魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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捜索者

 

〜夜月side〜

 

「えーと。それじゃあ、今日は刀使と一緒に捜索してね」

 

私は予め渡されていたチームの紙を持ち、隣の獅童真希さんに視線を送る。

 

「桜坂が言ったように、ここにいる全員でロストロギアと呼ばれる危険物の《赤羽刀》を捜索する。メンバーはそれぞれチームに分ける。まず、一チームめ。魔導師は高町なのはとアリサ・バニングスの二人。刀使は衛藤と夜見。二チームめは、魔導師はテスタロッサ姉妹。刀使は糸見沙耶香と古波蔵エレン。三チームめは、魔導師は八神はやてと月村すずか。刀使は益子薫と伊南栖羽」

 

「四チームめは、澪奈ちゃんと紅葉ちゃん。刀使は此花さんと六角さん。五チームめは、私で刀使は獅童さんと燕さん。凛華ちゃんと星夜ちゃん、聖良ちゃんはフラクシナスで待機。クライドさんの補佐をお願い・・・・・・だそうです」

 

現在食堂にいる私の前には魔導師組と刀使組がいる。

本来はレイくんが指揮を執るんだけど・・・・・・。今ここにいないし。

刀使は本部長って人からこっちを荒魂討伐と並行して行うように言われてるみたい。もちろん、私たちもサポートに回るよ。

 

「それと、刀使は各自この通信端末を持つように」

 

獅童さんがみんなに渡したものは、私たちの課。特務0課に配備されてる通信機だ。私たちは思念通話が出来るけど、刀使の人たちは出来ないからね。

 

「それでは各チーム捜索に入ってくれ!」

 

『『『了解!!』』』

 

獅童さんの言葉に全員勢いよく声を上げ、それぞれのチームで捜索へと行った。

 

「さて、ボクらチームはこの学院周辺だったな」

 

「ええ。非常時にすぐに指示が送れるようにと」

 

私と獅童さんが会話していると。

 

「えぇー。つまんなぁーい。ねえねえ、零夜くんはどこに居るの?」

 

「結芽、キミは彼女より歳上だろう?少しは歳上らしくしたらどうなんだ」

 

「そう言ってもー」

 

「それに、天ノ宮は今紫様のところだ」

 

「えっ!?紫様のところ?!なんで!?」

 

「なんでも、紫様が直々に話したいことがあるらしい。二人きりでだ」

 

そう。レイくんは今折神紫という人のところにいるのだ。そのため、よほどのことがない限り地上では魔導師の私と刀使の獅童さんが指揮を取り、上空8000メートルで滞空しているフラクシナスではクライドさんが執る。

ま、まあ、レイくん自身も捜索へと行くつもりだったみたいだけど。それはさすがに止めたよ。

 

「ははは。ソラ、イリア」

 

首から下げている魔導書───【アスティルの写本】と【イーリアス断章】に声を掛ける。

 

「んー?なんだ〜マスター」

 

「おはようございます夜月ちゃん!」

 

眠そうにしているソラとシャキッとしているイリア。対称的な二人に私は笑みがでる。二人ともやる時はやってくれるよ?ソラは攻撃系を。イリアはサポートや防御系を。ちなみに、イリアと聖良ちゃんはとても仲良しだ。あ、いや、正確には澪奈ちゃんと聖良ちゃんだね。よく二人で遊んだりしてるし。私とレイくんから見ても微笑ましいよ。

 

「おはようソラ、イリア」

 

「あれ、マスター他のやつらは?」

 

「みんなもう捜索に行ったよ」

 

「ふーん。んで、こっちはこの二人とか?」

 

「うん。あ、イリアはフラクシナスで凛華ちゃんたちの補佐をお願いしてもいい?」

 

「わかりました」

 

イリアは元気よく堪えると周囲から見えないように、私を陰にフラクシナスへと転移して行った。

 

「ソラ、行くよ」

 

「あいよ〜」

 

ソラは気だるそうに返事をしつつ、伸びをして付いてきた。

こうして私たちも捜索を開始したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はああっ!」

 

「───!」

 

「燕さん後ろ!刻々帝(ザフキエル)七の弾(ザイン)〉!」

 

「わかってるよ〜!」

 

「マスター、次五時方向から二体くるぜ!」

 

「ありがとうソラ!凍てつけ、氷結傀儡(ザドキエル)!」

 

「───!!」

 

「次!───貫け!」

 

捜索を初めて数時間後、私たちは森の中で荒魂討伐をしていた。

その数は小型が15。中型が5、とかなりの数がいた。

私たちは連携、もしくは各個撃破で荒魂討伐をしていた。

氷で動きを止めたところを斬り、対象の時を止め斬るなど。魔法でそのからだを穿いたり、二本の皇剣で払ったりとしていた。

そして───

 

「獅童さん!」

 

「ああ!」

 

バインドして拘束したところに、迅移で移動した獅童さんが一刀の元に斬り伏せた。

 

「ふぅ。討伐完了だな」

 

「ソラ、周囲に荒魂はいる?」

 

「いんや。反応はないな」

 

ソラの言葉を聞いて安堵した私は、両手の皇剣を元のペンダントに戻し、戦闘意識を解除する。

 

「んん〜〜!」

 

固ばった肩を伸びをして解しつつ獅童さんを見る。

 

「この荒魂の残骸・・・・・・どうしますか?」

 

「ノロの回収班を今手配している。しばらくはここで待機だな」

 

「なるほど」

 

さすが荒魂討伐のエキスパート。私たちじゃ分からないことを知ってる。

私はそう思いながら、今討伐したばかりの荒魂を視る。

 

「(やっぱり、規格外の能力。天使とアーカイブ接続は効くんだね。レイくんの予測した通りね)」

 

事実、私の能力は荒魂に効いていた。

そもそも、私はレイくんたちみたいにデバイスを所持してない。あるのは、魔導書であるアスティルの写本(ソラ)イーリアス断章(イリア)二人と、皇剣の黒皇剣ジュデッカと赫皇剣カイーナの二人だけだ。天使はそれぞれ武装があるけど。レイくんと私は元々デバイス無しでも戦闘出来る。

そもそもの話、デバイスというのは【補助装置】のようなものであり、並大抵のでは私たちの魔力に耐えられず、逆に壊れてしまう。レイくんは前はデバイスを使用していたみたいだけど、今ではデバイスなど最後に使ったのは、この間のエルトリア事変の時でありそれ以降は聖良ちゃんとのユニゾンするだけで、デバイスを使ってない。というか、レイくんのデバイスそれぞれが独立稼働しているんだよね・・・・・・。みんな基本的に人型でいるし。レイくんはその方が嬉しいみたいだけど。・・・・・・家族が増えて。

私は自前の武装、皇剣や天使があるし、レイくんはもう無茶苦茶というのが言葉に出るくらいの魔導師だからね。武装は普通に作り出すし。断罪の剣や精霊の剣、昨日使ってた黒聖と白庭の剣等々・・・・・・。

 

「もう終わり〜?つまんなぁーい」

 

「あはは。それじゃあ後でレイくんに付き合ってもらったらどうかな燕さん?」

 

「え!?いいの!?」

 

「あー・・・・・・レイくんなら多分喜んで付き合ってくれるんじゃないかな?」

 

燕さんの反応に私は苦笑を浮かべる。

そんなにレイくんと剣を打ち合わせるのが楽しいんだね。私はちょっと遠慮願うけど・・・・・・(理由:接近戦では適わないため)

 

「結芽、敵が今荒魂だけとは限らないんだぞ。もう少し落ち着いていろ」

 

「はぁーい」

 

獅童さんの言葉に素直に従う燕さんを見て、私は獅童さんが燕さんのお姉さんみたいだと思った。思い返してみれば、獅童さんだけでなく此花さんや皐月さんも燕さんのことを心配していたし過保護みたいだった。たぶん、獅童さん達にとって、燕さんは大切な妹みたいなものなんだろう。ちょっと微笑ましく思えた。

そのまま周囲を警戒しつつ話していき。

 

「にしても遅いな・・・・・・。近くの回収班から十五分以内に着くと連絡があったんだが・・・・・・」

 

ふと獅童さんが時計を見て呟いた。

獅童さんの言う通り、連絡してからもう既に二十分以上過ぎてる。確かに少しおかしい。

そう思ったその瞬間。

 

「っ!なんだ!?」

 

「なにっ?!」

 

「これは・・・・・・っ!」

 

「なっ・・・・・・!?」

 

私たちを何かが包み込んだ。

視界は特に変わりないが、空気の感じや魔力を感じることからこれは───。

 

「封絶結界!?」

 

「おいおい。なんでここで封絶結界に取り込まれるんだ!?」

 

すぐさま意識を戦闘警戒に移し、皇剣を現出させる。

 

「桜坂、これは・・・・・・!」

 

「封絶結界です!私たちはこの結界に取り込まれました!」

 

「なんだと!」

 

「真希おねーさん、通信が繋がらないよ!」

 

「なっ・・・・・・!───ボクのもダメだ」

 

「多分、電気系の通信機器はジャミングされて通じない!通じるのは───あった!直通通信!」

 

通信をフラクシナスやなのはちゃんたちに繋げると。

 

『夜月ちゃん!?大丈夫!?』

 

なのはちゃんの班に通信が繋がった。

通信からはなのはちゃんの慌てふためく声と、爆発音が聞こえた。

 

「なのはちゃん、そっちで何があったの!」

 

『私たち今襲われて───!皐月さん!』

 

「なのはちゃん!?なのはちゃん!!」

 

ザザザ、と音がなり通信が切れた。どうやら向こうでなにかあったようだ。

 

「一体何が・・・・・・!」

 

訳が分からないというところに。

 

「マスター、誰か来るぜ!数は五人!」

 

「え」

 

ソラが警戒心を最大にして言った。

 

「獅童さん、燕さん!私の後ろに!」

 

「ええ〜!なんでぇー?」

 

「いいから!」

 

「っ!?」

 

納得出来ないと言った感じだった燕さんも、私の気迫に息を飲み。

 

「結芽、ここは彼女の言う通りにしよう。おそらくボクらでは相手にならない」

 

「真希おねーさん?」

 

獅童さんとともに私の後ろに隠れた。

 

「(ここが封絶結界の中なら、全力でも問題ないよね)」

 

手加減無しだと判断した私は警戒心最大にして、気配のある所へ視線を向ける。

少しして───

 

「あら〜?なんでここに子供がいるのかしらぁ〜?」

 

甲高く、声音の高い女の人の声が響いた。

 

「「「「っ!?」」」」

 

その声を聞いた私たちはすぐに警戒をとる。

私とソラは何時でも戦闘できるようにして。

 

「もしかして、この世界の【刀使】と呼ばれる子供かしらぁ。不運だったわね〜、この封絶結界に呑まれるなんて」

 

クスクスと笑いながら言う女の人。

私はその人から感じる魔力と殺気に警戒心を怠らずに視る。

そしてその後ろに、白いローブを着た人間が四人。その人の後ろにいた。女の人の格好は、赤黒いドレスのような服装にハイヒール。まるで舞踏会に参加する貴族のような服装だ。が、手には一振の赤い長槍が握られている。

 

「あら?そっちの女の子二人は・・・・・・まさか、管理局の魔導師・・・・・・っ?!」

 

私とソラに視線を移した女の人は驚いた眼差しをする。

 

「それにその魔力!ま、まさか、あんた・・・・・・!時空管理局のランクSSSオーバー魔導師の一人!?」

 

動揺が後ろの四人にも伝わるなか、震えた声で女の人は言う。

 

「───魔天使の女王(クイーン・オブ・マギアエンジェリック)・・・・・・っ!!?」

 

なんでこんな所にいるの、とでも言いたげな表情で僅かに下がる。

 

「なぜ、時空管理局最強の魔導師の一人がこんな世界にいるの・・・・・・っ?!彼女がこの世界にいるということはまさか、もう一人の・・・・・・!!───星戦の魔王(メイガス・オブ・ロスティライズ)も・・・・・・っ!!」

 

恐怖で下がる女の人たちに対し、獅童さんと燕さんは後ろで。

 

「ランクSSSオーバー?」

 

「最強の魔導師?」

 

と疑問符を浮かべていた。

 

「ま、不味いわ。こんな所でこんなのに出くわすなんて!」

 

最初の余裕がまったく。微塵も無いところに。

というか失礼だよ。私はこんなのじゃないのに!

 

「貴女、研究会のメンバーね。後ろの四人も。白いローブを着てないことから、貴女中位三翼か下位三翼の上位のメンバーね」

 

そう言う。

研究会のメンバーは、白いローブを着ている構成員は下位三翼と、下っ端中の下っ端だ。しかし、下位三翼でもローブを着てない下っ端ではない構成員もいる。それは下位三翼の中の指揮官クラスの人間だ。下位三翼のメンバーは最高でもランクB++。中位三翼のメンバーはそれぞれ最高Aランク、最低Bランク魔導師。そして、上位三翼はAランクより上の魔導師が所属しているらしい。しかも、上位三翼の序列一位や一部二位の魔導師はオーバーSがいるらしい。レイくんが戦ったクルト・ファレウムはオーバーSランクの魔導師だ。けど、レイくん曰く、まだ実力を隠しているらしい。

が、今目の前にいる五人に関しては、魔力などからあの女の人以外はC+ランク。女の人に限ってはB-。つまり、私一人でも対応が出来る。

 

「(イージーね)」

 

そうほくそ笑みながら相手に問う。

 

「あなた、研究会のどこの所属?」

 

「私は能天使(エクシーア)のリエル・スリアズラよ!」

 

「能天使・・・・・・中位三翼の一番下。序列六位ね。私のことは知ってると思うけど、時空管理局所属、桜坂夜月。あなた達のこと、捕縛させてもらうわ」

 

「っ!なめないで!」

 

声を荒らげると同時に、リエル・スリアズラたち五人はそれぞれデバイスやら武装を構え魔法を発動し───

 

「───っ!?ま、魔法が発動しない!?」

 

───しなかった。

リエル・スリアズラたちは魔法が発動出来ないことに戸惑っていた。

何故魔法が発動出来なかったのかは単純に、この周囲の空間が私の支配下に置かれているからだ。

 

「───広域支配領域(ハイ・インペルマジェスタ)

 

それに。

 

「これは・・・・・・氷か・・・・・・?」

 

私の天使のひとつ、氷結傀儡(ザドキエル)でこの周囲に魔力の氷結領域を展開していたのだ。これらの事から彼女たちは魔法が使えない。もっとも、高位の魔導師に広域支配領域の魔法封じは効かないけど。(理由、一つ一つの支配が大変だから)

 

「これに気づかないなんてね・・・・・・それじゃあ、じゃあね」

 

「「「「「っ!!」」」」」

 

黒氷獄絜伽(コキュートスネイル)

 

氷結捕縛睡眠魔法を発動し彼女たちを拘束する。

が。

 

「へぇー・・・・・・」

 

「なめないでって言ったわよね」

 

一人だけ、リエル・スリアズラだけはその場から離れて、《黒氷獄絜伽》から逃れていた。うん、流石の反応速度だね。

残りのメンバーはその場に崩れ落ち、深い眠りに落ちていた。

 

「ソラ」

 

「ああ。こっちは任せときなマスター」

 

「ジュデッカ、カイーナ。二人もソラとお願い」

 

「わかりました」

 

「はい」

 

現れたジュデッカとカイーナにも任せ、私はリエル・スリアズラと対峙する。

 

「時間が無いから、さっさとやらせてもらうね!」

 

「くっ!」

 

そう言うと同時に私はその場を蹴り、リエル・スリアズラへと接近した。

なのはちゃんの通信からおそらく他の場所にも研究会のメンバーがいる可能性がある。凛華ちゃんたちは大丈夫だと思うけど、なのはちゃんたちは大丈夫じゃないと思う。

フラクシナスとも連絡が取れないことからこの辺りにジャミングや魔力通信妨害が張り巡らされているのは確かだ。急いで片付けて他のチームと合流しないと。

あとは・・・・・・。

 

「(レイくんが早く来てくれるといいんだけど・・・・・・)」

 

そう思いながら、右手に魔力で作った簡易魔剣を出して束を握り締める。

 

「はあっ!」

 

息を吐きながら、身体強化をしてリエル・スリアズラと切り結んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零夜が合流するまで、残り─── 一時間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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