魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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白舞の剣魔

 

〜???side〜

 

「ふぅ。やはり、この世界の文明ではこの程度ですか」

 

妨害のつもりなのか、自分に向かって攻撃してくる警備ロボットを魔力弾と両手の刃で破壊する。

周りや背後にはその残骸が残されている。

 

「表は・・・・・・おかしいね?反応消失?いえ、存在を消滅されたということ・・・・・・?。アイツが仕込んでいた魔力爆発も起こってないようですし・・・・・・ん?」

 

出口へとただ歩くと、目の前に一人の少年が此方へと向かってくるのが見えた。

 

「ふっ。なるほど」

 

その少年を見て、全て理解した。

あの少年は───

 

「はじめまして。管理局の魔導師・・・・・・いえ、『星戦の魔王(メイガス・オブ・ロスティライズ)』と言った方がいい?」

 

自分たちの敵だ。

 

〜???side out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜零夜side〜

 

 

迎え撃つ為に歩いていると、反対側から両手に短剣を二本。双短剣を携えた人物が現れた。

 

「はじめまして。管理局の魔導師・・・・・・いえ、『星戦の魔王(メイガス・オブ・ロスティライズ)』と言った方がいい?」

 

その人物は僕から離れた距離で立ち止まり言葉を発してきた。

僕も相手と同じくその場で歩みを止め。

 

「ええ」

 

相手の言葉に返す。

 

「はじめまして。知ってるみたいだけど、僕は時空管理局本局所属、特務0課室長の天ノ宮零夜。お見知り置きしなくてもいいよ」

 

「ふふ。そんなつれないこと言わないで欲しいな。じゃあこっちも言っておこうか。・・・・・・自分は天翼の終焉研究会(ラストヘブンオーダー)序列三位。上位三翼が一翼座天使(オファニア)のメイラ・アールストレイン。キミにはこの名の方が分かるかな?自分のまたの名は───『白舞の剣魔のメイラ』」

 

「っ!『白舞の剣魔のメイラ』・・・・・・!?」

 

目の前の人物。女性───メイラ・アールストレインの二つ名に僕は目を見開いた。何故ならその名を聞いた事あるからだ。

メイラ・アールストレイン───『白舞の剣魔のメイラ』。彼女は元時空管理局の魔導師。それも、数少ないランクオーバーSの魔導師だ。いや、だった。

 

「その表情、どうやら自分の事を知ってるみたいね」

 

「ええ・・・・・・。メイラ・アールストレイン。・・・・・・元時空管理局地上本部所属。首都防衛航空武装隊第108部隊のエース魔導師。階級は一等空尉。華麗なる双短剣の担い手にして、当時の魔導師の中でトップにはいる実力の魔導師」

 

「ええ」

 

「しかし、数年前に起きた首都郊外での事件の際部隊は壊滅。生存者及び原因は不明。そして、その事件は未解決事件として処理されてる」

 

「その通りよ・・・・・・」

 

「何故貴方が研究会に!」

 

以前見た彼女の経歴からしたら、研究会になど絶対協力しないはずだ。しかも、上位三翼ということはかなりの地位がある。

 

「・・・・・・復讐・・・・・・いえ、償いよ。みんなの」

 

「償い?」

 

「ええ。自分のせいで部隊のみんなは亡くなった。そのね」

 

彼女は悲痛の声を出した。

 

「・・・・・・」

 

「あなた達は研究会が悪。外道魔導師の集団とか言ってるけど、それは一部の派閥の連中だけ。自分たちはそこまで外道ではない」

 

「なに」

 

「自分たちの目的はあの老害・・・・・・みんなを亡き者にしたあの老害ども・・・・・・!」

 

「老害ども・・・・・・まさか・・・・・・!」

 

彼女の言葉に僕はハッ!する。

つまり、その事件を引き起こしたのも・・・・・・。

 

「・・・・・・喋り過ぎたわ。さぁ、そこを退きなさい」

 

「・・・・・・嫌だって言ったら・・・・・・?」

 

「悪いけど、無理矢理通らせてもらう」

 

「・・・・・・!」

 

メイラは腰の双短剣を取り出して構え、濃密な殺気放った。殺気を感じ僕は意識を切り替える。

 

「なら、僕はあなたの前に立ちはだかります」

 

「いいでしょう。かかって来なさい後輩」

 

「っ!」

 

そう言うやいなやいきなり斬りかかってきたメイラの攻撃を瞬時に黒聖と白庭で受け止める。

 

「ほう・・・・・・今のを止めますか」

 

「いきなりはないでしょう、センパイ・・・・・・ッ!」

 

ガキンッ!と甲高い音がなり、両者にまたしても距離が離れる。

 

「目的の為には手段を選ばずにはいられない。それが人の摂理!」

 

「っく!」

 

壁を蹴って横からの切りつけをバックステップで下がる。

 

「だからって、無関係の星の人たちを巻き込んでいい理由にはならない!あなたなら知ってるでしょ!」

 

バックステップから右足に重力を掛けて、一気に飛び出す。

 

「そんなこと知ってる!けど、自分の目的のためなら、自分は・・・・・・!」

 

「くっ!」

 

体術も織り込んで迫る双短剣に僕は顔を顰める。

短剣は一撃の威力がやや低い代わりに小回りの利く武具なのだ。

対して僕の剣は長剣。

 

「はアッ!」

 

「───!」

 

メイラに向けてムーンソルトで意識をずらさせ、片手剣ソードスキル《バーチカル・スクエア》四連撃を繰り出した。

しかし。

 

「っ!氷?!」

 

僕とメイラの間にいつの間にか氷の壁があり、《バーチカル・スクエア》はその氷の壁に当たった。

 

「ふぅ。なるほどね。まだ年端もいかない子供に何故特務三佐という高階級が与えられたのか疑問だったけど、納得したわ」

 

氷の壁が消え、そこからメイラが現れる。

 

「自分から言わせてもらうと、後輩くんには特務三佐なんてまだ低過ぎるわ。まあ、ミゼット統幕議長の配慮でしょうけど」

 

メイラの言葉を聴きながら、僕は油断しないようにしていた。

 

「ああ、そうだ。後輩くん、一つだけ伝言をお願いしてもいいかな」

 

「伝言?」

 

突然のその言葉に僕は唖然とする。

 

「そう。ミゼット統幕議長に」

 

「ミゼットさんに?」

 

「ええ。【自分は修羅の道を行く。あなたから教えて貰ったことは今でも自分の大切な宝物です。けど、自分は自分の目的のためにやります。申し訳ありません先生】と」

 

「先生!?」

 

正直頭の整理が追いつかない(いや、追いついてはいるけど)。

 

「どういう事?あなたミゼットさんとなんの関係が・・・・・・」

 

「言葉通りの意味。さぁ、これで話は終わり。いくよ、後輩くん」

 

「まだ話を・・・・・・!」

 

「必要ない・・・・・・!いくよ、凍雪の双劔(ミーチェリア)!」

 

メイラの声に呼応するように、メイラの持つ双短剣に淡い水色の光が迸った。

 

「っ!来たれ(アデアット)!」

 

距離を取ってアーティファクトの世界図絵を顕現する。

顕現するなり、メイラの双短剣を検索する。

検索結果は───。

 

「(なっ!?ロストロギア?!しかも準Sクラス!)」

 

データに僕は目を見開く。

世界図絵の能力は検索。しかも、これ一冊で管理局の無限書庫に匹敵するのだ。

 

「(管理局時代の彼女には無かった。なら、この十数年の間に!)」

 

声に出さないで舌打ちする。

しかしデータは少ない。

なら───。

 

「はあっ!」

 

やるしかない!

双剣に断罪の剣を付与して再び地を蹴る。

 

「!速い!」

 

速度はさっきのより段違いに速い。

何せ瞬動を使ったのだから。短距離ならば、身体強化、脚力強化魔法よりこの瞬動の方がいい。

 

「っ・・・・・!」

 

一瞬で距離を詰めた僕の剣はメイラの双短剣の刃の柄に辺り金属音が高く鳴る。

 

「ちっ!」

 

初撃を防がれ舌打ちする。

追撃はせず距離を取り。

 

「リク・ラク・ヴィシュタル・ヴォシュタル・スキル・マギステル。来たれ氷精、爆ぜよ風精!氷瀑(ニウィス・カースス)!」

 

メイラに向けて氷瀑を放つ。

 

「っ!凍雪の双劔!」

 

対するメイラも凍雪の双劔の能力なのか、氷の槍を下から突き出した。

その間には既に僕は次の詠唱に入っていた。

 

「リク・ラク・ヴィシュタル・ヴォシュタル・スキル・マギステル!魔法の射手・連弾・雷の101矢(サギタ・マギカ・セリエス・フルグラーリス)!」

 

雷系統の魔法の射手で多段攻撃を行う。

 

「なっ・・・・・・!」

 

メイラはさすが元エース。魔法の射手の雨を上手く避けていた。

しかし、この場所では僕が圧倒的に不利だ。

何せこの場所は狭いのだ。あまり派手な魔法は使えない。

そんな考えをしていたからか、メイラは。

 

「この場所狭いわね・・・・・・場所を変えましょう」

 

と言った。

どうやらメイラも同じことを思っていたようだ。

 

「そうですね」

 

僕も返し、僕とメイラに魔法陣を展開して転移する。

転移した場所は鎌府女学院の外だ。

 

「ここなら思う存分に出来る」

 

「ええ」

 

再び構えを取り、僕とメイラは火花を散らせる。

まず最初に仕掛けたのは───

 

「リク・ラク・ヴィシュタル・ヴォシュタル・スキル・マギステル!」

 

僕からだ

 

「集え氷の精霊。槍もて迅雨となりて敵を貫け!」

 

呪文を詠唱し。

 

氷槍弾雨(ヤクラティオー・グランディニス)!」

 

氷槍の雨を降らせる。

氷槍は地面を穿つように鋭い。

 

「ちっ!」

 

メイラも魔力弾で反撃してくるが、如何せん数はこちらが多い。

幾らかの氷槍がメイラの身体をかする。

しばらくして氷槍弾雨が止み。

 

「はぁ。なんていう威力の魔法・・・・・・」

 

「そっちも。まさかまだ動けるなんて」

 

正直氷槍弾雨を受けて動けるのは驚きだ。

なにせ今までの者はこれを受けて動けたことがないのだから(例外はあるけど)

 

「仕方ないね。自分も本気で行かせてもらうよ」

 

そう言うとメイラは目付きを鋭くした。

 

凍雪の双劔(ミーチェリア)、フルドライブでいくよ」

 

メイラの言葉に反応するように、メイラと凍雪の双劔から凄まじい魔力の風が吹き上がった。

 

「っ!?」

 

《これは・・・・・・!》

 

「行くからね、後輩くん・・・・・・!」

 

「っ!」

 

「凍れ!」

 

メイラの声と同時に辺りに冷気が漂い、僕を襲って来た。

 

「っく!」

 

咄嗟に後方に飛んで下がる。先程まで僕がいた所は巨大な氷柱があった。

 

「っ!?」

 

「次いくよ」

 

その言葉が聞こえると同時に、僕の周囲を氷の槍が取り囲んでいた。

 

「いつの間に・・・・・・!いや、違う、これは・・・・・・!」

 

僕の自問に答えたのは。

 

《まさか、大気中の水分を瞬間冷却させた!?》

 

僕の中にいるミリアだ。

僕とミリアの答えは同じだった。

世界図絵にはデータ不足だからなのか詳細なデータは無かったが、能力は氷と書かれていた。けど、まさか大気中の水分に干渉するとは思わなかった。

 

「防がないと死ぬよ?」

 

「っ!」

 

言葉と同時に放たれた氷の槍。

躱すこと不可。反撃不可。ならやれることは一つだけ。

 

「っぐぅ!」

 

常時展開してる多重障壁で防ぐしか無い。一応保存(ストック)してある術式の中には防御(プロテクト)反撃(カウンター)のものがあるが、発動するよりも先にメイラの氷の槍が僕を貫くだろう。

回復(ヒール)術式(マクロ)はあるが、この波状攻撃には恐らく回復の方が持たない。

氷の槍を多重障壁で受け止めていると。

 

「っ!?(三層までが破壊された!?)」

 

五重に多重展開している障壁の内、三層までが破壊された。

 

「(ミリア行ける?)」

 

《ええ。問題ないわよ》

 

「(了解)」

 

ミリアに確認して、僕は小さな声で術式を詠唱に入った。

 

「リク・ラク・ヴィシュタル・ヴォシュタル・スキル・マギステル。疾く来れ、雷精と氷精よ。迸りて煌めけ、白雷の閃光。凍源表土の果てに、素はありたる。永久凍土の氷塊。我が望むは静寂。終わりなき闘争の果てにある勝利の綺羅星。この手に宿りて、我が敵を討滅せよ。───白氷の天雷星(アイテール・アストラムアルブム)!」

 

氷の槍が終わると同時に詠唱が終わり。

 

「っ・・・・・・!?うそ・・・・・・?!」

 

固定(スタグネット)掌握(コンプレクシオー)術式兵装(プロ・アルマティオーネ)───氷霸白雷星(クリュスタリネー・アルビカンステラ)

 

蒼白い輝きを纏って、メイラの前に姿を現した。

驚く表情を浮かべるメイラに。

 

「今度はこっちの番です」

 

と言い、一歩を踏み出す。

 

「がはっ・・・・・・!?」

 

その一歩で僕はメイラの腹部に拳を叩き込んでいた。

なんとか体勢を整えたメイラは左膝を地に着き。

 

「今のはクイックムーブ・・・・・・!?いや、違う。それより速い・・・・・・!しかも氷・・・・・・?!」

 

回復しながら呟いた。

 

「瞬動術を知ってるんだ」

 

「瞬動?ああ、クイックムーブのこと?」

 

「ええ」

 

「まあ、自分もクイックムーブは出来るからね。もっとも、習得に困難したのだけど」

 

目を少しだけ細めてメイラは僕を検分するように観てくる。

 

「なるほど。それがあなたを最強と言わしめる、希少能力(レアスキル)

 

納得したように言い、メイラは双短剣を構える。

 

「本気で相手する」

 

「同じく」

 

メイラの言葉に僕も黒聖と白庭を構える。左脚を前に出し、右脚は一歩半下げて重心を落とす。右手の黒聖と左手の白庭の剣先が交差するように構え。

 

「「───っ!」」

 

同時にその場から消えた。

互いに同時に瞬動したのだ。

 

「はアッ!」

 

「せアッ!」

 

双剣と双短剣を打ち合わせ目に見えない速度で切り結ぶ。

切り結びながら。

 

「クロスファイア───バースト!」

 

「っ!アクセルシューター、バニシングシフト!」

 

高密度の魔力弾を放つ。

 

「凍雪の双劔!」

 

術式解放(エーミッタム)───雷の斧(ディオス・テュコス)!」

 

メイラの放った氷の刃を『雷の斧』で相殺。

 

「術式解放!───雷神の一刀閃(メギンギョルズ)七戟閃(セブンズエッジ)

 

黒聖から雷系統の魔法の斬撃に七閃繰り出す。

 

「くっ・・・・・・!」

 

メイラは七撃の魔法の斬撃を身を翻すようにして避ける。

 

「せっ!」

 

「ふっ!」

 

脚を地面に着けて地上戦を行う。

右から振り下ろされた短剣を左に避け、足祓いをジャンプで躱す。そのまま回転をつけて、左から薙ぎ払いを仕掛ける。

メイラはそれを障壁で受け止める。が、障壁はほんの数秒拮抗して砕け散る。しかし、その間にメイラはバックステップで距離を取り、魔法を放つ。

 

霧散せよ(バニッシュ)!」

 

術式詠唱省略を行い、迫り来る魔法を霧散させる。

そのまま瞬動で近づき。

 

「リク・ラク・ヴィシュタル・ヴォシュタル・スキル・マギステル!来れ雷精(ウェニアント・スピーリトゥス) 風の精(アエリアーレス・フルグリエンテース)!」

 

平行詠唱に入る。

双剣を自在に操りながら詠唱を行う。

 

雷を纏いて(クム・フルグラティオーニ) 吹きすさべ(フレット・テンペスタース)南洋の嵐(アウストリーナ)!」

 

肉薄し掌底を喰らわせ、距離を取り。

 

「─── 雷の暴風(ヨウィス・テンペスタース・フルグリエンス)!!」

 

放たれた『雷の暴風』は一直線にメイラへと迫る。しかし。

 

「───っ!凍雪の双劔!」

 

突然メイラの目の前に氷山のような氷の壁が現れ、直撃を阻んだ。

 

「なら───!リク・ラク・ヴィシュタル・ヴォシュタル・スキル・マギステル!影の地 統ぶる者(ロコース・ウンブラエ・レーグナンス) スカサハの(スカータク)我が手に授けん(イン・マヌム・メアム・デット) 三十の棘もつ(ヤクルム・ダエモニウム) 愛しき槍を(クム・スピーニス・トリーギンタ)!─── 雷の投擲(ヤクラーティオー・フルゴーリス)!」

 

貫通力のある『雷の投擲』を高速詠唱して五秒も経たずに撃つ。

 

「マズいっ・・・・・・!」

 

貫通力の高い『雷の投擲』は氷の壁を貫通した。が、メイラはすぐさま上空に逃げ直撃を避けた。氷の壁を貫通した『雷の投擲』は氷の壁の背後の地面に突き刺さり、拳二個半程の窪みを創り消えた。

 

「お返し・・・・・・っ!」

 

「っ!」

 

メイラは上空から数多の氷の刃を振らせてきた。

 

「───来れ、深淵の闇(アギテー・テネプラエ・アビュシィ)燃え盛る大剣(エンシス・インケンデンス) 闇と影と(エト・インケンディウム)憎悪と破壊(・カリギニス・ウンブラエ)復讐の(イニミー・キティアエ・デーストル)大焔(クティオーニス・ウルティオーニス) 我を焼け、彼を焼け(インケンダント・エト・メー・エト・エウム)其はただ焼き尽くす者(シント・ソールム・インケンデンテース)!─── 奈落の(インケンディウム)業火(ゲヘナエ)!!」

 

対して僕は相性で有利な炎属性の魔法、『奈落の業火』を発動させた。

氷と炎。相反する属性の魔法がぶつかり、水蒸気を発生させる。そこに追撃を仕掛けるように、新たな魔法を繰り出す。

 

「───闇の(ニウィス・テンペス)吹雪(タース・オブスクランス)!」

 

闇と氷属性を持つ『闇の吹雪』を放つ。

漆黒の吹雪は水蒸気を吹き飛ばすように突き進み。

 

「っ!」

 

メイラに直撃しようとしたその瞬間───。

 

 

 

「───ノドゥス・ロス・ディメンション」

 

 

 

「なにっ!?」

 

何処からか声が聞こえ、メイラに当たろうとしていた『闇の吹雪』は突如として現れた裂け目に呑み込まれた。

驚いている僕に。

 

「っ!」

 

真横から迫り来た槍を後ろに宙返りして大きく避けた。

 

「!?天の操槍(ヘブンリィ・スピア)!?まさか───!」

 

槍を見た僕は目を見開いて槍を持つ操者に視線をやる。

 

「やれやれ。まさかここであなたに会うとは・・・・・・。あなたとの遭遇率が高くありません?」

 

「クルト・ファレウム!」

 

そこに居たのは呆れたような驚いたような表情を浮かべ、槍を地面に着くクルト・ファレウムの姿があった。

 

「そっちこそ。それで?今回もまさかこの星に遊びに来たなんて言うつもりじゃないでしょうね?」

 

「あははは。いえ、今回は違いますよ」

 

「なら何しに来たの」

 

「彼女の迎えです」

 

「何?」

 

「クルト・ファレウム・・・・・・」

 

「大丈夫ですメイラ?」

 

「ええ。大丈夫。助かった、ありがとう」

 

「礼には及びません。さて、わたしは彼の相手をします。あなたは先に帰還を」

 

「・・・・・・わかった」

 

「不服ですか?」

 

「少しね」

 

「けど、あなたの目的はあの老害共でしょう?こんな所で挫けてる場合は・・・・・・」

 

「わかってるわよ」

 

転移魔法を発動しようとしているメイラに。

 

「させるか!はああああっ!!」

 

魔力ブーストさせた片手剣ソードスキル《ヴォーパル・ストライク》を放つ。

深紅のエフェクトを輝かせて深紅の槍は一直線に突き進む。

 

「そうはいきません。───ノドゥス・ロス・ディメンション」

 

しかし深紅の槍は突如現れた裂け目に吸い込まれ、メイラに当たらなかった。

その隙にメイラは転移魔法を発動させてこの星から居なくなった。

 

「(ちっ。二本回収しそこねた!)」

 

居なくなったメイラを見つつ僕は舌打ちを打った。

メイラが保管庫から持ち出したと思われるノロは八本あったが、そのうちの六本は戦闘の最中に掠めとって、自分の異空間収納に保管していた。

 

「メイラは帰還しましたか。では───」

 

「っ!」

 

一瞬の内に肉薄したクルトの槍術を黒聖と白庭で受け止めて距離を取る。

 

「久しぶりにお手合わせ願いましょうか、天ノ宮特務官!」

 

「望むところだ!クルト・ファレウム!」

 

互いに魔力を吹き上がらせて、僕とクルト・ファレウムは二度目の闘いを始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

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