魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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模擬戦、魔導師(メイガス)VS刀使(メイデン)

 

〜零夜side〜

 

 

「それじゃあまずは、私から行くよ」

 

「ええ」

 

食堂での騒動の後、僕は学院の修練場にて燕さんと相対していた。

ギャラリーにはその場にいたなのはや凛華たち魔導師組に、衛藤さんや獅童さんたち刀使勢がいる。

今僕の手には何も無いが、燕さんの腰には自身の御刀、銘『ニッカリ青江』がある。

 

「さてと・・・・・・」

 

僕はひと息つき、自身の異空間から二振りの長剣を取り出し背中に吊るす。

 

「あれ、さっきのあの光る剣じゃないの?」

 

「ええ。あっちより、実剣の方がいいと思うので」

 

背中にクロスして背負う長剣は剣先から握り手までそれぞれ黒と白銀の色をしていた。

モデルは彼がUWで使っていた長剣だが、剣の飾らが違う。

黒い剣は刃文に薄く数多の星々が描かれており、白銀の剣には同じく刃文に薄く幾多の薔薇が描かれてる。

銘はそれぞれ、『黒聖(こくせい)』と『白庭(はくてい)』となってる。(ちなみに、命名したのは知智お姉ちゃんと明莉お姉ちゃんである。作成者は、僕と翼お姉ちゃんだけど。)

僕は二刀を静かに抜き放ち、何時ものバリアジャケットを展開する。そして左手足を前に出し、右足を少し下げ右手を右足より前に、剣と剣が段違いの交差するような体勢を取る。

その光景に獅童さんや衛藤さんたちは息を飲んだのが伝わった。それは目の前にいる燕さんもで───

 

「・・・・・・」

 

対する燕さんも腰から御刀を抜刀し、刃を左側にして御刀を横にして構える。

 

「最初は身体強化無しでいきます。獅童さん、合図を」

 

「わかった」

 

獅童さんが僕と燕さんの間位置に立ち。

 

「それでは───始めっ!!」

 

「っ!」

 

「はああっ!」

 

獅童さんの開始の声とともに、燕さんは突っ込んできた。

 

「(へぇ・・・・・・)」

 

初手の突きを横に避けて躱し、次手の袈裟懸けを弾く。そしてさらに来る剣戟を弾いていく。

 

「(すごい。この子、こんな歳でここまでの技量・・・・・・シグナムよりスゴいかも!まるで知智お姉ちゃんとやってるみたい!)」

 

僕の剣の師匠は知智(アテナ)お姉ちゃんだ。

知智お姉ちゃんの教えはホントすごい。体の運び方から呼吸法。先読みや相手の構えや呼吸からの反撃などなど。まあ、そのぶんキツイけど。でも、知智お姉ちゃんの教えもあったからここまでいけてる。

 

「今度はこっちから行くよ!」

 

「っ!」

 

「ふっ!」

 

反撃に、左右からの剣の雨を御見舞する。

僕の剣の型は我流だ。故に、相手に見切られる可能性は少し低い。

 

「このっ!」

 

「はあっ!」

 

右突きからの左切り上げ、そのままの逆切り下げ右払い。

 

「はああっ!」

 

「うっ!」

 

わざと隙を作り、大きく振りかぶってきた所を思いっきり二刀で弾き飛ばす。

 

「っう・・・・・・!」

 

弾き飛ばされた燕さんは修練場の奥の方に吹き飛ばされ、床に倒れた。

その燕さんを見て。

 

「結芽とここまで互角だなんて・・・・・・」

 

「まるで紫様みたいですわ」

 

「結芽ちゃん、大丈夫かな・・・・・・」

 

獅童さんたちは驚愕と心配感を出していた。

で、なのはたちはと言うと。

 

「うわぁ。相変わらず速いね」

 

「うん。私より速い」

 

「いやいや、二人とも。それより、零夜くんの速度について行ってるあの子がすごいと思うで」

 

「どっちもどっちよ」

 

「あはは・・・・・・」

 

って感じだった。

ちなみに、凛華たちはいつの間にかビデオレコーダーを手にしてこっちを撮っていた。うん、いつのまに。

 

「・・・・・・あは!いいね、零夜くん!こっから私も本気で行くからね!」

 

「じゃあ、僕も身体強化有りで行きますよ。───戦いの歌(カントゥス・べラークス)三重奏(トリア)

 

身体強化魔法を施し、再び燕さんと向き合う。

そして。

 

「っ!」

 

「っ!?」

 

刀使の能力、【写し】を張った燕さんの速度はさっきまでの速度とは段違いに早く、咄嗟にしゃがんで後ろからの突きをやり過ごした。

 

「(うわっ!速い・・・・・・。これが刀使の能力、【写し】による身体強化と能力のひとつ【迅移】か・・・・・・。なるほどね。これなら荒魂と戦えるのにも納得が行くよ。そしてこの子、かなり速い。フェイトに匹敵するほどかも。三重奏じゃなくて五重奏(クインテット)にすれば良かったかな)」

 

そう感じながらも次々来る神速の攻撃を受け流し、反撃する。

 

「ふふ」

 

「はは」

 

自然と僕と燕さんの口角は上がっていた。

 

「(もっと、もっと速く!限界を越え、さらにその先の領域に・・・・・・!)」

 

斬り結びながら僕は意識をさらに加速させていく。

 

「はああっ!」

 

「ぜりゃああっ!」

 

一域高い金属音が鳴り、僕と燕さんは後ろに滑って下がる。

 

「・・・・・・あはは♪面白いし楽しい!こんなの千鳥のおねーさんや紫様と戦った時以来だよ!」

 

「僕も楽しいよ!ここまで僕についてこれる人なんて居なかったからね!」

 

「アハハはっ!いいよ!ねえ零夜くん、まだ本気じゃないでしょ?全力で私と戦おうよ!私も全力の君と戦いからさ!」

 

「・・・・・・バレちゃったか。いいよ。本気を見せてあげる!」

 

僕はそう言うと、夜月に視線を向け。

 

「夜月、この修練場に障壁展開して。あれ使うから」

 

「えっ!?あれ使うの!?」

 

「うん。あんな好奇な視線を向けられたら僕も全力でやりたくなった」

 

「はぁー。仕方ないなぁ」

 

夜月はそうため息を吐くと、手を前に出して障壁を張ってくれた。

 

「これでいい?」

 

「うん。ありがとう夜月」

 

「あれは氷雷?それとも雷だけ?」

 

「スピードには雷、でしょ?」

 

「はいはい」

 

視線を夜月から再び燕さんに向けて。

 

「じゃあいくよ?───術式解放。両腕固定・掌握!術式兵装・雷天大壮・・・・・・発動!」

 

『『『っ!』』』

 

僕の闇の魔法・術式兵装、雷天大壮を見た燕さんや衛藤さんたちは全員揃って目を大きく見開いた。一部の人たちはペタンと、床に崩れ落ちていた。

 

「な、なんだあれは・・・・・・雷の鎧・・・・・・?」

 

「いえ、膨大な雷を自らの中に取り込んだんだと思いますわ」

 

「彼は本当にひと・・・・・・なのか?」

 

呆然として呟く獅童さんたちの声を耳にして、

 

「いくよ、燕さん───いや・・・・・・結芽!」

 

「・・・・・・っ!いいよ・・・・・・零夜くん!」

 

「「っ!!」」

 

再び僕と結芽は同時に動いた。

片や雷速で。片や神速の如く。雷速と神速。どちらも普通の人間には出せない、到達出来ない領域。

僕と結芽は剣と御刀を撃ち合いながら、足払いなど体術も仕掛ける。

 

「っ!」

 

「!」

 

一瞬で背後に回って放たれた突きを見ないで右の星黒で反らし、そのまま左の白庭で振り返りざまに薙ぐ。

しかし、それは結芽に当たることなく空気を切るだけになった。僕はそのまま雷速で移動し、結芽がいる場所の正面から突きを放つ。それを結芽はしゃがんで避け、足祓いを仕掛けてくる。僕はすぐに足祓いを上に飛んで避ける。が、上からいつの間にか移動した結芽が御刀を振り下ろしてきた。

 

「っ!?」

 

「はあああっ!」

 

とっさに虚空瞬動でその場から右に雷速で避ける。

 

「逃がさないよ!」

 

「うそっ!」

 

避けるが結芽は僕の速度にだんだん追いついて来ていた。いや。これは。

 

「(先読み・・・・・・!結芽、さすがだよ。でも・・・・・・!)」

 

「えっ!さらに速くなった!?」

 

僕は思考のギアをもう一段階上げ、結芽の視界から消える。

 

「っ!後ろ!」

 

「へぇ」

 

背後を取ったつもりだけど、さすがの反応速度。見事に受け止められた。

 

「次々行くよ!」

 

「っの!」

 

僕は結芽の剣技を見て、自分なりにアレンジを加える。天陽流は型に囚われない。柔軟態様になっている。そしてそれは。

 

「はっ!」

 

「と、捉えきれない!?」

 

結芽たち刀使にとって、相性がとてもいい。

結芽たちの剣技は型に則られた物だ。なら、それに外れた剣技である僕の天陽流なら柔軟に行ける。

だから、

 

「これで終わらせるよ結芽」

 

「っ!」

 

「天陽流剣技───胡蝶(こちょう)神楽桜(かぐらざくら)!───双舞(そうぶ)!」

 

連続16連撃。双舞は二刀の時の剣技だ。一刀は普通に10連撃である。

合計16連撃を食らった結芽は写しが剥がれ床に膝を着いた。

 

「ハッ!しょ、勝者、天ノ宮零夜!」

 

僕は獅童さんの声を聞きながら二刀を軽く振って背中の鞘に仕舞う。それと同時に雷天大壮をきる。雷天大壮をきり、意識が戻ると。

 

「はぁっ・・・・・・」

 

床に座り込む。

さすがに疲れた。ここまで疲れたのは昔の知智お姉ちゃんの特訓以来だ。脳の過剰行使。さすがにキツイ。が、動けないほどではないし、衛藤さんと戦えない訳でもない。

そこに。

 

「大丈夫、零夜くん?」

 

「あぁ、なのは」

 

なのはが心配そうに尋ねてくる。

結芽のところには衛藤さんたちが行っていた。

 

「スゴかった。雷天大壮使わなかったら負けてたかも」

 

「え、そんなに!?」

 

「うん」

 

最終的に、速度で勝ったため勝てたようなものだ。ホント、恐ろしい。そう思いつつ、水を飲んでいると後ろから。

 

「はぁー。それで、私になにか言うことは無いかしらね〜レイくん?」

 

夜月の冷たい声が聞こえてきた。怒り心頭の声だ。

 

「あ、えっと、その・・・・・・」

 

「ん〜?」

 

「ありがとうございます・・・・・・?」

 

「レイくん」

 

「は、はいっ!」

 

夜月のニコッと笑ってるが目が笑ってない顔に怖くなりながらも直立不動をして夜月を見る。

夜月は自分の両脇に二本の皇剣を現出し。

 

「ねえ、この子たちの技を食らうのと、私の天使の全ての攻撃食らうの・・・・・・どれがいい?」

 

「ご、ごめんなさい!!」

 

笑ってない瞳で言われた僕はジャンピング土下座をした。

いや、だって、夜月の目が本気だったんだもん!

 

「はいはい、夜月も零夜で遊ばないように。零夜もこんな所でジャンピング土下座しないでよね」

 

「じょ、冗談だよアリサちゃん」

 

「ハイライトOFFにしてたくせに何言うか」

 

アリサの言葉に視線を横にずらす夜月。

 

「それと零夜!」

 

「は、はい!」

 

「こんな所であんたの奥の手使ってどうすんの!何かあった時に対処できないでしょ?!この中での最高戦力はあんたなのよ?少しは考えて!」

 

「すみませんでした・・・・・・」

 

僕と夜月はアリサに叱られた後、僕は夜月の刻々帝(ザフキエル)の【四の弾(ダレット)】によって魔力らを回復し、次は衛藤さんと模擬戦することになった。

 

「えへへ。よろしくね零夜くん」

 

「ええ。お願いします衛藤さん」

 

「可奈美でいいよ」

 

「では、可奈美」

 

「うん。・・・・・・それじゃ、はじめようか」

 

「ええ」

 

僕は再度背中の鞘から『黒聖』と『白庭』を抜き何時もの戦闘スタイルをとる。

可奈美も腰から自分の御刀、確か銘を『千鳥』を抜き構える。

すると。

 

「零夜くん、魔法っていうのも有りでいいよ」

 

「え?!」

 

可奈美さんがそんなことを言ってきた。

 

「零夜くんの魔法がどんなのか見てみたいんだ。それに、零夜くんの剣術は魔法と併用するんでしょ?」

 

「っ!?」

 

可奈美の言葉に僕は衝撃を受けた。確かに僕の剣術は魔法と併用する。所謂、魔導剣術だ。だが、それはシグナムやヴィータ、ゼストさんもで基本ベルカ式の魔導師多い。が、それでも僕の剣術は異様だ。まあ、なんせ師匠が女神なんだからね。

 

「いいの?」

 

「うん!」

 

可奈美の眼は好奇心旺盛の眼をしていた。

なら。

 

「わかった。夜月、お願いできるかな?」

 

「はいはい。でも、分かっていると思うけど使うのは低級のやつだけだからね?」

 

「わかってるよ」

 

苦笑しつつ応え、可奈美に視線を向ける。

 

「じゃあ、少しだけ。あ、それと可奈美」

 

「ん?」

 

「可奈美、本気で来てね?」

 

「え・・・・・・」

 

「じゃないと、怪我するよ」

 

そう言い終わると、獅童さんが。

 

「それでは───はじめ!」

 

と発した。

その声が聞こえるやすぐに、僕は自身の周囲に白桃の魔弾を現出させる。

 

「いくよ!───アクセルシューター!」

 

放たれた白桃の魔力弾は素早い速度で可奈美に襲い掛かる。

 

「ふっ!」

 

可奈美は最低限の躱すだけで、僕に接近してきた。

けど。

 

「遅いよ」

 

「っ!?」

 

可奈美の御刀が僕に触れる寸前、僕は瞬動で可奈美の背後に回る。

そして。

 

「フォトンランサー&アクセルシューター・ダンシングエッジ!」

 

二つの魔法を同時に発動して二十発の魔力弾を可奈美の全方位から攻撃する。

 

「───!!?」

 

驚く可奈美に、僕は右手の『黒聖』を肩の高さにまで持ち上げカタパルトのように肘をおり畳む。

 

「はあああああっ!!」

 

真紅のエフェクトを輝かせながら思い切り『黒聖』を突き放つ。

 

「ヴォーパル・ストライク!」

 

アインクラッド流片手剣ソードスキル、ヴォーパル・ストライク。

それを遠慮せずに可奈美に向けて撃つ。

 

「えっ!?」

 

可奈美はとっさに『迅移』で移動してヴォーパル・ストライクの射線上から立ち退き、ヴォーパル・ストライクは空を貫くだけになった。

それを見た此花さんたちは。

 

「これが、彼の魔法と剣技を合わせた力・・・・・・」

 

「ちなみにだが、君たちは彼のようなことが出来るのかい?」

 

「いえ。ここまで出来るのは零夜くんだけだと・・・・・・」

 

「そうやなあ。シグナムやヴィータも零夜くんには敵わんって言うてたし」

 

「私もムリ・・・・・・かな?ていうか、あれ私となのはの魔法だよね」

 

「うん。いつの間に私とフェイトちゃんの魔法が使えるようになったんだろう」

 

そんな会話をしていた。

僕がなのはとフェイトの魔法を使えた理由は、二人が夜天の書(旧闇の書)にリンカーコアを蒐集されたからだ。

あの時、闇の書を基本的に僕が保持していた。データ閲覧は出来なかったが、聖良が使えたことにより僕も使えるようになった。

まあ、なのはの魔法は基本的に僕が教えていたから簡単だったけど。

 

「まだやる可奈美?」

 

「あ、あはは・・・・・・」

 

僕の問いに引き攣り笑いを浮かべる可奈美。

『黒聖』と『白庭』を軽く回して床に突き立てる。

 

「どうする?」

 

「もちろん、まだやるよ。私の全力、まだ見せてないから!」

 

「了解。それじゃあ、僕も可奈美に合わせて剣術だけで行こうかな」

 

そう言うと、『黒聖』と『白庭』を抜きさっきとは違う構えをとる

左手足は前に、『白庭』をそのまま直線に。左足は少し引いて重心を少し前に倒して、『黒聖』を垂直に右に向けて置く。

意識と呼吸を整え、可奈美も同様に呼吸を整える。

そして───。

 

「「───!!」」

 

僕と可奈美はほぼ同時に動き、その中央でぶつかった。

 

 

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