魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語 作:ソーナ
〜なのはside〜
「───っ!」
「くっ!なんなのアイツら!」
「衛藤さん、こっちです」
「は、はい!」
今私たちはかなり危機的な状況に陥っている。
何故なら。
「あははは!何処まで逃げるんだよ管理局の魔導士!オレたちから逃げられると思っているのかよ!」
後ろから何者かに魔法攻撃を喰らっているからです!
正直今までの中で一番ヤバいかも。
「ここは私が・・・・・・。荒魂で目くらましを」
「待ちなさい皐月夜見!それは貴女の身体が傷つくこと前提なのよ!そんなのこのあたしが許さないわ!」
皐月さんが腕を前にして御刀で切りつけようとしたその時、アリサちゃんが険しい表情で皐月さんを止めた。
「問題ありません。大した傷にならないので」
「そういう問題じゃないわよ!あのね、貴女だって女子なの!女子はね、見えないところにも気を使ったりするのよ!大した傷にならないのでじゃないわよ!傷は残るの!例え小さな切り傷でも残るのよ!」
「あ、アリサちゃん落ち着いて」
「なのは、あんたはちょっと黙ってて」
「うぐっ」
いつもと違う様子のアリサちゃんに私はなにも言えなかった。
それは衛藤さんもで、静かにアリサちゃんと皐月さんを見る。
「貴女っていい、なのはっていい、零夜っていい・・・・・・ああ!なんであたしの周りにいる人は全員自分のことを考えないわけ!?」
今までの鬱憤を晴らすかのように言うアリサちゃん。
アリサちゃんの言葉に、思い当たる節が幾つもある私はぐうの音も出ない。
「はぁ。まあ、この話は後にして・・・・・・あたしに策があるわ」
「「「っ!」」」
冷静に、落ち着いて話すアリサちゃんに私たちは息を呑んだ。
「けど、チャンスは一度だけ。恐らく、アイツらは零夜の言っていた天翼の終焉研究会のメンバー。なら、手加減は出来ないわ」
「バニングスさん、策って?」
「あたしとなのはが遠距離からアイツらを攻撃する。その隙に衛藤と皐月がアイツらを不意打ちで倒す。出来ることなら私もやるわ」
確かに、私の魔法構成は遠距離攻撃に片寄っている。フェイトちゃんやシグナムさん、ヴィータちゃんたちみたいに近接戦闘の心得はあまりない。昔、フェイトちゃんと戦った時に零夜くんとユーノ君に基礎的なことは教えてもらったけど。(ちなみに、零夜くんの我流近接戦闘術は誰にも真似出来ないので、除外です)
逆にアリサちゃんは高機動高火力型で、やや近接戦闘に傾いている。
「アイツらをもう少し引き付けるわ。あたしがトラップ魔法を仕掛けるから、なのはは予め遠距離から魔法攻撃の準備をして」
「で、でも、それだとアリサちゃんに攻撃が」
「心配ないわ。あたしたちは零夜に鍛えられてるのよ?なら、並の魔導士の攻撃くらい避けられるわ。それに、アイツらは今までの攻撃から、直接ではなく間接的に・・・・・・あたしたちを動けなくさせることが目的のようね。なら、問題ないわ」
未だに放たれる魔法弾をチラッと見ながらアリサちゃんはそう口にする。
「二人は対人戦。出来るわよね?」
「え、うん。御前試合とかあるし、私たち刀使は荒魂討伐以外にも何かと駆り出されるから」
「もっとも、メインは荒魂討伐ですが」
「OK。じゃあ、作戦を伝えるわね」
そう言って、アリサちゃんは炎の隠蔽魔法を行使しながら作戦を話し始めた。
「───いい?」
「う、うん」
「わかりました」
「まかせて」
「もう一回言うけど、チャンスは一度きり。失敗は許されないわ。これは命を懸けた戦いよ。心して!」
「「「っ」」」
アリサちゃんの真剣な言葉に私たちは小さく頷いた。
そしてそれと同時に零夜くんと夜月ちゃんが体感していたことがわかった。今のこれ。この状態が、二人がいつも体感していた感じ。命と命のやり合いなのだ。そして、零夜くんはそれを二年前の、あの闇の書事件の際からヴィータちゃんたちとしていたんだ。この殺伐とした空気を・・・・・・たったの九歳の時から。あれ、零夜くんの精神年齢って十八歳くらいだったけ?まあ、兎に角、零夜くんの強さはここから来ているのだろう。
「五秒後に始めるわ。いいわね」
再びアリサちゃんの言葉に私たちは頷き。
「三・・・二・・・一・・・作戦開始!」
アリサちゃんの声に、私は奥の方へと低空飛行で飛び、衛藤さんと皐月さんは左右に分かれる。そしてアリサちゃんは。
〜なのはside out〜
〜アリサside〜
なのはたちが散開したのを確認してあたしはブルブルと震える脚を抑え、深呼吸してアイツらの前に出た。
「そこまでよ!大人しく投降なさい!」
「ああん?ガキの魔導士が一人?しかも女かよ」
数は四人。その内前に出ていた男はなんかチンピラっぽいけど、ガタイの感じから歴戦の猛者とも言える空気を感じた。後ろの三人は白いローブを纏っている。つまり、あの一番前にいる男がこの四人の中で一番強く、リーダーというわけだ。
「(ふぅ。落ち着きなさいあたし。訓練を思い出すのよ)」
あたしは顔に出さないようにして、零夜と特訓の日々を思い出した。
「(あたしはやれる!)」
何時もの自信を持ち、目の前の四人に向かって声を出す。なのはたちはの注意をあたしに移すために。
「アンタたちの相手はこのあたしよ。時空管理局特務0課所属の私がね!」
「あ?特務0課だと?それって、ま、まさか・・・・・・・!」
「が、ガラ様!まさか時空管理局の特務0課というのはあの・・・・・・!」
「落ち着けオマエら。こんなチンケな管理外世界に特務0課の連中がいる訳がねえ。それに例えヤツがいるとしても、もう遅せぇよ」
「あら、それはどういう意味かしら?この状況からアンタたち以外にも居るわね」
「だとしたら?」
「いえ、ならアイツの部下であるあたしたちが負けるわけにはいかないわね!」
「ハッ!威勢だけはいいなガキ!てめぇ・・・・・・名前はなんだよ」
「時空管理局本局所属、特務0課のアリサ・バニングスよ!アンタは?」
「
「ええ!アンタたちを捕らえて、アイツに自慢してやるわ!」
「ハッ!なら、掛かってこいや!時空管理局の魔導士!!」
「言われなくても!!」
声に出すと同時に、あたしの炎熱を魔力として溢れさせる。それは相手のガラ・ルヴァリアもで。
「いくわよ!フレイムシューター!」
幾つ物の魔力弾を作り出し放つ。真っ赤な魔力弾は素早い速度でガラ・ルヴァリアらに向かって飛んでいく。
「ふんっ!」
飛んで行った魔力弾をガラ・ルヴァリアは右手を前に突き出して、障壁で受け止める。
「中々な威力だ。・・・・・・だが、まだ足りないな!」
「っ!」
返ってきた砲撃をあたしはとっさに右に避ける。
「(・・・これが、アイツらの魔法・・・・・・!術式はミッド式ね。並大抵の魔導士ならやられてるわね、これ・・・・・・)」
砲撃から情報を処理し次に備える。
師である零夜からは、戦闘中は立ち止まるな、常に動き回れと言われている。だから───!
「(接近戦は難しい!なら、ムンドゥス・マギクス式で!)」
瞬時に次の一手を判断し、起動キーを唱える。
今いるこの辺りは結界に被われてる。つまり、現実世界には影響はでない。なら───!
「悪いけど、手加減無しで行かせてもらうわね!アグニス・ラルタス・スティングル。焚けれ、猛れ、業火に焼かれ身を焦がせ!灼熱業火の焱よ、荒れ狂いなさい!」
「なにっ!?」
あたしの唱える呪文に聞いたことがないガラ・ルヴァリアたちは動揺を隠せずにいる。まあ、それは当然か。
範囲指定をして、終の言葉を発する。
「―――
あたしは炎熱変換資質を持っていることから、炎系統の魔法が得意だ。そして、ムンドゥス・マギクス式の炎系統の魔法を自分でアレンジした。そのひとつがこの、炎攻撃魔法―――『炎極の鎮煌姫』。モデルはムンドゥス・マギクス式の炎系統上位魔法『
地面に描かれた魔法陣から灼熱の炎が吹き出し攻撃する。それが、『炎極の鎭煌姫』。
『炎極の鎭煌姫』が発動している隙に、あたしはその場から離れるようにする。
「(そろそろあの二人の幻影が消える頃ね)」
目標地点まではあと一五〇メートル。
あたしはそこまで駆ける。
その後ろで。
「ハッ!いい炎だ!このオレに傷を負わせるとはな!」
「っ!」
「どこ行こうとしてんだ?逃がさねぇよ!」
「くっ!」
一瞬で距離を詰められたあたしは咄嗟にデバイスのフレイムハートを刀形態の《フレイムアイズ》にしてガラ・ルヴァリアの突き出した短剣を受け止める。
「ほおっ。いい反応だ。気に入ったぜ!」
「気に入らなくて結構だわ!」
鍔迫り合いから重心を後ろに下げてそのまま後ろに下がる。
「連槍・炎の82槍!」
後ろに下がりながら、炎の槍を放つ。
そしてさらに。
「《弾けて・吹き飛べ》!」
即興呪文で発動した炎の矢を繰り出す。
即興呪文は基本難しいって言われていたけど、あたしは修練の末、簡単な魔法だったら呪文を即興して発動出来るようになった。零夜だったら上位クラスまで出来るみたいだけど。
「(ホント、今更ながら零夜ってとんだ化け物レベルよね。普段はあんなに唐変木の朴念仁なのに、いざって時はカッコイイんだから)」
そんなことを考えながら目標地点まで行く。
「(あと少し!)」
あと少しで目標地点のはずだが───
「なぁ、何企んでんだ?」
「っ!?」
いつの間にか目の前にいたガラ・ルヴァリアに驚き大きく後ろに飛んだ。
「いつの間に・・・・・・!」
「おいおい。オレをあまり舐めんなよ?さてはてめぇ・・・・・・実戦経験があんまりねぇだろ?」
「っ!」
「はっ。図星か」
コイツの言う通り、あたしには・・・・・・いや、あたしたちには実戦経験が全くって言うほどではないが、ほとんど無い。しかも、今回の任務は初めての他世界での任務。零夜は以前一人だけの時に聖良たちとともに他世界に言ったようだけど。
まあ、それは置いといて。
「だったらなに?」
言葉を発しながら、微調整をする。
ここはギリギリ目標地点の範囲に入る。あとは、その目標地点の場所を変え、コイツら全員をターゲットにして。
「どうせ、トラップでも仕掛けて居るんだろうが、残念だったな。オレたちには通じねぇよ」
「(よし、これで入った!)あら、それはどうかしらね?」
「なに?」
「あたしの魔法の師が誰か知らないの?あたしの・・・・・・いえ、あたしたちの魔法の師匠はあの
「なっ!」
「掛かったわね!」
あたしがニヤリとすると同時にあたしを中心に半径四メートルほどの魔法陣が展開され。
「今よ!」
あたしが飛ぶと同時に遠くからなのはのスタンモードでのディバインバスターがガラ・ルヴァリアたちを襲った。
「く・・・・・っ!ちょ、長距離砲撃だと?!」
「「「ぐああっ!!」」」
「───
さらに地面の真っ赤な魔法陣から炎の柱が立ち上り、ガラ・ルヴァリアたちを呑み込んだ。
そしてそこに。
「はあっ!」
「やああっ!」
両側の森から皐月と衛藤が飛び出して、収束した白煙の中に入り瞬く間に三人を行動不能。気絶させた。
だが。
「ふっ!」
「「っ!」」
ガギンッ!と音がなり、衛藤と皐月の二人が下がり、白煙の中から。
「まさかオレ以外の三人をやるとはな。これはさすがに予想してなかった」
ただ一人、ガラ・ルヴァリアだけは所々ジャケットが破れていたり、焦げ付いていたりしているが、ほぼ無傷とも言えるような状態だった。
「さてと。中々な作戦だったが、あと一歩足りなかったな。だが、てめぇらの作戦に驚かされたのは事実だ。ハッ!褒めてやるよ」
「アンタに褒められても嬉しくないわ」
「そうかよ」
はぁ、と息を吐くガラ・ルヴァリア。
「───遅せぇよ」
「っ!───ガハッ!」
一瞬で皐月の正面に肉薄したガラ・ルヴァリアはそのまま皐月を蹴り飛ばして背後の樹に打ち付けた。
「「っ!?」」
一瞬の出来事に反応できなかったあたしたち。
「まずは一人。次は・・・・・・」
「!衛藤!」
衛藤に視線を向けたガラ・ルヴァリアに気づいたあたしは、衛藤の前に移動して障壁を張る。が。
「な・・・・・・っ!!」
「アリサちゃん!?」
あたしの張った障壁は簡単に壊され、あたしと衛藤は思いっきり吹き飛ばされた。
「くっ・・・・・・!」
「だ、大丈夫アリサちゃん」
「え、ええ」
あたしと衛藤はなのはのすぐ近くにまで吹き飛ばされ、皐月との距離が大きく開いた。
「アリサちゃん!可奈美ちゃん!」
「なのは!」
「なのはちゃん!」
「アリサちゃん、皐月さんは?!」
なのはがあたしたちに聞いてきたところに。
「皐月ってのはこのガキのことか?」
「!皐月さん!」
ガラ・ルヴァリアが皐月を掴んでやってきた。
「離して、くだ、さい・・・・・・!」
途絶え途絶えに言う皐月。
「悪いけど、しばらくそうしてもらうわ」
冷めた眼差しで返すガラ・ルヴァリア。
そんなところに。
「なら、今すぐ彼女を解放してもらうわね」
一人の女の子の声が響き渡った。
「っ!?誰だ!」
「今の声・・・・・・!」
「この声もしかして・・・・・・!」
辺りを見渡すガラ・ルヴァリアと今の声に心当たりのあるあたしたち。そして。
「
「な・・・・・・っ!」
左手に鍵のような錫杖を持ち、右手にはフリントロック式の古式銃を握った夜月がガラ・ルヴァリアの後ろから現れ、瞬く間にガラ・ルヴァリアの動きを封じ、皐月を解放した。
「さてと。大丈夫?」
「は、はい」
「そう。よかったわ。じゃあ、三人のところに行ってて」
夜月はそう言うと、まるでそこだけ時が止まっているように微糖打にしないガラ・ルヴァリアに視線を向けた。
「さ、皐月さん!大丈夫ですか!?」
「はい。問題ありません」
衛藤の言葉に淡々と答える皐月。だが、疲れているのが目に入る。
「夜月、あたしたちも!」
「大丈夫よ。問題ないからねアリサちゃん」
こっちを向かないで普通に、いつもの様に返す夜月。
正直、夜月からはとてつもない殺気を感じる。今のあたしたちでは敵わないわ・・・・・・。
そう思っていると。
「───っ!な、いつの間に・・・・・・!」
ガラ・ルヴァリアは再び動き出し、状況が理解できないのかアタフタとしていた。
「はじめまして、かな?私の名前は桜坂夜月。時空管理局本局所属、特務0課のNo.2って言った方が分かるかしら?」
「な、No.2・・・だと・・・・・・!!?」
「ええ。悪いけど、いきなり最後通告させてもらうわ。今すぐこの星から立ち去りなさい。他の人たちも一緒にね」
「・・・・・・断ったら?」
「そうねえ。そうなったら、私があなたを捕まえるわ」
夜月の言葉に、ガラ・ルヴァリアはもちろんのこと、あたしたちも緊張が走る。有言実行。夜月ならやりかねない。
しばしの沈黙の後。
「はぁ。わぁった。言う通りにする」
ガラ・ルヴァリアは短剣を仕舞い、溜息を吐いて言った。
「そう」
「だが、他の連中は知らん。好きにしろ」
「あら、意外」
「うっせぇ。ったく、んでこんな所にテメェらがいんだよ・・・・・・。この命令を出したのは・・・・・・、いや、まさかな・・・・・・」
「?」
「なんでもねえ」
「そう?あ、そうそう。この人もついでに持って帰る?」
「あ?」
そう言って夜月は足元の影の中から、拘束されてる女の人を出した。え、あの影どうなってるの!?あれ、そう言えばさっき夜月が現れた時、どうやって現れたの?
「はっ!?えっ!?り、リエル!?」
「あれ、お知り合い?」
「いやいやいや!リエルは能天使の中でも上位に位置する魔導士だぞ!?まさかやられたのか!?」
「私を相手にするには、まだレベルが足りなかったわね」
「ば、バケモノかよ・・・・・・!」
ガラ・ルヴァリアの言葉にはあたしたちも同意する。正直、夜月と零夜はバケモノ級の強さだ。
「ぐっ・・・・・・ガラ。すまない、まさか彼女の強さがあそこまでとは・・・・・・」
「構わない。オレも、アイツを相手に手間取ったからな」
ガラ・ルヴァリアの視線を受けたあたし。
「ま、本来なら二人とも捕らえるんだけど、あなたたち中々見どころがあるわ」
そう言うと夜月は信じられない言葉を口にした。
「ねえ、あなたたち二人とも、ウチに来ない?」
「「「「・・・・・・はぁっ!?」」」」
「え、ちょっ!よ、夜月!?何言ってんのよあんた!」
「リエル・スリアズラの強さは私自身が確認したし、ガラ・ルヴァリアはアリサちゃんたちが確認したでしょ?」
「それはそうだけど!犯罪者を引き入れるの!?」
「犯罪者っていう意味では、レイくんも元犯罪者よ?知ってるでしょ、闇の書事件のこと」
「「っ!」」
確かに、零夜もはやてのため仕方が無いとはいえこの全ての次元世界を敵に回した一時とはいえ犯罪者だった。当時のあたしは全く知らなかったけど、あの時零夜がよく学校を休んでいたのは病気ではなく、はやてのためだった。
正直、はやての事が少し羨ましい。病気の件は無しにしても、あたし達のなかで一番アイツを知っているのははやてだ。それが何処と無く羨ましい。そしてそれと同時に、あたしの胸に痛みが走る。
「テメェ・・・・・・オレたちを引き入れてどうするつもりだ?」
ガラ・ルヴァリアの問いに夜月は。
「別に。ただの戦力増強よ。ただでさえ私たちのところは人手が少ないから。もっとも、承認は私じゃなくてレイくんと統幕議長なんだけど」
そう。夜月の言う通り、承認するには零夜と統幕議長さんの承諾が必要。
「(夜月、何を企んでいるの?)」
敵であるはずの二人にそんな提案をする夜月に、あたしは不思議に思った。
「まあ、いいわ。どっちでも。ウチに来たかったら何時でも連絡して。ただし、よく考えてね。あなた達のした罪が消えることはないんだから」
そう夜月が言うと、ガラ・ルヴァリアと女の人は立ち去って行った。
「さて。みんなの回復をしないとね」
「いやいや!そんな場合じゃ!」
「大丈夫。すでに『私たち』を向かわせているから」
「「「「え?」」」」
夜月の言った言葉の意味が分からず、あたしたちは一言疑問声を出したのだった。
〜アリサside out〜
〜零夜side〜
「はあっ!」
幾多破壊したか分からない中、僕は最前線でこの研究会の機械群と戦っていた。
「ったく!数は無駄に多いいね!」
機械群のサイズは人型である中型と、数は多くないが巨大な大型がいる。
「きゃあっ!!」
「っく!頭を下げて!」
殺られそうになっていた刀使に言い。
「魔法の射手・集束・光の101矢!」
高速詠唱で魔法を発動。撃つ。
「負傷者は最優先で後ろに!無理に倒そうとはしないで!」
強い口調で、周りに拡散するように言う。
「(落ち着け!ヤツらはここにこんなのを送り込んできたってことは、恐らくここにある何かを奪いに来たって事だ。なんだ?何を奪いに来たんだ・・・・・・?この世界にしかないもの・・・・・・それって荒魂・・・・・・?ならヤツらは荒魂を奪いに来た・・・・・・?いや、荒魂討伐は簡単だろうけど、回収は出来ないはずだ。なら、僕らと同じくロストロギアか?けど、この鎌府女学院・・・・・・刀使たちの総本部にコイツらを仕掛けてきたってことはここにあるもの・・・・・・いや、まてよ。確かここにはノロの貯蔵庫が・・・・・・)まさか・・・・・・!」
背筋に冷たい汗が流れる。
そこに。
「おい、おまえ!」
少し離れたところから少し高圧的な、注意を喚起する女子の声が聞こえてきた。
声を発したのは、翠の制服。平城学館の生徒だ。
しかし、声が聞こえてきたと同時に僕は───。
「───邪魔だ」
僕を襲って来た。いや、襲おうとした機械を破壊した。
「なっ・・・・・・!なんだ今のは・・・・・・!」
唖然とする声を掛けてきた女子。その女子に。
「十条さん!」
「!舞衣か!」
可奈美と同じ、美濃関学院の制服を着た子だ。
多分可奈美と同じくらいの年齢だと思うんだけど。
《うわぁ。すっごい胸ね・・・・・・》
「(何故そこに注目するの・・・・・・)」
突然頭の中に声が響いた。
《だって、あの子。多分中学生くらいだと思うんだけど、その割には発育がいいというか》
「(・・・・・・・・・)」
《どうしたの?》
「(あ、いや。はやてがあの子と遭遇したら絶対なにか起こすなぁーって)」
《・・・・・・否定出来ないわね》
「(まあ、それは置いといて。一気に片付けるよ)」
《はい》
会話を終わらせると、僕は地面を蹴って空に上がり。
「───
空から、眼下にいる機械群すべてにバインドを仕掛け動きを封じる。
「さて、一撃で終わらせる」
そう、一言呟き、術式詠唱と術式記唱の
「───
と。