魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語 作:ソーナ
〜零夜side〜
「本っ当にすまなかった!!」
「あ、いえ・・・・・・」
どうも零夜です。
僕は今任務で別世界の地球にいるんですが、その世界の人。刀使と呼ばれる少女の一人にものすごい勢いで謝られています。土下座でもするような勢いで、周りの人は何事かと僕らの方を注目していますね。
「ほら結芽。あなたも謝りなさい」
「むー・・・・・・。ごめんなさい」
続けて結芽と呼ばれた女の子と、それを促した少女にも謝られています。
「あの、別に僕は気にしてないので・・・・・・」
さすがの僕も年上の女性にこうも土下座する勢いで謝られるとなんとも言えない。
それから少しして。
「改めて自己紹介をしよう。ボクの名前は獅童真希。特務警備隊の一人だ」
「わたくしは此花寿々花と申します。こっちは燕結芽ですわ」
皐月さんと同じ制服を着た少女二人。燕さん除き、が僕たちに自己紹介をしてくれた。
「は、はじめまして。天ノ宮零夜です」
未だにどういう状況なのか抜け出せない僕は困惑気味に自己紹介を返す。なのはたちも同様にし。
「で・・・・・・燕さん?ですよね?燕さんは何故僕に襲い掛かって・・・・・・?」
一番の疑問を聞くと。
「あー・・・・・・それはやなー・・・・・・」
「はやて?」
はやてたちに視線を向けると何故か全員視線を合わせてくれない。隣にいる聖良は僕の方を見ているけど。
そこに。
「説明しますと、燕さんが天ノ宮さんに襲い掛かった理由は、燕さんが天ノ宮さんの実力を知りたかったからです」
「はい?」
皐月さんが無表情のような顔で応えた。
「実はねお兄ちゃん。お兄ちゃんが来る前にこんなことがあって───」
〜零夜side out〜
零夜が来る数刻前
〜なのはside〜
「ほぇー」
「いろんな刀使さんがいるんやね〜」
刀使さん達との会合を終えた私たちは、ここの本部長っていう人達と零夜くんが話してる最中、可奈美さんたちに連れられて鎌府女学院と呼ばれる学校の食堂に合流した夜月ちゃんたちとともに来ていた。
「ねえねえ。みんな着ている服が違うけど、あれってどうして?」
質問をしたのはアリシアちゃんだ。
アリシアちゃんの質問に可奈美さんが応える。
「この制服はそれぞれの学校の制服なんだ」
「学校?」
「うん。私が着てるのは美濃関学院で。沙耶香ちゃんと栖羽ちゃんが着てるのは鎌府女学院。六角さんのは平城学館。あと───」
「ワタシたちの長船女学園と、もう一つ綾小路武芸学舎デース!」
可奈美さんの後を言ったのは可奈美さんの後ろから現れた金髪のオレンジ色の制服を着た少女だった。
見た感じからハーフだと思う。
「あ!エレンちゃん!」
「やっほーかなみん!さあや!」
「・・・・・・うん」
可奈美さんと沙耶香さんに抱き着いた少女は天真爛漫という言葉がピッタリな感じがする。アリシアちゃんといい勝負かもしれないと思ったのは秘密だ。
「おいエレン。一人で勝手に行くな」
「ねー」
「オー!ごめんデス薫」
さらにもう一人来たけど・・・・・・あの子の頭の上に乗ってるのってなんだろう?
なんかとっても可愛いいんだけど!
そう思っていると。
「ね?ねねー!!」
「わっ!?」
なんか可愛い生き物なのかな?生物が私に飛び掛ってきた。
「だ、大丈夫なのは?」
「うん。大丈夫だよフェイトちゃん」
「なんだろうその子。なのはちゃんの胸に止まってないかな?」
「え?」
聖良ちゃんの言葉に視線をその生き物に向けると、その生き物は私の胸に抱き着いていた。え。なんで?
不思議に思っていると。
「おー。ねねが飛びつくってことは将来胸が大きくなるな」
薫と呼ばれた少女がそう口にした。
それを聞いた私たちは全員。
『『『はい?』』』
と口にした。
「ねねには胸の大きい人物や胸が将来大きくなる人物を見分ける特技があんだよ」
さらに聞かされた言葉に私は視線をねねと呼ばれた生き物に向ける。
「ねー」
そう一声?鳴き声でいいのかな?声を出すと、その生き物は次はフェイトちゃんに飛び付いた。
「わ、私にも!?」
「ねー」
「なのはとフェイトに飛び付いたってことは・・・・・・」
「将来二人とも胸が大きくなるってことなん・・・・・・!?」
アリサちゃんとはやてちゃんが驚愕の表情で言う。
その間にもねねと呼ばれた生き物はフェイトちゃんからすずかちゃんへ。夜月ちゃん、アリサちゃん、アリシアちゃんに飛び付き。
「ね?ねー♪!」
「ひゃっ!こ、今度は私ですか!?」
今度は星夜ちゃんにも抱き着き。
「ひゃう!くすぐったいです」
「んんぅ!え、えっと・・・・・・」
凛華ちゃんや紅葉ちゃん。さらには澪奈ちゃんや。
「きゃっ!わ、私も!?」
聖良ちゃんにも抱き着いた。
これで抱き着かれてないのははやてちゃんだけなんだけど。
「ね」
「な、なんで私んとこには来んのや!?」
なんでかはやてちゃんには抱き着かなかった。
「あー。多分、成長はするんだろうけど、コイツらみたいに大きくはならないってことじゃないか?」
そこに薫さん?が言う。
それを聞いたはやてちゃんは。
「ガーン!」
まさにorzという感じだった。
「そんな・・・・・・零夜くんに色仕掛けもできひんのか・・・・・・」
今なんか不穏な言葉が聞こえた気がするけど気のせいかな?
「だ、大丈夫だよはやてちゃん。私たちはまだ子供なんだから、ね」
「そうよ。これで決まるわけないわ」
「けやけどすずかちゃんとアリサちゃんはその子に抱き着いてもらってたやん」
「あー・・・・・・それは・・・・・・」
いじけたように言うはやてちゃん。
それに対し、なんとも言えない私たちであった。
─閑話休題─
「あー。こほん。オレは益子薫。でこっちはねねだよろしくな」
「ねー!」
「ワタシの名前は古波蔵エレンデース!よろしくお願いするデス!」
「は、はい。よろしくお願いします・・・・・・」
なんとも対照的な二人に私は引き攣り笑いを浮かべるしかなかった。
こんな時零夜くんがいてくれたら助かったんだけど・・・・・・。
「(って!いつまでも零夜くんにすがってちゃダメだよね!)」
そう自分に言いつけるように出しこっちも自己紹介をする。
「そう言えば薫さん、任務の報告は?」
「もう終わってる。ったくあのブラック本部長のヤツ。なにが、しばらくこっちで待機してろ、だ!んなことより休暇をくれ!休暇を!」
どうやら薫さんはかなり苦労してるみたい。
「んで。可奈美、コイツら刀使じゃねぇよな?なんでここにいるんだ?」
「薫。それはさっき紗南センセイから言われたじゃアリマセンカ」
「あ?あー、そう言えばんなこと言ってたな」
「イエス!確か、別世界の地球から来た魔法少女なんですよね!」
「え、ええ」
エレンさんのノリに引き気味のアリサちゃん。
私も苦笑いを浮かべるしかない。
そこに。
「ねえねえ。あなた達の中で誰がいちばん強いの?」
『『『え?』』』
幼い、多分私たちと歳の近い女の子の声が聞こえてきた。
声のした所を見ると、そこには薄紫色の長い髪を左側にサイドテールした、夜見さんと同じ制服を着た女の子がいた。
「あ、結芽ちゃん!」
「あ、千鳥のおねーさん!」
千鳥のおねーさんというのは可奈美さんのことなのかな?そう思っていると。
「ねえねえ。質問に答えてくれない?」
催促するような言葉を言われた。
「え、えーと、私たちの中で誰が一番強いのかって言われたら・・・・・・」
私の頭の中には零夜くんが思い浮かんだ。
零夜くんの徳一した魔法と剣技、思考の回転・・・・・・。
私は自分の師であり幼なじみでもある零夜くんがこの中で最強だと思った。それはフェイトちゃんたちもで。
「零夜かな」
「零夜くんやね」
「零夜ね」
「零夜だと思うよ」
「零夜くん、かな・・・・・・」
「レイくんね」
上から、フェイトちゃん、はやてちゃん、アリサちゃん、アリシアちゃん、すずかちゃん、夜月ちゃんが次々に応える。
「零夜くん?誰?」
「えっと、私たちの友達かな」
「ふうん。その人どこにいるの?」
「えっと・・・・・・あ」
視線をふと食堂の入口に向けると、そこには零夜くんがちょうど入ろうとしてる姿があった。
「あ、お兄ちゃん♪」
聖良ちゃんがそう言うと、結芽さん?は私たちの視線を追って零夜くんを捉えた。
「ふうん♪あの子が・・・・・・」
「え」
結芽さんのそんな声が聞こえると同時に、結芽さんの姿が消え、次に見えたのは零夜くんに御刀を振り下ろしてるところだった。
「やあぁぁぁぁぁーーーっ!」
「っ!?」
いきなりの、不意討ちに近い形の攻撃を零夜くんは驚いたように目を広げながらも両手に瞬時に剣を創り出し迎撃った。
周りの刀使の人達は慌てたようにその場所から離れる。
「お、お兄ちゃん!」
「零夜くん!」
私たちも唖然としてる中、可奈美さんと薫さんが。
「ウソっ!?結芽ちゃんの剣を受け止めてる!」
「いや、それどころか反撃すらしてるぞ・・・・・・!しかも二刀流だと?折神紫の二天一流・・・・・・じゃねぇな。我流か?」
驚愕の声を顕にした。
「おいおい。あの燕結芽と互角に撃ち合ってるって・・・・・・あいつ何者だよ。可奈美と同じバケモンか」
「薫さん!?」
心外とでも言う感じの可奈美さん。
いや、実際零夜くんって実力のソコがまだ見えないんだよね。本気で戦ったことのある夜月ちゃん曰く、『無理無理無理。レイくんが本気で私を殺しに来てたらすぐに終わっちゃうよ』との事らしい。
って、そうじゃなくて!
「急いで止めないと!」
「そうや!このままやと被害が広がるで!」
「レイくんが手加減してくれてるといいんだけど」
夜月ちゃんのボソッと言った言葉には私たち魔導師組は大いに賛成する。のだが、刀使たちの反応は。
「て、手加減?」
「お、おい。今手加減って言葉が聞こえた気がするんだが・・・・・・」
「わ、ワタシもそう聞こえました」
「燕さんを相手に手加減・・・・・・」
信じられないことを聞いたような反応だった。
「じゃなくて!お、お兄ちゃーん!!」
「零夜くーん!!」
聖良ちゃんと澪奈ちゃんの、零夜くん大好き絶賛ブラコン発動中(常中)二人が慌てて外に出た二人を追い掛け、私たちも後を追ったのだった。
〜なのはside out〜
〜零夜side〜
「───というわけで、今に至る訳だよ」
「な、なるほど・・・・・・」
聖良からことに至るまでのあらすじを聞いた僕は引き攣り笑いを浮かべるしか無かった。なぜなら。
「(ツッコミが多すぎる・・・・・・!)」
だからである。
取り敢えず。
「益子さん、そこの淫獣を少し貸してくれる?大丈夫です、痛くしませんから」
聖良たちに抱き着いたこの、ねねとかいう生き物にOHANASIする必要がある!
「お、おい、ハイライトが消えてんぞ」
「お、お兄ちゃん、大丈夫だから!だからハイライトを戻して!」
おっと。
聖良に言われて僕はハイライトをONにする。
「まあ、ねね?にOHANASIするのは後にして」
「結局すんのかよ」
益子さんのツッコミを無視して。
「僕と戦いたいなら言ってくれればいつでも相手しましたのに」
「え!それホント!?」
「ホント!?」
「え、あ、はい。こっちで任務が終わるまでなら」
僕の言葉に目を輝かせて来た衛藤さんと燕さんに身を後ろに引きながら応える。
「身体強化の魔法は使いますけど、それ以外の魔法は使わないので剣技だけで戦いますけど」
「「なら今すぐ!!!」」
「ええ・・・・・・」
衛藤さんと燕さんに詰め寄られている僕を他所に、なのはたちはと言うと。
「───へぇ。そんなことがあったんですね」
「ああ。もう今から半年ぐらい前のことだけどな」
「あれから色々ありましたわね」
「そうだね・・・・・・」
獅童さんたちと仲良く会話をしていた。それは夜月たちもで。
「ちょっとこっちを助けてくれませんかねえぇぇぇぇ!!」
思わず僕はそう声をあげたのだった。
ちなみに妹の聖良と澪奈はというと。
「「スー・・・・・・スー・・・・・・」」
疲れちゃったのか、さっきまで起きていたはずなのにいつの間にか二人仲良く眠りこけていた。
二人は仲良く頭を互いに合わせ、小さな寝息を立てていた。
「(ホント、この世界でもシリアスブレイク満載なのか)」
そう思いながら僕は二人に遮音結界を薄く張り、目の前の二人に視線を合わせたのだった。