〜Aへの扉〜/兵器達に心という名の花束を   作:電波少年

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今回、剛には変身してもらうことにしました。

現状アンケートでは賛成反対同数なのですが、前話では完全に剛が『仮面ライダー』であることを仄めかしてしまっていたので今回は変身してもらいました。

次回以降のゲストライダーの変身についてはおいおい決めていきます。


第17話 Mの視察/フルスロットルライダーズ

「確か...この辺だな」

 

 

「わぁ...ボロボロだ」

 

 

剛と島風は風都の一通りの少ない廃工場に来ていた。

 

先程久留間鎮守府の方から、超常犯罪と思しき通報が入った。

 

だが久留間鎮守府は大っぴらには風都で起きている事件に介入することはできない。

 

なので、運良く風都にいた剛に極秘で事件現場に向かわせることになったのだ。

 

 

 

「島風。お前は人避けを頼む。もしこの廃工場に近づこうとするやつがいたらやんわりと追っ払ってくれ」

 

 

「りょーかいっ!」

 

 

 

 

そう言って剛は1人で工場に入っていく。

 

 

 

 

『怪物の目撃情報か...『そっち』方面のことに関わるのは久々だ』

 

 

 

物陰に隠れつつ工場の奥を目指していく。

 

 

そして工場の開けた場所に出る。

 

 

 

 

そこでどこからがカタッと何かが落ちる音がした。

 

 

 

 

「...出てこい!誰かいるのは分かっている!」

 

 

 

返事はない。だが剛は誰かがいるのを確信している。

 

意識を研ぎ澄まし、その隠れる気配を探る。

 

 

 

 

「ッ...!!」

 

 

 

 

 

すると剛はすぐさま横に飛んだ。彼の後ろから『何か』が飛んできたのだ。

 

 

 

 

「誰だ!」

 

 

 

「チッ...仕留めそこねたか...」

 

 

 

 

剛の目の前には人の姿とはかけ離れた怪物が立っていた。

 

 

 

「カンガルーか」

 

 

 

「ほう。随分と冷静だな。この姿を見ても驚かないなんてな」

 

 

 

「そういう仕事でね。

 

 

ってことで、こっちも反撃開始だ!」

 

 

 

 

そう言って剛は青いドライバーを腰に装着する。

 

 

 

『マッハドライバー!!!』

 

 

 

「何だそれは...」

 

 

「お楽しみはこれからさ...

 

 

 

レッツ...『変身』!!!」

 

 

 

そう言いながら剛は白いバイクのミニチュア-『シグナルマッハ』をそのドライバーに装填し、レバー叩いた!

 

 

 

 

『シグナルバイク!!

 

 

 

ライダー!!!』

 

 

 

 

 

すると剛の体は白いヘルメットを被った戦士-『仮面ライダーマッハ』へと変身した。

 

 

 

「ほう、巷で噂の『仮面ライダー』か。だが貴様などすぐこの俺が

 

 

 

 

 

「追跡!

 

撲滅!!

 

 

 

 

いずれも〜マッハァ!!

 

 

 

仮面ライダ〜...マッハァ!!」

 

 

 

 

 

 

剛はカンガルードーパントの話も聞かずに名乗り文句を上げた。

 

 

 

 

「さぁ!いくぞ!」

 

 

 

剛はゼンリンシューターから光弾を発射しながら一気にカンガルードーパントに接近していく。

 

 

 

剛の珍妙な名乗りに唖然としていたドーパントはその光弾をもろに受けてしまう。

 

 

 

「イテテテテ!!お、お前、いきなり打ってくるやつがあるか!」

 

 

「後ろから不意打ちしてくるやつにだけは言われたくないぜ!」

 

 

 

そう言いつつマッハはゼンリンシューターを振り回す。

 

なんとか体勢を立て直したドーパントはそれを避ける。

 

 

そこで何かを閃いたドーパントはいきなりマッハに向かって手を合わせてきた。

 

 

 

「どうした?降参か?」

 

 

 

「い、いや...あのかっこいい名乗りをもう一度見たくてな...

 

あと1回だけやってくれないか?」

 

 

 

「.........」

 

 

 

『し、しまった...いくらバカでもさすがにこれには引っかから

 

 

 

 

「しっかたないな〜!

そんなに見たいならもう1回だけ見せてやるから、次はちゃんと見ておくんだぞ!

 

 

 

追跡!

 

 

撲滅!!

 

 

いずれも〜マッ

 

 

 

「死ねぃ!!!」

 

 

 

敵に煽てられて上機嫌になったマッハを、ドーパントはいきなりぶっ飛ばしたのだった。

 

 

 

「うわぁぁ!!」

 

 

 

マッハはその衝撃で後ろのコンクリートの塊に突っ込んでしまった。

 

 

 

「ぐぅ...な、名乗りの途中に攻撃してくるなんて、なんて卑怯なやつなんだ!」

 

 

 

「黙れぃ!そもそも敵にお願いされて隙を晒すやつなんざあるか!」

 

 

 

「た、確かに...

 

 

でももう容赦しないぞ!」

 

 

 

 

そういってマッハは立ち上がる。

 

 

だがドーパントも軽くジャンプしてまるでボクサーのような動きをとる。

 

 

 

「おりゃ!」

 

 

 

 

ゼンリンシューターで斬りかかるマッハだったが、カンガルードーパントはその軽い身のこなしでその攻撃を躱しつつ、隙ができたボディに左フックを入れる。

 

 

 

「グハッ!」

 

 

「フッ、遅いな」

 

 

 

ドーパントは勢いのまま連続でパンチを放つ。マッハはなんとか捌きつつ、ゼンリンシューターから光弾を発射して距離をとる。

 

 

 

「どうだ俺のパンチは。貴様の何倍もはやいぞ」

 

 

 

「...確かにいいパンチだ。

 

 

でも...俺の方が速いぜ!」

 

 

 

マッハはドライバーのレバーを連打する。

 

 

 

 

『ズーットマッハ!!』

 

 

 

すると音声と共にマッハは加速する。

 

 

 

そのあまりの速さにマッハを見失うドーパント。

 

 

「な、ど、どこだ!」

 

 

「後ろだ!」

 

 

マッハはドーパントをゼンリンシューターで斬りつける。

 

 

「ヌゥッ...!

 

貴様ァ!」

 

 

なんとかマッハを視界に捉えたドーパントはものすごい速さのラッシュを仕掛けてくる。

 

 

だがマッハはすぐに青いシグナルバイク-『シグナルカクサーン』をマッハドライバーに装填する。

 

 

 

 

 

『シグナルバイク!

 

 

シグナルコウカン! カクサーン!!!』

 

 

 

 

その力でマッハもカンガルードーパント睨まざるとも劣らずのラッシュを繰り出す。

 

 

 

「ハアアアアア!」

 

 

「ぬうううう!」

 

 

 

このままでは分が悪いと判断したのか、カンガルードーパントはラッシュの打ち合いを中断して上に飛び上がった

 

だがそれもマッハの計算の内だった。

 

 

 

 

『シグナルバイク!

 

 

シグナルコウカン! マガール!!』

 

 

 

マッハはシグナルバイク-『シグナルマガール』をマッハドライバーに装填し、ゼンリンシューターから光弾を放つ。だがその光弾はドーパントとは見当違いの方向に飛んでいく。

 

 

 

「どこを狙って...な、ぐわぁ!」

 

 

 

だが光弾はシグナルマガールの力により、その軌道を変えてドーパントに直撃したのだった。

 

 

 

 

「さぁ...これでフィニッシュだ!」

 

 

 

そう言ってマッハはシグナルマッハをゼンリンシューターに装填し、トドメの一撃を放とうとした、

 

 

 

 

その時。

 

 

 

 

 

 

「ガッ...!」

 

 

 

 

 

マッハの背中に鋭い痛みが走った。

 

 

 

「隙あり!」

 

 

 

 

カンガルードーパントはよろけたマッハに一気に接近すると、強烈な両足キックを放ち彼を吹っ飛ばした。

 

 

 

 

 

「ぐわぁぁぁ!!」

 

 

 

 

工場に積まれていたコンクリートに突っ込んだマッハ。

 

 

 

 

 

「な、何が...どうなって...

 

 

 

あ、あれは!」

 

 

 

 

 

マッハは驚愕した。カンガルードーパントの横には、まるでその子供のようなドーパントが立っていた。

 

 

 

 

「俺はカンガルーの力を秘めたガイアメモリを使った。カンガルーなら腹部の袋に子供がいるものだろう」

 

 

 

 

と勝ち誇ったような笑みを浮かべるカンガルードーパント。

 

 

 

「さぁ...終わりだな、『仮面ライダー』!」

 

 

 

 

大小2体のカンガルードーパントはマッハに挟撃を仕掛けてきた。

 

 

どちらかを対応すればどちらかに攻撃をされる。マッハは完全に劣勢に追い込まれていた。

 

 

 

 

「グッ!このぉ...」

 

 

 

『このまま2対1はやばい...

 

キケーンは工場が倒壊する危険性があるから使えない...どうする!』

 

 

 

「トォッ!」

 

 

「ガッ...し、しまった!」

 

 

 

カンガルードーパントの鋭い右ストレートがマッハの持っていたゼンリンシューターを叩き落とした。

 

 

 

「武器も無くなったな...これで本当に終わりだ!」

 

 

 

 

2体のカンガルードーパントの拳がマッハに迫る。

 

 

 

「クソっ...ここまでか...」

 

 

 

マッハが諦めかけたその時。

 

 

 

 

 

 

膝をつくマッハの横を2発の光弾が掠め、その光弾は大小2体のカンガルードーパントに直撃したのだった。

 

 

 

 

マッハが振り返るとそこには

 

 

 

 

「剛!!大丈夫!?」

 

 

 

マッハが落としたゼンリンシューターを手にして、彼に駆け寄る島風の姿があった。

 

 

 

 

「し、島風!

 

見張ってろって言っただろ!」

 

 

「だって中からすごい音がしたし、黙って待ってるなんてできないよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

それに...剛は私にとって一番大切な人だから」

 

 

 

 

「島風...」

 

 

 

 

剛は優しく島風の頭を撫でる。

 

 

 

「小娘が...邪魔をするなぁ!」

 

 

 

2体のカンガルードーパントがマッハと島風に迫る。

 

 

 

 

『こうなったら...一方の攻撃を凌ぎつつ、島風への攻撃も俺が食らうしかない!』

 

 

 

 

 

剛は覚悟を決めると、島風の前に立ち、大きいカンガルードーパントの攻撃をゼンリンシューターで防ぐ。

 

だがその背中を狙う小さいカンガルードーパントの攻撃は止められない。

 

 

 

だがそんな剛の考えが読めたのか、島風はマッハの背中を庇うように両手を広げる。

 

 

 

 

 

「島風!やめろ!」

 

 

 

 

「私の大切な人は...絶対に傷つけさせない!」

 

 

 

そして島風はその体に走るであろう衝撃に備えて目を瞑る。

 

 

だが

 

 

 

 

 

 

『メタル!! マキシマムドライブ!!』

 

 

 

 

 

 

メタルメモリを挿入され、ボディを硬質化したスタッグフォンが島風を小さいカンガルードーパントからの攻撃から守るかのように間に入った。

 

 

 

 

突然の出来事に目を白黒させる島風達。

 

 

そんな彼らの不意をつくかのように工場の入口から声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

「間一髪、ってとこだな」

 

 

 

 

そこには腰にロストドライバーを装着した翔太郎と島風たちと同じように驚きを隠しきれない明石が立っていた。

 

 

 

 

 

「て、提督...何がどうなってるんですか!?」

 

 

「まぁ落ち着けよ、明石。

 

 

にしてもありゃカンガルーの親子か?さしずめカンガルードーパントってとこか」

 

 

翔太郎は役目を果たしたスタッグフォンを手に取りながらドーパントの正体を当ててみせた。

 

 

「し、翔太郎!?」

 

 

 

いきなり現れた訪問者にマッハは驚いた。

 

 

 

「やっぱり剛か。大丈夫か?」

 

 

 

「すぐ逃げろ!こいつらは...

 

 

 

 

「さっきから邪魔ばかりしやがって...まずはお前から殺してやる!」

 

 

 

業を煮やしたカンガルードーパントは翔太郎に殴りかかろうとしてきた。

 

 

 

「て、ててて提督!」

 

 

 

「さてと...お仕置きの時間だな」

 

 

 

 

『ジョーカー!!』

 

 

 

翔太郎はジョーカーメモリを起動させると、腰につけているロストドライバーにメモリを挿入し、それを展開した。

 

 

 

 

 

『ジョーカー!!!』

 

 

 

 

その音声と共に翔太郎の体は『仮面ライダージョーカー』へと変わる。

 

 

そしてジョーカーは迫るカンガルードーパントをパンチ1発で吹き飛ばした。

 

 

 

 

「グガァッ!」

 

 

 

強烈な1発を見舞われたカンガルードーパントは勢いよく吹っ飛ぶ。そしてそこに小さい方のカンガルードーパントも駆け寄っていく。

 

 

 

 

「し、翔太郎...お前」

 

 

 

 

「なぁに、隠し事はお互い様ってことだ。

 

 

 

 

 

さぁ、カンガルー野郎!お前の罪を数えろ!!」

 

 

 

ジョーカーは左手の人差し指で倒れ伏しているドーパントを指さすと、そこに追撃を加えようとする。

 

カンガルードーパントはよろめきながらもその攻撃を避ける。

 

 

 

「オラ!逃げんじゃねぇ!さっきみたいに向かってきな!!」

 

 

ジョーカーの苛烈極まりない格闘に防御するのが精一杯になるドーパント。

 

 

だがそのジョーカーの背中を小さなカンガルードーパントが虎視眈々と狙っていた。

 

そしてジョーカーにドーパントが飛びかかろうとしたその時

 

 

 

「やらせるか!!」

 

 

 

マッハがゼンリンシューターから光弾を放ち、ドーパントの攻撃を妨害した。

 

 

 

マッハはすぐさまジョーカーの後ろに入り、小さいカンガルードーパントを蹴り飛ばした。

 

 

 

「背中は任せな」

 

 

「あぁ、任せるぜ」

 

 

 

2人は初めて共闘したとは思えないコンビネーションで2体のドーパントを追い詰めていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前に映るあまりにも非現実的な光景に明石は言葉を失っていた。

 

 

「な、何がどうなってるんですか...」

 

 

今自分の目の前にいるのは新聞に載っていたあの全身真っ黒な戦士である。

 

 

「青葉さんの捏造だと思ってたのに...

 

 

 

提督、あなたは本当に何者なんですか...?」

 

 

 

 

「剛と同じ『仮面ライダー』じゃないの?」

 

 

 

思考を巡らせる明石の横にはいつの間にか島風が寄り添っていた。

 

 

「島風さん...それに、『仮面ライダー』とは?」

 

 

「今目の前にいるじゃん。あの真っ黒けな方はよく分からないけど...きっとあっちもほとんど剛と同じだと思うよ」

 

 

「仮面...ライダー」

 

 

「剛もああやって戦えるようになるまですっごい頑張って修行してたからねぇ...

 

私と剛は2人で強くなってきたんだよ」

 

 

 

「もう私には何が何だか...」

 

 

 

そう諦めるように息を吐く明石。

 

 

 

 

『でも...これが終わったらちゃんとお話は聞かせてもらいますからね!』

 

 

 

 

明石はそう決めると、一旦島風と共に離れて見守ることにした。

 

 

 

 

 

 

だがジョーカーが戦闘に介入したことにより、戦局はあっという間にマッハ側に傾いていた。

 

 

 

「さてと...そろそろメモリブレイクといくか。

 

剛!でかい方の動きを止められるか?」

 

 

「それくらい世話ないぜ!」

 

 

 

 

『シグナルバイク!

 

シグナルコウカン! トマーレ!』

 

 

 

「な、何!うぉ...ぉ...う、動けん!」

 

 

 

マッハはゼンリンシューターから赤い光弾を発射し、それが大きいカンガルードーパントに直撃する。するとそれは『止まれ』の道路標識のようなオーラを発し、完全にドーパントの動きを止めた。

 

 

 

 

 

「さぁ、こいつで終わりだ!」

 

 

 

「追跡!撲滅!以下省略!」

 

 

 

 

『ジョーカー!!マキシマムドライブ!』

 

 

 

『シグナルバイク!マッハ!!

 

ヒッサツ!フルスロットル!!

 

マッハ!!!』

 

 

 

 

ジョーカーは右足に紫色のエネルギーを纏わせ、助走をつけてとびあがる。

 

 

マッハはジャンプするとタイヤのようにグルグルと回る。

 

 

 

「ライダーキック!!」

 

 

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

2人は掛け声を叫ぶと、ジョーカーは大きいカンガルードーパントに、マッハは小さいカンガルードーパントに必殺技を浴びせた。

 

 

 

 

「ぐぎゃあああああ!!!!」

 

 

 

 

カンガルードーパントからメモリが排出され、それは粉々に砕け散った。

 

 

 

 

 

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