魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

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一時の休息・・・・・・

 

〜零夜side〜

 

「────やっぱり、耐久値が落ちてる」

 

研究会との戦闘。そして研究会の指導者である『神』の地位を持つ何かと対峙した夜、僕はフラクシナスのメンテナンスルームに一人いた。目の前には純白と漆黒の二振りの剣が置かれている。

 

「やっぱ、ロストロギア級の武具と斬りあったから・・・・・・。それと僕の術式兵装に耐えられなかった・・・・・・からかな」

 

目の前のホロウィンドウには双剣のデータが表示されている。

そのデータのひとつに、双剣の耐久値が記されていた。耐久値はフルから半分以下にまで下がっていた。この双剣にはある特殊能力がある。それが、自動回復(オートリペア)だ。鞘に納めている間、少しずつだが剣の耐久値が回復していくのだ。まあ、他にもあるのだが・・・・・・。

 

「一日鞘に収めておけば大丈夫かな。家に帰ったらまた調整しないとだけど」

 

双剣を鞘に納めデータを仕舞う。

ここで調整やらすれば、それはログに残り他者に知られる可能性がある。もちろん、このフラクシナスは管理局の戦艦で最高クラスのセキュリティ一を誇る。だが、可能性が0ではない。

 

「しかし、今回の任務は完全に僕の油断が原因だ。帰ったら始末書やお小言かな。まあ、それは甘んじて受け入れるしかないね」

 

立ち上がり、ルームのシステムをダウンさせ、室内の照明を消しルームを出る。

 

「聖戦・・・・・・魔法大戦が始まろうとしてるのか・・・・・・?・・・・・・・やはり、あの魔法・・・・・・。───。あれを使うしかないのか・・・・・・。だが、アレは・・・・・・」

 

そんな言葉を残して僕はルームから立ち去った。

とてつもない、嫌な。不安が過ぎる嫌な予感を感じて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

「───ふっ!」

 

「なにっ!?」

 

「そこまで!勝負あり!勝者、天ノ宮!」

 

審判の判定声に僕は片手剣。黒聖を軽く振って腰に挿した鞘に収める。

 

「まさかこのボクまでやられるなんてね。さすがだ」

 

同じく自身の御刀を鞘に収める獅童さんが呆気に取られたように言う。

 

「いえ、僕の方こそ負けるかと思いましたよ」

 

獅童さんと向き合って僕はそう返す。

実際、今の模擬戦は紙一重の勝利だ。何せ、獅童さん、全く隙が無いのだ。

 

「まさか真希さんまで敗れてしまうとは思いませんでしたわ」

 

「寿々花」

 

「まあ、私も負けてしまいましたし」

 

「仕方ないさ。彼は結芽や衛藤に匹敵するんだから」

 

「あははは・・・・・・お二人も十分強いですよ」

 

嘘偽りの無い、本音の本心を言葉にする。正直、瞬動や虚空瞬動が使えなかったら負けてた。瞬動と虚空瞬動は一番最初に知智お姉ちゃんから教わった。これが出来るか出来ないかとでは戦術の幅に大きく違いが出る。実際、昨日の戦闘や今の模擬戦も然り。

まあ、この世界にも瞬動術はあるみたいだけど。多分だけど、士郎さんや恭也さんは瞬動が出来るんじゃないかな?ということはその家族であるなのはも出来る可能性が高いという訳であり・・・・・・・。

そんなとんだ超人一家に心の中で苦笑していると壁際から。

 

「はぁ。のんびりしてるわね〜あんたは」

 

「あはは。まぁまぁアリサちゃん。さっき任務も完了したんだし、いいじゃない」

 

呆れた表情をしているアリサとそれを宥めてながら微笑むすずかの声が聞こえてきた。

 

「暇なら次、アリサ・・・・・・・やる?」

 

首を傾げながら訊ねると。

 

「やらないわよ!」

 

と、コンマの隙に言ってきた。

 

「あんたとやったら疲れるじゃない」

 

「そういう問題じゃないような・・・・・・」

 

アリサの言葉に苦笑するすずか。

 

「じゃあ、すずかやる?」

 

「私?いいよ。丁度新しい魔法を使ってみたかったんだ」

 

「おい」

 

すずかの言葉に半眼でつっこむ。すずかって偶にトンデモ発言するんだよね。

 

「うーん。じゃあ・・・・・・ここの方がいいね」

 

そう言って僕は自分の固有空間から一つの巨大なガラス球を取り出した。

 

「え!?て、ちょっ!?零夜、なんでこんな所にダイオラマ球出してるのよ!?」

 

慌てふためくアリサ。

 

「えー、だって、魔法戦闘するならこっちの方が安全でしょ?それにこれ一時間が中では一日だから休みも取れるし」

 

「そういう問題じゃないわよ!?なにサラッと機密級の魔導具を出してくれちゃってるのよ!」

 

「いや、別にこれそこまで機密って訳じゃないよ?一応僕のアーティファクトシリーズの一つだし」

 

「それはそうだけど・・・・・・・」

 

「アリサちゃん、零夜くんの事は今に始まった事じゃないから諦めよう?」

 

「すずかさん?何を言ってるのでしょうか?」

 

すずかの言葉に僕は少しだけ戸惑いつつ尋ねる。

 

「まあ、どの道、僕達は最低でも後五日はこの世界に居ないと行けないんだからさ」

 

「はぁ。それもそうね」

 

そう。僕達はこの世界から今現在帰れない状況なのだ。

管理局本局へと通じる次元路に次元渦という磁気嵐のような物が発生しているためこの世界から帰れずにいるという訳だ。しかもその次元渦の規模がデカいらしく、最低でも後五日はこの世界に留まっていないとならないのだ。そんな訳で、僕達魔導師組は今もこうしてこの世界の人達と色々やっているのだ。あ、ちなみに今フラクシナスには凛華たちがいる。クライドさんは今この世界の鎌倉辺りを散策していると思う。まあ、最近はずっとクライドさんにフラクシナスでの留守を任せて居たからね。

 

「じゃあ、全員連れていくか」

 

「はい?」

 

「ぜ、全員?」

 

「ええ。せっかくなので、紫や朱音さんたちも連れて行きましょう!」

 

僕がそう言うと。

 

「「「「「はいぃぃぃぃぃぃぃっ!!??」」」」」

 

学園全体に響き渡るのではないかと思うほどの声がアリサたちから飛び出たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時間後

 

 

『『『『『・・・・・・・・・・・・・』』』』』

 

「ようこそ!僕たちのダイオラマ球の別荘へ!」

 

僕はとある一室に設置されたダイオラマ球の中へとみんなを招待していた。

なのはたちは来たことあるから大丈夫だけど、刀使組勢は殆どの人がポカーンとしていた。

 

「この中の一日は外ではたった一時間足らずなので、ゆっくりしてください。あ、必要なものはあらかた全て揃ってますので」

 

それじゃ!とでも言うふうに手を挙げて爽やか?に立ち去ろうと(すずかとの模擬戦)した所に。

 

「「「「「ちょっとまてぇぇぇい!」」」」」

 

獅童さんや十条さんたちといった人たちに鋭いツッコミが来た。

 

「もうなんでもありか!?ありなのか!?」

 

「もう少し説明をしてくれ!」

 

「零夜!いくら何でもいい加減自重を覚えて!音撃(ゴスペル)するわよ!?」

 

「いやいや、アリサちゃん音撃使えないでしょ・・・・・・」

 

「それに、その魔法、レイくんの振動反響魔法だし」

 

アリサの言葉にすずかと夜月が返す。

振動反響魔法───音撃(ゴスペル)。空気の振動波。つまり、音を相手に直撃させる魔法。音のため見えないし距離も無いに等しく無視。さらに長い詠唱無く、一言言えば発動する超短文詠唱魔法でもある。

【音撃】は僕が以前から工夫網作していた魔法だ。属性は風と光の二属性を有しあらゆる場所において発動可能と万能魔法でもある。そして、空間魔法でもある。

と言っても、【音撃】が出来るようになったのは今日なんだけど。もし昨日の戦いで【音撃】が使えたら戦況はさらに変わっていただろう。

魔法には必ず一つは属性がある。基本的な四元素の風、水、火、地。さらに氷と雷、光と闇の計八属性。またそこに貫通や物理、斬撃などの属性を含めたりもするが。その辺はまた今度。

魔法の八属性を僕は今まで使用してきた。というのも、ムンドゥス・マギクス式は必ず属性が一つはある。【魔法の射手】は基本一属性で、中級より上の【雷の暴風】は風と雷。【闇の吹雪】は氷と闇。【奈落の業火】は闇と火。【氷瀑】は風と氷。

属性には派生があるがそれについてもまた今度話すとして。

僕にはそれとは別に本来なら有り得ない二属性がある。いや、夜月たちも持ってはいるけど、あと一つは誰も持ってない。それは僕だけの属性───。僕だけの能力。何人足りとも使うことの出来ない、唯一無二の属性。

とまあ、それは置いといて。

 

「アリサ、これでもかなり自重してるよ?」

 

「何処が?!」

 

「いやー、確かに零夜、自重は微妙にだけどしてるよね。偶にその枷がなくなるけど」

 

「せやなぁ。星戦級魔法や新魔法をポンポン創るし。武器もとんでもないもん出すからなぁ」

 

「あ、あはは。まあ、零夜くんって、昔からちょっと思考が離れたところに居たから」

 

なのはたちの言葉に僕はグサッグサッと何かが身体中に突き刺さるような感じを覚えた。

でも反論出来ない。

そこに。

 

「え、えーっと、その。あ、あまりお兄ちゃんをイジメないで!」

 

聖良が涙目でなのはたちにそう言った。

 

『『『『『うグッ・・・・・・』』』』』

 

その仕草に僕だけならぬ、その場にいたほぼ全員が胸を抑えた。

ちなみに星夜たちは聖良のその姿をいつの間にか構えたカメラでバッチリ撮っていたりする。ナイスッ!

 

「取り敢えず、天ノ宮さんのご好意に甘えるとしましょう。それで良いですよね、お姉様」

 

パンっ!と手を叩いて朱音さんがいい。

 

「ああ。久方振りの休日だ。各自、今はのんびりし、身体を休めろ」

 

紫が威厳を持って答えた。

うん。さすが、元とはいえ刀剣類管理局の最高責任者。

 

「さてと。それじゃあすずか・・・・・・戦おう(やろう)

 

「うん」

 

「・・・・・・まって零夜。その戦い、あたしも参加するわ」

 

「アリサちゃん?」

 

「え、アリサもやるの?」

 

「いいでしょ。あたしもすずかとの連携をさらに上げたいし」

 

「わかった。それじゃあやろう」

 

「うん!」

 

「ええ!」

 

「「「僕(私)(あたし)たちの戦争(模擬戦)を!!」」」

 

言い終えると同時に僕たちはバリアジャケットを展開し空に上がる。

可奈美や結芽は混ざりたそうな顔していたけど、それぞれ柳瀬さんや獅童さんに窘められていた。

観客席には夜月たちが障壁を張っていて、僕達の攻撃は通らないようにしてくれてる。

それぞれ武装を構え。

 

「それじゃあ行くわよ零夜!」

 

「何時でもどうぞ」

 

「はあああっ!!」

 

僕たちは模擬戦を始めた。

アリサの近接戦とすずかのサポート及び遠距離攻撃はとても息がいい。属性が炎と氷と相反するというのも理由だろう。

先制として来たアリサの魔法弾を使えるようになった【音撃】で相殺。アリサのデバイスの刀を構えている黒聖と白庭で受ける。お返しにこちらも魔法の射手の連弾を放つ。

 

「ちょっと!数多過ぎない!?」

 

「そんなことないよ〜」

 

「れ、零夜っ!後で覚えておきなさいよー!」

 

「聞こえないぁーい」

 

「あははは・・・・・・」

 

僕とアリサの言動にすずかは後ろから苦笑していた。

 

「もう!零夜!大人しくサンドバッグになりなさい!」

 

「サンドバッグ!?今サンドバッグって言ったよねアリサ!?」

 

「とりゃああぁ!!」

 

「アリサさぁんっ!?」

 

アリサの猛烈な攻撃に僕はツッコミを入れながら返す。

その光景に下の観客席では。

 

『『『『『・・・・・・・・・・』』』』』

 

みなさん唖然と。呆然として眺めていた。

うん。そうじゃなくて。

 

「毎回毎回!ここであたしの今までの鬱憤を晴らさせてもらうわよ大バカ零夜!!」

 

「ちょっ!す、ストップアリサ!」

 

「誰が止めるかぁ!───連槍・炎の243槍!!」

 

「っ!?ご、音撃(ゴスペル)音撃(ゴスペル)音撃(ゴスペル)音撃(ゴスペル)!!」

 

「まあぁぁだぁぁ!!」

 

「っ!?!?水雹の衣(アクアベール)!!」

 

もはや手のつけようのないアリサの(魔法)に僕は自分を覆うように水の膜を構築した。

 

「すずか、耳を塞いで!」

 

「えっ!?」

 

「───響き渡れ(ハウリング)!」

 

【音撃】の派生魔法、振動反響魔法【音撃(ゴスペル)】─【響き渡れ(ハウリング)】。貯蓄した音の振動余波に干渉して、より高い音を響き出させる派生魔法だ。使用にはある程度の魔力の音余波が無ければならなく、使えば使うほど、発動言(スペル)を言った時の威力が高くなる。

ちなみに【音撃】は汎用性が高く万能魔法であるため、【響き渡れ】の他にも幾つかの起動ワード(スペルキー)があったりする。

とまあ、それは置いといて。スペルを言うと、アリサの周囲に音の爆発が発生する。それは音と風の衝撃波の嵐をつくり、それらがアリサへと襲う。

 

「ふにゃっ!?」

 

アリサにしては珍しい変な声を上げ、アリサは落ちていく。

ていうか───。

 

「あ、やば・・・っ!やりすぎた!」

 

落ちてるアリサ、気絶してるし!!

多分音の暴力で三感器官にダメージがあるらしい。あー、うん。この魔法は模擬戦では使わないようにしよう。うん。アリサには後で謝らないと。うん。

落ちていったアリサを抱き抱え、なのは達のいる場所に転送する。

 

「え、えっと、アリサちゃん大丈夫なの・・・・・・?」

 

「あ、うん。感覚が混乱してるだけだと思うから」

 

すずかの問いに僕は苦笑気味に返す。

 

「とりあえずあれは模擬戦では使わないようにするよ、うん」

 

「だ、だね〜」

 

なんとも言えない中、模擬戦は続行し、タイムアップですずかとは引き分けに終わった。

うん。すずかさんや、いつの間にそんなに高等魔法や高等技術を獲たんですかい・・・・・・。

すずかの連続詠唱や略式詠唱などなど、かなりの高等技術に驚きながら僕はいた。

もしかしたらとんでもない魔導士が出来ちゃったかも・・・・・・。

そんな冷や汗脱ぐる不安というかなんというか、そんな気持ちを持って僕はすずかとともになのは達のいる場所に向かったのだった。

結論!今日も変わらず、ツッコミのある日であった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃

 

 

 

「───久しぶりです姉様」

 

「お邪魔しているよ天照」

 

「────ええ、ツクヨミ。ミカエルも久しぶりね」

 

零夜たちの故郷の地球の天ノ宮家に一人の女神と一人の天使が降りたっていた。

 

「それで。わざわざここに来るってことは・・・・・・何かあったの?」

 

「ああ。かなり面倒なことが・・・・・・な」

 

「姉様。もしかしたらなんですが、ここ十年も経たないうちに、アレが目覚めるかもしれません」

 

「アレ?・・・・・・・まさか!」

 

「ああ。天照、君の予想している通りだ」

 

「まさか、本当に・・・・・・!」

 

「ええ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────厄災(カタストロフ)が目覚めようとしてます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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