だ。何故かと言うと、クライドさんの艦隊指揮経験がこれから重要になってくるからだ。まだ僕には足りないからね。一応グレアム叔父さんに色々学んでるけど、勉強と実戦は全く違うのだ。

 

「みんな、明日の朝八時からそれぞれチームを組んで《赤羽刀》の捜索に入ってもらうよ」

 

「「「了解!」」」

 

僕の言葉になのはたちはすぐに答え、それぞれの部屋へと戻って行った。

僕はそのまま艦橋で本局の無限書庫にいるユーノに連絡を取り、《赤羽刀》について調べてもらうことにしクライドさんと軽く打ち合わせをして凛華たちとともに眠ったのだった。

 

 

 

 

 

 

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