魔法少女リリカルなのは 魔法と未来を繋げる者たちの物語   作:ソーナ

95 / 106
転生魔導剣士(零夜)VS原初の大荒魂(トヨタマヒメ)

 

~零夜side~

 

「行くよっ!」

 

「ええ!」

 

闇の魔法(マギア・エレベア)、術式兵装【雷天大壮】を発動させ『黒聖』と『白庭』を構えてトヨタマヒメへと迫る。

 

「リク・ラク・ヴィシュタル・ヴォシュタル・スキル・マギステル!」

 

トヨタマヒメへと迫りながら平行詠唱を実地。

 

「はあぁぁ!!」

 

「せああぁっ!」

 

トヨタマヒメも先程とは打って変わって速い。

 

「来たれ雷精、氷精よ。集い来りて敵を討て!」

 

平行詠唱を速くし、魔力を練る。

 

「鋭き槍持ちて、我が敵を穿て!!」

 

追加の詠唱をし、

 

雷氷の穿狩槍(ヘイルインパルス)!!」

 

雷を帯びた幾多の氷の槍をトヨタマヒメへと飛ばす。

 

「ふっ!」

 

しかし【雷氷の穿狩槍】をトヨタマヒメは迅移による高速移動と、剣技で破壊して無効化した。

 

「なら!」

 

接近戦に移行し、縮地も使用してトヨタマヒメの懐に潜り込み。

 

「せあっ!」

 

「うっ!」

 

トヨタマヒメの腹部へと魔力を込めた打撃を喰らわす。

肺の中の空気を一気に吹き出しトヨタマヒメは後ろへと滑って下がった。

 

音撃(ゴスペル)!」

 

さらに追撃で振動反響魔法【音撃】を放つ。

 

「っ・・・・・・!」

 

ゴォン!と正鐘楼のような重い音が鳴り、トヨタマヒメは地面に崩れる。

が。

 

「いやぁー。今のは聞いたわ」

 

「えぇ」

 

トヨタマヒメはゆっくりと立ち上がった。

 

「不可視の音による魔法ね。なかなか面白いわ、なら使わせて(・・・・)もうわね」

 

「?」

 

トヨタマヒメの言葉に疑問符を浮かべると。

 

「目覚めて『天羽々斬』」

 

「っ!?」

 

トヨタマヒメの左手に持つ『天羽々斬』から白銀のオーラが立ち上った。そのまま『天羽々斬』の切っ先をこちらに向け。

 

「───音撃(ゴスペル)

 

「なっ・・・・・・!!?」

 

トヨタマヒメが言うと同時に僕に凄まじい音の暴力による風が叩いた。

 

「今のは僕の【音撃】?!」

 

自動で展開した障壁でなんとか衝撃を緩和した僕は目を大きく見開いてトヨタマヒメを見た。

 

「なんで!?あれは僕しか使えない・・・・・・・・・・ハッ!まさか!」

 

あるひとつの考えが過ぎるり。が、それはこの魔法のない世界で可能なのか?とも過ぎる。

 

「考えてる暇なんかないよ!」

 

「っ!」

 

「はあぁぁ!!」

 

トヨタマヒメの声に僕は意識を戻す。

 

「(なっ!?あの構えは)」

 

トヨタマヒメの構えを見た僕は思考が一瞬止まった。なにせ、その構えは。

 

「【バーチカル・スクエア】!」

 

「(アインクラッド流ソードスキル【バーチカル・スクエア】だと!?)」

 

トヨタマヒメの発声と共に正方形の斬撃が飛んでくる。

 

「くっ!【ホリゾンタル・スクエア】!」

 

トヨタマヒメの【バーチカル・スクエア】に対抗するように、こちらも同じ四連撃の【ホリゾンタル・スクエア】を繰り出す。

 

「・・・・・・どういう理屈。僕の剣技をまるっきり同じく出してくるなんて。それに魔法も」

 

苦笑しながらトヨタマヒメに問う。

 

「ヒミツ」

 

クスッと笑ってトヨタマヒメは返す。

 

「(『天羽々斬』があれなら『天叢雲剣』は一体・・・・・・)」

 

考えるも首を軽く振って意識を集中させる。

 

「(集中しろ。いくら闇の魔法を使っても勝てるかはわからない。認めろ。彼女は今までにない最強の存在だと)」

 

背筋にスゥーと、冷たい汗が流れる。

そして。

 

「ふっ!」

 

初動作なしでトヨタマヒメへと接近する。

 

「(ストックしてある魔法も全て使う!)」

 

すぐさまストックしてる術式を構築する。

 

「蒼雷!」

 

「ふっ!」

 

幾重にも降り注ぐ蒼き雷をトヨタマヒメは避け、『天羽々斬』で切り裂く。

 

「氷槍!」

 

さらに氷の槍を幾千槍にも放つ。

だが、それもトヨタマヒメは涼しい顔で迅移で避けある程度を『天羽々斬』で切り裂く。

 

魔法の射手(サギタマギカ)集束連弾(セリエス)精霊の500矢弾(スピリトゥス)!!」

 

集束した魔法の射手が弾丸のようにトヨタマヒメへと襲い掛かる。

対するトヨタマヒメは立ち止まり、『天羽々斬』の尖端を、迫り来る魔法の射手に向け。

 

「目覚めて、【氷槍】、【蒼雷】」

 

トヨタマヒメの言葉に呼応するように『天羽々斬』が光り、トヨタマヒメの周囲に二種類の魔法陣が幾重にも展開され、そこから氷の槍と蒼き雷が放たれた。

 

「(また・・・・・・っ!)」

 

トヨタマヒメの放った魔法はどちらも僕がさっき使用した魔法だ。威力はオリジナルである僕のよりやや弱いが、それでもかなり強力だ。

 

「なら、術式解放!【千刃黒曜陣】!」

 

黒曜石の短刀程の長さの剣を飛ばす。

その間にも平行詠唱を行い次に備える。

 

「なるほど、物量攻撃か」

 

動きながら、【千刃黒曜陣】の刃を砕き斬るトヨタマヒメはそのまま僕に迫ってくる。

対する僕も無詠唱でミッド式やベルカ式の魔法を行使する。

 

「来たれ氷精。爆ぜよ風精。氷瀑(ニウィス・カースス)!」

 

短文詠唱の【氷瀑】を発動し、障害を創る。

 

「炎槍!」

 

さらに魔法で炎の槍を創り出し飛ばす。

 

「リク・ラク・ヴィシュタル・ヴォシュタル・スキル・マギステル!来たれ風精、集い来たりて巻き起これ天白の暴風!祖は颶風の巫女、風を司るもの!」

 

自身の正面に橙色の魔方陣を構築して終の呪文を紡ぐ。

 

「―――颶風の暴風(ラファエル・テンペスタ)!」

 

風系統魔法の上位クラスの威力を誇る。

さらにそこに。

 

「水鳳!炎帝!」

 

水と炎の魔法を追加で重ね合成。

そして出来たのが。

 

「合体魔法!焔颶の璻叢砲(カラミティアバースト)!!」

 

螺旋の竜巻。

その竜巻から次々と小型の旋風が砲撃のようにトヨタマヒメへと向かう。

 

「はあぁぁ!!」

 

トヨタマヒメは向かって来る砲撃旋風を右手の『天叢雲剣』を向け。

 

「起きて、『天叢雲剣』」

 

と言った。

その瞬間『天叢雲剣』に金色のオーラが纏い。

 

「切り裂きなさい」

 

『天叢雲剣』で砲撃旋風を斬り裂いた。

いや、あれは斬り裂いたというより、無効化した、というのが正解なのか?

 

「うーん、やっぱり扱いが難しいわね」

 

霧散した【焔颶の璻叢砲】の魔力残滓がキラキラと光って漂う中トヨタマヒメは右手の『天叢雲剣』を見て言った。

 

「(【焔颶の璻叢砲】を無効化・・・・・・いや、無力化した?あれが『天叢雲剣』の能力・・・・・・)」

 

合体魔法である【焔颶の璻叢砲】が無効化されたのを見て驚きだす。が、それと同時に『天叢雲剣』の能力を考察する。

 

「(『天羽々斬』の能力は恐らくアレだと思う。けど、『天叢雲剣』は・・・・・・切断?いや、僕の絶対切断(ワールドエンド)と同じ・・・・・・。いや違うな。あれは・・・・・・っ!まさかっ!いや、そんなはずはない・・・・・・!)」

 

『天叢雲剣』の能力を思考し僕はまさかの考えに辿り着く。

 

「(もし僕の考えが合っていたとしたらとんでもない代物だぞ!)」

 

そう、もし本当に僕の考えが当たっているのならトヨタマヒメにとっての不利が全く無くなる。

 

「キミにはこの二振りの剣の能力。分かったかな?」

 

クスクスと笑いながらトヨタマヒメは僕に問いかけた。

 

「大体は」

 

「へぇ」

 

「『天羽々斬』の能力は───[再現]。僕の魔法やソードスキルを使っていたことからその剣は、見たものや斬ったものを再現することが出来る」

 

「・・・・・・・・・」

 

「そして『天叢雲剣』は───[事象の改変]または[因果律の改変]。さっきの【焔颶の璻叢砲】は斬れるはずはない魔法だ」

 

基本【風】という属性は実体がない。

炎や水といったものは実体。具現化されたものだ。それは地や氷、雷然り。だが、光や闇といった不確定属性のものは実体はなく、可視不可実体というものになる。そして、それは大気である風もそうで。

 

「けど、あなたはそれを斬った」

 

炎や水などは具現化しているため、切れることは斬れる。

しかし、不可実体である風は斬る(・・)ということが出来ない。───例外を除き。

その例外は───

 

「いや、より正確に言うなら、あれは斬ったのでは無くて、【焔颶の璻叢砲】という存在した魔法の事象。または因果を変えた。そして、それを斬った(・・・)ということにした。どう?」

 

事象を改変したということ。

僕は自分の考えを出しトヨタマヒメに問う。

事象の改変は僕も保持している能力だ。事象の改変は例えるなら、[対象A]という存在を[対象B]という全く違うものへと改変するこど。そしてもう一つ、事象の上書きというものもある。上書きは改変とは違い、[対象A]という存在を上書き。既に存在する[対象A]の上から、新たな[対象A]という存在に書き換えられるものだ。

そして今回トヨタマヒメが使ったのは[事象の上書き]ではなく、[事象の改変]だ。

[事象の改変]により、【焔颶の璻叢砲】という存在を『天叢雲剣』を支点に断ち切る。当たるはずの攻撃を当たらないようにしたのだ。

僕の言葉にトヨタマヒメは。

 

「『天羽々斬』については正解だよ」

 

『天羽々斬』を持ち上げ答える。

 

「けど、『天叢雲剣』については半分正解・・・・・・かな?」

 

「半分?」

 

「そう。『天叢雲剣』には二つの能力がある。その一つは、[事象の改変と上書き]。そしてもうひとつは・・・・・・・・・[因果]」

 

「・・・・・・[因果]」

 

「そう。[因果律]ではなく[因果]よ」

 

[因果律]ではなく[因果]。

[因果律]は哲学で、すべての出来事は、ある原因から生じた結果のすがたで、その間には一定の必然的関係があり、原因がなくては何ごとも起こらない、という原理。 また、同一条件下ではつねに同一の現象が起こるという法則。

そして[因果]は原因と結果。すべての行為は後の運命を決定するということ。

似てるようで違う。

 

「そしてこの二つを合わせて、私はこう呼んでるわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────天理超越(オーバー・ストライド)、と」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「天理、超越・・・・・・!?」

 

トヨタマヒメの言葉に僕は手が震え、冷や汗が背中を流れた。

[事象]と[因果]。つまり、この二つの能力を持つ『天叢雲剣』は最強にして最凶の剣という事だ。

『天羽々斬』の[再現]は何かしらの条件があるのだろうが、『天叢雲剣』の《天理超越》は片方だけでも厄介なのに、それが二つも。正直ロストロギアの中でも旧闇の書クラスと言っても過言ではない。

 

「(あの双剣に対応するには『黒聖』と『白庭』のアレを使うしか・・・・・・!けどあれはかなりの耐久値を持ってかれる!)」

 

お姉ちゃんたちと一緒に造った僕のこの双剣は、現状ではまだ僕はすべての力を引き出せてない。そして、この二振りの素材はお姉ちゃんが持って来たものだ。つまり、この二振りは神造武装に類する。ま、まあ、完全な神造武装じゃないんだけどね。(理由。僕の魔導も結構入っているため)結論として擬似神造武装になる。

この二振りは、二つで一つなのだ。『白』と『黒』。表裏一体。相反する属性。『光』と『影』。

 

「(だが、それでもやるしかないね)」

 

双剣のグリップをギシッと握り直しそう心にだす。

 

「(出来るチャンスは一度だけ・・・・・・)」

 

トヨタマヒメに視線を戻し再度構えを取る。

意識を集中し、雑音を消す。

 

「・・・・・・・」

 

トヨタマヒメも僕の雰囲気を感じたのか表情を直し、構えを取り直す。

やがて、静寂が僕らを包み。

 

「「──────っ!!」」

 

同時にその場を動き接近した。

雷速瞬動と迅移。

 

「せあああっ!!」

 

「はああっ!」

 

一瞬の内に幾度となく切り結ぶ、ヒトの限界を超えた剣撃。

ガキンッ!ガキンッ!、と剣と剣がぶつかり合い金属音と火花が飛び散る。

 

音撃(ゴスペル)!」

 

そこに織り交ぜ魔法も放つ。

 

「氷瀑!」

 

片や音の衝撃波が。片や氷と風による攻撃が。

嵐のような天変地異のような光景が繰り広がる。

もう出し惜しみ無しと決め、

 

術式解放(エーミッタム)千の雷(キーリプル・アストラペー)!───固定(スタグネット)掌握(コンプレクシオー)!」

 

もう一つ、【千の雷】を解放する。そして、それを取り込み。

 

術式兵装(プロ・アルマティオーネ)!───雷天(タストラパー・ヒューペル)双壮(・ウーラヌー・メガ・デュナメネー)!!」

 

雷天大壮のさらに上の形態。雷天双壮を発動させる。そして、

 

「《降り注げ!》」

 

術式詠唱省略の即興による魔法の射手を空から降り注がせる。

 

「っ!」

 

空からの攻撃に目を見開くトヨタマヒメ。しかし。

 

「甘いわ!」

 

それは尽く防がれ、阻まれ、躱される。

 

「っ!因果改変か!」

 

自身に当たるという因果を改変し、当たらないようにしていることに舌打ちする。

 

「なら!───《踊れ!舞え!》」

 

風による魔法を使う。

その威力は直撃すれば大岩さえ粉々に砕く程のものだ。

 

「ふっ!───《反転せよ!》」

 

しかしそれは瞬時に無効化され風が僕とトヨタマヒメを撫でる。

 

「「・・・・・・っう!!」」

 

だがそれはとてつもない風だ。

 

「雷槍!炎槍!氷槍!風槍!」

 

その間にも同時詠唱省略による魔法を幾重にも放つ。

 

「みんなの魔法使わせてもらうよ!」

 

声にそう出すや足元に虹色のミッド式魔法陣を展開し。

 

「アクセルシューター!」

 

なのはの魔法のひとつ、アクセルシューターを二十近く出しホーミングも付け合わせて放つ。

 

「『天叢雲剣』!」

 

トヨタマヒメは視線を『天叢雲剣』に一瞬移し声に出すとアクセルシューターは同士討ちのようにぶつかり消えた。

 

「フォトンランサー・ファランクスシフト!」

 

今度はフェイトの魔法だ。

さらに。

 

「彼方より来たれ、宿り木の枝!銀月の槍となりて撃ち貫け!石化の槍!」

 

白黒のベルカ式魔法陣を構築し、

 

「ミストルティン!」

 

石化の槍を無数に放つ。

立て続けて。

 

「フレイムランス!」

 

アリサの魔法。

 

「アイシクルストライク!」

 

すずかの魔法。

 

「スパークレイン!」

 

アリシアの魔法をなどを立て続けに繰り出す。

トヨタマヒメはズバ抜けた身体能力で次々と迫る魔法の数々を避け、『天叢雲剣』で斬り、『天羽々斬』で相殺する。

 

「これはどう!」

 

自身の周囲に五つの白桃の魔法陣を展開し。

 

「放て!ディバインバスター!!」

 

なのはの砲撃魔法を放った。

さらに追随するように。

 

「サンダーレイジ!」

 

フェイトの金色の砲撃を。

 

「マテリアルブラスター!」

 

僕の白黒の砲撃を幾多にも放つ。

もう既にこの周囲は戦闘の余波で地面は抉れ、氷が着いたり炎が燃えていたりとすごい惨状だった。

三つの砲撃を切り裂きトヨタマヒメが迫る。

 

「せあああっ!!」

 

「はあぁぁぁぁっ!」

 

ガキンッ!と剣と剣が交差しギリギリッ!と低い金属音が響く。

交差から離れ。

 

「───雷の暴風(ヨウィス・テンペスタース・フルグリエンス)!───闇の吹雪(ニウィス・テンペスタース・オブスクランス)!」

 

雷を纏った暴風と闇を含んだ吹雪がトヨタマヒメを襲う。

しかしそれはトヨタマヒメに当たることなく奥へと飛んでいき、トヨタマヒメは僕の背後に回っていた。

 

「ふうぅっ!」

 

切り薙ぎを仕掛けるトヨタマヒメの攻撃をしゃがんで避け足払いを仕掛け、そのままトヨタマヒメの腹部に蹴りをして吹き飛ばす。

 

「まだよ!」

 

トヨタマヒメは吹き飛ばされながらも『天羽々斬』の[再現]で僕の魔法を再現して放ち、体を捻って上手く地面に降り立つ。

対する僕も魔法を時空間魔法で無力化し。

 

「「せあああっ!!」」

 

トヨタマヒメと同時に僕は右手の『黒聖』を。トヨタマヒメは『天叢雲剣』を振りかぶる。

そして僕の『黒聖』には真紅のライトエフェクトが煌めいていた。

片手剣ソードスキル《ヴォーパル・ストライク》。僕がアインクラッド流片手剣ソードスキルで一番好きな剣技だ。

ジェットエンジンのような重低音の音が響き、一直線にトヨタマヒメの『天叢雲剣』とぶつかる。やがて、僕とトヨタマヒメは互いの位置を交換した。

 

「(今だ!ここしかない!)」

 

距離を取って位置を交換した僕とトヨタマヒメ。そしてアレを使うタイミングは今しかないと判断する。

 

「力を貸して『黒聖』!『白庭』!」

 

両手の相剣を頭上に掲げる。

 

「何をする気?!」

 

僕の動作に警戒するトヨタマヒメ。

静かに。目を閉じて心を落ち着かせ。

 

「逝くよ、トヨタマヒメ!!これが・・・・・・僕の・・・・・・!」

 

この世界で最初の友達にして幼馴染みである彼女のセリフを借りる。

 

「全力!全開っ!!」

 

左手の『白庭』の剣先をトヨタマヒメへと向け。

 

「───白き庭園の華園(エンハンス・アーマメント)!!」

 

言い終えると同時に地面に突き刺す。

その途端、僕を。いや、『白庭』を中心に純白の魔法陣が描かれ、そこから純白の庭園が広がり、様々な花が咲き誇れた。そしてそれはトヨタマヒメへと牙を。いや、この場でいうなら棘を向いたの方が正しいか。

花の蔦はトヨタマヒメへと襲い彼女を攻撃する。そして、僕の周囲にも花は咲き、それは癒しの香りを飛ばした。

 

「え、ええぇっ!?な、何なにこれぇ!?すっごぉーい!!」

 

トヨタマヒメは面白そうに、笑いながら次々と来る花たちの茨や蔦を切り裂き、『天羽々斬』の[再現]で破壊。『天叢雲剣』の[因果]で当たらないようにしていた。

やがて、動きを止め。

 

「アハハは!!うん!面白いよ!なら、私もこの双剣のとっておきを見せてあげるわ!」

 

『天叢雲剣』と『天羽々斬』の剣先を交差させた。

対する僕も右手の『黒聖』の剣先をトヨタマヒメへと向ける。

 

「いくよ、天ノ宮零夜!」

 

「こっちこそ!」

 

トヨタマヒメは金色と白銀の二色が混ざり合い白金に光り輝く『天叢雲剣』と『天羽々斬』を上に掲げ。

 

「───天理超越(オーバー・ストライド)覇煌輝(ヘブン)

 

天高くそびえ立つ程の巨大な一振の剣を創り、その白金の大剣を振り下ろしてきた。

迫り来る白金の大剣に僕は微動他にせず意識を集中させ。

 

「───黒き星夜の煌天(エンハンス・アーマメント)!!」

 

『黒聖』を中心に幾つものの魔法陣が描かれ、『黒聖』が眩く光、その姿を長剣から漆黒のものへと変える。

漆黒の。だが、それは温かい光を放つ黒。

そこに幾千ものの煌めきがあり、それが夜空のようにも見える。

僕はそれを勢いよく先端部分をトヨタマヒメへと向ける。すると、トヨタマヒメへ帯状の巨大な星夜の大軍が向かった。

漆黒の、帯状の砲撃はトヨタマヒメの白金の大剣と途中でぶつかり今日一番の衝撃波と衝撃音を放つ。

バチバチとプラズマが火花のように飛びぶつかり合う中心部は衝撃によって凹みが出来る。

 

「はああぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「やああぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

互いの気勢の入った声が響く。

その間にも二つの超威力の攻撃はバチバチと攻めぐりあって。

 

「「っ!!」」

 

さらに衝撃波や音が広がり、ちゅっどーんっ!と盛大な爆発がぶつかり合う支点で起き、その瞬間。

 

「なっ!?これは!?わ、私の空間が・・・・・・!?!?」

 

「な、なんだ!?」

 

この空間にノイズが走り衝撃が訪れた。

動揺するトヨタマヒメに驚愕に眼を見開く僕。

そして。

 

「うそ・・・・・・!?私の結界空間が壊れた・・・・・・!?」

 

パリンッ!と一際高い音がなり、僕とトヨタマヒメは結界から現実世界へと押し出された。

 

「この場所は・・・・・・!」

 

周囲を見て押し出された場所を把握する。

押し出された場所は刀使たちの御前試合を行う場所だった。

 

「山の山頂からここに押し出されるなんて・・・・・・!」

 

別空間の座標から、強引に押し出されるとランダムで場所に追いやられるが、座標がここで良かったと思う。もし全くの別空間や場所だったら大変なことになる所だった。

だが、この現実空間ではさっきみたいに大規模な全力の魔法や剣技は使えない。いや、使うわけにはいかない。

そしてそれは、トヨタマヒメもで。

 

「アハハハ・・・・・・・。あらら~。参ったわねこれは。ここじゃ二振りのチカラ使えないわね」

 

苦笑をして言う。

 

「僕も使えないよ」

 

「けど、純粋な剣技だけなら出来る。そうでしょ?」

 

「そうだね」

 

再び構えを取るトヨタマヒメに僕もつられるように構えを取る。

 

「さあ。ラストダンスを始めましょう!」

 

「そうしようか!」

 

言い終えると同時に僕とトヨタマヒメは地を蹴り接近する。

僕は常時雷化による雷速瞬動を。トヨタマヒメは迅移の速度を更に上げ。

僕とトヨタマヒメのぶつかり合う旅にキュイーン!キュイーン!と高い音やキンッ!キンッ!と金属音がぶつかり合う音が鳴る。それは何度も続いたが、やがて体力も魔力も限界に達しようとしていた僕とトヨタマヒメは。

 

「はあぁぁぁぁっ!!───天陽流剣技!星覇連流双嵐撃(スターエンド・イクリプス)!!」

 

「せあああぁぁっ!!」

 

それぞれ最後の剣技を放ち終え、剣を互いに突き刺すと同時に、僕のバリアジャケットは解かれ、トヨタマヒメの写シは剥がれ、僕とトヨタマヒメは同時に横に倒れ、それぞれの双剣はカランッと金属音を立てて使い手たる主の横に添えるように並び倒れたのだった。

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。