そして相変わらずの何の捻りも無いサブタイトルで、個人的に面白くない。どうしたもんかね…(=ω=;)
「さてと、こんなもんか?」
居間に楽器を集める。ピアノはそもそも居間にあったからよかったが、その他(ギター、トランペット、バイオリン、コントラバス)を全て運んでくるのは、ミクが手伝ってくれたとはいえ、なかなか骨が折れた。しかし、これだけの楽器がうちの居間に並ぶこともなかなか珍しい。考えてみれば当前だ。今回はミクに俺の音楽スキルを見せることが目的だから例外として、基本的には俺一人しか楽器を弾かないんだから、普段はこんなに沢山の楽器を取り出す必要は無いのだ。改めて並んでいる楽器を見渡すと、「俺も随分楽器を弾けるんだなぁ…」と我ながら少し感心してしまった。
ちなみに、今回ベース、ビオラとチェロはパス。ベースは基本的にギターと同じだし、ビオラとチェロもそれぞれバイオリンとコントラバスにある程度似ているため必要ないと判断した。何より、倉庫から三つ楽器を取り出さなくていいというのはかなり嬉しい、個人的に。
「そういえばマスター、ギターってアコースティックとエレキどっちなんですか?」
「ん?どっちも行けるけど今回はアコースティック。アンプとかセットアップすんのもめんどくさいし」
「…そんなに面倒ですか?大した手間じゃないと思うんですけど…」
「大した手間なの」
「…」
ミクの白い視線を華麗に受け流しつつ、楽器の準備をする。
「まずどれから行っとく?」
観客(ミク・葵・海翔の三人)にリクエストがあるかどうかを聞いてみた。
「じゃあギターで」
「ピアノ」
「バイオリン」
…ものの見事に分かれたな。えっと、ミクがギター、葵がピアノで海翔がバイオリンか…ふむ。
「じゃあまぁとりあえずギターで」
「やたっ!」
「何でミクちゃん優先なのよ~、あたしと言う幼馴染の意見は?」
「そもそも最初に演奏会をしてくれと頼んできたのはミクなんだからミクの意見を優先するのは当然だろ。あと幼馴染だからこそ容赦なくお前の意見は無視だ」
「…前半はともかく、後半は納得いかないんだけど…まぁいいわ」
葵はグチグチ良いながらも渋々了承した感じ。対して海翔は「まぁそれが妥当だよね」なんて感じで快く了解してくれた。少しは見習えダメ幼馴染。
と言うわけで、まずはギター(アコースティック)。特に何を弾くとかは考えてなかったのだが…まぁ、知っている曲の中から適当に好きなのをチョイスして弾き始める。
ちなみに楽譜はいらない。基本的に一度しっかり練習した曲は指が弾き方を覚えてくれるので、楽譜を見ないで弾くことができる…というのが、実はちょっとした自慢だったりする。まぁ、覚えるまでに結構時間がかかるのはまだまだ鍛錬が足りないということなのだろう、きっと。
「…うん、やっぱうまいわよね」
「そうだね。まぁ比べる人がいないから実際どれくらいの腕前なのかは分からないけど」
「…」
葵と海翔がそれぞれの感想を述べている横で、ミクは静かに俺の演奏に聴き入ってるようだった。…なんかそんな真剣に聴かれるとちょっと緊張する、と言うか気恥ずかしい気がする。
とはいえ、嫌な緊張じゃない。ガチガチになってしまうような緊張じゃなくて、なんていうか、こう…「あぁ、ちゃんと聞いてくれてるんだなぁ」って伝わってくる感じで、普段より少し気合が入る。
そんなわけで心地よい緊張状態のまま、ギターで弾いてた曲を弾き終える。三人の拍手を受けて、また気恥ずかしさがこみ上げてしまったのを誤魔化すためにとりあえず一礼してみたりしてみた。
「マスター、上手じゃないですか!」
ミクは開口一番そう言った。
「そうかね?さっきそこの二人も言ってたみたいに比べる奴がいないから自分の実力なんて全然どんなもんか知らないけど」
「かなりうまいと思いますよ?」
ふ~ん…。まぁ音楽が本職の彼女が言うのならうまいのかもしれない。
「次は?どれがいい?」
「そうですね~…。じゃあバイオリンで」
「了解」
ギターを置き、バイオリンを手に取る。
やっぱり何を演奏するなんて考えてなかったので、とりあえずバイオリンで弾く曲の中でも一番印象に残っている「カノン」でも弾いてみる。
この曲に限って言えば、本当に楽譜も何も必要ないし、ほぼ何も考える必要も無い。お袋に習った初めての曲だったので指が完全に記憶してくれている…んだと思う。まぁ最初にカノンを教えるのもどうかと思うんだが…。
そんなことを苦笑しながら考えるほど余裕を持ったまま、演奏終了。
「バイオリンの腕のほうがギターより上っぽいですね、お母様から習ってたんですか?」
「そ、最初に習い始めた楽器でもあるしな」
「そうなんですか。よく楽譜無しで弾けますね」
「最初に習った曲だったからな、楽譜なくても体が覚えてるんだよ」
「…最初にカノンを教えるなんて無謀な気が…」
「だよなぁ…」
お袋は親父とかと比べるとはるかに常識人なのだが、こと音楽に関しては親父以上に変人な気がする。普段は息子である俺から見ても非の打ち所がないくらいいい人なんだけどなぁ…。
何てことを思い浮かべつつ、ミクと二人だけで会話を続ける。葵と海翔の二人は二人で先ほどの感想を述べ合っているようだった。
そんな調子で、残った楽器も全部演奏していった。クラシックだったり最近の曲だったりとノンジャンルで色々弾いたが、全ていわゆる「名曲」だったので、曲がわからない、ということはなかったはずだ。
トランペットをゆっくり口から話して、最後の一例をする。それを合図に、今までより一段階大きな拍手が部屋に木霊した。…しかし、ミクが微妙に浮かない顔をしているのがさっきから気になっているのだが。何ていうか…何かに納得していないような、そんな感じの表情だ。
「…ちょっと気になったんですけど」
「何?予想以上にヘタクソだったか?」
「い、いえいえそんな!むしろ逆で、予想以上に上手でビックリしました。…ただ、その…選曲についてちょっと物申したい事が」
「選曲?何か問題あったか?全部名曲だぞ?」
「いえ、名曲かどうかの問題じゃなくてですね…」
「じゃあ何だよ?」
「…どうしてボーカロイドである私の前なのに、一曲もボーカロイドのオリジナル曲を弾かないんですか?」
「…いや、だって俺ボーカロイドの曲なんて一曲も知らないし」
…沈黙。
…あれ、何だろこの空気。何かあんまよろしくない事を言ったような気がする。
「…え、じゃあ何ですか、マスター。私の活躍全然知らないんですか?」
「お前の活躍ではないだろ、あくまでお前の仲間の活躍であって」
「今は些細な問題です。まぁとにかく…良く分かりました」
「な、何だよ?」
…何故だろう、なんだか凄く嫌な予感がするんだが。
「どうやらマスターには、私の使い方とか曲の作り方とかそういうこと以前に色々知ってもらわなきゃいけないことがあるみたいですね」
「は、はぁ…」
な、何かミクが怖い。何だろアレ、口元には笑みが浮かんでいるように見えるが、顔全体で見るとむしろ怒っているように見える…何これ怖い、比較的マジで怖い。これからいったい何をする気なのか…考えたくないな。とりあえず今は「予想以上に上手でビックリしました」って発言を思い出していい気分に浸っていることにしよう、うん。
金曜日の午前中に、ちょっとトイレに行こうと部屋を出たら、鍵を持っていくのを忘れて部屋から閉め出されました。ルームメイトもその頃ちょうどクラスがあったせいで、2時間ほどパジャマで外をうろつく羽目に・・・おかげで午前中にあったクラスにも出席できず、偉い目にあいました…(´・ω・`)
やっぱり部屋を出る場合はどんな時でも鍵を携帯しなきゃダメですねw また一つ賢くなりました。
…いつものことながら、小説にも関係なければアメリカにも全然関係ないですねこれ。いいのかなぁ…?;;