ある平日の夜。もう少し具体的に言えば、先日里香に街を案内してやった日から4日後の夜。
「やっぱお兄ちゃん私で楽しんでるでしょ!?」
「いやいや、これも全てお前のためを思ってやったことだ。俺はお前が一刻も早く千歳家の一員として、そして俺の妹として馴染めるよう精一杯の愛を込めてだな…」
「仮に愛があったとしても限度があるよ!確かに最初こそそうだったかもしれないけど、途中からもう完全に遊んでた…って言うかほぼセクハラだったじゃん!」
「失敬な、俺は最初から最後まで真剣に取り組んでたぞ」
「真剣にやった結果がアレなら色々問題だよ!やった私も私だけど!」
「そうだそうだ、元はといえばお前が言い出したことだろうが。しかも俺は性格を提案しただけであって、行動まで指定した覚えは無い」
「そ、それは確かにそうだけど…!」
…ほんの数日前にちょっといいムードになって距離も少し近づいたかと思った俺と里香は、猛烈にケンカをしていた。いや、もう少し正確に言うならばケンカというよりは里香が一方的に俺にご立腹中なのだが…まぁ、今回ばかりは俺の悪ふざけが過ぎたと言わざるを得まい。その分得るものも大きかったけど。
事の発端は夕食が終わった後、ゴロゴロと居間でテレビを見ていた里香の何気ない一言だった…。
♪ ♫ ♬
「…ねぇ、お兄ちゃん」
「ん?」
テレビとソファーの間の空間にある床に寝転がってテレビを見るという少し特殊な体勢をとっている俺に、ソファーに座って至って普通の姿勢でテレビを見ている里香が声をかけてきた。首だけを里香のほうに向けると、自然と里香のことを地面と同じ高さから見上げる形になる。
…今これを読んでて「見えたっ!」とか思ってるやつら、残念だったな。里香は夕食が終わった後すぐにシャワーも浴びて歯も磨いき、まぁつまり現在彼女の寝る準備は万端なのである。つまり何が言いたいかというと…すでにスカートを脱いでおり、普通にパジャマを着ている。故に、今お前らが見えたと思っているものは、俺の目には入っていないっ!…本当に残念だ。
「…何かお兄ちゃんがまた変態さんみたいなこと考えてる雰囲気が…」
「気のせいだ」
「人が『気のせいだ』って言う時って大体図星を突かれた時だよね」
「ナンノコトヤラー」
「それも棒読みだし…」
「まぁ気にすんなって。それで、何か用か?」
これ以上掘り下げられるとバレてしまいそうだったので、やや強引に話を先に進める。やや釈然としない様子だったが、里香も話を進める。
「…妹萌えってあるじゃん」
「…まさか妹本人の口からそんな言葉が出るとは思わなかったが、まぁあるな」
予想だにしない質問が来たことに少し驚いた。って言うか何でそんな言葉知ってるんだ帰国子女…。後に知ったことだが、両親の仕事の都合で各地を転々としていたせいであまり仲のいい友達が出来なかった里香の趣味の一つが、いわゆる日本の「オタク文化」だったらしい。どっぷりハマったというわけではなくたまに嗜む程度らしいが、まぁ普通に そういう単語を出せる辺りそれなりには侵食されているのだろう。
「というか、さも俺も知ってて当然、みたいな感じで質問してきたな。俺が知らなかったらどうする気だったんだ?」
「え、いや、お兄ちゃんほどの人なら知ってるに決まってるよねって思ったんだけど」
「…その『お兄ちゃんほどの人』って言うのは決して褒めていないよな、むしろ若干貶してるよな?どうせ『お兄ちゃんみたいな根暗で変態でどうしようもない人なら絶対知ってるよね』みたいなニュアンスだったろ」
「うぇえ!?い、いやいや、そんなことないですよ!?」
「ハイ敬語入った、覚悟しろ」
「うぁ!?…い、今のはずるいよ!」
「知るか、言ったもんは言ったんだから甘んじて罰を受け入れろ」
そういいつつ立ち上がる俺を見て、ソファーに乗ったまま後ずさる里香。…こういういじめ甲斐…もとい、こういう面白いリアクションとってくれるからやめる気にならないんだよなぁ…俺は一向に構わんが。
ジリジリと逃げようとする里香のパジャマの裾を掴み、そのまま引っ張ってやろうとした所で、
「…何を、しているんですか?マスター…」
背後から聞こえてきた声を聞いて動きが止まる。体勢はそのまま顔だけで振り返ってみると、半分予想通り、そして半分予想外の姿でミクが立っていた。
予想通りだったのは、ポニーテールにした髪形と地味なエプロン。普段ならあまり目にしない格好だが、里香が来てから食器の片づけを当番制にしたので、ミクが当番の日の夜は毎回目にする格好だ。…まぁ、まだミクがこの格好をしたのは今日で2度目なので、新鮮っちゃ新鮮だが。ちなみにエプロンは俺が普段使っているものである。
そして予想外だったのが、ミクの表情。なんというか…怒ってる。ものすごく怒ってる。満面の笑みを浮かべてはいるが、俺の直感がそう告げていた。そういえばさっきの声も、地獄のそこから響くような、普段のミクからは想像できないような怖い声だったように思う。…とてつもなく嫌な予感がする。そして、手に持っているフライパンもなにやら凄く嫌な予感を加速させる。
「…な、何でそんなに怒ってるんだ?」
「…わかりませんか?」
「お、おう…」
「なら一度、冷静になって今の自分の状況を見直してみましょう」
視線は鋭いまま、尚も低い声で続けるミク。今の俺の状況って言ったって…えっと、
ソファーの上で、パジャマ姿で涙目の妹ににじり寄り、裾を掴んで引き寄せようとしていて、それは傍目には里香に覆いかぶさっているように見えなくもなくて…あれ?
「…あぁ、なるほど」
「理解できましたか?」
「ん、まぁある程度は」
「そうですか。それじゃあ今、自分の状況を返り見て一番最初に頭に浮かんだ単語を言ってみてください」
「…えーっと…あえてオブラートに包まないで言うのであれば…ご、強姦魔かな」
「…ま、マスターの…」
両手で持ったフライパンが、ゆっくりとミクの頭上に掲げられる。その動きは非常に緩慢だったが、それが逆に俺の恐怖心を煽る。しかし、自分の状況を飲み込んだときに死を覚悟した俺は、逃げるなどという真似はしなかった。そして、
「ばかああぁぁああぁ!!」
『バイィンッ』という少し間抜けな音を鳴らして、フライパンが俺の脳天を直撃する。殴られる直後、「あれ、フライパンで人って死ぬんじゃなかったっけ…?」なんて考えが脳裏をよぎり、俺は意識を手放した。
♪ ♫ ♬
「…で、いったい何を思ってあんなこと言ったんだ?」
30分後。ミクにフライパンで殴られた後意識を失った俺は、いつの間にかソファーに寝かされていた。目を覚ますなりミクに「謝罪と説教を同時に
「うん、実は昨日の夜冷静になって考えてみたんだけど、私って立場は一応義妹でしょ?」
「…まぁ、そうだな」
「今までは『義妹なんてアニメの中でだけの話だよね~』なんて思ってたんだけど、まぁ実際こうして義妹という立場になってみると…唐突にふと、『あれ、私って義妹としてキャラ弱すぎじゃない?』って思ったんだ」
「…いや、別に普通だと思うんだが。単純にアニメとかはキャラ付けのためにあえて色々キャラを濃くしてるだけで」
そもそも「超ネガティブ」とか「急に家族になった人物に対して消極的」とか、普通に義妹としてのキャラを全うしてるように思うんだが…。
「まぁ、それは確かにそうかもしれないけど、それでもアニメの妹たちを見習うことによって私も少しは本当の妹に近づけると思うんだ。だからさ、ちょっと実験してみようよ」
「実験?」
「お兄ちゃんは、私に『妹が取る萌え行動』を指示する。私はそれを再現するように頑張るから、お兄ちゃんはそれを採点…まぁ、実際に点数をつけなくてもいいけど、評価をつける。どう?本当の妹に近づくと同時に兄妹の絆を深める、まさに一石二鳥のこの作戦!」
最後にグッとガッツポーズをして演説を締めくくる里香。…こんなに生き生きした里香を見たのは今日この瞬間が初めてだ。きっと自分がアニメの登場人物になったみたいでテンションが上がっているのだろう、マイルドな中二病みたいなものだと思う。中二病と呼ぶには可愛らしすぎるような気もするが。
しかし、理論や考え方はとんでもなく
里香に無理難題を押し付けて、その反応を見て楽しむ。
言い方が少し変わっただけで、やること自体は別に変わっていないはずだ。俺は里香にやって欲しい行動などをリクエストし、それを見た上でどんなもんか評価する。ほら、里香の言っていたことと同じだ。
…まぁふざけるのはさておき、それを抜きにしても悪くないアイディアだとは思う。「焦らなくていい」とは言ったが早く家に馴染めればそれに越したことはないし、それに何より、本当に自分からこの家に早く馴染めるよう努力をしてくれているんだなぁ、ということがわかって嬉しかった。
「…ん、まぁいいんじゃないか?俺は別に異論はないけど」
「でしょ?よし、じゃあ早速始めよ!最初のお題は?」
「そうだなぁ…とりあえずオーソドックスに、ツンデレとか?」
「ツンデレかぁ…よし」
『コホンッ』と一つ咳払いをして、背筋をピーンと伸ばして姿勢を正す里香。…しかし、それ以降特に何かアクションを起こす様子は無い。
「…おい、里香?」
「ん?」
「ぇ…」
…何か声かけたら、思いっきり睨まれた。さっきの「ん?」もいつもの可愛らしい感じじゃなくて、ちょっと小生意気な感じの…あぁ。
「ひょっとしてもう演技モードに入ってるのか?」
「…演技とか何言ってんの?」
あぁ、これ完璧演技に入ってるわ。唐突に入るもんだから対応できなかった。
ということは、俺はこっから会話を繋げていかないといけないわけね…。
「いや、なんでもない。それより、今日は一日どうだった?」
「…何、どうしたの急に?」
「別にどうってわけじゃないが…まぁ、取り留めの無いただの会話だよ」
「…センスない会話作りだなぁ」
「…お褒めの言葉をどうも。で?」
何気にこいつ凄いな、ほんとになりきってるじゃんか。普段ならそんな悪態つけないだろ。って言うか本当に演技なんだろうな、実は内心そう思ってたりして…。
「一日どうだったって…別に何もあるわけないじゃん、ずっと家に篭ってたんだから。あんたはどうだったの?」
「…」
「…ちょっと、何でそんな苦虫を噛み潰した表情してるわけ?」
「…いや、別に。しかし、俺も別にそんなニュースになるようなことは無かったな…」
「なんだ、つまんないの。高校生なんだからもう少し面白かったり青春っぽいニュースあったりしないの?…ま、兄貴からそんなピンク色の話題が出てくるなんて思ってないけどさ」
「…」
…あれ、何これ、普通にムカつくんだけど。って言うか里香さん、これ演技?ホントに演技?何かもう、喋り方とか一つ一つの動作とか、とても演技とは思えないくらい真実味を帯びてるんですが…。って言うか全然デレが無いじゃん、ひたすらにツンじゃん!?
「…ま、まぁ兄貴にはあたしがいるし、そういうのはいらないのかもしれないけどさ…」
「え?」
「な、なんでもないわよ、バカ兄貴っ!」
そう言って勢い良く俺に背を向ける里香。しかし、発した一言を聞き逃してしまった俺にはその行動の意味がよくわからなかった。…やべ、比較的普通に落胆してて聞き逃したけど、何か今デレの一言を発したんじゃないか?ハーレム物の主人公みたいな瞬間的難聴みたいな状態になってしまった…。
と思ったら、里香が小さく息をついて振り向いた。顔にはいつも通りに戻ってる辺り、演技はとりあえず一旦終わったのだろう。
「…こんな感じ?」
「…悪い、最後本当に聞こえなかったんだけど、もう一回言ってくんない?」
「主人公はヒロインがコソッと言った台詞は知っちゃいけないものなんだよ?」
「…俺主人公だったんだ…」
しっかし里香のやつ生き生きしてんなぁ、本気で楽しんでいるのだろう…。
「って言うかお前演技上手すぎねぇ?途中割と本気で傷ついたんだが…」
「あ~、それは多分、昔から『もし私がこのアニメの登場人物だったら』って妄想して遊んだりしてたから、その影響かもね~」
「…痛い子?」
「なっ、そ、それは酷いんじゃない!?しょうがないじゃん、親の都合で色んな所転々としてたから友達少なかったし!」
「それは妄想をしていたことに対する言い訳にはならんのでは…?」
「と、とにかく!次は!?」
「え、じゃあ…さっきのツンデレで傷ついた心を癒すために、甘えんぼとか?」
「う、あ、甘えんぼかぁ…好意をダイレクトに伝えなきゃいけない分ツンデレよりハードル高いよね…よしっ」
先ほどと同じ上に、『コホンッ』と、さっきよりも若干大きめな咳払いをしてから、今度は満面の笑みを浮かべる。…多分、会ってから一番明るい笑顔だと思う。
「ねぇねぇ、おにいちゃん」
「ん?」
…すげぇな、声も少し変えてきた。何か滅茶苦茶甘くて高い、所謂アニメ声だ。そういえばさっきツンデレしてたときも声若干低くしてたし、超凝ってるな。素直に感心する。
「今日学校はどうだったの?」
「ん~、まぁ普通だったよ。そう毎日毎日面白可笑しなイベントがあるわけでもないしさ」
「そうなの?でも、高校生って凄いよね、大人って感じするし!」
「別にんなこと無いだろ、お前だって後2年で高校生だろ?」
「そうだけどさぁ、やっぱり憧れちゃうよ…それにそれに、『女子高生』って響きだけで大人でお洒落なイメージしない?」
「そりゃまぁ、実際大人だしな。お洒落は人によるんじゃないか?」
「ん~、そうなのかなぁ…?ちなみに、おにいちゃんはどっちが好き?中学生と高校生」
「どんな質問だそれ…そりゃ高校生のほうが好きだけど、って言うか中学生が好きなんて仮に事実でも言えるわけ無いだろ」
「…それってやっぱり女子高生さんの方が好きってことだよね?」
「…まぁ、その二択ならな」
「じゃあ私やっぱり早く女子高生になりたい!」
「…」
…やばい、普通に可愛いぞこいつ。ダイレクトに好意を向けられるって経験がレアすぎて耐性が無い分、若干自分で顔赤くなってるのを自覚してしまうくらい照れてる自分がいる。
「…あれ、お兄ちゃんひょっとして普通に照れてる?」
「ま、マスター!?実の妹に欲情なんて…変態だとは思ってましたけど!」
「…まずは実の妹じゃないし。そして欲情とか言うな、生々しい。…いや、って言うかそもそも欲情してないし」
素に戻った里香と後ろで氷を当て続けていたミクに色々と突っ込まれそうになったのを、冷静を装いつつも少し慌てて弁明を試みる。…が、あまり功を成していないっぽい。
「お兄ちゃん、そういう目的でやってるんじゃないんだからさ…」
「…何か里香さんが来てからマスターの変態度がどんどん上がって行ってる気がするんですけど…」
「つ、次のお題!えっと、えっと…や、ヤンデレ!」
「…そういう趣味もあるんだ、お兄ちゃん」
「…マスター、ドSと見せかけてまさかのドMですか…」
二人揃ってジト目を向けつつも、ミクは大人しく後ろに下がって、里香はどうも演技のスイッチらしい咳払いをしている。…何かあまり自体が好転しなかったどころか、いらぬ疑いをかけられてしまった気もするが、まぁこの際被害が拡大しなかっただけよしとしよう…。
「お兄ちゃん、今日の学校はどうだった?」
「他に話題は無いのか…?まぁ、普通だったよ。別に特別なことも何も無かったし」
「ふぅん…。変な女の子に告白とかされなかった?」
「そんな面白嬉しいイベントは無かったよ」
「そっか、よかった…。お兄ちゃんかっこいいから、モテちゃうんじゃないかと思っていつもヒヤヒヤするんだよね…」
「かっこよければとっくに彼女がいるっての」
「…うん、やっぱりお兄ちゃんは他の女がいいんだね。やっぱり…これは、矯正しないとダメだね」
「…矯正?」
ヤンデレの割には随分ソフトな感じだなぁ、と思っていると、急に里香が体をこっちに向けてにじり寄って来た。後ろにはソファーの肘置きがあるので、これ以上下がれない。数秒もすると今までに無いほどの近距離まで接近された。
「…あの、里香さん?近いんですけど…」
「…お兄ちゃんは、私だけを見てればいいの…」
少し焦点を失っている里香の瞳が、どんどん目前に迫る。後コンマ数秒もすれば顔の一部分が接触してしまう、と言うギリギリのところで、
「だ、ダメーッ!」
ミクの叫び声が耳元で大音量で鳴り響く。そこでようやく、同時に事態を完全に把握した俺と里香が高速でお互い距離をとる。…いくら兄妹とはいえ、これは赤くなるだろ、お互いに。
「ご、ごごごごゴメンお兄ちゃん!ちょ、ちょっとなりきり過ぎてた!」
「い、いや、大丈夫…」
気まずい空気が流れる。お互い照れまくって一言も発さない中、ミクだけが荒い呼吸を繰り返している。
「…ミク、大丈夫か?」
「えっ!?な、なんですか?」
「いや、何か息が荒いから…どうした?」
「…わ、わかりません…」
それだけ言って俯いてしまうミク。…どうしたのかが気になるが、何かこれ以上聞いても全部誤魔化されるか、もしくは本当にわからないのかもしれない。しかし、とりあえずこの気まずい空気を何とかせねば…と、混乱した頭でそんな高難易度な事をしようとしたのが、俺の運のつきだった。
「り、里香!次のお題!」
「え?あ、うん、何!?」
「えっと…あ、兄を誘惑しようとする子悪魔的な妹!」
「…」
「…」
「…」
…とてつもない沈黙が流れた。さっきの沈黙とは比べ物にならないくらい、俺のアウェー感が半端無い。「あ、やっちまった」と自覚したときには、里香が猛烈な勢いで俺に迫ってきていた。
「やっぱお兄ちゃん私で楽しんでるでしょ!?」
「いやいや、これも全てお前のためを思ってやったことだ。俺はお前が一刻も早く千歳家の一員として、そして俺の妹として馴染めるよう精一杯の愛を込めてだな…」
「仮に愛があったとしても限度があるよ!確かに最初こそそうだったかもしれないけど、途中からもう完全に遊んでた…って言うかほぼセクハラだったじゃん!」
「失敬な、俺は最初から最後まで真剣に取り組んでたぞ」
「真剣にやった結果がアレなら色々問題だよ!やった私も私だけど!」
「そうだそうだ、元はといえばお前が言い出したことだろうが。しかも俺は性格を提案しただけであって、行動まで指定した覚えは無い」
「そ、それは確かにそうだけど…!」
こんなときばっかりなぜか冷静に相手を言い任せられる自分の頭に感心しつつ、ひとまずこの場が納まりかけたことに安堵してため息をつく。その時、
「…マースータアアアァァァ…?」
背筋が凍った。悪寒とか嫌な予感とかそういうチャチなもんじゃねぇ、もっと恐ろしい物の片鱗の…ってんな事やってる場合じゃねぇ!
慌てて振り向くと…先ほどのデジャビュだった。ものすごい笑顔のミクと、手に握られたフライパン。…今度は冗談じゃなく、本気で死を覚悟した。
「いい加減に、しなさあぁああぁい!」
両手でフルスイングされたフライパンにコメカミ部分を殴られ、俺の意識は闇に堕ちた。
さて、今週の大学での出来事…なんて余裕ないです、超キツイです。取ってるクラスが苦手科目ばっかりで、こうやって小説を毎週更新するのも正直ギリギリなレベル…そんな時期に何故わざわざ書き下ろしを書いたのか…;;
なので、申し訳ありませんが今回は特に後書きに書くことが無いです、すみません。あと、ここ最近ずっとそうだったので今更かもしれませんが、ひょっとしたら時間通りに更新できず、場合によっては数日更新が滞ってしまう可能性がありますが、そうなってしまった場合は申し訳ありませんが、ご了承ください…。なるべくそうならないようには頑張ります!ではでは!