ミクノポップ!!   作:YoShoki

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この話は、いかにボーカロイドが曲によってはどんなキャラにでもなれる、と言うのを表現したくて描いたんですが…ツンデレキャラ苦手なのか何なのかわかりませんが、書くのに一番時間が掛かったのを覚えてます(=ω=;)
まぁ、その分かなり楽しかったのも覚えてますがw


第12話 世界で一番お姫様

「…ター、マ…ター…!」

 

…何だろう、誰かの声が聞こえる。

 

「…スター、起き…さいってば!…マスター!」

 

この口調は…ミク?っていうか口調云々以前に、今この家で俺の名前を呼ぶ人物なんてミク一人しかいない。

 

「早く起きてくださいってば、遅刻しますよ!?」

「…んぅ…?」

 

薄目を開けると、少し怒ったような顔で俺の体を揺するミクの姿が目に入った。

…なるほど、どうやらミクは寝ている俺を起こしに来てくれたらしい。でも、ぶっちゃけまだ眠いからまだ寝てよう、遅刻したって別にどうでも良いし…。

 

「マスター?マスター!?…あぁ~もう!いい加減起きなさいって言ってんでしょぉっ!」

「うわああぁぁ!?」

 

突然脇腹辺りに激痛が走ったかと思うと、一瞬の浮遊感の直後に背中を鈍痛が襲う。

 

「いっつつつ…。な、何が…?」

 

混乱しから回復しようと、寝ぼけ眼を懸命に開いて周囲の状況を理解する努力をする。

場所はいつもの居間。隣にはソファーがある。…なるほど、状況は理解した。ソファーで気持ちよく寝てたところを叩き起こされたわけね、ソファーから蹴り落とすって言う荒業で。道理で脇腹辺りにズキズキとした痛みが響いているわけだ。

じゃあ次の質問は、一体誰が?…っつっても、この家にいるのは俺の他に一人しかいないので自ずと答えは見えてくるのだが…彼女がこんな事をするだろうか?

 

「…何しやがる」

 

俺は目尻に涙を浮かばせながら俺をなかなかの力技で叩き起こした犯人と思われるミクを睨みつける。普段の彼女ならすかさず謝罪の言葉を並べるところだが、

 

「『何しやがる』じゃない!」

 

…その日の彼女は、何かいつもと違った。

 

「…え?」

「『え?』でもないわよ!せっかく私がこうやって直々に起こしてあげてるのに起きないなんて、いったい何考えてるわけ!?しかも挙句の果てに文句ってどういうことよ!?そこは『起こしてくれてありがとうございます』って感謝するところでしょ!?」

「…えっと…お前誰だ?」

 

目の前にいるピンク色のパジャマに身を包んだこの()は、確かにミクだ。…見た目は。

何か口調やら態度やらが昨日までと全然違うような気がするんですが…?

 

「…はぁ?何言ってるの、まだ寝ぼけてる?…もう一発蹴りを入れなきゃだめなのかしら…?」

「…いや、そんな事は、ない、と、思う、けど…」

 

いかん、何か混乱しすぎて返答がたどたどしくなってる気がする。って言うか実際なってる。

 

「…まぁこの際どうでも良いわ、とりあえず奏、朝ごはん作ってよ」

「か、『奏』!?」

「…なによ、あんたの名前呼んだだけでしょ?」

「あ、『あんた』!?」

「…ねぇちょっと、ホントに大丈夫?何かおかしいわよ?熱とか病気とかじゃないわよね?」

「…ひょっとしたらそうかも…。っていうかさっきまで散々言ってた割には結構普通に心配してくれるんだな」

「なっ!?ななな、何言って…!か、勘違いしないで、あんたが病気だと色々困るでしょ!?ご飯も私が自分で作らなきゃいけないし掃除も洗濯も私の仕事になっちゃうし…と、とにかくあんたが病気になって一番被害をこうむるのは私なの!だ、だからそれを防ぐために早い段階でこうして確認を…!」

「わ、わかったからちょっと落ち着けって」

「誰のせいよバカァ!」

 

…少なくとも俺のせいではないと思うんだが。というか突っ込みどころが多すぎる、急にデレたと思ったらツンデレのテンプレ台詞を早口で捲くし立て、その割にはその台詞も意味不明と来た。ミクのさっきの台詞を解析すると、俺が病気なのが早々に判明すれば、ミクは仕事をしなくていいということになる。…仮に俺が本気で病気だったとして、「早い段階でそれを確認すること」がどうして「ミクが仕事をしなくていい」ということに繋がるのか。

というか、そんな冷静な分析と解説はともかく…おかしい。絶対におかしい。

昨日まであんなに他人行儀とまで思えるほど頑なに敬語やら「マスター」やらを使ってたのに、急に命令口調だし呼び方も下の名前呼び捨てと言う一番親しい呼び方使うようになりやがって…。

 

「…バグか?」

 

ありえない話ではないと思う。何てったって、CDの損傷のせいでボーカロイドにとって最も重要な歌を歌う機能を失っているのだ。多少性格に問題が起こったってなんら不思議ではない…?

…っていやいや不思議だろ。何だって急にそんな事になるんだよ

昨日ミクの歌色々調べるためにネット繋いだ時になんかウィルスにでも感染したか?…いや、ネットに繋いだのはパソコンだけだから感染するとしたらパソコンだけのはずだ。

じゃあなんだ、昨日なんか悪いもんでも食ったのか?昨日の夕飯は…カレーだ。ひょっとしてアレか、カレーアレルギーなのか。…んなわけあるか。いかんな、本格的に思考が意味不明になってる…。

…何はともあれ、とりあえず飯を作ろう。…尚も高速で何かを捲くし立てているあいつの機嫌がこれ以上悪くなる前に。

 

♪ ♫ ♬

 

「…うん、まぁ悪くないわね」

「…そりゃどうも」

 

素っ気無い口調を保ちながらも時折料理の味に顔を綻ばせるミクを観察しながら、俺も朝飯を口に運ぶ。すでにパジャマからいつもの格好に着替えている。

…こういうところは昨日までと同じなんだよな。まぁ素っ気無い感じは昨日とは違うけど、料理を食べるたびに幸せそうに笑うこの感じは昨日と変わらない。

ふと、パッと顔を上げたミクと目が合う。

 

「…何よ、物珍しいもの見るような顔して。ひょっとしてあれ?何かを食べている女の子を見るのがあんたの趣味なの?」

「そんな変態チックな性癖は生憎ながら持ち合わせてねぇよ」

「事実変態でしょ?」

「…特に反論はしないけど」

「…しないんだ…。と、とにかく、人のことばっか見てないで自分の食べなさいよ」

「ん、そうするわ。…って言うかさ」

「何よ?」

「さっきお前俺に『遅刻しますよ!』とか言ってなかったか?まだ1時間以上余裕があるんだが…」

 

ついさっき時計を確認した時、時刻はまだ6時ちょっとすぎだった。学校始まるのが8時で、家から学校まで歩きで15分なのでまだまだ全然余裕だ。

 

「言ったわよ?そうすればあんたが起きると思って適当に焦りそうな事言ってみたの」

「…そりゃまたどうして?」

「早く朝ごはん食べたかったから。まぁ最終的には全然起きなかったからソファーから蹴り落としたんだけどね」

「…左様でございますか」

「あぁ、ちなみに気付いてないなら教えてあげるけど、今日学校内わよ。日曜日だから」

 

その台詞に、とうとう頭をガクリと、本当にガックリと落とす。そりゃあもう、勢いがつきすぎて机に前頭部を強打してしまうくらい思いっきりガックリと。さすがの彼女も「…だ、大丈夫…?」と声をかけてくれたが、正直答える気にはなれなかった。

…自分が腹減ったからって他人を嘘までついて朝早くから…休日の(・・・)朝早くから、脇腹を蹴ってまで叩き起こそうとするだろうか?もうなんか、ツンデレってレベルでもない。なんだろう、横暴と言うかわがままと言うか…プリンセス?それも微妙に違う気はするが、まぁ一番しっくりくるかも。要するにお姫様気質ってことかね…?

痛む額と彼女の豹変ぶりによるストレスのせいで一気に食欲がなくなってしまった俺は、半分以上料理が残った皿を流しに運んだ。深いため息と共にソファーにドサッと座り込むと、いつもより早く起きた、と言うか強制的に起こされたせいで寝足りないのか、急激に眠気が襲ってきた。

 

「…悪いミク、ちょっともう一回寝かせてくれ。何かあったら起こしてくれていいから。ただし、今度は暴力無しな」

「え~…まったく、しょうがないわね。いいわよ、今日は何かあってもなるべく自分でやるから、ゆっくり休んでいいわよ」

「…そりゃどーも」

 

「さっきと言ってることとやってることが真逆だぞ」的な事を言い返そうとしたのだが、それ以上の眠気に負けておとなしく眠りに付く。

意識が途切れる直前、優しく微笑むミクの顔が見えた気がした。かすかにだが、「おやすみ」と、今までとは打って変わった穏やかな声も聞こえたように思う。

…って、そんなワケ無いか。今のミクが、そんな、優しい、わけ…。

 

♪ ♫ ♬

 

「…ター、マスター!起きてください、遅刻しますよ!?」

「…ぅん?」

 

体を揺すられる感覚がして、目が覚める。こんな光景をさっきも見たような気がするが、今度は脇腹に痛みがない。

 

「マスター、起きてくださいってば!」

「…ミク、おはよう」

「あ、はい、おはようございます…じゃなくて!急いで準備してください、もう遅刻しますよ!?」

「…今何時?何曜日?」

「木曜日の7時半5分前です、あと5分で学校始まりますって!」

「…学校は8時からだぞ」

「…え?ウソ?あ、えと、その…!」

 

一瞬キョトンとしたかと思うと、急に顔を真っ赤にしてあたふたとし始める。その様子が可笑しくて、「ぷっ」と噴き出してしまった。

 

「わ、笑いましたね!?元はと言えばマスターが時間通りに起きないからいけないんですよ!?」

「俺はいつもこの時間に起きてるだろ」

「い、いいえ!昨日はあと4分早く起きてました!」

「大差無いじゃん…」

 

…よかった、この敬語とか「マスター」とか使うくせになんだか全然敬われてる感じがしないこの雰囲気は、いつものミクだ。

…ってことはさっきのは何だったんだ?

 

「なぁミク、さっきのは何だったんだ?」

「…はい?」

「いや、だからさっきの妙に高飛車な態度とか命令口調とか『あんた』とか」

「…何の話をしてるんですか?」

 

…あれ?つー事は何か、さっきのは…夢?

まぁでも本人が覚えてないなら、多分そうなんだろうなぁ…。

 

「…マスター?なんか変ですよ、大丈夫ですか?」

「え?あぁ、大丈夫だよ。ちょっと変な夢見てただけだ」

「変な夢…ですか?」

「あぁ、なんかお前が妙に高飛車な態度取ったりお姫様体質だったり、とにかく変な夢だ」

「…それってもしかして」

「ん?」

「昨日私が教えた歌に思いっきり影響されてるんじゃないですか?」

「…」

 

確かに、言われてみればそんな感じの内容の歌があったような無かったような…。何だっけ、「ワールドイズマイン」だっけか?

…まぁでも新鮮で面白かったから、ぶっちゃけどうでも良いや。

ただ、あれはあれで可愛いような気がした。さすがにずっとあれだと疲れるような気もするが、たまにならあんなミクもいい…かな?

 

 

 

…散々辛い思いをさせられたのにそう思ってしまうと言うのは、なかなかにマゾい気もしないでもないが。




さぁさぁ、今週こそはありますよ大学生らしいエピソード!
金曜日の夜に、寮の皆とちょっとしたハイキングに行ってきました。建築学科の生徒たちが作った建築物が転々と並んでいる丘のようなその場所は、Architectural Graveyardと言う名前らしく、直訳で「建築物の墓場」って感じの意味ですね。そんな場所に夜中の12時頃に15~20人くらいで出かけて、ひたすらおしゃべりしてました。
それも楽しかったんですが、何よりすごかったのは夜空一杯の星ですよ。こう、都会の空からはどう足掻いても見えないくらいの量の星が所狭しと並んでいて、ちょっと感動しました。まさか歩いて20分くらいの所にあんな絶景スポットがあったなんて驚きもしましたね。流れ星も1分に1回くらいの感覚で落ちてて、もうホントに圧倒されちゃいました。

というわけで、そんなちょっと面白い体験をした一週間でした。な、何か今までに比べて凄いまともな話ができた気がする!w
これが毎週出来るといいんですが…;; ま、まぁ善処いたします; ではでは~♪

あ、どうでもいいですが今日11月11日、ポッキーの日ですね。ポッキーおいしいですよねポッキー、大好きですポッキー。この時期にPixivに投稿される「ポッキーの日」イラストを見るのが楽しみの一つだったりします。
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